いちまるぎん
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「やっぱ、片腕ないと仕事にならんなぁ〜」
最期に隠していた封書が見つかるというヘマをした
絶対にバレへんと思っていたのに、
だけど、なぜだかここにいられることが
嬉しくって笑みがこぼれてしまう
「ギン、何ヘラヘラしてるの」
「ヘラヘラはしてへん!片腕だと不便やなぁって思ってたそがれてたんやで?」
「そういうころだと思った。十二番隊行くよ」
「ええっ!僕を人体実験に売り込むつもりなん!?」
よよよ、と残っている腕で目元を袂で隠す
凛は心底めんどくさそうな顔をして
ずいずいと十二番隊の方へ進んでいく
「その他、体の調子は?」
「せやねぇ、真面目に仕事振り回されすぎて頭痛いくらいやね」
「今まで使ってなかった脳みそ使ってるからだろうね。筋肉痛的な感じだよ。頑張れ」
「なぁ、冷たい!」
「ごちゃごちゃ言わないで、ただでさえ目立つんだから」
隊長羽織もない、副官章もない
死覇装1枚で、この瀞霊廷を歩くのは
百年以上ぶりで浮き足立っているのは確か
「せやけど、僕の面倒見る〜って言うたのは
凛やで?責任もってな??」
「だから今連れて歩いてるんじゃん」
「ホンマやったら、手ぇつないで歩きたい〜」
片手には残念ながら書類がある。
片手が塞がっていると、やっぱり不便なのだ
「だから、今からその話をしに行くんでしょ。
あ、阿近」
「お疲れ様っす、時間ピッタリっすね」
「予定より5分到着遅くなったけどね」
「ほんまに、実験するやん……」
「ほらギン、その書類阿近に渡して」
ほい、と書類を阿近に渡すと
っす、と会釈をした阿近は書類に目を通す。
首を倒して、骨をボキボキと鳴らしている。
不意に空いた手を凛に伸ばしてみる。
「なに?」
「手、繋ぐって言ったやん」
「あぁ、それか」
子供のように甘えてみても、わがままをいってみても
凛はなんだかんだ受け入れてくれたのが
本当はずっと嬉しくて。
封書を見つけたのは、凛で
僕の命を手放さなかったのも凛のおかげやった
「フン、ようやくきたか」
「おまたせしました」
「市丸ギン、ずいぶんと丸くなったものだな」
「久しぶりやね、涅はん」
「隊長、でしょ」
「実に滑稽だね、腕を見せ給え」
涅の、迎えに座ると凛が、腕のない方の袖口を捲り上げる
綺麗に切断されたそこを、まじまじと見つめる。
「ふむ、経過は良さそうだ」
「卯ノ花隊長が、きれいに仕上げてくださったので」
「実に美しい傷口だ、さ、て」
涅は、後ろのホルマリン漬けのようなところから
無操作に取り出したのは、腕だった
「これが、今まで集めに集めた市丸ギンという男の情報とサンプル、唯一回収できた薬指を合わせて作ったものだ」
「腕や……」
「あとは神経同士の結合がうまく行けば話は早いだろう」
「すぐできるものなんですね、サクッとお願いします」
「えええっ!僕の意見は!?」
「聞かないよ、聞くわけないじゃない」
ここに名前を書いてください、と涅ネムが差し出してくるものに、ほら、と目配せされて名前をかく。
拒否権はもともとなかったし、腕をくっつけることに対しても特に異論は正直無かった。
「じゃぁ、あとはお願いします」
「ええっ、凛どこ行くん?」
「仕事!書類配達したりいろいろやらなきゃならんのよ」
「えええ、」
仕方がないとため息をついた凛は
僕にそっと近づいてきた
「いい子にしてたらご褒美考えるから、ね?」
「なぁ、僕のことお子様と思ってへん?」
「死覇装だけのギンの、姿なんて小さい頃しか見てないからその姿を彷彿としてるのかもね?」
「ほら、モタモタするなよ」
「じゃぁ、終わった頃見計らって来ますね」
十二番隊よ、手術室のような場所に連れて行かれる。
さっ、と口元を布で覆われる。
多分これは睡眠を誘発させるもの。
わずかに意識があったときに、腕にチクリと痛みが走った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お疲れ様です」
「ようやくきたか」
「現世にて購入した、サンマの缶詰ですよかったら。つまらないものですが、お納めください」
意識が戻ってきた頃に、凛の声がした。
起き上がろうとすると、涅ネムが
すぐに起き上がると体に負担ですよ、と行動を制した
「腕の調子はどうですか?」
「あるね、腕」
「はい、動きも良好でしょうか」
「なんか、ちょっと違和感やけど……」
「神経同士の、結合は終了しております。あとら体の中の霊子がうまく流れるようになれば以前のようなスムーズさになる、とマユリ様が仰っていました」
説明を終えた頃、凛が部屋に入ってきた。
言われた通り、ゆっくりと起き上がる。
「さっさと帰りたまえ、私は忙しいのだ」
「はい、ありがとうございます」
僕の近くにようやくきた凛を
無意識のうちに抱きしめていた
すると、凛もボクの背中に腕を回してきた
「御免な、ほんま……」
「いいんだよ、ギン」
2本の腕でぎゅっと抱きしめる
生きながらえたときから、もしかすると
ずっと、こうしたかったのかもしれない
「凛、」
「ひとまず、さ。戻ろっか。三番隊に」
今、言いかけた言葉は
一体何だったのだろうと、今は知らないフリをして
先程までできなかった、手を繋いで瀞霊廷を歩く。
