ながいはなし
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あの日以降、小鳥遊は平子に会う時間は無かった。
小鳥遊がひたすら隊長になることへの準備に追われ
家と隊舎を何度も行き来し、手元に隊長羽織が出来上がったのは就任式の3日前で流石に享楽も肝を冷やしていた。
「ついに明日かぁ」
「そやね、実感は?」
「あんまり、ないかな。でも、ないままの方が気が楽かなぁって思ってる」
「この2週間ぐらい、ずっとバタバタしたやん」
「マコトには色々迷惑かけたね」
「いーえ。前もこんなに忙しかったん?」
はい、と愛用の湯飲みに緑茶を淹れて差し出される
一息つくのも、2週間ぶりといえようか。
それくらい、目まぐるしく動き回っていたのは
小鳥遊の性格上のことであろう。
残された人達に迷惑をかけないようにする。
以前隊長を゙辞した時から決めていたルールだ。
「前は、準備というより隊長になってからのほうがバタバタしてたかな。教えてくれる人がいないわけだから」
「うん」
「あんまり無茶すると身体に障るよと言われてたし、
自分がどこまでできるのか分からなかったから」
「そらそーか、副隊長になった時ってぬるっと席位が上がった程度やと思ってたけど、そんな簡単なもんじゃなかったもんな」
「それの何倍も大変だよ」
「頭も上がらんわ」
そうだ、とマコトは一息ついていたが
思い出したように立ち上がり、台所に戻る。
そうして、持ってきた包みを小鳥遊に渡した
「これ、」
「あ、律儀だね」
「俺が副隊長のときになった時にも買ってきてたやん?だから、隊長になった時のお祝い。
阿散井くんから美味しいお店聞いたから、多分美味しいはずや」
包みの中はたい焼きだった
めでたい、と言葉という理由で
マコトが副隊長になった時に、小鳥遊が買ってきていたのだ。
「こしあん派やっけ」
「特にこだわりはないけど、こしあんのほうが食べることが多いかなぁ」
「そやろ。はい」
「ありがとう」
「あらためて、八番隊隊長の就任おめでとうございます」
乾杯、とたい焼き同士の頭を合わせて
2人で食べていく
無言だけど、この時間が心地よいものでもある。
目まぐるしくすぎた、あの2週間は
平に衣食住は全て任せっきりであった小鳥遊は
ふと、平子が前に言っていたことをおもいだした
「やっぱり、帰ってきて誰かがいるって安心するよね」
「まー、俺は転がり込んでるだけといえばだけ、なんやけど」
「だとしても、やっぱり安心感はある」
「安心感あるから、俺もここに帰ってきてしまうんやろうね。実家があるありがたさ」
“実家”
その言葉が、小鳥遊の中に残った。
平にとっては、ここは実家。帰るべき場所なのだと思い知る。
本当は、このタイミングで平子と一緒に住むかもしれないという話をする予定だったが飲み込んだ。
小鳥遊の言いたいことを飲み込ませるのが、親子のつながりを感じてしまった。
(変なところ似たなぁ……、ほんとに)
「けど、無くなってもええよ」
「………え?」
「すっごいキザっぽいこと言うけど、小鳥遊凛がいる場所が俺の実家やから」
「マコト……」
「逆に、母さんが誰かと一緒に住みたいからこの家手放すってなったら、俺がこのまま居座るし
なんやったら、母さんの実家やで!って迎えるわ」
「………なにそれ」
「それくらいこの場所は大切ってこと」
平は続けて話す
「せやから、俺も母さんも自分が大切な方、幸せな方を選んでいこうや。2人の給料あればここの家賃ぐらいなんとかなるやろ?いくらかしらんけど」
小鳥遊は、先ほど思ったことを心の中で前言撤回をした。
確かに、言いたいことを言わせないような物言いは似てしまったかもしれないが、人の心の汲み方もそっくりなのだと感心もした
「この家の家賃はないよ」
「え、母さん買ったん?まじか、めっちゃ高いイメージあったんやけど……設備めっちゃいいし」
「これは、前の総隊長がくれたの」
「……くれた?くれたって、プレゼント的な?家を!?」
「そ、マコトが安全に健康に生まれるようにね」
「俺、ここに骨埋めるわ。手放せん。明日墓参り行ってくる」
「大げさ、けど、私も手放す気ないから安心して」
たい焼きを食べ終えてからも、話は続いた。
息子と母親とのゆったりした時間は
これから先、どれくらい取れるのだろうかは
誰にもわからない
だから、この時間をいつまでも大切にしたいと思っている小鳥遊だ
「あ、そういやね」
「うん」
「檜佐木くんから、また、瀞霊廷通信に出てほしいって話があったんよ」
「へー、人気じゃん」
「俺と、誰かが対談するって話だけされて相手は教えてくれてへんのや」
「あぁ、私知ってるよ」
あの時の平子と檜佐木の会話を聞いていた小鳥遊
どうやら、檜佐木は平を驚かせるつもりか
相手を伏せているようだったので、自身も言わなかった
「しかも、向こうからのご指名やっていうから
緊張するわぁ……」
「私も、隊長になったら瀞霊廷通信載るって言われたなぁ…やだなぁ……」
「学生向けのやつやろ、」
「私も万が一対談って言われたら、マコト指名しようかなぁ」
「やめぇや。気まずい」
「いつの日か、親子関係でしたって言えるときまでその対談はなしだね」
