メーデー、愛してる
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「何のんびりしてんだぁー?!もう試験は始まってるぞ!!」
筆記試験を終えて実技試験に早速来ていた。筆記試験までは制服っぽいシャツとかスカートを履いていたけど今は動きやすいジャージに着替えている。筆記試験の手応えは……正直出来たと思う。証明問題とかそういう説明するやつが少なくてよかった。ああいうのは苦手なんだよ。なにを説明すればいいかわからん。
ひざしクンの合図があっても飛び出さない他の人たちを置いて先に街並みを模した試験会場の中心を目指す。
目の前に現れたロボットを片っ端からちぎっては投げちぎっては投げ、時々瓦礫に困ってる人の瓦礫をどかし……もう何ポイントとか計算しちゃいない。ただひたすらに倒し続けていると大きな音と揺れが響いてきた。
音がした方を向くとお邪魔虫の0ポイントが所狭しと通りを破壊しながら動いていた。
「いや……デカすぎでしょ……」
ポイントにならないなら倒す意味もないと他のロボットを探す。少しでもポイントを稼いで合格に近づきたい。
「いった……」
ふと、声が聞こえた方を見ると耳が特徴的な女の子がロボットの壊した大きな瓦礫の下に足を挟まれているようだった。ロボットの進行方向はそんな動けない彼女の方。
「……っ!危ない!」
瓦礫を錬成して退かすが、足を怪我しているみたいで歩くのは難しそう。ロボットの進むスピードは落ちない。これ本当に試験かよ危なすぎる。
「ウチはいいから逃げて……!」
「こんな状況で置いていくなんて出来るわけないでしょう!?」
女の子を背に目前のロボットに対峙する。瓦礫を錬成して分厚い壁を錬成してみるけれどすぐに突破された。代わりに大きな棘を大量に錬成して刺してみると穴は空いたけど動きは止まらない。それならばと、ロボットの足ごと錬成して数秒だけ隙を作る。その間に空気に含まれている水蒸気をロボットの内側で氷に錬成して凍らせた。ロボットで良かった。うまく熱を逃がせず少し装甲が溶けてしまってる。が、ロボットは動きを止めてくれた。
ほっと息をついたのも束の間、ロボットの腕がこちらを捕まえようと伸びてきた。彼女を捕まえさせる訳にはいかない。両の手を合わせ錬成を。ロボットの手だけでも分解してしまえば。
「試験終了!!!」
アナウンスが聞こえたその瞬間、気が抜けてその場に座り込んでしまった。後ろに庇った女の子もとりあえずは無事だ。良かった。
「あんた……すごいね。これどうやったの?凍ってるし溶けてる……?」
「えっと……空気中の水蒸気を使ってロボットの中で凍らせたの。溶けてるのは凍らせる時に奪った熱のせい。ロボットだからいいけどほんとはもっと考えなきゃね」
「……すごい。助けてくれて本当にありがとう。ウチの個性じゃあれは倒せなかったから」
「どういたしまして。もし良かったら肩貸すけど歩けそう?」
「あーっと……ごめん。貸してくれると助かる」
女の子は少し困ったように頬を掻いた。その子を連れてそのまま出張保健室のような所に向かう。向かいながらその子と少しだけお互い受かってるといいねなんて話していると保健室についた。中にいたおばあちゃんにお願いして、なぜかくまのグミをもらって私はそのまま帰った。このグミ美味しいな、後で教えてもらいたい。
同い年の子がこんなにいるなんて正直落ち着かなかったし、緊張したけど久しぶりに戦えて少し楽しかった。改めて、戦いばかりだったアメストリスにいた頃に比べると鈍ってしまってることにも気づけた。それと少しだけだけど女の子と話せたのも嬉しかった。あんなお友達が欲しくなる。本当に私もだけどあの子も受かってたら嬉しいなぁ。連絡先交換とかそういうのしてみたい。
また時間はあっという間に流れ、今日辺りに高校受験の合否判定が届く。試験というものはどうしてこうもそわそわしてしまうのだろう?何が変わる訳でもないけど落ち着かない。ここがアメストリスだったらエドに既にキレられてる位にはそわそわうろうろしてる。
…………ダメだ。待てない。私は待てない子なんだよ。
大好きな錬金術の研究でさえ、集中しきれない。これは大問題だ。今までだったら研究を始めたら不眠不休で3日とか過ぎてるのに、気づいたらそうなってただけだけど。
しっかり準備をして挑んだ国家錬金術師の定期査定の結果を待ってるみたいだ。まぁ護衛を始めてからはそんな真面目に提出しなくてもいいって分かったからむしろ出し忘れそうになっていたけど。あの時のそわそわにとても似ている。
部屋着の上からパーカーを羽織ってエントランスのポストに向かう。エレベーターなんて待てなくて階段を滑るように駆け下りる。いつもはてきとーに流れであけてるポストがこんなにも開けにくいものになるとは。緊張して深呼吸を何回かする。
……届いてる。
「マジか」
封筒を手に急いで部屋まで戻って玄関で転けそうになりながらも靴を脱ぎ飛ばしてリビングのソファに座る。封を切ると丸い機械が出てきた。
「私が投影された!!!」
「うわっ!?オールマイトサン??」
「フォーサイト少女!おめでとう!君は見事入試を特待生枠で合格だよ!筆記試験は満点!カンニングを正直疑われてたけど君にはそんな個性もないからね!大事にならずに文句なしの満点だ!実技は108ポイントと一般試験1位通過の爆豪少年と33ポイント差だ!ちなみに、ヴィランポイントが76でレスキューポイントが32ポイントさ!素晴らしい!雄英初の特待生枠合格おめでとう!!4月からここで私は教師として君を待っているよ!さぁここが君のヒーローアカデミアだ!!」
受かった……受かった!!!!
