りぼゆめ
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やることは滅茶苦茶だけど、結局は優しいあの初恋の人と最後に逢ったのは中学校の卒業式だった。相手の方が年上なのに、わたしが卒業して行くのを黙って送ってくれて、それきり。今じゃあ消息も判らないし、流石に何時までも並盛中に留まる事だって出来ていないと思う。1%に満たない期待で並盛中に電話を掛けたけど、やっぱり知らない先生からクエスチョンマークで返ってきた。彼が観念して卒業したのは、もう、随分昔の話らしい。
「みょうじさん、これコピーしてきてくれる」
「あ、はい」
「ちょっと!コピーする場所違うわよ!」
「す、すいません!」
いち社会人としては、うまくやっている(つもりだ)
恋はあの時からしていない‥いや、片思いのままなんだ。もし再会できたとしても、きっと彼女が居るに違いない。溜め息を吐いてベンチに腰を落とし、今日の失敗を悔やむのをやめて空を見る。それを誰かの顔が遮った
「久しぶりだね、なまえ」
「あ、れ?」
「それより、太ったね」
う、頬がひきつる感覚。最近確かにお肉が摘まめるように‥って、違う!いきなりこんなこと言うのは、彼しか居ない。本当は泣いた方がいい場面なのだろうけど、涙が引っ込んでしまったから仕方がない。
「ななな、なんで雲雀さんが!」
「そろそろ君が泣き出す頃だと思ってね」
「泣き出すって」
「前、僕と離れるのが嫌だって大泣きしたでしょ」
だから会いに来たんだよ、彼はそう言ってわたしの隣に座った。止まったままの片思いが久しぶりに動き出した気がした(いや、多分動き出したんだ)
一片の花弁より、一流れの星屑より、
070725