メーデー、愛してる
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朝8時半、ついに動き出した。刑事さんが死穢八斎會の門のインターホンを鳴らそうと最終確認をしてから手を伸ばす。その時、重そうな門が内側から破られた。
「何なんですかァ朝から大人数でぇ……」
衝撃で警察官が何人か吹き飛ばされていく。急いで足場を創りつつ向かうとしょーたサンや緑谷クンも助けに行っていた。警察官の安全を確かめて入口はリューキュウサンに任せて私たちは中へ進んだ。
「お茶子!梅雨ちゃん!無理しないでね!」
「梅雨ちゃん、麗日!頑張ろうな!」
「また後で!」
ここで別れる2人に声をかけて私たちは前に進んだ。行く手を阻むように多くの人たちが私たちに立ち向かってくる。時間稼ぎの捨て駒のようだ。表は担当のヒーローと警察官たちに任せて私たちはドアへ向かった。
「火急の用や!土足で失礼するで!!」
怪しいとか言うレベルの話ではない様子にみんなが不安を覚える。情報が漏れたかと思いきや普段から言われていたのだろうとのこと。治崎や幹部は今頃逃げる手筈を整えているんだろう。その言葉を聞いた切島クンが漢らしくねぇと声を荒らげた。そして1つの壁の前でナイトアイサンが立ち止まった。そして花瓶を退けて板を推していく。するとゆっくり壁が動き出し―――中から男が複数人出てきた。その瞬間ナイトアイ事務所の2人が対応する。そのまま私たちは先の階段を降りていくと行き止まりだった。
「俺、見て来ます!」
ミリオ先輩が頭だけ透過して先を見ると道は続いていらしい。ただ、かなり分厚い壁らしい。壁なんて、私にはあってないようなものだ。自然と口角が上がってしまう。そして両の手を勢いよく合わせ壁を分解、そして左右の道の壁へと再構築した。
「ドアとかみたいカッコよくした方がよかったです?」
後ろを振り返りながら声をかけるとなにやら構えた格好をしている切島クンと緑谷クンが。あっもしかして邪魔しちゃった……?なんて思いながらごめんねと声をかけるとははっ流石フォーサイトさん早いやと言われてしまった。
「シリウス、行き止まりは率先してなくしてくれ。デクに烈怒頼雄斗 は今は温存しておけ。これからなにがあるかあわからない」
「「「はい!」」」
その瞬間、先に広がる道が、壁がうねり出した。刑事さん曰く入中という人の個性。だけど規模がおかしいらしい。かなりキツめのブーストをしたのではないかとのこと。
「モノに入り自由自在に操れる個性……擬態!地下を形成するコンクリに入り込んで"生き迷宮"となっているんだ……!」
しょーたサンの抹消を使おうにも本体が見えないことには使えないようだ。道を変えられ続けたら女の子を救うどころか僕たちまで……!と天喰先輩が口にしたところでミリオ先輩が励ました。そして俺は行けると透過をして先に進んでしまった。
「先に向かっています!」
すぐその後に床に穴が開いて私たちヒーローは広間に落とされた。そこには3人の男が。背中に背負っていた銃を取り出して構える。すると天喰先輩が1人前に出た。
「こんな時間稼ぎ要員、俺1人で充分だ」
そんな天喰先輩に切島クンが協力しましょうと声をかける。しかし結局ファットさんの指示で天喰先輩に任せて私たちは先に進むことになった。正直心配だけどあの人が強いことは戦っているところを見たことがない私でも分かる。ファットさんも任せるしかないと言っているし信じて私は私に出来ることをしようと気合を入れ直した。
広間を出た先には少し道があってまた広間があった。向かいには既にドアが見えている。全員が入ったところで突然ドアが閉まった。
「ひっさしぶりだなぁハル!元気してたか?またエミリアに会ってくれよ!遊びたがってんだ姉ちゃんとさ」
懐かしい声が聞こえたと同時に私の体は反対側の壁まで吹っ飛ばされた。周りから私の名前を呼ぶ声が聞こえる。衝撃は免れないけど少しだけでも受身をとって軽減する。緑谷クンや切島クンが駆け寄って来てくれている中、私は反対側を睨みつけていた。
「久しぶりだね。神野ぶりかな?エンヴィー。私のパパの姿やめてくれない?」
手に持っていた銃をすぐに構えて照準を合わせる。頭、右腕、右肩に1発ずつ。途中で避けられて頭から狙いが外れてしまった。3発頭に入れる予定だったのに。ロックロックさんがなんで殺した!と叫んでいるけどしょーたサンが止めてくれて辺りは沈黙に包まれた。ファットさんやしょーたサンがエンヴィーから離れたのを確認して口を開く。