なんだかいっぱい言われたけど正直ちゃんと聞けてない。兎にも角にも特待生枠での合格ができた。嬉しい。もう詳しいことは後からしょーたサンとひざしクンに聞こう。
雄英の特待生枠は学費がうんと安くなる。私みたいな保護下の人間は国のお金を使っているようなもんだから安いに越したことはない。ただ特待生枠のハードルがえげつないくらい高いだけ。でも受かった。よっしゃ!
ソファでじたばたと喜びを噛み締める。学校なんて初めてだ。学校てどんな所だろう?制服ってのを日本では着るらしいけどどんなのかな?どんな子が他にいるのかな?あぁ、勉強を1番よく教えてくれたしょーたサンやひざしクンに報告したい。教師だから知ってるだろうけど。
しょーたサンが帰ってくるのを待てなくて、何かあった時用にと渡されたしょーたサンの家の鍵を持って靴をひっかける。しょーたサンにひざしクン連れて帰ってとメッセージもして勝手に部屋で待ってることにした。そして塚内さんにもメッセージを送った。警察の人たちはとてもお世話になったからね。
その後メッセージに部屋にいることにびっくりして急いで帰ってきたしょーたサンとひざしクンがお祝いにと外で美味しいご飯を食べさせてくれた。個室の今まで行ったこともないような高そうなお店だったせいで緊張した。けど、料理はどれも初めて見たようなものばかりでその全てがあまりにも美味しくて始終頬が緩みっぱなしだった。
帰れない間はちょっとだけ楽しんでも……いいよね?ちょっとだけだもの。だってすぐに帰るから。あぁ、この世界に慣れてきてしまっているな、こんなこと考えてしまうなんて。
筆記試験を終えて実技試験に早速来ていた。筆記試験までは制服っぽいシャツとかスカートを履いていたけど今は動きやすいジャージに着替えている。筆記試験の手応えは……正直出来たと思う。証明問題とかそういう説明するやつが少なくてよかった。ああいうのは苦手なんだよ。なにを説明すればいいかわからん。
ひざしクンの合図があっても飛び出さない他の人たちを置いて先に街並みを模した試験会場の中心を目指す。
目の前に現れたロボットを片っ端からちぎっては投げちぎっては投げ、時々瓦礫に困ってる人の瓦礫をどかし……もう何ポイントとか計算しちゃいない。ただひたすらに倒し続けていると大きな音と揺れが響いてきた。
音がした方を向くとお邪魔虫の0ポイントが所狭しと通りを破壊しながら動いていた。
「いや……デカすぎでしょ……」
ポイントにならないなら倒す意味もないと他のロボットを探す。少しでもポイントを稼いで合格に近づきたい。
「いった……」
ふと、声が聞こえた方を見ると耳が特徴的な女の子がロボットの壊した大きな瓦礫の下に足を挟まれているようだった。ロボットの進行方向はそんな動けない彼女の方。
「……っ!危ない!」
瓦礫を錬成して退かすが、足を怪我しているみたいで歩くのは難しそう。ロボットの進むスピードは落ちない。これ本当に試験かよ危なすぎる。
「ウチはいいから逃げて……!」
「こんな状況で置いていくなんて出来るわけないでしょう!?」
女の子を背に目前のロボットに対峙する。瓦礫を錬成して分厚い壁を錬成してみるけれどすぐに突破された。代わりに大きな棘を大量に錬成して刺してみると穴は空いたけど動きは止まらない。それならばと、ロボットの足ごと錬成して数秒だけ隙を作る。その間に空気に含まれている水蒸気をロボットの内側で氷に錬成して凍らせた。ロボットで良かった。うまく熱を逃がせず少し装甲が溶けてしまってる。が、ロボットは動きを止めてくれた。
ほっと息をついたのも束の間、ロボットの腕がこちらを捕まえようと伸びてきた。彼女を捕まえさせる訳にはいかない。両の手を合わせ錬成を。ロボットの手だけでも分解してしまえば。
「試験終了!!!」
アナウンスが聞こえたその瞬間、気が抜けてその場に座り込んでしまった。後ろに庇った女の子もとりあえずは無事だ。良かった。
「あんた……すごいね。これどうやったの?凍ってるし溶けてる……?」
「えっと……空気中の水蒸気を使ってロボットの中で凍らせたの。溶けてるのは凍らせる時に奪った熱のせい。ロボットだからいいけどほんとはもっと考えなきゃね」
「……すごい。助けてくれて本当にありがとう。ウチの個性じゃあれは倒せなかったから」
「どういたしまして。もし良かったら肩貸すけど歩けそう?」
