メーデー、愛してる
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準決勝は勝己クンとだ。そんな気はしてた。準決勝第1試合は轟クンの勝利で終わっていた。炎は使わずに。なんて呑気に考えてる暇はない。開始の合図と同時に勝己クンは爆破をカマしてきた。結構な威力のを。それは燃やして回避した。今回はすぐに焔の錬金術が使えるようにしてて本当に良かった。そして爆破を利用して詰めてくる。そのいきおいのまま放たれた蹴りを避けつつ殴りかかったが避けられた。
「反射神経化け物同士かよこの試合……」
爆破は燃やして酸素も勝己クンの周りから減らして呼吸と爆破を妨害する。地面にはトゲを錬成して爆破が私だけに向かないように。
「こんの……!ナメてんじゃねェよクソチビがぁ!!」
「ナメてないよ?言いがかりってやつだ!」
「いーや!違うね!テメェどこ見てやがる!今!お前と戦ってんのは俺だろ!!」
どこ見てやがるって……え?少し動きを止めたその時、爆破をもろに食らった。ギリギリフィールドからは出てない。私……私は親友の元に帰りたいだけ。なのにいつからかなにかが引っかかるようになってしまった。よろめきながら立つと勝己クンが真っ直ぐこっちを見ていた。ふと観客席に目を移すと響香やヤオモモ、梅雨ちゃん……みんながこっちを見てる。ああ私……。
「羨ましくなっちゃったんだ…………大勢を……世界を救えるみんなが」
「何言ってんだよお前もなんだろ!?ヒーローに!」
「…………なりたいなぁでも帰りたいし……あぁこんなハズじゃなかったんだよ」
自分の両の手を眺めながら答えた。これじゃ見えないや。右腕のアームカバーと手袋を落とす。これが私の罪。禁忌を犯した私の。神の領域を犯した咎人の証だ。今までは国を救おうとするエドを支えればそれで良かった。ヒーローにはエドやアルがなればいい。私には無理だ。家族を見殺しにしたような、2回もレイを殺したような私には。
「帰りてぇならとっとと帰って!戻ってきて!ヒーロー目指せばいいだろアホが!何グダグダ言ってやがんだよ!やりてぇこと全部やれや!」
世の中全ては等価交換。1つ選んだら何か1つは犠牲にしないといけない。そういうものだ。なのに……全部?
「ははっ…………全部か……なんだよそれ最高じゃん。考えたことなかったわ」
なんならエドたちも来ればいいじゃん。それからそれから……お父様やお母様、レイに謝りに行きたいな。そして伝えたい。私ヒーローなりたいんだって。それならこっちでヒーロー目指して、個性を見つけたら帰って、エドたちの身体を取り戻して、ヒーローになればいい。
「だからさっさと本気でかかってこい!」
「楽しそうだなぁそれ……私弱いけどなれるかな」
「なるんだろ!?アホ!!」
「私のことアホなんて言う人勝己クンくらいだよ」
なんか何も解決してないし、可能なのかすら分からないけどそうなったらいいななんて思ってしまった。私の手で誰かを救えるなんて夢みたいだ。勝己クンの爆破は避けてく。手袋は落としたから相殺出来ない。コンクリートがどんどん抉れていく。もう誰も見殺しになんてしない。手に届く範囲全部助けたい。そんなヒーロー目指していれば……エドたちも救えるかな?隣に立てるかな?それともここでヒーローに?あぁどうしようかな。
「まぁそんなことは後で考えればいいね。頭がぐちゃぐちゃだ」
「避けんじゃねェ!!!」
「ねぇ勝己クン。私ね彗星の錬金術師って呼ばれてたんだ」
「…………は?」
「だからこれ……あげる」
名前の由来になった攻撃、空気中の水蒸気を固めて彗星みたいに炎を纏うスピードで落とす広範囲攻撃をフィールドに。左手だけじゃ足りないもっともっともっと!
