メーデー、愛してる
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「喧嘩して謹慎〜〜〜!?」
「ハルちゃんまで!?」
「私は止めなかったから……あはは」
翌朝共有スペースで掃除をしているとみんなに馬鹿じゃん仲直りしたのかとかたくさん緑谷クンが聞かれてた。そして始業式は欠席、私も明後日まで学校にはいけない。机を拭いて窓もやろうと見てみると絶対に届かない。左手を振って足場を作って全部の窓を拭いておいた。それからゴミをまとめて2人の使ってた掃除機のゴミももらって集めておく。掃除が終わったらそれぞれ部屋に戻った。部屋に戻ってから私は人造人間 のリストをしょーたサンに渡せるように確認をしていた。ふと時計を見るともうすぐお昼。ご飯作らないとだなと共有スペースに向かった。いつもと違って誰もいない空間に寂しさを感じる。みんな今なにしてるかなーなんて考えながらキッチンへ向かう。冷蔵庫を開けて材料を取り出す。少し多めに作っておこうかな。とんとんと包丁がまな板に当たる音だけが響く。そうだ、夏だし暑いけどあれ作ろう。一旦取り出してた材料を戻して必要なものをだけを切っていく。鍋にどんどん具材を入れて煮込んでいく。
「何作っとんや」
「あ勝己、降りてきたんだ」
「メシ食おうと思って来たらお前いた」
「私も一区切り着いたから食べようと思ったの。勝己もこれ食べる?シチューだけど」
「んなあちぃ時にんでシチューだよ」
「……親友の好きな物なんだ。基本的に外食だったんだけど時々作ってて気に入ってくれてたから懐かしくて……とはいえ暑いよねーやっぱり別の作ればよかったかも」
ふふって笑いながら鍋に牛乳を足していく。牛乳嫌いなのにシチューは好きだったもんなエドは。私も料理上手な訳じゃないけどこの時間は好きだった。エド喜んでくれるし、でもアルに作ってあげられなかったのは残念だな。ウィンリィのアップルパイと一緒に食べて欲しいねなんて話してたのに。
「ん」
「ん?」
ふと勝己を見ると皿を2つ持って立っている。2つ?
「勝己も食べるの?」
「おめぇが聞いたんだろ食うかって」
「暑いのに?」
「うっせぇいいからよこせ」
ぶすっと何故か不機嫌そうだけどキレる程ではないみたいで皿を差し出している。ありがとうと受け取ってどのくらい食べる?なんて聞きながら皿によそう。止められるまでよそってると結構な量が皿に盛られることになった。これは食べ切れるかもなぁなんて思いながら自分の分もよそう。
「あれ?フォーサイトさんにかっちゃん!」
「あ゛?」
「お?緑谷クン!」
丁度いいタイミングで降りてきたのは緑谷クンだった。手にはプロテインシェイカーを持っている。勝己は首がもげそうなくらいの勢いでそっぽを向く。その様子を見た緑谷クンは乾いた笑いを洩らした。そのままキッチンに来た緑谷クンにご飯食べる?と聞いてみた。その瞬間後ろからすごく睨まれた気もする。緑谷クンがヒィッと小声で言ってたし勘違いじゃないと思う。いちいち気にしてても仕方がないから気にせず緑谷クンに話しかける。
「お昼食べに降りてきたって感じではなさそうだけどどうかな?」
「えっえっと僕は大丈夫!昨日のあるし!これ洗いたかっただけだから」
「そっか!トレーニング頑張ってね」
そのままミネラルウォーターを手に緑谷クンは戻って行った。勝己と2人だけに戻る。緑谷クンとのんびり話している間に勝己はカトラリーとか出してくれてて私が皿を持っていったらすぐ食べれるようにしてくれていた。残ってた野菜で簡単にサラダも作ってから持っていく。勝己の向かいに座ってサラダも渡す。それから勝己と一緒に手を合わせていただきますってした。なんとなく気になって勝己が食べるのを眺めてしまう。気づいているのかいないのか、気にしてないようで勝己はスプーンを口に持っていって食べていた。
「食わんのか」
「えっあいや食べるよ。食べれる味ならよかった」