「あーっと……ごめん。貸してくれると助かる」
女の子は少し困ったように頬を掻いた。その子を連れてそのまま出張保健室のような所に向かう。向かいながらその子と少しだけお互い受かってるといいねなんて話していると保健室についた。中にいたおばあちゃんにお願いして、なぜかくまのグミをもらって私はそのまま帰った。このグミ美味しいな、後で教えてもらいたい。
同い年の子がこんなにいるなんて正直落ち着かなかったし、緊張したけど久しぶりに戦えて少し楽しかった。改めて、戦いばかりだったアメストリスにいた頃に比べると鈍ってしまってることにも気づけた。それと少しだけだけど女の子と話せたのも嬉しかった。あんなお友達が欲しくなる。本当に私もだけどあの子も受かってたら嬉しいなぁ。連絡先交換とかそういうのしてみたい。
また時間はあっという間に流れ、今日辺りに高校受験の合否判定が届く。試験というものはどうしてこうもそわそわしてしまうのだろう?何が変わる訳でもないけど落ち着かない。ここがアメストリスだったらエドに既にキレられてる位にはそわそわうろうろしてる。
…………ダメだ。待てない。私は待てない子なんだよ。
大好きな錬金術の研究でさえ、集中しきれない。これは大問題だ。今までだったら研究を始めたら不眠不休で3日とか過ぎてるのに、気づいたらそうなってただけだけど。
しっかり準備をして挑んだ国家錬金術師の定期査定の結果を待ってるみたいだ。まぁ護衛を始めてからはそんな真面目に提出しなくてもいいって分かったからむしろ出し忘れそうになっていたけど。あの時のそわそわにとても似ている。
部屋着の上からパーカーを羽織ってエントランスのポストに向かう。エレベーターなんて待てなくて階段を滑るように駆け下りる。いつもはてきとーに流れであけてるポストがこんなにも開けにくいものになるとは。緊張して深呼吸を何回かする。
……届いてる。
「マジか」
封筒を手に急いで部屋まで戻って玄関で転けそうになりながらも靴を脱ぎ飛ばしてリビングのソファに座る。封を切ると丸い機械が出てきた。
「私が投影された!!!」
「うわっ!?オールマイトサン??」
「フォーサイト少女!おめでとう!君は見事入試を特待生枠で合格だよ!筆記試験は満点!カンニングを正直疑われてたけど君にはそんな個性もないからね!大事にならずに文句なしの満点だ!実技は108ポイントと一般試験1位通過の爆豪少年と33ポイント差だ!ちなみに、ヴィランポイントが76でレスキューポイントが32ポイントさ!素晴らしい!雄英初の特待生枠合格おめでとう!!4月からここで私は教師として君を待っているよ!さぁここが君のヒーローアカデミアだ!!」
受かった……受かった!!!!
なんだかいっぱい言われたけど正直ちゃんと聞けてない。兎にも角にも特待生枠での合格ができた。嬉しい。もう詳しいことは後からしょーたサンとひざしクンに聞こう。
雄英の特待生枠は学費がうんと安くなる。私みたいな保護下の人間は国のお金を使っているようなもんだから安いに越したことはない。ただ特待生枠のハードルがえげつないくらい高いだけ。でも受かった。よっしゃ!
ソファでじたばたと喜びを噛み締める。学校なんて初めてだ。学校てどんな所だろう?制服ってのを日本では着るらしいけどどんなのかな?どんな子が他にいるのかな?あぁ、勉強を1番よく教えてくれたしょーたサンやひざしクンに報告したい。教師だから知ってるだろうけど。
しょーたサンが帰ってくるのを待てなくて、何かあった時用にと渡されたしょーたサンの家の鍵を持って靴をひっかける。しょーたサンにひざしクン連れて帰ってとメッセージもして勝手に部屋で待ってることにした。そして塚内さんにもメッセージを送った。警察の人たちはとてもお世話になったからね。
その後メッセージに部屋にいることにびっくりして急いで帰ってきたしょーたサンとひざしクンがお祝いにと外で美味しいご飯を食べさせてくれた。個室の今まで行ったこともないような高そうなお店だったせいで緊張した。けど、料理はどれも初めて見たようなものばかりでその全てがあまりにも美味しくて始終頬が緩みっぱなしだった。
帰れない間はちょっとだけ楽しんでも……いいよね?ちょっとだけだもの。だってすぐに帰るから。あぁ、この世界に慣れてきてしまっているな、こんなこと考えてしまうなんて。