メーデー、愛してる
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8月中旬、ついに寮に入る日が来た。私はつい数日前に退院したからここ数日準備に追われていた。病院でしょーたサンが話してくれたのか義眼も再び手に入れることができた。今までテキトーなのを入れてたからな。よかったよかった。それからは持っていくものを整理してた。錬金術と機械鎧 に関係するものは全部持って行きたいからね。棚とかは形を変えて運びやすくする。あとで錬成すればいいからね。とはいえ私の腕はまだ戻っていない。左腕だけって思いの外疲れるなんて思いながら準備をしてた。そして今は築3日の私たちの寮の前。そこではしょーたサンが無事でよかったと、でも私を含めた5人以外全員除籍にするつもりだったらしい。オールマイトサンの引退があって除籍はしないことになったけれど。正規の手続きを踏んだ上で正規の活躍をしてしょーたサンほ信用を取り戻して欲しいと。
「以上だ。さっ元気に行こう」
すると勝己クンが上鳴クンを連れて草陰に連れていきショート状態のアホになってしまった上鳴クンが帰ってきた。そして切島クンにお金を渡す。
「いつもみてーに馬鹿晒せや」
「えっごめん!私お金もってきてないや……今度渡すね!」
微妙に勝己クンと目が合わないようにそう声をかけると顔を掴まれた。痛い。
「おめェは目ェ見て言えや。つーか金いらねェ。んなことより話聞かせろ。待ったぞ」
「……分かってるよ。逃げないよ。それともここで続き話せって言うの?」
左手しか今はないからどうにか勝己クンの手を顔から剥がしながら答える。
「揉める前に中入れお前ら。説明が終わらん」
顔から手が離された時もう掴まれないように距離を取る。そして響香の側に駆け寄った。ほんとに言った通りだな。逃がしてくれるなんてありえないみたいだ。
そして寮内の案内が始まった。お風呂や洗濯は共有で1階の共有スペースでは自由にしていいらしい。部屋は2階からで部屋割りは……寂しい。3、4階に女の子は2人ずつ。5階に3人で私は1番奥の部屋。お隣はいなくて手前からヤオモモと梅雨ちゃん、1部屋空けて私の部屋だ。お隣じゃないの残念ねって梅雨ちゃんと話すとお互い遊びに行きましょって言ってくれた。嬉しい。共有スペース行けば誰かしらいるだろうし楽しそうだ。それから自分たちの部屋作りが始まった。送った荷物は部屋に既にあるらしい。私の家具はだいたい錬成してしまえばすぐに終わる。と言っても棚がほとんどだし。元からあった机を錬成して少しだけデザインを変える。棚も合わせてアンティーク調にしてみた。ベッドも同じようにする。それからはひたすら本を棚に入れていく作業になった。壊れた右腕はちゃんとあの後回収してもらえててケースに入れたままだ。すぐに直したいけどサポート科の工房借りないといけないからどうしたもんかとそのままになっている。あとでしょーたサンに聞いてみようかなぁ。それかここでイジれるようにしちゃうか…………しちゃうか?やっちゃうか!ベッドの横に元からあった机を動かしてその場所に機械鎧 をいじるための机を創る。とりあえずまだ使ってない棚の木材を使って机にする。その上にスパナやレンチ、磨き粉とか置ける棚も創る。ウィンリィの机みたいな感じがいいな。とっても良さそうだったから。頑張って思い出しながら創ると案外悪くないものができた。ケースの中から機械鎧 を取り出す。…………ボロッボロだなぁ。ごめんねウィンリィせっかく作ってくれたのに。スペアがほしいな。もうこの子を壊したくない。そんなことを思いながらあまり壊れて居ない部分を磨いていく。するとドアがノックされた。開けてあげるとお茶子がいた。
「ハル!共有スペース行かん?部屋作り終わった人が結構集まっててハルも終わったなら行こ!」
