メーデー、愛してる
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「フォーサイト少女!?」
「オールマイトサン!?大丈夫ですかその姿!みんなは無事です!なんか私だけ呼ばれたみたいですけど!」
またやって来てしまったビルが倒壊したこの場所に。そしてオールマイトサンは見違えるような姿を、頬はこけ、目は窪んで骸骨のようになってしまっていた。でもこの人が……平和の象徴だ。そしてこの後ろには……女の人が1人。ここから動けないんだ。
「負けないで……オールマイトお願い……救けて」
「お嬢さんもちろんだ。ヒーローは、守るものが多いんだよオールフォーワン。だから、負けないんだよ」
オールマイトサンの右腕が筋肉隆々に戻る。右腕だけしかマッスルフォームにならない。
「戻ってきてくれたんだね、嬉しいよ。君の個性が欲しくてね。もし良かったらくれないかい?」
「……あげたら捕まってくれる?」
「そんなわけないだろう?」
「ならあげません!オールマイトサン!私を使って下さい!私だってヒーロー志望です」
「しかし!」
「ここから動かず、彼女を、守りながらの攻撃は難しいでしょう?せめて貴方を守らせてください。私が守ります。防御は全て私が。攻撃を全てお願いします。私にそれはできない」
「…………っ!すまない!手を借りるぞ!」
オールフォーワンがとんでもない姿に腕を変形させる。様々な個性を同時に使ってるんだろう。そして2人がぶつかった時、できるだけオールマイトサンに攻撃が入らないように、オールフォーワンの攻撃が当たらないでオールマイトサンの攻撃が入るように動く。オールマイトサンが左腕をマッスルフォームに変え、思いっきり殴りつけた。オールフォーワンの爪が伸ばしてオールマイトサンを刺そうとする。ダメだ邪魔はさせない。左手を振る。そしてもう一度、オールマイトサンの拳がオールフォーワンに入った。立っているのはオールマイトサン。拳を突き上げた。良かった勝てたみたい……役に立てたかな。そこで私の意識は途切れた。
Side 相澤
1週間ほど前のあの日、平和の象徴が死んだとされた日から数日がたった。あの時あの場にいたハロルドは世間の注目を浴びていた。ヴィランに屈することなく、平和の象徴と共に戦っていたから。あの後すぐに意識を失ったハロルドは病院に運ばれた。オールマイトさんも重体だったけれどハロルドの方が酷かった。あの戦いの中、オールフォーワンの爪が右腕を3ヶ所貫通し機械鎧 は破壊、そして右の脇腹の2ヶ所と右足1ヶ所が貫通していた。伸びた爪が刺さっていた為オールフォーワンが倒れた拍子に抉れた部分もある。防御は任せてと言っていたらしいけどそれはオールマイトさんと後ろの女性の為のものだった。オールマイトさんのいた場所の攻撃の邪魔にならないような所や女性の周りには氷の壁が何層にも渡って錬成されていたらしい。自分の分を犠牲にして。
「……それで前死んだんだろ馬鹿ハロルド」
「容態は安定したってな相澤。あとは意識が戻ればいいだけらしいが……」
「……そうだなA組の生徒も来たがっていたし明日の面会の許可でも取ってくるか」
山田と一緒にハロルドの病室を出て廊下を進む。有名になってしまったハロルドの病院を聞く人が絶えないと校長が言っていた。平和の象徴がいない今、希望の光だとかなんとか呼ばれているらしい。そしてオールフォーワンは彼女の個性を狙っている。万が一の事を考慮してこの病院にハロルドがいることは一部のプロヒーローと雄英教師しか知らない。担当医に相談してとりあえずA組が来る許可をもらう。何人来るかは分からないけど最大20人だ。とりあえずそれだけ聞いておくと入るならいいと言われた。
そして早速次の日、A組全員が病院の前で俺を待っていた。病院だから静かにしろよと注意してから連れていく。まさか本当に全員来るとはな。……愛されてんなハロルド。
「一応個室だが騒ぎすぎるなよ」
病室のドアを開けて生徒たちを中に入れる。管に繋がって寝ているハロルドを見て一瞬それぞれ辛そうな顔をしたがすぐにいつも調子に戻って中に入って行った。
「ハルー!早く目覚ましてね!私たち寮に住むことになったんだよ!みんな一緒に住めるよ!」
「そうですわ!きっとハルさんも喜びますわ!私たち待ってますわね」
「ハルが聞きたいって言ってたからギターとか持っていくつもりだよウチ。一緒に弾きたいな」
