りぼゆめ
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わたしの左手に比べてあなたの右手はひとまわり大きくて、あったかい事を知ってるのはきっと、わたしだけだと思うんです。いつもは怖い目だって、二人で居るときは優しくて。何時だってあなたのその目にさゆされて、微睡む視界を独り占めしてくれる。すき、大好き、愛してる。ボキャブラリーの少なさに嫌気がさすわたしの使い古しの言葉にだってちゃあんと振り向いて髪を撫でておでこにキスしてくれる。すき、大好き、愛してるって言葉なんかより愛してるんだからぁって事で空いた左手から鈍い銀色がギロリと光を反射した
「てぇい!」
「な、なんだぁ!?」
「ばっ、避けないでよー」
「じゃあなんだその右手に持ったナイフは!」
「殺しは最大の愛情表現だって聞いたんだ」
「‥誰からだあ」
「マイボース」
そんなの間に受けんな!ウインクに大してげんこつ一発、あまり痛くないあたり手加減はされているようだ。わたしが貴方を刺そうなんて地球が180度回転しようがあり得ないんだから、ナイフの刃先を人差し指で押してクニャリ、曲がったダミーナイフにやっぱりな。なんて判りきった溜め息つく貴方すら恋しいなんて、きっと病気だ。
「くだらねぇ」
確かにくだらないね。わたしもそう思う。でもねぇ確かに一理あるとバカなわたしは思ったんだ。だってそうでしょう『結婚しよう』なんかより『お前を殺して俺も死ぬ』のほうが愛されてる気がしたんだよ、別に早死にしたい訳じゃあ無いけどさ。バカ言うわたしの頭に貴方から痛くないげんこつ頂くのだって愛の鞭ーって感じなんです。あ、言っとくけどソッチの気ないですよ。
「それぐらい好きなんですよ、貴方のことが。わたしはどうすればいいんですか。愛情表現が見つかりません」
「そんな事言われてもなぁ」
「ボスは黙って抱かれればいいって言ってた」
「だっ!(何吹き込んでんだあの御曹司ィイ‥!)」
貴方への愛は本物なのにその愛情が信じられないんです、どうしたらいいの、苦しいよ(あなたの腕が、あなたの瞳がすごく欲しいよ。)
「そうと決まれば早速」
「待て待てぇボタン開けるな下着脱ぐんじゃねぇ!そ、そうだっお前日本料理得意なんだろ?作ってくれぇ」
「んーいいよーでも肉じゃがしか作れないよ」
「あ、あぁ(セーフ‥!)」
070930
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