「…………うめぇからさっさと食えや」
「ほんと!?ありがとう!!」
悪くないとかまあまあとか言われるかなって思ってたらうめぇとまで言ってくれた。嬉しくて口が緩んでしまう。それを隠すようにスプーンを口の中に運ぶ。うん変わらない。同じ味だよかった。ゆったりとした時間が流れる中午後は何をしようかと考える。やっぱり研究の続きがしたいのが本音だ。
「ねぇ勝己。午後は何する?」
「あ?……予習か筋トレだな」
「私の部屋でしない?研究続けたくて」
「そういうことか。わかった後から行く」
「ありがとう!」
よし、これで無理な徹夜の可能性が減った。徹夜したところで勝己が止めてくれるだろうし前みたいに首狙うなんてことにはならないと思う。そのまま会話が続くわけではないけど嫌じゃない静かな時間を過ごしながらご飯をたべた。先に食べ終わった勝己がキッチンに戻って皿を洗う音が増える。なんだかいいなこういうの。
「一緒に住んでるみたい」
「あ?住んでんだろ。寮だけどよ」
「えっあっ口出てた?」
「出てた」
「あはは……こういうのっていいなって思ったの。誰かが家で待ってるとか、ご飯が1人じゃないとかそういうの」
「……これから先は嫌でもそうなんだろ。いいからさっさと食えや洗うから」
「洗ってくれるの?ありがとう!」
食べ終わった分を渡して洗ってくれる勝己の背中を眺める。ふと、私たち付き合ってるよね?なんて考えが頭をよぎる。付き合ったからといって特にまだ何もしていない。お互いヒーロー科で忙しい身だ。所謂「お付き合い」は難しいと思う。所謂「お付き合い」がどんなものかわかってないけれど。勝己に我慢させてないかな。でもお互い学校はあるし勝己は仮免の補講もある。普通どうしてんだろ?
「おいハル!返事しろや!」
「ん!?あ!ごめん!皿洗いありがとう」
「んなこたぁいいんだよ。何考えてやがった」
「……付き合うって何するのが普通なのかなって」
「んなしょーもねぇこと考えとったんか」
どうやらしょーもないことだったらしい。ミナが話す恋バナはデートだったり手を繋いだりこうなんかいろいろするのが付き合うってことだと思ってたけど……調べた方がいいのかな?勝己がどうしたいのかわからない。そんなことを考えながらも私は部屋に戻った。勝己が来るから机の準備はしなきゃだし、しょーたサンに渡す資料はまとめて棚に戻しておく。勝己が勉強出来るようなスペースも作って粗方片付いたところで、ドアがノックされた。
「はぁーい!開いてるよー!」
「閉めとけや」
「みんな学校なんだから大丈夫よ。ほらそこ勝己の机錬成しといた」
「そーかよ。お前は」
「すぐ横でするよ。邪魔じゃなければ」
「邪魔じゃねぇいろ」
「はいはーい」
勝己が座ってから部屋にある冷蔵庫から飲み物をとりだして勝己にも渡す。それからさぁ研究だ!と気合を入れたところで腕を引かれた。
「勝己な……」
声が出せない。口を塞がれた。物理的に。目を閉じている勝己の顔が目の前にある。まつげ長いななんて眺めているこゆっくり赤い瞳が現れた。目が合うとふっと笑ってそのまま角度を変えられる。半分しか向いていなかった体が全部向き合って抱きしめられた。いいのかわからずおずおずと勝己の背中に手を回す。口付けが長くて息が辛くなってくる。勝己の背中を軽く叩いても離れる気配がない。少しだけ強く叩くとようやく離してくれた。少し上がった息をなんとか整える。
「惚れせてからにしようとしてたのによぉ一緒住んでるみたいとか煽んな」
「煽った覚えはないけど……私勝己のこと好きだよ?足りない?もっと惚れないと?」
「……は?」
「ん?」
「お前今なんて……」
「私勝己のこと好きだよって」
「っんで今まで言ってねぇんだよ!こちとら我慢してやってたのに!」
「聞かれなかったから……?」
「あーもう知らねぇぞクソが」