「うん!行こっか!」
エレベーターに乗って1階に降りる。エレベーターのドアが開いた先ではみんなソファに座って団欒していた。なにやらお部屋披露大会をするみたい。みんなのお部屋見れるのかーなんて一緒に聞いてたら後ろから手が伸びてきて捕まった。
「おい、お前はこっちだ」
「……勝己クンも終わったの?」
「ったりめぇだろ。外行くぞ」
「…………というわけでごめん私はお部屋披露大会パス。勝己クンも。ごめんね!また今度みんなのお部屋見せてね!」
そうみんなに声をかけてから勝己クンと寮を出た。ほど近い所にある自販機の横のベンチに一緒に座った。それから、前は伝えることの出来なかった人体錬成について説明した。死柄木が言っていたことは間違ってないこと。誰も成功していないから禁忌だと、それなら私が初めての成功例になればいいと思ったこと。それで右腕と左眼を持っていかれたこと。真理を見たこと。それに……人造人間 のことも。エンヴィーに会ってしまったのなら知らないといけないと思った。不老で、命が1つじゃないこと。今はいくつあるか分からないこと。粗方話終わると沈黙が流れた。そうだよなぁこんなヤバいやつが横にいるなんて思わないよね。それも人造人間 とかいうヤバそうなヴィランにも狙われるかもしれないっていう。嫌いになるとかならない以前に関わりたくなくなるなこれは……なんて考えていると勝己クンが口を開いた。
「…………右腕と左眼を、そんなに持っていかれたんなら……会えたんか?兄貴には」
「んーん会えてないよ。錬成してできたのは……人の形をしていなかった。そしてその髪や骨格も全然レイとは違うものだった」
「まだ他にもあるんか?」
「全部だよこれで。前に話したのと合わせて……これが私の人生」
「はっ……同じ歳とは思えねぇな……そりゃ強ぇわけだわ」
「そりゃね。人間兵器だもの。強くなきゃだったの。でも……やっぱりまだまだだ」
自嘲するように表情を作る。結局大事なところで死にかける。死にかけないと助けられないってことだ。もう死にかけないようにするって約束したからにはもっと強くならないと。
「ならもういいな?」
「ん?」
「好きだ。聞いても変わらねぇよ。付き合え。今度は待たない」
「……ほんとに?」
「信じられねェならこれでもかってくらい教えてやらぁ」
「ふふっそれは嬉しいなぁ。ありがとう。それじゃえっとよろしくお願いします?」
「惚れさせたるわ」
「……もう惚れてるかもよ?」
「あ?」
「よし!じゃ戻ろ勝己クン!」
先に立って勝己クンに左手を差し出す。掴まれるとすぐに引っ張られて勝己クンの上に倒れ込む形になった。……近い!顔が熱くなる。どうにか離れようとしたけど手は離してもらえなくてそのまま見上げることになる。慌てたのがバレたのか勝己クンにククッと笑われた。
「何さもう。戻らないの?」
「名前呼べや」
「ん?勝己クン?」
「くんとかいらねぇ」
「なら私もハルって呼んで欲しいな。勝己クンいっつもおいとかお前とかなんだもん」
「…………ハル。名前呼べや」
「ふふっ!なぁに勝己?なんか照れちゃうね」
「うっせ戻っぞ」
今度は勝己ク……勝己に支えられながら立った。そのまま並んで寮に向かう。外に梅雨ちゃんにお茶子、切島クン、飯田クン、ヤオモモ、轟クンに緑谷クンがいた。なにやら話してたみたいだけどなんだが大丈夫そう。そう思いながら寮に入っていった。どうやらお部屋披露大会は終わったみたいでみんな好きに座って話していた。
「あっ!ハル!仲直りしたの!?」
「大丈夫だよー!ありがとう!」
それから共有スペースの端っこの方に行ってスマホを出した。勝己はソファにどかっと座ってこっちを少し見てる。しょーたサンにも伝えないと。人造人間 のこと言わないとだなぁ。退院してすぐ寮への引越しであまり警察にも話せなかった。だからしょーたサン経由で伝えてもらいたいな。厄介なヴィランだから。
