いちまるぎん
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「小鳥遊〜、コレ、明日までだから」
「えっ、」
「俺このあと演習の準備あっから頼むわ」
一言で言うと、気が弱い。
特に男性から何か言われると、身構えてしまう性格は
正直言って損であると思う
「あと10分で定時なんだけどなぁ、」
整理整頓されている周りの机と対照的に
仕事の紙が重なっている自分の机に嫌気が差す。
演習なんて、最近あるだろうかなんて
考えることも諦めた。
「今日も、残業だなぁ……」
いっそのこと、と立ち上がって給湯室に向かい
自分のためにお茶を淹れる。
ついで、というのもなんだが残っていると思う吉良副隊長の分も淹れようかとうと思ったが
たしか今日は男性死神教会の集まりがあるんだと言っていたのを思い出した。
「さて、と……」
明日まで、と言われていた仕事を見ると
2週間前には配りていることが発覚した。
この2週間何をしていたのか、と疑問も出てくるが
例えば、どんどん仕事後来て積み上げられた上のものからこなしていくと、確かに、埋もれてしまうかもしれないが、それを人に回すのか……!と
心のなかでは悪態がつけるが、言葉にできないことが多すぎる。
給湯室から仕事の部屋に戻る際
先ほど、私に仕事を押し付けてきた同期が
先輩たちとなにやら賑やかにしていた
「まじ、同期に小鳥遊がいて助かるわ〜」
「お前、また仕事ぶん投げたわけ?」
「いやー、2週間に来てた仕事出てきた時は焦ったわ!けど、小鳥遊に投げたし、間に合わなかったとしても小鳥遊の責任だろ?」
「いや、それで他の隊異動になったらどうすんだよ」
「わーー、それは死活問題すぎる」
気付いていた。
きっとそんなとこだということに。
いいように使われているのを、わかっていたけど
断れない性格がゆえに、こうなるのだ。
「あたしもたまにめんどくさい仕事渡す〜」
「ちょ、先輩はしっかり仕事してくださいって」
「後輩教育ってことにしてよ!」
「今度私も頼んでみようかな〜?」
「いーじゃん!やってくれるって」
女性の声もして、私の教育担当だった
先輩も、同期も、まさかの後輩にまでそういうふうな扱いをされることになっているとは知らなかった
「……仕事しよ」
飲み頃になった緑茶を手に、自分の机に戻る
「え……?」
「あれ、凛やないの。もう、お仕事の時間終わりやで?」
「市丸隊長……なぜ……?」
「んー?なんかここにたくさん仕事があるから誰の机やろと思って。これは明日までの期限やん。明日回されるとボクがイヅルに怒られてしまうやないか」
「申し訳ございません……」
そこには、なぜか私の席に白い羽織。
市丸隊長が座って、ぺらぺらと書類を眺めていたのだ
そして、手には先ほど回された書類を持っていた
「せやけど、おかしいなぁ…」
「え……?」
「これも、これも、あれも、それも。
見たところ凛に渡してへん書類ばっかりある」
机の上にあった仕事の紙を、めくりながら
市丸隊長は不思議そうな顔をしている。
なぜ、私の机にあるのかを尋ねるようにこちらを見ていた
「それは……」
「ええよ、いわんで」
「市丸隊長……」
「こういうこと、いつからあったん?」
「去年、からです」
「ひゃぁ、思ってたより長かったな〜。イヅルに相談できんかった?」
「吉良副隊長もお仕事に追われていたので、私なんかまだ楽な方だと思ってしまい」
「ん〜……、じゃぁ、ボクには?相談できんかった?」
「市丸隊長に、相談……は考えたことなかったです」
「えぇ〜、なんでそないなこというの?隊長やで!凛の上司や!偉い人や!」
「あまり、隊でお見かけすることもありませんし…」
「隊じゃない所でお見かけしてくれたらええやん」
「仕事が、終わらなくて……」
口ごもると立ったまんまの私に腕を伸ばして
そっと引き寄せた市丸隊長。
手元にある湯呑みだけは、別の人の机の上に置けたのでこぼれるようなことはなかった。
「凛の仕事は終わってるやろ」
「もちろんです」
「じゃぁ、そない泣きそうな顔せんで?」
座っている市丸隊長に引き寄せられた結果
私は、両膝を床につけて市丸隊長に抱きかかえられているような形になっていることに気づくのが遅かったのは、鼻腔をくすぐる市丸隊長のほのかに甘い香りのせいだろうか。
「なーんにも、凛は悪くない。
1年間もしんどい思いさせて御免な」
「そんな、こと……」
「ある。やから、あとはボクに任せてほしい」
「けど、」
「ええから。ひとまず、この明日期限のだけもろてええ?ボク、イヅルに怒られてまうから」
「すぐに仕上げます!」
「ん、よろしゅう」
抱きかかえられた腕がほどかれる。
ゆったりと立ち上がる市丸隊長の手には、私に回してきた人達の机に戻していた。
「全く手の焼ける子たちばっかりやなぁ」
「それでも、みんな市丸隊長のことが好きでこの隊にいるんですよ」
「ほんまにい〜?じゃぁ、凛も僕のこと好きなん?」
「…はい、大好きです」
すると、市丸隊長が後ろから抱きしめてきたのだ
あまりのことで、持っていた筆についた墨がすこし飛び散った。
「僕も、凛のこと好きやで」
「あの、隊長……」
「流されやすいとか、気の弱いとか、頼まれたら断れない性格の凛に漬け込むな」
後ろから回された手によって、左に向けられる顔
先ほど感じた甘い香りが、濃厚になっていって
くらくらした。
そうして、わずかに触れた唇はチョットだけカサついていて恥ずかしくなった