「いつまで寝てるの?どうせ分かってるんだから起きなよ。なんでここにいるの?あと早く自慢の若い姿か本体に戻って」
「――――――ほんっとに容赦ないよなぁ彗星ちゃんは」
頭に穴を開けたまま私のパパ――ヒューズさんの姿をしたエンヴィーが起き上がる。後ろで息を飲む音が聞こえた。早く戻ってという気持ちを込めて再び銃を向けるとすぐにいつもの姿に戻った。
「ここは私に任せて先へ進んで下さい」
「おいシリウスこいつ死なんのか!?」
「死にますよ……いつか。でもこんな所で話してる場合じゃないはずです。必ずこいつは止めるので」
「……任せたぞシリウス。死ぬな分かったか」
「了解イレイザー。デク、烈怒頼雄斗 、頑張ってね」
壁を錬成してドアを新しく創る。蹴りを入れてくるエンヴィーをいなしながら全員が広間から出ていくのを邪魔させないようにする。……ん?何かおかしい…………そういうことか。エンヴィーの攻撃を避けながら全員が広間から出たのを確認すして、エンヴィーから距離をとった。
「なんでここにいるの?ヴィラン連合」
「ちょっとした出張ってやつだよ。興味ないけどね」
「それで?私に会った理由は?」
戦いながらこいつが本気じゃないことには気づいた。戦いが得意な方ではないとはいえ違和感が拭えなかった。実際問いかけるとエンヴィーは嬉しそうな顔をしてまた話し始めた。
「そう!ちょっと等価交換といこうか錬金術師」
「……内容は?」
「情報さ。聞きたいことがある」
「……なに?」
前までだったら確実に聞いてないで生け捕りでもなんでもしようとしてたと思う。どちらかと言うと倒そうとだけど。でも……今こっちの世界に来ている人は少ない。それも私は1人だ。こいつにはキンブリーがいる。我ながら丸くなったと思いながらエンヴィーの声に耳を傾けた。
「あっちの奴に会った?こっちは除いて」
「……ホーエンハイムさんに。もういないけど」
「ふーんそっかそっかならいいや!それだけ!彗星ちゃんの質問どーぞ!」
「え?それだけ?」
「うんそれだけ」
「私何も聞けないじゃんそんなの」
「知らないよそんなこと。ほらどーぞ!」
「…………なぜヴィラン連合に?」
「利害の一致ってやつだよ。どうせ抜ける」
「……そう抜けてからは?」
「さぁ?どうなるんだろうね?」
ニタァと不敵に笑うエンヴィーにこれ以上教えてはくれないなと諦める。それからすぐに勝手に抜けてきたんだよね。怒られちゃうから戻るわとか言ってあっさり帰っていってしまった。なんなら頑張れなんて敵とは思えないセリフまで吐いて。捕まえなきゃとも思ったけど今は女の子の保護が先だ。優先順位を見紛うな。こんな時ヤオモモみたいに発信機でも取り付けられたらと1人舌打ちをして先に進んだ。
物が壊れる音が、激しい戦闘音が聞こえる方へ走っていく。壁の1枚向こうで戦いが始まっている。銃を片手に気を張り直して前を向く。壁を錬成して穴を開けるとちょうどナイトアイサンの後ろだった。オーバーホールが作った棘がすぐ側まで。急いで引っ張って自分が前に出る。手のひらを合わせてすぐに棘に触れて分解させた。
「シリウス……!?」
「遅くなりました。すみません。怪我はありませんか?」
来るのが一足遅く、ナイトアイサンの脇腹からは血が流れている。止血をしようとしたその時、反対側の壁の穴から見えたのは倒れたミリオ先輩の傍から顔を出している女の子――エリちゃんがいた。
「望んでない……!」
「何で……!駄目だ!先輩と一緒にいるんだエリちゃん!!」
あぁこの子は誰かが傷つくのを見たくないんだ。そんなエリちゃんの前まで飛んで行ってすぐに抱きしめる。ビクッと揺れる肩を無視して目線を合わせる。
「はじめまして!貴女がエリちゃんね?貴女の笑顔を取り戻しに来たわ」
とびっきりの笑顔でエリちゃんを瞳を見た。不安と恐怖でいっぱいなその瞳には涙が浮かんでいる。ヒーロースーツのパーカーを脱いで小さく錬成してワンピースしか着ていないエリちゃんに着せてあげる。残った布で裸足のエリちゃんに簡単な靴も創って履かせた。
「貴女のことは私が、ヒーローが絶対に守る。だから貴女はルミリオンを守ってくれる?大切な先輩なんだ」