どかっと座ってあぐらをかいた勝己の上に引っ張られて座らされる。なんだか嫌な予感がする。抜け出そうとしたけど無意味で腰に腕を回されて固定されてしまった。さっきキスしたばっかりで勝己を見ると顔が熱くなる。どうにか俯いて顔を隠していてもいつもよりもずっと優しい手つきで頬に触れられる。強制力なんてないその手に従って顔を上げると真剣な顔をした勝己がじっとこっちを見ていた。
「今度の休み……空けとけや」
「土曜日?」
「ん。デートすっぞ。普通の付き合いするぞ」
「いいの?補講は?」
「してぇんだろ。補講は日曜からだ」
「ミナが話すから気になってた……!したい!」
「なら空けとけや。つーか先に誘おうと思ってたのによぉ付き合うって何とかちゃんと考えやがって……!なーんも考えてねぇのかと思ってたのによ!」
「いたいいたい!頭グリグリしないで!」
「はっ!ざまぁねぇな」
こめかみを拳でグリグリされて少し痛いけど本気でやってないのなんてすぐに分かる。どうにか頭から拳を離れさせる。頭の上でくくっと喉を鳴らして笑ってるのが聞こえる。
「……ちゃんと考えてるよ。初めてだもの。ミナや透がどんなものかいっぱい話してくれるし」
「そりゃよかった。ならもっと考えとけ。全部すっから。だからもっかいさせろ」
「んえ?」
こめかみの拳がなくなって頬にそっと手を添えられる。ふわっと漂う甘い香りに目を閉じるとすぐに柔らかな唇が触れてきた。後ろに下がりそうだった頭は勝己にいつの間にか固定されて動けなくなっている。どのぐらい立経ったか分からないけれど息が持たなくなりそうな所で勝己は離れていった。唇舐める舌に顔が赤くなる。そのまま固まっていたらほら、と膝の上から降ろされた。
「研究すんだろ。土曜日までに絶対ケリつけろよ」
「もちろん!楽しみにしてる!なんか考えた方がいい?」
「気にすんな。とりあえずケリつけろや」
「ありがとう!がんばる!」
その日の研究は嘘みたいに順調に進んだ。2人で集中してやつてるといつの間にか学校が終わったみたいで下から賑やかな音が聞こえてきた。勝己の一緒に降りると響香が何やら渡すものがあると話しかけてきた。響香が渡してきたのは大きめのケース。パワーローダー先生から私にスペアの機械鎧 だった。部屋に戻ってからすぐに勝己につけてもらった。そして夕ご飯はみんなと食べてとても楽しい時間を過ごせた。
土曜日が楽しみだ。デートなんてどうしたらいいんだろう?でもその前に明日までの謹慎と学校だ。しっかり頑張らないと……!
次の日も勝己は私と居てくれた。おかげで無理な徹夜どころか徹夜はしてないしとても幸せな時間を過ごせた。この時間を守ろうと改めて心に誓った。
「ハルちゃんまで!?」
「私は止めなかったから……あはは」
翌朝共有スペースで掃除をしているとみんなに馬鹿じゃん仲直りしたのかとかたくさん緑谷クンが聞かれてた。そして始業式は欠席、私も明後日まで学校にはいけない。机を拭いて窓もやろうと見てみると絶対に届かない。左手を振って足場を作って全部の窓を拭いておいた。それからゴミをまとめて2人の使ってた掃除機のゴミももらって集めておく。掃除が終わったらそれぞれ部屋に戻った。部屋に戻ってから私は
「何作っとんや」
「あ勝己、降りてきたんだ」
「メシ食おうと思って来たらお前いた」
「私も一区切り着いたから食べようと思ったの。勝己もこれ食べる?シチューだけど」
「んなあちぃ時にんでシチューだよ」
「……親友の好きな物なんだ。基本的に外食だったんだけど時々作ってて気に入ってくれてたから懐かしくて……とはいえ暑いよねーやっぱり別の作ればよかったかも」
ふふって笑いながら鍋に牛乳を足していく。牛乳嫌いなのにシチューは好きだったもんなエドは。私も料理上手な訳じゃないけどこの時間は好きだった。エド喜んでくれるし、でもアルに作ってあげられなかったのは残念だな。ウィンリィのアップルパイと一緒に食べて欲しいねなんて話してたのに。
「ん」
「ん?」
ふと勝己を見ると皿を2つ持って立っている。2つ?