「もしもし?しょーたサン?今大丈夫?」
時間はあるらしくこれから教師寮で話を聞いてくれるみたいだ。何故か勝己も一緒に。ソファでくつろいでる所申し訳ないけど一緒に行くか。
「勝己ー。しょーたサンが私と教師寮来いってさ」
「あ?んでだよ」
「さぁ?とりあえず行こ?私は普通に用事あるし」
そしてまた寮を出て行くことになった。いつも鋼ぶら下げてるのに今はないせいでふらついてると勝己が支えてくれた。そのまま教師寮についてしょーたサンに人造人間 のことを伝えた。それから勝己が呼ばれたのは私のこと知ってそうだったから確認だったらしい。それからクラスには話すのかって聞かれた。どうしようかな……このまま言ってもいいけど……でも隠しとくのもいやだと思った。それで帰ってからみんな居たら話してみようかなと少し思った。
寮の近くにまで戻った頃にはもう随分と時間が経ってしまっていた。今日はこのままお風呂入って寝ようねなんて話をする。スマホには響香から一緒にお風呂行こうってメッセージ来てた。腕ないから気を使ってくれたんだろうな。すぐ行くねとだけ返してスマホをしまう。ふと空を見上げると綺麗な満月が静かに輝いていた。
「以上だ。さっ元気に行こう」
すると勝己クンが上鳴クンを連れて草陰に連れていきショート状態のアホになってしまった上鳴クンが帰ってきた。そして切島クンにお金を渡す。
「いつもみてーに馬鹿晒せや」
「えっごめん!私お金もってきてないや……今度渡すね!」
微妙に勝己クンと目が合わないようにそう声をかけると顔を掴まれた。痛い。
「おめェは目ェ見て言えや。つーか金いらねェ。んなことより話聞かせろ。待ったぞ」
「……分かってるよ。逃げないよ。それともここで続き話せって言うの?」
左手しか今はないからどうにか勝己クンの手を顔から剥がしながら答える。
「揉める前に中入れお前ら。説明が終わらん」
顔から手が離された時もう掴まれないように距離を取る。そして響香の側に駆け寄った。ほんとに言った通りだな。逃がしてくれるなんてありえないみたいだ。
そして寮内の案内が始まった。お風呂や洗濯は共有で1階の共有スペースでは自由にしていいらしい。部屋は2階からで部屋割りは……寂しい。3、4階に女の子は2人ずつ。5階に3人で私は1番奥の部屋。お隣はいなくて手前からヤオモモと梅雨ちゃん、1部屋空けて私の部屋だ。お隣じゃないの残念ねって梅雨ちゃんと話すとお互い遊びに行きましょって言ってくれた。嬉しい。共有スペース行けば誰かしらいるだろうし楽しそうだ。それから自分たちの部屋作りが始まった。送った荷物は部屋に既にあるらしい。私の家具はだいたい錬成してしまえばすぐに終わる。と言っても棚がほとんどだし。元からあった机を錬成して少しだけデザインを変える。棚も合わせてアンティーク調にしてみた。ベッドも同じようにする。それからはひたすら本を棚に入れていく作業になった。壊れた右腕はちゃんとあの後回収してもらえててケースに入れたままだ。すぐに直したいけどサポート科の工房借りないといけないからどうしたもんかとそのままになっている。あとでしょーたサンに聞いてみようかなぁ。それかここでイジれるようにしちゃうか…………しちゃうか?やっちゃうか!ベッドの横に元からあった机を動かしてその場所に
「ハル!共有スペース行かん?部屋作り終わった人が結構集まっててハルも終わったなら行こ!」
「うん!行こっか!」
エレベーターに乗って1階に降りる。エレベーターのドアが開いた先ではみんなソファに座って団欒していた。なにやらお部屋披露大会をするみたい。みんなのお部屋見れるのかーなんて一緒に聞いてたら後ろから手が伸びてきて捕まった。