「えっ、」
「俺このあと演習の準備あっから頼むわ」
一言で言うと、気が弱い。
特に男性から何か言われると、身構えてしまう性格は
正直言って損であると思う
「あと10分で定時なんだけどなぁ、」
整理整頓されている周りの机と対照的に
仕事の紙が重なっている自分の机に嫌気が差す。
演習なんて、最近あるだろうかなんて
考えることも諦めた。
「今日も、残業だなぁ……」
いっそのこと、と立ち上がって給湯室に向かい
自分のためにお茶を淹れる。
ついで、というのもなんだが残っていると思う吉良副隊長の分も淹れようかとうと思ったが
たしか今日は男性死神教会の集まりがあるんだと言っていたのを思い出した。
「さて、と……」
明日まで、と言われていた仕事を見ると
2週間前には配りていることが発覚した。
この2週間何をしていたのか、と疑問も出てくるが
例えば、どんどん仕事後来て積み上げられた上のものからこなしていくと、確かに、埋もれてしまうかもしれないが、それを人に回すのか……!と
心のなかでは悪態がつけるが、言葉にできないことが多すぎる。
給湯室から仕事の部屋に戻る際
先ほど、私に仕事を押し付けてきた同期が
先輩たちとなにやら賑やかにしていた
「まじ、同期に小鳥遊がいて助かるわ〜」
「お前、また仕事ぶん投げたわけ?」
「いやー、2週間に来てた仕事出てきた時は焦ったわ!けど、小鳥遊に投げたし、間に合わなかったとしても小鳥遊の責任だろ?」
「いや、それで他の隊異動になったらどうすんだよ」
「わーー、それは死活問題すぎる」
気付いていた。
きっとそんなとこだということに。
いいように使われているのを、わかっていたけど
断れない性格がゆえに、こうなるのだ。
「あたしもたまにめんどくさい仕事渡す〜」
「ちょ、先輩はしっかり仕事してくださいって」
「後輩教育ってことにしてよ!」
「今度私も頼んでみようかな〜?」
「いーじゃん!やってくれるって」
女性の声もして、私の教育担当だった
先輩も、同期も、まさかの後輩にまでそういうふうな扱いをされることになっているとは知らなかった
「……仕事しよ」
飲み頃になった緑茶を手に、自分の机に戻る
「え……?」
「あれ、凛やないの。もう、お仕事の時間終わりやで?」
「市丸隊長……なぜ……?」
「んー?なんかここにたくさん仕事があるから誰の机やろと思って。これは明日までの期限やん。明日回されるとボクがイヅルに怒られてしまうやないか」
「申し訳ございません……」
そこには、なぜか私の席に白い羽織。
市丸隊長が座って、ぺらぺらと書類を眺めていたのだ
そして、手には先ほど回された書類を持っていた
「せやけど、おかしいなぁ…」
「え……?」
「これも、これも、あれも、それも。
見たところ凛に渡してへん書類ばっかりある」
机の上にあった仕事の紙を、めくりながら
市丸隊長は不思議そうな顔をしている。
なぜ、私の机にあるのかを尋ねるようにこちらを見ていた
「それは……」
「ええよ、いわんで」
「市丸隊長……」
「こういうこと、いつからあったん?」
「去年、からです」
「ひゃぁ、思ってたより長かったな〜。イヅルに相談できんかった?」
「吉良副隊長もお仕事に追われていたので、私なんかまだ楽な方だと思ってしまい」
「ん〜……、じゃぁ、ボクには?相談できんかった?」
「市丸隊長に、相談……は考えたことなかったです」
「えぇ〜、なんでそないなこというの?隊長やで!凛の上司や!偉い人や!」
「あまり、隊でお見かけすることもありませんし…」
「隊じゃない所でお見かけしてくれたらええやん」
「仕事が、終わらなくて……」
口ごもると立ったまんまの私に腕を伸ばして
そっと引き寄せた市丸隊長。
手元にある湯呑みだけは、別の人の机の上に置けたのでこぼれるようなことはなかった。
「凛の仕事は終わってるやろ」
「もちろんです」
「じゃぁ、そない泣きそうな顔せんで?」
座っている市丸隊長に引き寄せられた結果
私は、両膝を床につけて市丸隊長に抱きかかえられているような形になっていることに気づくのが遅かったのは、鼻腔をくすぐる市丸隊長のほのかに甘い香りのせいだろうか。
「なーんにも、凛は悪くない。
1年間もしんどい思いさせて御免な」
「そんな、こと……」
「ある。やから、あとはボクに任せてほしい」
「けど、」
「ええから。ひとまず、この明日期限のだけもろてええ?ボク、イヅルに怒られてまうから」
「すぐに仕上げます!」
「ん、よろしゅう」
抱きかかえられた腕がほどかれる。
ゆったりと立ち上がる市丸隊長の手には、私に回してきた人達の机に戻していた。
「全く手の焼ける子たちばっかりやなぁ」
「それでも、みんな市丸隊長のことが好きでこの隊にいるんですよ」
「ほんまにい〜?じゃぁ、凛も僕のこと好きなん?」
「…はい、大好きです」
すると、市丸隊長が後ろから抱きしめてきたのだ
あまりのことで、持っていた筆についた墨がすこし飛び散った。
「僕も、凛のこと好きやで」
「あの、隊長……」
「流されやすいとか、気の弱いとか、頼まれたら断れない性格の凛に漬け込むな」
後ろから回された手によって、左に向けられる顔
先ほど感じた甘い香りが、濃厚になっていって
くらくらした。
そうして、わずかに触れた唇はチョットだけカサついていて恥ずかしくなった
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