「勝己も食べるの?」
「おめぇが聞いたんだろ食うかって」
「暑いのに?」
「うっせぇいいからよこせ」
ぶすっと何故か不機嫌そうだけどキレる程ではないみたいで皿を差し出している。ありがとうと受け取ってどのくらい食べる?なんて聞きながら皿によそう。止められるまでよそってると結構な量が皿に盛られることになった。これは食べ切れるかもなぁなんて思いながら自分の分もよそう。
「あれ?フォーサイトさんにかっちゃん!」
「あ゛?」
「お?緑谷クン!」
丁度いいタイミングで降りてきたのは緑谷クンだった。手にはプロテインシェイカーを持っている。勝己は首がもげそうなくらいの勢いでそっぽを向く。その様子を見た緑谷クンは乾いた笑いを洩らした。そのままキッチンに来た緑谷クンにご飯食べる?と聞いてみた。その瞬間後ろからすごく睨まれた気もする。緑谷クンがヒィッと小声で言ってたし勘違いじゃないと思う。いちいち気にしてても仕方がないから気にせず緑谷クンに話しかける。
「お昼食べに降りてきたって感じではなさそうだけどどうかな?」
「えっえっと僕は大丈夫!昨日のあるし!これ洗いたかっただけだから」
「そっか!トレーニング頑張ってね」
そのままミネラルウォーターを手に緑谷クンは戻って行った。勝己と2人だけに戻る。緑谷クンとのんびり話している間に勝己はカトラリーとか出してくれてて私が皿を持っていったらすぐ食べれるようにしてくれていた。残ってた野菜で簡単にサラダも作ってから持っていく。勝己の向かいに座ってサラダも渡す。それから勝己と一緒に手を合わせていただきますってした。なんとなく気になって勝己が食べるのを眺めてしまう。気づいているのかいないのか、気にしてないようで勝己はスプーンを口に持っていって食べていた。
「食わんのか」
「えっあいや食べるよ。食べれる味ならよかった」
「…………うめぇからさっさと食えや」
「ほんと!?ありがとう!!」
悪くないとかまあまあとか言われるかなって思ってたらうめぇとまで言ってくれた。嬉しくて口が緩んでしまう。それを隠すようにスプーンを口の中に運ぶ。うん変わらない。同じ味だよかった。ゆったりとした時間が流れる中午後は何をしようかと考える。やっぱり研究の続きがしたいのが本音だ。
「ねぇ勝己。午後は何する?」
「あ?……予習か筋トレだな」
「私の部屋でしない?研究続けたくて」
「そういうことか。わかった後から行く」
「ありがとう!」
よし、これで無理な徹夜の可能性が減った。徹夜したところで勝己が止めてくれるだろうし前みたいに首狙うなんてことにはならないと思う。そのまま会話が続くわけではないけど嫌じゃない静かな時間を過ごしながらご飯をたべた。先に食べ終わった勝己がキッチンに戻って皿を洗う音が増える。なんだかいいなこういうの。
「一緒に住んでるみたい」
「あ?住んでんだろ。寮だけどよ」
「えっあっ口出てた?」
「出てた」
「あはは……こういうのっていいなって思ったの。誰かが家で待ってるとか、ご飯が1人じゃないとかそういうの」
「……これから先は嫌でもそうなんだろ。いいからさっさと食えや洗うから」
「洗ってくれるの?ありがとう!」
食べ終わった分を渡して洗ってくれる勝己の背中を眺める。ふと、私たち付き合ってるよね?なんて考えが頭をよぎる。付き合ったからといって特にまだ何もしていない。お互いヒーロー科で忙しい身だ。所謂「お付き合い」は難しいと思う。所謂「お付き合い」がどんなものかわかってないけれど。勝己に我慢させてないかな。でもお互い学校はあるし勝己は仮免の補講もある。普通どうしてんだろ?
