くちきびゃくや
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これは、ルキアさんがご結婚されるお話を伺った時のお話しなのですけども……
「ルキアさんと阿散井さんがご結婚だなんて…なんておめでたいのでしょうか」
「そうだな…」
「いかがしましたか?」
「いや、何も」
不意に、朽木家当主の朽木白哉が
私の家が営む和菓子にやってきたのである。
もとより、朽木家にはご贔屓にしていただいており
白哉さんとも年齢も近いので
ある種、友人という立ち位置にいる
「うちから、イチゴ大福献上しようと考えていますが……いかがですか?」
「ルキアは喜ぶだろうな」
「阿散井さんの髪の色の赤と、ルキアさんの刀のような白いイチゴが手にはいる予定なので……。あっ!それを包むのは白哉さんの千本桜のような美しい桜色にしましょう!うん、素敵!」
白哉さんの妹、ルキアさんは
以前、ひっそりとここに着て
“私とも友人になってはくださらないか!”と
とても緊張されておっしゃったので、思わず笑ってしまいましたが、喜んで友人になりました。
「それにしても、白哉さん、急に寂しくなりますね」
「……なぜだ」
来客用よりももっといい、朽木家用の
上等な玉露をいれたものを、白哉さんはゆっくりと口に運んだ
「妹のルキアさんに、長いこと副隊長を務めていた阿散井さんのご結婚だなんて、大切な人たちが2人失う…のは少し語弊ではありましょうが、なんというか……手を離れる、といいますか」
手塩に掛けて育てたであろう、副隊長と
愛していた奥様の妹君、という何とも言えないけど
家族として迎え入れ、大切にしていたと思う方。
「何をそんなに憂いている」
「うまく言葉にできなくて、申し訳ないのですが……
白哉さんはお一人ではないですよ」
湯呑みを置いたことを確認し、その手をほぼ勢いで握っていた
「なにかあれば、いつでもこの店に来てください!
私がお話し相手となります。ときどき、季節のお菓子の助言がいただければうれしいです」
驚いたような顔をしている白哉さんは
ふっと、口元を柔らかくあげた
「私には……兄がいるからなにも憂いることはない」
「白哉さん……!そうですよ!私がいますよ!」
「凛」
「はい?」
「少し、落ち着け」
握っていた手を、はらりとのけられ
私の頭にそっと乗った白哉さんの手
「ルキアには、凛からといってイチゴ大福は私でやってくれ。ルキアは凛のことを好いている」
「好いているだなんて!お友達ですよ〜!うふふっ」
「ならば、友人として送ると良い」
「もちろんですっ!あー、早くイチゴ届かないかしらっ!」
「……ふっ」
ずっと、頭においてあった手を忘れて
私は一人離し続けていると、白哉さんはまた柔らかく微笑んだ
「凛」
「はい!」
「来月の9日は何をしている?」
「9日ですか?えーと、いつも通りお店を!」
「夕方以降は」
「お店の売り切れ次第ではありますが、特に!」
「そうか、店番の後の予定を私にくれぬか?」
頭に乗った手がそっと、頰へ滑り落ちて
急に、緊張感と恥ずかしさが高鳴ってきた
「も、ちろん!もちろん!なにしましょ!」
「ルキアと恋次の宅に呼ばれていてな」
「まぁ!すてき!」
「一人では気を使わせて終わるから共に来てくれるとありがたい」
頰に止まった、大きな手のひらは
返事を待つまで動かなさそうであった
「もちろん、ご一緒させてください!」
「助かる」
後日、予定していた9日には
閉店の2時間前に白哉さんはお店に来た
「失礼するぞ
「あら、白哉さん」
「残っているもの全てもらいに来た」
「もぉ、横暴なのですから!そうなることは予想していたのでもともと少なくなくしておりましたわ」
銀嶺さまがお好きと言っていた葛餅と、
使いの皆さまが食べられるよう煤羊羹の大きいのと
白哉さんの行動を分かった上で、お店に陳列していた
「わたしも、ご一緒に朽木家向かってもよろしいですか?」
「構わぬが」
「お店に残っているのはお菓子だけではございませんから」
嫁に行きそびれた、と両親が憂いていることを逆手に
そんな冗談を言うと、一度不意を突かれたような驚いた顔をされた後、いつもの白哉さんに戻った
「朽木家はいつでも凛を迎えできる準備しておるぞ」
「えっ、と、?」
「凛がその気になれば今日でも構わない」
様子がおかしくなる空気に逆らえきれず
あはは、と愛想笑いをした。
「ひとまず、この荷物持って朽木家いきますね?」
「あぁ」
「久しぶりに銀嶺さまにもご挨拶させてくださいな」
残っているものを、桜柄の風呂敷に包む。
それをいとも簡単に白哉さんは持って、私を待つ
その時、なんとなく未来が見えた気がした。
白哉さんが、数歩先進んでも