ちょうど先日決まった全寮制の話をして声をかけていく。そしてベッドの側にそれぞれ持ってきた手土産を置いていっていた。ほとんど全員が一言ずつ声をかけたところで入口で立ち止まったままの爆豪が動き出した。ベッドのそばに立っていつもの粗暴な行動とは打って変わってそっとハロルドの手に触れる。
「死んだら殺すつったろ……!さっさて目ェ覚ませやくそ……なんでまた同じことしてんだよバカが…………!」
悔しそうに顔を歪ませながら言葉を絞り出していた。あの時1番傍にいたからこそ後悔しているんだろう。1度は一緒に逃げ出したはずなのにだ。……また同じこと?俺と同じことをもしかして知っているのか……?なんて考えながらハロルドの顔を眺めていたら少しだけ目が動いた気がした。
その後もみんな話しかけるだけ話しかけていた。1番傍にいるのは爆豪のままだ。手も握ったまま。そんな中まるでいつも通りのように雑談を続けている。時間は過ぎ、もう日は暮れ始めて空はオレンジ色に染まりだした。そろそろ帰れと声をかけると誰も答えず沈黙が流れた。どうやらまだいたいらしい。
「…………あ?」
爆豪がいきなりハロルドの方を見た。何か感じたのか分からないけれどそのまま見続けていたから俺たちもつられる。その時ハロルドの目から涙が零れて……開いた。
「………………あれ?みんな?ケホッ」
その瞬間全員がベッドの側に走り寄った。爆豪が背中を支えて起こすのを手伝っている。ハロルドはいまいち状況が理解出来てないようでポカンとしている。
「……生きてる?」
「生きてるわ死んだろ殺すつったろうがクソ」
「ははっびっくりだ……よかった生きてる……」
生徒たちがそれぞれ心配そうに大丈夫か?だとかナースコールはどこだ!だとか口々に言っている。俺のそばにあるナースコールを押して先生を呼んだ。それから時間が時間だったから生徒たちは帰した。爆豪は頑なに帰りたがらなかったけれど。それから検査を受けさせて異常はないこと。傷跡もほとんど残らないと言われていた。あと数日安静にしたら退院らしく面会時間ももうない為その日はハロルドと別れてまた明日話すことになった。
Side ハロルド
目が覚めるとみんながいた。みんな涙ぐんでいてどうしたのかと思ったけど私は1週間ほど目を覚まさなかったらしい。そして生きててよかったとおかえりと声をかけてもらった。勝己クンのおかげで上体を起こせてそこで右腕がないことに気づいた。それからみんなは帰ってしまって私は検査を受けてそのまま数日は入院らしい。元の病室に戻ってからは窓の外を眺めながら寝ている間に見ていた夢を思い出していた。
「オールマイトサン!?大丈夫ですかその姿!みんなは無事です!なんか私だけ呼ばれたみたいですけど!」
またやって来てしまったビルが倒壊したこの場所に。そしてオールマイトサンは見違えるような姿を、頬はこけ、目は窪んで骸骨のようになってしまっていた。でもこの人が……平和の象徴だ。そしてこの後ろには……女の人が1人。ここから動けないんだ。
「負けないで……オールマイトお願い……救けて」
「お嬢さんもちろんだ。ヒーローは、守るものが多いんだよオールフォーワン。だから、負けないんだよ」
オールマイトサンの右腕が筋肉隆々に戻る。右腕だけしかマッスルフォームにならない。
「戻ってきてくれたんだね、嬉しいよ。君の個性が欲しくてね。もし良かったらくれないかい?」
「……あげたら捕まってくれる?」
「そんなわけないだろう?」
「ならあげません!オールマイトサン!私を使って下さい!私だってヒーロー志望です」
「しかし!」
「ここから動かず、彼女を、守りながらの攻撃は難しいでしょう?せめて貴方を守らせてください。私が守ります。防御は全て私が。攻撃を全てお願いします。私にそれはできない」
「…………っ!すまない!手を借りるぞ!」
オールフォーワンがとんでもない姿に腕を変形させる。様々な個性を同時に使ってるんだろう。そして2人がぶつかった時、できるだけオールマイトサンに攻撃が入らないように、オールフォーワンの攻撃が当たらないでオールマイトサンの攻撃が入るように動く。オールマイトサンが左腕をマッスルフォームに変え、思いっきり殴りつけた。オールフォーワンの爪が伸ばしてオールマイトサンを刺そうとする。ダメだ邪魔はさせない。左手を振る。そしてもう一度、オールマイトサンの拳がオールフォーワンに入った。立っているのはオールマイトサン。拳を突き上げた。良かった勝てたみたい……役に立てたかな。そこで私の意識は途切れた。
Side 相澤