「おいハル!返事しろや!」
「ん!?あ!ごめん!皿洗いありがとう」
「んなこたぁいいんだよ。何考えてやがった」
「……付き合うって何するのが普通なのかなって」
「んなしょーもねぇこと考えとったんか」
どうやらしょーもないことだったらしい。ミナが話す恋バナはデートだったり手を繋いだりこうなんかいろいろするのが付き合うってことだと思ってたけど……調べた方がいいのかな?勝己がどうしたいのかわからない。そんなことを考えながらも私は部屋に戻った。勝己が来るから机の準備はしなきゃだし、しょーたサンに渡す資料はまとめて棚に戻しておく。勝己が勉強出来るようなスペースも作って粗方片付いたところで、ドアがノックされた。
「はぁーい!開いてるよー!」
「閉めとけや」
「みんな学校なんだから大丈夫よ。ほらそこ勝己の机錬成しといた」
「そーかよ。お前は」
「すぐ横でするよ。邪魔じゃなければ」
「邪魔じゃねぇいろ」
「はいはーい」
勝己が座ってから部屋にある冷蔵庫から飲み物をとりだして勝己にも渡す。それからさぁ研究だ!と気合を入れたところで腕を引かれた。
「勝己な……」
声が出せない。口を塞がれた。物理的に。目を閉じている勝己の顔が目の前にある。まつげ長いななんて眺めているこゆっくり赤い瞳が現れた。目が合うとふっと笑ってそのまま角度を変えられる。半分しか向いていなかった体が全部向き合って抱きしめられた。いいのかわからずおずおずと勝己の背中に手を回す。口付けが長くて息が辛くなってくる。勝己の背中を軽く叩いても離れる気配がない。少しだけ強く叩くとようやく離してくれた。少し上がった息をなんとか整える。
「惚れせてからにしようとしてたのによぉ一緒住んでるみたいとか煽んな」
「煽った覚えはないけど……私勝己のこと好きだよ?足りない?もっと惚れないと?」
「……は?」
「ん?」
「お前今なんて……」
「私勝己のこと好きだよって」
「っんで今まで言ってねぇんだよ!こちとら我慢してやってたのに!」
「聞かれなかったから……?」
「あーもう知らねぇぞクソが」
どかっと座ってあぐらをかいた勝己の上に引っ張られて座らされる。なんだか嫌な予感がする。抜け出そうとしたけど無意味で腰に腕を回されて固定されてしまった。さっきキスしたばっかりで勝己を見ると顔が熱くなる。どうにか俯いて顔を隠していてもいつもよりもずっと優しい手つきで頬に触れられる。強制力なんてないその手に従って顔を上げると真剣な顔をした勝己がじっとこっちを見ていた。
「今度の休み……空けとけや」
「土曜日?」
「ん。デートすっぞ。普通の付き合いするぞ」
「いいの?補講は?」
「してぇんだろ。補講は日曜からだ」
「ミナが話すから気になってた……!したい!」
「なら空けとけや。つーか先に誘おうと思ってたのによぉ付き合うって何とかちゃんと考えやがって……!なーんも考えてねぇのかと思ってたのによ!」
「いたいいたい!頭グリグリしないで!」
「はっ!ざまぁねぇな」
こめかみを拳でグリグリされて少し痛いけど本気でやってないのなんてすぐに分かる。どうにか頭から拳を離れさせる。頭の上でくくっと喉を鳴らして笑ってるのが聞こえる。
「……ちゃんと考えてるよ。初めてだもの。ミナや透がどんなものかいっぱい話してくれるし」
「そりゃよかった。ならもっと考えとけ。全部すっから。だからもっかいさせろ」
「んえ?」
こめかみの拳がなくなって頬にそっと手を添えられる。ふわっと漂う甘い香りに目を閉じるとすぐに柔らかな唇が触れてきた。後ろに下がりそうだった頭は勝己にいつの間にか固定されて動けなくなっている。どのぐらい立経ったか分からないけれど息が持たなくなりそうな所で勝己は離れていった。唇舐める舌に顔が赤くなる。そのまま固まっていたらほら、と膝の上から降ろされた。
「研究すんだろ。土曜日までに絶対ケリつけろよ」
「もちろん!楽しみにしてる!なんか考えた方がいい?」
「気にすんな。とりあえずケリつけろや」
「ありがとう!がんばる!」
その日の研究は嘘みたいに順調に進んだ。2人で集中してやつてるといつの間にか学校が終わったみたいで下から賑やかな音が聞こえてきた。勝己の一緒に降りると響香が何やら渡すものがあると話しかけてきた。響香が渡してきたのは大きめのケース。パワーローダー先生から私にスペアの
土曜日が楽しみだ。デートなんてどうしたらいいんだろう?でもその前に明日までの謹慎と学校だ。しっかり頑張らないと……!
次の日も勝己は私と居てくれた。おかげで無理な徹夜どころか徹夜はしてないしとても幸せな時間を過ごせた。この時間を守ろうと改めて心に誓った。