抱き上げてミリオ先輩の傍に座ってもらう。後ろから迫り来る棘は左手で凍らせて対処。本当は逃げてもらいたいけどこんな地下じゃもう出ることも難しいだろう。最後に頭を撫でてエリちゃんが通った穴を錬金術で塞ぐ。
さぁ戦いだ。絶対に治崎を倒す。
「何なんですかァ朝から大人数でぇ……」
衝撃で警察官が何人か吹き飛ばされていく。急いで足場を創りつつ向かうとしょーたサンや緑谷クンも助けに行っていた。警察官の安全を確かめて入口はリューキュウサンに任せて私たちは中へ進んだ。
「お茶子!梅雨ちゃん!無理しないでね!」
「梅雨ちゃん、麗日!頑張ろうな!」
「また後で!」
ここで別れる2人に声をかけて私たちは前に進んだ。行く手を阻むように多くの人たちが私たちに立ち向かってくる。時間稼ぎの捨て駒のようだ。表は担当のヒーローと警察官たちに任せて私たちはドアへ向かった。
「火急の用や!土足で失礼するで!!」
怪しいとか言うレベルの話ではない様子にみんなが不安を覚える。情報が漏れたかと思いきや普段から言われていたのだろうとのこと。治崎や幹部は今頃逃げる手筈を整えているんだろう。その言葉を聞いた切島クンが漢らしくねぇと声を荒らげた。そして1つの壁の前でナイトアイサンが立ち止まった。そして花瓶を退けて板を推していく。するとゆっくり壁が動き出し―――中から男が複数人出てきた。その瞬間ナイトアイ事務所の2人が対応する。そのまま私たちは先の階段を降りていくと行き止まりだった。
「俺、見て来ます!」
ミリオ先輩が頭だけ透過して先を見ると道は続いていらしい。ただ、かなり分厚い壁らしい。壁なんて、私にはあってないようなものだ。自然と口角が上がってしまう。そして両の手を勢いよく合わせ壁を分解、そして左右の道の壁へと再構築した。
「ドアとかみたいカッコよくした方がよかったです?」
後ろを振り返りながら声をかけるとなにやら構えた格好をしている切島クンと緑谷クンが。あっもしかして邪魔しちゃった……?なんて思いながらごめんねと声をかけるとははっ流石フォーサイトさん早いやと言われてしまった。
「シリウス、行き止まりは率先してなくしてくれ。デクに
「「「はい!」」」
その瞬間、先に広がる道が、壁がうねり出した。刑事さん曰く入中という人の個性。だけど規模がおかしいらしい。かなりキツめのブーストをしたのではないかとのこと。
「モノに入り自由自在に操れる個性……擬態!地下を形成するコンクリに入り込んで"生き迷宮"となっているんだ……!」
しょーたサンの抹消を使おうにも本体が見えないことには使えないようだ。道を変えられ続けたら女の子を救うどころか僕たちまで……!と天喰先輩が口にしたところでミリオ先輩が励ました。そして俺は行けると透過をして先に進んでしまった。
「先に向かっています!」
すぐその後に床に穴が開いて私たちヒーローは広間に落とされた。そこには3人の男が。背中に背負っていた銃を取り出して構える。すると天喰先輩が1人前に出た。
「こんな時間稼ぎ要員、俺1人で充分だ」
そんな天喰先輩に切島クンが協力しましょうと声をかける。しかし結局ファットさんの指示で天喰先輩に任せて私たちは先に進むことになった。正直心配だけどあの人が強いことは戦っているところを見たことがない私でも分かる。ファットさんも任せるしかないと言っているし信じて私は私に出来ることをしようと気合を入れ直した。
広間を出た先には少し道があってまた広間があった。向かいには既にドアが見えている。全員が入ったところで突然ドアが閉まった。
「ひっさしぶりだなぁハル!元気してたか?またエミリアに会ってくれよ!遊びたがってんだ姉ちゃんとさ」
懐かしい声が聞こえたと同時に私の体は反対側の壁まで吹っ飛ばされた。周りから私の名前を呼ぶ声が聞こえる。衝撃は免れないけど少しだけでも受身をとって軽減する。緑谷クンや切島クンが駆け寄って来てくれている中、私は反対側を睨みつけていた。
「久しぶりだね。神野ぶりかな?エンヴィー。私のパパの姿やめてくれない?」
手に持っていた銃をすぐに構えて照準を合わせる。頭、右腕、右肩に1発ずつ。途中で避けられて頭から狙いが外れてしまった。3発頭に入れる予定だったのに。ロックロックさんがなんで殺した!と叫んでいるけどしょーたサンが止めてくれて辺りは沈黙に包まれた。ファットさんやしょーたサンがエンヴィーから離れたのを確認して口を開く。