1週間ほど前のあの日、平和の象徴が死んだとされた日から数日がたった。あの時あの場にいたハロルドは世間の注目を浴びていた。ヴィランに屈することなく、平和の象徴と共に戦っていたから。あの後すぐに意識を失ったハロルドは病院に運ばれた。オールマイトさんも重体だったけれどハロルドの方が酷かった。あの戦いの中、オールフォーワンの爪が右腕を3ヶ所貫通し
「……それで前死んだんだろ馬鹿ハロルド」
「容態は安定したってな相澤。あとは意識が戻ればいいだけらしいが……」
「……そうだなA組の生徒も来たがっていたし明日の面会の許可でも取ってくるか」
山田と一緒にハロルドの病室を出て廊下を進む。有名になってしまったハロルドの病院を聞く人が絶えないと校長が言っていた。平和の象徴がいない今、希望の光だとかなんとか呼ばれているらしい。そしてオールフォーワンは彼女の個性を狙っている。万が一の事を考慮してこの病院にハロルドがいることは一部のプロヒーローと雄英教師しか知らない。担当医に相談してとりあえずA組が来る許可をもらう。何人来るかは分からないけど最大20人だ。とりあえずそれだけ聞いておくと入るならいいと言われた。
そして早速次の日、A組全員が病院の前で俺を待っていた。病院だから静かにしろよと注意してから連れていく。まさか本当に全員来るとはな。……愛されてんなハロルド。
「一応個室だが騒ぎすぎるなよ」
病室のドアを開けて生徒たちを中に入れる。管に繋がって寝ているハロルドを見て一瞬それぞれ辛そうな顔をしたがすぐにいつも調子に戻って中に入って行った。
「ハルー!早く目覚ましてね!私たち寮に住むことになったんだよ!みんな一緒に住めるよ!」
「そうですわ!きっとハルさんも喜びますわ!私たち待ってますわね」
「ハルが聞きたいって言ってたからギターとか持っていくつもりだよウチ。一緒に弾きたいな」
ちょうど先日決まった全寮制の話をして声をかけていく。そしてベッドの側にそれぞれ持ってきた手土産を置いていっていた。ほとんど全員が一言ずつ声をかけたところで入口で立ち止まったままの爆豪が動き出した。ベッドのそばに立っていつもの粗暴な行動とは打って変わってそっとハロルドの手に触れる。
「死んだら殺すつったろ……!さっさて目ェ覚ませやくそ……なんでまた同じことしてんだよバカが…………!」
悔しそうに顔を歪ませながら言葉を絞り出していた。あの時1番傍にいたからこそ後悔しているんだろう。1度は一緒に逃げ出したはずなのにだ。……また同じこと?俺と同じことをもしかして知っているのか……?なんて考えながらハロルドの顔を眺めていたら少しだけ目が動いた気がした。
その後もみんな話しかけるだけ話しかけていた。1番傍にいるのは爆豪のままだ。手も握ったまま。そんな中まるでいつも通りのように雑談を続けている。時間は過ぎ、もう日は暮れ始めて空はオレンジ色に染まりだした。そろそろ帰れと声をかけると誰も答えず沈黙が流れた。どうやらまだいたいらしい。
「…………あ?」
爆豪がいきなりハロルドの方を見た。何か感じたのか分からないけれどそのまま見続けていたから俺たちもつられる。その時ハロルドの目から涙が零れて……開いた。
「………………あれ?みんな?ケホッ」
その瞬間全員がベッドの側に走り寄った。爆豪が背中を支えて起こすのを手伝っている。ハロルドはいまいち状況が理解出来てないようでポカンとしている。
「……生きてる?」
「生きてるわ死んだろ殺すつったろうがクソ」
「ははっびっくりだ……よかった生きてる……」
生徒たちがそれぞれ心配そうに大丈夫か?だとかナースコールはどこだ!だとか口々に言っている。俺のそばにあるナースコールを押して先生を呼んだ。それから時間が時間だったから生徒たちは帰した。爆豪は頑なに帰りたがらなかったけれど。それから検査を受けさせて異常はないこと。傷跡もほとんど残らないと言われていた。あと数日安静にしたら退院らしく面会時間ももうない為その日はハロルドと別れてまた明日話すことになった。
Side ハロルド
目が覚めるとみんながいた。みんな涙ぐんでいてどうしたのかと思ったけど私は1週間ほど目を覚まさなかったらしい。そして生きててよかったとおかえりと声をかけてもらった。勝己クンのおかげで上体を起こせてそこで右腕がないことに気づいた。それからみんなは帰ってしまって私は検査を受けてそのまま数日は入院らしい。元の病室に戻ってからは窓の外を眺めながら寝ている間に見ていた夢を思い出していた。