「星に願いでも、どう?」
勝己クンの周りにたくさんの彗星が落ちていく。範囲が上手く決めれなくて私にも少し当たる。勝己クンはどんどん爆破して言ってるけど間に合わないくらいたくさん落とした。
そして降り終わった時…………それでも勝己クンは立っていた。ボロボロだけど。そして一気に距離を詰められて目の前で爆破を起こされた。すぐに避けたけど当たってしまった。距離を取ってコンクリートを錬成…………。
「…………あれ?」
右腕が動かない。錬成が出来ない。壊れた…………?よく見るとフレームが歪んでる。待って待ってまだ戦いたいの。私がいきなり止まったのを不思議に思ったのか勝己クンも止まってる。優しいなぁ今殴ればいいのに。床に落ちてる瓦礫で錬成陣を描いてスパナとレイピアを。勝己クンがすぐにやって来る。レイピアは急いで腰辺りに挿して、スパナを手に避ける。距離をとって思いっきり体操服の上を脱いだ。勝己クンもミッドナイトサンもギョッとしてる。そして左手に持ったスパナで右腕を外した。会場が沸いた気がする。右腕とスパナをフィールド外に出して、レイピアを抜く。そして一気に勝己クンとの距離を詰めた。速さが段違いだからだろうね。対応しきれてない。でもレイピアはすぐに折られて中に来てたノースリーブの首根っこを掴まれ倒された。起き上がる前に馬乗りされる。手のひらを私の顔に向けて。
「どうだ?言うことは?」
「…………降参」
「爆豪くん!WIN!!!!」
その瞬間会場が歓声で覆われた。すごかったと。いろんな所から聞こえてきた。私は呆然と寝転んだままだったけど勝己クンはすぐにどこかに行ってしまった。あー疲れた。動きたくない。腕ないから歩きにくいし。
「おらよこれ」
勝己クンが私の機械鎧 を持ってきてくれた。そのまま手も差し出してくれてる。
「…………ありがとう」
ありがたく手を掴んで立ち上がる。すこしふらついた。私も勝己クンもボロボロだ。ははっと軽く笑うと勝己クンは変な顔してた。これからどうするか、ちゃんと考えよう。それと決まったら勝己クンにお礼も言わなきゃ。しょーたサンやひざしクンにも伝えたいな。そして私たちはフィールドを後にした。
そのまま保健室で私は休んでたけど、勝己クンはフィールドの整備が終わるとすぐ決勝に向かってた。連続なんて大変だーなんて思いながら瞼を閉じた。
リカバリーガールに起こされて表彰式。私はベスト4になった。飯田クンもだ。1位は勝己クン、2位は轟クンなんだけど……。
「勝己クンどうしたの?」
ものすごく拘束されていた。むーむーしか聞こえない。えぇなにしたの……。なんて思ってる間に表彰式は進みオールマイトサンにメダルをもらって体育祭は終わった。
これまではただ、ヒーローは私がアメストリスに帰るための手段を探すために目指していたものだった。ヒーローにならなくても正直良かった。そういう個性の人に会えるなら。でも……私もヒーローになろう。みんなを自分の手で救えるようなヒーローに。そしてエドたちも助けちゃうんだ。支えるだけじゃもう嫌だ。早く会いたいな。でも強くもなりたい。アメストリスに帰ったあともここに帰って来れたら嬉しいな。
「反射神経化け物同士かよこの試合……」
爆破は燃やして酸素も勝己クンの周りから減らして呼吸と爆破を妨害する。地面にはトゲを錬成して爆破が私だけに向かないように。
「こんの……!ナメてんじゃねェよクソチビがぁ!!」
「ナメてないよ?言いがかりってやつだ!」
「いーや!違うね!テメェどこ見てやがる!今!お前と戦ってんのは俺だろ!!」
どこ見てやがるって……え?少し動きを止めたその時、爆破をもろに食らった。ギリギリフィールドからは出てない。私……私は親友の元に帰りたいだけ。なのにいつからかなにかが引っかかるようになってしまった。よろめきながら立つと勝己クンが真っ直ぐこっちを見ていた。ふと観客席に目を移すと響香やヤオモモ、梅雨ちゃん……みんながこっちを見てる。ああ私……。
「羨ましくなっちゃったんだ…………大勢を……世界を救えるみんなが」
「何言ってんだよお前もなんだろ!?ヒーローに!」
「…………なりたいなぁでも帰りたいし……あぁこんなハズじゃなかったんだよ」
自分の両の手を眺めながら答えた。これじゃ見えないや。右腕のアームカバーと手袋を落とす。これが私の罪。禁忌を犯した私の。神の領域を犯した咎人の証だ。今までは国を救おうとするエドを支えればそれで良かった。ヒーローにはエドやアルがなればいい。私には無理だ。家族を見殺しにしたような、2回もレイを殺したような私には。
「帰りてぇならとっとと帰って!戻ってきて!ヒーロー目指せばいいだろアホが!何グダグダ言ってやがんだよ!やりてぇこと全部やれや!」
世の中全ては等価交換。1つ選んだら何か1つは犠牲にしないといけない。そういうものだ。なのに……全部?
