りぼゆめ
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水曜日の五時間目になると決まって空く席がある。窓際の列の一番後ろ、教科書もノートも前の時間のまま持ち主だけがこの教室に居ない。その異変にひとり焦るツナと机に突っ伏せて寝ている獄寺、先生も何も言わない。そんな先生だから仕方ない。それよりまたあそこにいんのかな、たまにはツナを落ち着かせてやらないと、きっとまた次の時間ひょっこり返って来たあいつを説教して軽いケンカなんて何時ものパターン。適当にカバンをあさってトイレ行ってきまーす、ドアを開けても先生は黒板に向いたままだった(まぁ、そんな先生だしな)
「よっ、なまえ」
「お、山本さんもサボり?」
此方を向いたなまえは俺だと確認すると前を向いて下を眺めた。なまえは何時もの場所、屋上の死角でオレンジジュースのストローをくわえていた。フェンスに軽くもたれかかるなまえ、面倒くさそうに履いた上履きは踵が潰れている。
「ほら、差し入れ持って来たぜ」
「!駅前のパン屋さん朝だけ限定10このクリームコロッケパン!?」
「朝練で近くを通ったからさ。購買飽きたって言ってただろ?」
「わぁ‥ありがとう!」
一瞬で嬉しそうな顔をするのがなまえらしい。
ひょこひょこ寄って来たなまえにクリームコロッケパンを渡す、本当に有り難うね!と再びお礼を言うとジュースのパックが転がっている辺りに座った。向かい合うように座る。パンの封を切り一口。購買の焼きそばパンの時よりも良い表情だった
「なまえって、いつも此処で何してるんだ?」
「何もしてないよ。ただ水曜日のこの時間は、息抜き時間って決めてるの」
「留年するぞ?」
「義務教育だから大丈夫!」
なんともなまえらしい発言。それに付け足す様にあの頃が懐かしいな、なんて言った。俺にはあの頃が何時かなんて判らないが、青春だねぇ、と呟いたなまえにそうだな、とだけ返した。
青臭かったあの頃を思い出し笑いするのだって、きっと難しい事なんだろう
(きっとまだ青臭い俺には判らないんだろうけど)
チャイムが鳴った。
すっかり話こんで探しに来た俺までサボり扱い、怒るのはきっとツナだけだ。
070929