「おい、お前はこっちだ」
「……勝己クンも終わったの?」
「ったりめぇだろ。外行くぞ」
「…………というわけでごめん私はお部屋披露大会パス。勝己クンも。ごめんね!また今度みんなのお部屋見せてね!」
そうみんなに声をかけてから勝己クンと寮を出た。ほど近い所にある自販機の横のベンチに一緒に座った。それから、前は伝えることの出来なかった人体錬成について説明した。死柄木が言っていたことは間違ってないこと。誰も成功していないから禁忌だと、それなら私が初めての成功例になればいいと思ったこと。それで右腕と左眼を持っていかれたこと。真理を見たこと。それに……
「…………右腕と左眼を、そんなに持っていかれたんなら……会えたんか?兄貴には」
「んーん会えてないよ。錬成してできたのは……人の形をしていなかった。そしてその髪や骨格も全然レイとは違うものだった」
「まだ他にもあるんか?」
「全部だよこれで。前に話したのと合わせて……これが私の人生」
「はっ……同じ歳とは思えねぇな……そりゃ強ぇわけだわ」
「そりゃね。人間兵器だもの。強くなきゃだったの。でも……やっぱりまだまだだ」
自嘲するように表情を作る。結局大事なところで死にかける。死にかけないと助けられないってことだ。もう死にかけないようにするって約束したからにはもっと強くならないと。
「ならもういいな?」
「ん?」
「好きだ。聞いても変わらねぇよ。付き合え。今度は待たない」
「……ほんとに?」
「信じられねェならこれでもかってくらい教えてやらぁ」
「ふふっそれは嬉しいなぁ。ありがとう。それじゃえっとよろしくお願いします?」
「惚れさせたるわ」
「……もう惚れてるかもよ?」
「あ?」
「よし!じゃ戻ろ勝己クン!」
先に立って勝己クンに左手を差し出す。掴まれるとすぐに引っ張られて勝己クンの上に倒れ込む形になった。……近い!顔が熱くなる。どうにか離れようとしたけど手は離してもらえなくてそのまま見上げることになる。慌てたのがバレたのか勝己クンにククッと笑われた。
「何さもう。戻らないの?」
「名前呼べや」
「ん?勝己クン?」
「くんとかいらねぇ」
「なら私もハルって呼んで欲しいな。勝己クンいっつもおいとかお前とかなんだもん」
「…………ハル。名前呼べや」
「ふふっ!なぁに勝己?なんか照れちゃうね」
「うっせ戻っぞ」
今度は勝己ク……勝己に支えられながら立った。そのまま並んで寮に向かう。外に梅雨ちゃんにお茶子、切島クン、飯田クン、ヤオモモ、轟クンに緑谷クンがいた。なにやら話してたみたいだけどなんだが大丈夫そう。そう思いながら寮に入っていった。どうやらお部屋披露大会は終わったみたいでみんな好きに座って話していた。
「あっ!ハル!仲直りしたの!?」
「大丈夫だよー!ありがとう!」
それから共有スペースの端っこの方に行ってスマホを出した。勝己はソファにどかっと座ってこっちを少し見てる。しょーたサンにも伝えないと。
「もしもし?しょーたサン?今大丈夫?」
時間はあるらしくこれから教師寮で話を聞いてくれるみたいだ。何故か勝己も一緒に。ソファでくつろいでる所申し訳ないけど一緒に行くか。
「勝己ー。しょーたサンが私と教師寮来いってさ」
「あ?んでだよ」
「さぁ?とりあえず行こ?私は普通に用事あるし」
そしてまた寮を出て行くことになった。いつも鋼ぶら下げてるのに今はないせいでふらついてると勝己が支えてくれた。そのまま教師寮についてしょーたサンに
寮の近くにまで戻った頃にはもう随分と時間が経ってしまっていた。今日はこのままお風呂入って寝ようねなんて話をする。スマホには響香から一緒にお風呂行こうってメッセージ来てた。腕ないから気を使ってくれたんだろうな。すぐ行くねとだけ返してスマホをしまう。ふと空を見上げると綺麗な満月が静かに輝いていた。