必ず私を待っていて、そうしてそっと手を取って
隣を歩いき、控えめにほほ笑んでいる
そんな未来が。
「ルキアさんと阿散井さんがご結婚だなんて…なんておめでたいのでしょうか」
「そうだな…」
「いかがしましたか?」
「いや、何も」
不意に、朽木家当主の朽木白哉が
私の家が営む和菓子にやってきたのである。
もとより、朽木家にはご贔屓にしていただいており
白哉さんとも年齢も近いので
ある種、友人という立ち位置にいる
「うちから、イチゴ大福献上しようと考えていますが……いかがですか?」
「ルキアは喜ぶだろうな」
「阿散井さんの髪の色の赤と、ルキアさんの刀のような白いイチゴが手にはいる予定なので……。あっ!それを包むのは白哉さんの千本桜のような美しい桜色にしましょう!うん、素敵!」
白哉さんの妹、ルキアさんは
以前、ひっそりとここに着て
“私とも友人になってはくださらないか!”と
とても緊張されておっしゃったので、思わず笑ってしまいましたが、喜んで友人になりました。
「それにしても、白哉さん、急に寂しくなりますね」
「……なぜだ」
来客用よりももっといい、朽木家用の
上等な玉露をいれたものを、白哉さんはゆっくりと口に運んだ
「妹のルキアさんに、長いこと副隊長を務めていた阿散井さんのご結婚だなんて、大切な人たちが2人失う…のは少し語弊ではありましょうが、なんというか……手を離れる、といいますか」
手塩に掛けて育てたであろう、副隊長と
愛していた奥様の妹君、という何とも言えないけど
家族として迎え入れ、大切にしていたと思う方。
「何をそんなに憂いている」
「うまく言葉にできなくて、申し訳ないのですが……
白哉さんはお一人ではないですよ」
湯呑みを置いたことを確認し、その手をほぼ勢いで握っていた
「なにかあれば、いつでもこの店に来てください!
私がお話し相手となります。ときどき、季節のお菓子の助言がいただければうれしいです」
驚いたような顔をしている白哉さんは
ふっと、口元を柔らかくあげた
「私には……兄がいるからなにも憂いることはない」
「白哉さん……!そうですよ!私がいますよ!」
「凛」
「はい?」
「少し、落ち着け」
握っていた手を、はらりとのけられ
私の頭にそっと乗った白哉さんの手
「ルキアには、凛からといってイチゴ大福は私でやってくれ。ルキアは凛のことを好いている」
「好いているだなんて!お友達ですよ〜!うふふっ」
「ならば、友人として送ると良い」
「もちろんですっ!あー、早くイチゴ届かないかしらっ!」
「……ふっ」
ずっと、頭においてあった手を忘れて
私は一人離し続けていると、白哉さんはまた柔らかく微笑んだ
「凛」
「はい!」
「来月の9日は何をしている?」
「9日ですか?えーと、いつも通りお店を!」
「夕方以降は」
「お店の売り切れ次第ではありますが、特に!」
「そうか、店番の後の予定を私にくれぬか?」
頭に乗った手がそっと、頰へ滑り落ちて
急に、緊張感と恥ずかしさが高鳴ってきた
「も、ちろん!もちろん!なにしましょ!」
「ルキアと恋次の宅に呼ばれていてな」
「まぁ!すてき!」
「一人では気を使わせて終わるから共に来てくれるとありがたい」
頰に止まった、大きな手のひらは
返事を待つまで動かなさそうであった
「もちろん、ご一緒させてください!」
「助かる」
後日、予定していた9日には
閉店の2時間前に白哉さんはお店に来た
「失礼するぞ
「あら、白哉さん」
「残っているもの全てもらいに来た」
「もぉ、横暴なのですから!そうなることは予想していたのでもともと少なくなくしておりましたわ」
銀嶺さまがお好きと言っていた葛餅と、
使いの皆さまが食べられるよう煤羊羹の大きいのと
白哉さんの行動を分かった上で、お店に陳列していた
「わたしも、ご一緒に朽木家向かってもよろしいですか?」
「構わぬが」
「お店に残っているのはお菓子だけではございませんから」
嫁に行きそびれた、と両親が憂いていることを逆手に
そんな冗談を言うと、一度不意を突かれたような驚いた顔をされた後、いつもの白哉さんに戻った
「朽木家はいつでも凛を迎えできる準備しておるぞ」
「えっ、と、?」
「凛がその気になれば今日でも構わない」
様子がおかしくなる空気に逆らえきれず
あはは、と愛想笑いをした。
「ひとまず、この荷物持って朽木家いきますね?」
「あぁ」
「久しぶりに銀嶺さまにもご挨拶させてくださいな」
残っているものを、桜柄の風呂敷に包む。
それをいとも簡単に白哉さんは持って、私を待つ
その時、なんとなく未来が見えた気がした。
白哉さんが、数歩先進んでも
必ず私を待っていて、そうしてそっと手を取って
隣を歩いき、控えめにほほ笑んでいる
そんな未来が。