三番隊へ戻るということができる幸せを噛み締めて
「凛」
「なに?」
「なーんでもあらへん」
最期に隠していた封書が見つかるというヘマをした
絶対にバレへんと思っていたのに、
だけど、なぜだかここにいられることが
嬉しくって笑みがこぼれてしまう
「ギン、何ヘラヘラしてるの」
「ヘラヘラはしてへん!片腕だと不便やなぁって思ってたそがれてたんやで?」
「そういうころだと思った。十二番隊行くよ」
「ええっ!僕を人体実験に売り込むつもりなん!?」
よよよ、と残っている腕で目元を袂で隠す
凛は心底めんどくさそうな顔をして
ずいずいと十二番隊の方へ進んでいく
「その他、体の調子は?」
「せやねぇ、真面目に仕事振り回されすぎて頭痛いくらいやね」
「今まで使ってなかった脳みそ使ってるからだろうね。筋肉痛的な感じだよ。頑張れ」
「なぁ、冷たい!」
「ごちゃごちゃ言わないで、ただでさえ目立つんだから」
隊長羽織もない、副官章もない
死覇装1枚で、この瀞霊廷を歩くのは
百年以上ぶりで浮き足立っているのは確か
「せやけど、僕の面倒見る〜って言うたのは
凛やで?責任もってな??」
「だから今連れて歩いてるんじゃん」
「ホンマやったら、手ぇつないで歩きたい〜」
片手には残念ながら書類がある。
片手が塞がっていると、やっぱり不便なのだ
「だから、今からその話をしに行くんでしょ。
あ、阿近」
「お疲れ様っす、時間ピッタリっすね」
「予定より5分到着遅くなったけどね」
「ほんまに、実験するやん……」
「ほらギン、その書類阿近に渡して」
ほい、と書類を阿近に渡すと
っす、と会釈をした阿近は書類に目を通す。
首を倒して、骨をボキボキと鳴らしている。
不意に空いた手を凛に伸ばしてみる。
「なに?」
「手、繋ぐって言ったやん」
「あぁ、それか」
子供のように甘えてみても、わがままをいってみても
凛はなんだかんだ受け入れてくれたのが
本当はずっと嬉しくて。
封書を見つけたのは、凛で
僕の命を手放さなかったのも凛のおかげやった
「フン、ようやくきたか」
「おまたせしました」
「市丸ギン、ずいぶんと丸くなったものだな」
「久しぶりやね、涅はん」
「隊長、でしょ」
「実に滑稽だね、腕を見せ給え」
涅の、迎えに座ると凛が、腕のない方の袖口を捲り上げる
綺麗に切断されたそこを、まじまじと見つめる。
「ふむ、経過は良さそうだ」
「卯ノ花隊長が、きれいに仕上げてくださったので」
「実に美しい傷口だ、さ、て」
涅は、後ろのホルマリン漬けのようなところから
無操作に取り出したのは、腕だった
「これが、今まで集めに集めた市丸ギンという男の情報とサンプル、唯一回収できた薬指を合わせて作ったものだ」
「腕や……」
「あとは神経同士の結合がうまく行けば話は早いだろう」
「すぐできるものなんですね、サクッとお願いします」
「えええっ!僕の意見は!?」
「聞かないよ、聞くわけないじゃない」
ここに名前を書いてください、と涅ネムが差し出してくるものに、ほら、と目配せされて名前をかく。
拒否権はもともとなかったし、腕をくっつけることに対しても特に異論は正直無かった。
「じゃぁ、あとはお願いします」
「ええっ、凛どこ行くん?」
「仕事!書類配達したりいろいろやらなきゃならんのよ」
「えええ、」
仕方がないとため息をついた凛は
僕にそっと近づいてきた
「いい子にしてたらご褒美考えるから、ね?」
「なぁ、僕のことお子様と思ってへん?」
「死覇装だけのギンの、姿なんて小さい頃しか見てないからその姿を彷彿としてるのかもね?」
「ほら、モタモタするなよ」
「じゃぁ、終わった頃見計らって来ますね」
十二番隊よ、手術室のような場所に連れて行かれる。
さっ、と口元を布で覆われる。
多分これは睡眠を誘発させるもの。
わずかに意識があったときに、腕にチクリと痛みが走った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お疲れ様です」
「ようやくきたか」
「現世にて購入した、サンマの缶詰ですよかったら。つまらないものですが、お納めください」
意識が戻ってきた頃に、凛の声がした。
起き上がろうとすると、涅ネムが
すぐに起き上がると体に負担ですよ、と行動を制した
「腕の調子はどうですか?」
「あるね、腕」
「はい、動きも良好でしょうか」
「なんか、ちょっと違和感やけど……」
「神経同士の、結合は終了しております。あとら体の中の霊子がうまく流れるようになれば以前のようなスムーズさになる、とマユリ様が仰っていました」
説明を終えた頃、凛が部屋に入ってきた。
言われた通り、ゆっくりと起き上がる。
「さっさと帰りたまえ、私は忙しいのだ」
「はい、ありがとうございます」
僕の近くにようやくきた凛を
無意識のうちに抱きしめていた
すると、凛もボクの背中に腕を回してきた
「御免な、ほんま……」
「いいんだよ、ギン」
2本の腕でぎゅっと抱きしめる
生きながらえたときから、もしかすると
ずっと、こうしたかったのかもしれない
「凛、」
「ひとまず、さ。戻ろっか。三番隊に」
今、言いかけた言葉は
一体何だったのだろうと、今は知らないフリをして
先程までできなかった、手を繋いで瀞霊廷を歩く。
三番隊へ戻るということができる幸せを噛み締めて
「凛」
「なに?」
「なーんでもあらへん」