「……せやね、いつか言える時になったらな」
ほんの少し、物悲しく平は言葉をこぼしたのであった
小鳥遊がひたすら隊長になることへの準備に追われ
家と隊舎を何度も行き来し、手元に隊長羽織が出来上がったのは就任式の3日前で流石に享楽も肝を冷やしていた。
「ついに明日かぁ」
「そやね、実感は?」
「あんまり、ないかな。でも、ないままの方が気が楽かなぁって思ってる」
「この2週間ぐらい、ずっとバタバタしたやん」
「マコトには色々迷惑かけたね」
「いーえ。前もこんなに忙しかったん?」
はい、と愛用の湯飲みに緑茶を淹れて差し出される
一息つくのも、2週間ぶりといえようか。
それくらい、目まぐるしく動き回っていたのは
小鳥遊の性格上のことであろう。
残された人達に迷惑をかけないようにする。
以前隊長を゙辞した時から決めていたルールだ。
「前は、準備というより隊長になってからのほうがバタバタしてたかな。教えてくれる人がいないわけだから」
「うん」
「あんまり無茶すると身体に障るよと言われてたし、
自分がどこまでできるのか分からなかったから」
「そらそーか、副隊長になった時ってぬるっと席位が上がった程度やと思ってたけど、そんな簡単なもんじゃなかったもんな」
「それの何倍も大変だよ」
「頭も上がらんわ」
そうだ、とマコトは一息ついていたが
思い出したように立ち上がり、台所に戻る。
そうして、持ってきた包みを小鳥遊に渡した
「これ、」
「あ、律儀だね」
「俺が副隊長のときになった時にも買ってきてたやん?だから、隊長になった時のお祝い。
阿散井くんから美味しいお店聞いたから、多分美味しいはずや」
包みの中はたい焼きだった
めでたい、と言葉という理由で
マコトが副隊長になった時に、小鳥遊が買ってきていたのだ。
「こしあん派やっけ」
「特にこだわりはないけど、こしあんのほうが食べることが多いかなぁ」
「そやろ。はい」
「ありがとう」
「あらためて、八番隊隊長の就任おめでとうございます」
乾杯、とたい焼き同士の頭を合わせて
2人で食べていく
無言だけど、この時間が心地よいものでもある。
目まぐるしくすぎた、あの2週間は
平に衣食住は全て任せっきりであった小鳥遊は
ふと、平子が前に言っていたことをおもいだした
「やっぱり、帰ってきて誰かがいるって安心するよね」
「まー、俺は転がり込んでるだけといえばだけ、なんやけど」
「だとしても、やっぱり安心感はある」
「安心感あるから、俺もここに帰ってきてしまうんやろうね。実家があるありがたさ」
“実家”
その言葉が、小鳥遊の中に残った。
平にとっては、ここは実家。帰るべき場所なのだと思い知る。
本当は、このタイミングで平子と一緒に住むかもしれないという話をする予定だったが飲み込んだ。
小鳥遊の言いたいことを飲み込ませるのが、親子のつながりを感じてしまった。
(変なところ似たなぁ……、ほんとに)
「けど、無くなってもええよ」
「………え?」
「すっごいキザっぽいこと言うけど、小鳥遊凛がいる場所が俺の実家やから」
「マコト……」
「逆に、母さんが誰かと一緒に住みたいからこの家手放すってなったら、俺がこのまま居座るし
なんやったら、母さんの実家やで!って迎えるわ」
「………なにそれ」
「それくらいこの場所は大切ってこと」
平は続けて話す
「せやから、俺も母さんも自分が大切な方、幸せな方を選んでいこうや。2人の給料あればここの家賃ぐらいなんとかなるやろ?いくらかしらんけど」
小鳥遊は、先ほど思ったことを心の中で前言撤回をした。
確かに、言いたいことを言わせないような物言いは似てしまったかもしれないが、人の心の汲み方もそっくりなのだと感心もした
「この家の家賃はないよ」
「え、母さん買ったん?まじか、めっちゃ高いイメージあったんやけど……設備めっちゃいいし」
「これは、前の総隊長がくれたの」
「……くれた?くれたって、プレゼント的な?家を!?」
「そ、マコトが安全に健康に生まれるようにね」
「俺、ここに骨埋めるわ。手放せん。明日墓参り行ってくる」
「大げさ、けど、私も手放す気ないから安心して」
たい焼きを食べ終えてからも、話は続いた。
息子と母親とのゆったりした時間は
これから先、どれくらい取れるのだろうかは
誰にもわからない
だから、この時間をいつまでも大切にしたいと思っている小鳥遊だ
「あ、そういやね」
「うん」
「檜佐木くんから、また、瀞霊廷通信に出てほしいって話があったんよ」
「へー、人気じゃん」
「俺と、誰かが対談するって話だけされて相手は教えてくれてへんのや」
「あぁ、私知ってるよ」
あの時の平子と檜佐木の会話を聞いていた小鳥遊
どうやら、檜佐木は平を驚かせるつもりか
相手を伏せているようだったので、自身も言わなかった
「しかも、向こうからのご指名やっていうから
緊張するわぁ……」
「私も、隊長になったら瀞霊廷通信載るって言われたなぁ…やだなぁ……」
「学生向けのやつやろ、」
「私も万が一対談って言われたら、マコト指名しようかなぁ」
「やめぇや。気まずい」
「いつの日か、親子関係でしたって言えるときまでその対談はなしだね」
「……せやね、いつか言える時になったらな」
ほんの少し、物悲しく平は言葉をこぼしたのであった