足となる
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閑静な住宅街にロータリーサウンドが響く。
だが音の大きさ的に、運転手は周囲の迷惑にならないように控えめに運転しているようだった。
とある住宅の前で止まった黄色のFDから下りる一つの人影。
男はその家のインターホンを押して、中から出てくる人物を今か今かと待っていた。
暫くしてガチャッと音を立てて開いたドアを男はそのドアを開いたままにするように押さえた。
「ごめんなさい、啓介。用意が遅れちゃって」
「いいんだ、気にするな。怪我はしてないか?」
「ええ、大丈夫」
そう言って玄関から出てきたのは車椅子に座った女性だった。
男……高橋啓介は女性から預かった鍵でドアをきちんと閉める。
そしてFDの助手席のドアを開けると、すぐ傍に来た女性に笑いかける。
「……いいか?」
「ふふっ、お願いします」
啓介は丁寧に女性を横抱きにし、そっとナビシートに乗せる。
女性が頷くのを見てドアを閉め、慣れた手つきで車椅子を畳んでトランクにしまい込む。
そうして運転席へと乗り込んだ啓介は漸く車を走らせ始めた。
赤城レッドサンズの走り屋、高橋啓介には彼女がいる。
同じ大学の一つ上の女性、浅木澪。
幼い頃の交通事故で両足が不自由になり、15年以上車椅子生活をしている。
啓介の一つ上とは思えないほど大人びた雰囲気を持つ彼女は、身体的特徴のこともあり、色々な意味で周りから一目置かれる存在ではあった。
常に彼女は一人で行動し、常に無表情だった。
だが音の大きさ的に、運転手は周囲の迷惑にならないように控えめに運転しているようだった。
とある住宅の前で止まった黄色のFDから下りる一つの人影。
男はその家のインターホンを押して、中から出てくる人物を今か今かと待っていた。
暫くしてガチャッと音を立てて開いたドアを男はそのドアを開いたままにするように押さえた。
「ごめんなさい、啓介。用意が遅れちゃって」
「いいんだ、気にするな。怪我はしてないか?」
「ええ、大丈夫」
そう言って玄関から出てきたのは車椅子に座った女性だった。
男……高橋啓介は女性から預かった鍵でドアをきちんと閉める。
そしてFDの助手席のドアを開けると、すぐ傍に来た女性に笑いかける。
「……いいか?」
「ふふっ、お願いします」
啓介は丁寧に女性を横抱きにし、そっとナビシートに乗せる。
女性が頷くのを見てドアを閉め、慣れた手つきで車椅子を畳んでトランクにしまい込む。
そうして運転席へと乗り込んだ啓介は漸く車を走らせ始めた。
赤城レッドサンズの走り屋、高橋啓介には彼女がいる。
同じ大学の一つ上の女性、浅木澪。
幼い頃の交通事故で両足が不自由になり、15年以上車椅子生活をしている。
啓介の一つ上とは思えないほど大人びた雰囲気を持つ彼女は、身体的特徴のこともあり、色々な意味で周りから一目置かれる存在ではあった。
常に彼女は一人で行動し、常に無表情だった。
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