「ははっ…………全部か……なんだよそれ最高じゃん。考えたことなかったわ」
なんならエドたちも来ればいいじゃん。それからそれから……お父様やお母様、レイに謝りに行きたいな。そして伝えたい。私ヒーローなりたいんだって。それならこっちでヒーロー目指して、個性を見つけたら帰って、エドたちの身体を取り戻して、ヒーローになればいい。
「だからさっさと本気でかかってこい!」
「楽しそうだなぁそれ……私弱いけどなれるかな」
「なるんだろ!?アホ!!」
「私のことアホなんて言う人勝己クンくらいだよ」
なんか何も解決してないし、可能なのかすら分からないけどそうなったらいいななんて思ってしまった。私の手で誰かを救えるなんて夢みたいだ。勝己クンの爆破は避けてく。手袋は落としたから相殺出来ない。コンクリートがどんどん抉れていく。もう誰も見殺しになんてしない。手に届く範囲全部助けたい。そんなヒーロー目指していれば……エドたちも救えるかな?隣に立てるかな?それともここでヒーローに?あぁどうしようかな。
「まぁそんなことは後で考えればいいね。頭がぐちゃぐちゃだ」
「避けんじゃねェ!!!」
「ねぇ勝己クン。私ね彗星の錬金術師って呼ばれてたんだ」
「…………は?」
「だからこれ……あげる」
名前の由来になった攻撃、空気中の水蒸気を固めて彗星みたいに炎を纏うスピードで落とす広範囲攻撃をフィールドに。左手だけじゃ足りないもっともっともっと!
「星に願いでも、どう?」
勝己クンの周りにたくさんの彗星が落ちていく。範囲が上手く決めれなくて私にも少し当たる。勝己クンはどんどん爆破して言ってるけど間に合わないくらいたくさん落とした。
そして降り終わった時…………それでも勝己クンは立っていた。ボロボロだけど。そして一気に距離を詰められて目の前で爆破を起こされた。すぐに避けたけど当たってしまった。距離を取ってコンクリートを錬成…………。
「…………あれ?」
右腕が動かない。錬成が出来ない。壊れた…………?よく見るとフレームが歪んでる。待って待ってまだ戦いたいの。私がいきなり止まったのを不思議に思ったのか勝己クンも止まってる。優しいなぁ今殴ればいいのに。床に落ちてる瓦礫で錬成陣を描いてスパナとレイピアを。勝己クンがすぐにやって来る。レイピアは急いで腰辺りに挿して、スパナを手に避ける。距離をとって思いっきり体操服の上を脱いだ。勝己クンもミッドナイトサンもギョッとしてる。そして左手に持ったスパナで右腕を外した。会場が沸いた気がする。右腕とスパナをフィールド外に出して、レイピアを抜く。そして一気に勝己クンとの距離を詰めた。速さが段違いだからだろうね。対応しきれてない。でもレイピアはすぐに折られて中に来てたノースリーブの首根っこを掴まれ倒された。起き上がる前に馬乗りされる。手のひらを私の顔に向けて。
「どうだ?言うことは?」
「…………降参」
「爆豪くん!WIN!!!!」
その瞬間会場が歓声で覆われた。すごかったと。いろんな所から聞こえてきた。私は呆然と寝転んだままだったけど勝己クンはすぐにどこかに行ってしまった。あー疲れた。動きたくない。腕ないから歩きにくいし。
「おらよこれ」
勝己クンが私の
「…………ありがとう」
ありがたく手を掴んで立ち上がる。すこしふらついた。私も勝己クンもボロボロだ。ははっと軽く笑うと勝己クンは変な顔してた。これからどうするか、ちゃんと考えよう。それと決まったら勝己クンにお礼も言わなきゃ。しょーたサンやひざしクンにも伝えたいな。そして私たちはフィールドを後にした。
そのまま保健室で私は休んでたけど、勝己クンはフィールドの整備が終わるとすぐ決勝に向かってた。連続なんて大変だーなんて思いながら瞼を閉じた。
リカバリーガールに起こされて表彰式。私はベスト4になった。飯田クンもだ。1位は勝己クン、2位は轟クンなんだけど……。
「勝己クンどうしたの?」
ものすごく拘束されていた。むーむーしか聞こえない。えぇなにしたの……。なんて思ってる間に表彰式は進みオールマイトサンにメダルをもらって体育祭は終わった。
これまではただ、ヒーローは私がアメストリスに帰るための手段を探すために目指していたものだった。ヒーローにならなくても正直良かった。そういう個性の人に会えるなら。でも……私もヒーローになろう。みんなを自分の手で救えるようなヒーローに。そしてエドたちも助けちゃうんだ。支えるだけじゃもう嫌だ。早く会いたいな。でも強くもなりたい。アメストリスに帰ったあともここに帰って来れたら嬉しいな。