「いつまで寝てるの?どうせ分かってるんだから起きなよ。なんでここにいるの?あと早く自慢の若い姿か本体に戻って」
「――――――ほんっとに容赦ないよなぁ彗星ちゃんは」
頭に穴を開けたまま私のパパ――ヒューズさんの姿をしたエンヴィーが起き上がる。後ろで息を飲む音が聞こえた。早く戻ってという気持ちを込めて再び銃を向けるとすぐにいつもの姿に戻った。
「ここは私に任せて先へ進んで下さい」
「おいシリウスこいつ死なんのか!?」
「死にますよ……いつか。でもこんな所で話してる場合じゃないはずです。必ずこいつは止めるので」
「……任せたぞシリウス。死ぬな分かったか」
「了解イレイザー。デク、
壁を錬成してドアを新しく創る。蹴りを入れてくるエンヴィーをいなしながら全員が広間から出ていくのを邪魔させないようにする。……ん?何かおかしい…………そういうことか。エンヴィーの攻撃を避けながら全員が広間から出たのを確認すして、エンヴィーから距離をとった。
「なんでここにいるの?ヴィラン連合」
「ちょっとした出張ってやつだよ。興味ないけどね」
「それで?私に会った理由は?」
戦いながらこいつが本気じゃないことには気づいた。戦いが得意な方ではないとはいえ違和感が拭えなかった。実際問いかけるとエンヴィーは嬉しそうな顔をしてまた話し始めた。
「そう!ちょっと等価交換といこうか錬金術師」
「……内容は?」
「情報さ。聞きたいことがある」
「……なに?」
前までだったら確実に聞いてないで生け捕りでもなんでもしようとしてたと思う。どちらかと言うと倒そうとだけど。でも……今こっちの世界に来ている人は少ない。それも私は1人だ。こいつにはキンブリーがいる。我ながら丸くなったと思いながらエンヴィーの声に耳を傾けた。
「あっちの奴に会った?こっちは除いて」
「……ホーエンハイムさんに。もういないけど」
「ふーんそっかそっかならいいや!それだけ!彗星ちゃんの質問どーぞ!」
「え?それだけ?」
「うんそれだけ」
「私何も聞けないじゃんそんなの」
「知らないよそんなこと。ほらどーぞ!」
「…………なぜヴィラン連合に?」
「利害の一致ってやつだよ。どうせ抜ける」
「……そう抜けてからは?」
「さぁ?どうなるんだろうね?」
ニタァと不敵に笑うエンヴィーにこれ以上教えてはくれないなと諦める。それからすぐに勝手に抜けてきたんだよね。怒られちゃうから戻るわとか言ってあっさり帰っていってしまった。なんなら頑張れなんて敵とは思えないセリフまで吐いて。捕まえなきゃとも思ったけど今は女の子の保護が先だ。優先順位を見紛うな。こんな時ヤオモモみたいに発信機でも取り付けられたらと1人舌打ちをして先に進んだ。
物が壊れる音が、激しい戦闘音が聞こえる方へ走っていく。壁の1枚向こうで戦いが始まっている。銃を片手に気を張り直して前を向く。壁を錬成して穴を開けるとちょうどナイトアイサンの後ろだった。オーバーホールが作った棘がすぐ側まで。急いで引っ張って自分が前に出る。手のひらを合わせてすぐに棘に触れて分解させた。
「シリウス……!?」
「遅くなりました。すみません。怪我はありませんか?」
来るのが一足遅く、ナイトアイサンの脇腹からは血が流れている。止血をしようとしたその時、反対側の壁の穴から見えたのは倒れたミリオ先輩の傍から顔を出している女の子――エリちゃんがいた。
「望んでない……!」
「何で……!駄目だ!先輩と一緒にいるんだエリちゃん!!」
あぁこの子は誰かが傷つくのを見たくないんだ。そんなエリちゃんの前まで飛んで行ってすぐに抱きしめる。ビクッと揺れる肩を無視して目線を合わせる。
「はじめまして!貴女がエリちゃんね?貴女の笑顔を取り戻しに来たわ」
とびっきりの笑顔でエリちゃんを瞳を見た。不安と恐怖でいっぱいなその瞳には涙が浮かんでいる。ヒーロースーツのパーカーを脱いで小さく錬成してワンピースしか着ていないエリちゃんに着せてあげる。残った布で裸足のエリちゃんに簡単な靴も創って履かせた。
「貴女のことは私が、ヒーローが絶対に守る。だから貴女はルミリオンを守ってくれる?大切な先輩なんだ」
抱き上げてミリオ先輩の傍に座ってもらう。後ろから迫り来る棘は左手で凍らせて対処。本当は逃げてもらいたいけどこんな地下じゃもう出ることも難しいだろう。最後に頭を撫でてエリちゃんが通った穴を錬金術で塞ぐ。
さぁ戦いだ。絶対に治崎を倒す。