ひらこしんじ
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ぼんやりと空を見つめていた。
最近、違和感を感じるのは
この公園の近くにあった、何かの気配が少なくなったことだった。
昔から、なにか見えてはいけないものに好かれていてり、見えてしまったり、と特殊な感覚を持っていた。
「あのお兄さん、何者だったのかな……」
夜になるとたまに、このベンチで一人
缶ビールを飲んで空を見上げていたお兄さん
どこか哀愁漂う雰囲気から目が離せなくなっていた
とある日、街全体が何かに覆われてしまって
息苦しい空間に移動した感覚になった。
その時にもお兄さんはそのベンチに座って、空を眺めていた
だから、私も今お兄さんが座っていたベンチに座って、カフェで買った飲み物を持ちながら、空を見上げ
お兄さんのように憂いてみる
「話しててみればよかった、かな」
まさか、急に姿が見えなくなるなんて。
あの切り揃えられた金髪が、目を閉じれば今も揺れている映像が見えるというのに。
急に会えなくなった。
名前も知らないお兄さん
「なんや、先客や」
不意に聞こえた声
ここらへんではいないタイプのイントネーション
伸びた影が、私に重なって日陰になっていた
「あ、お兄さん………」
「先客、ゆうてもみんなのベンチやから座っててええからね」
「あ、はい」
ベンチの真ん中に座っていたが、すこし左側にずれるとすまんな、と言ってお兄さんは隣に座った
「なぁ、自分さ」
「へっ?」
「右肩、調子悪いんか」
「あ、そうなんです。先日から全然上がらなくなっちゃって……重たいもの持ちすぎちゃったかな」
「触ってもええ?」
「あ、はい……」
お兄さんは整体師とかなのか、と
ためらいもなく許可をしたが、お兄さんではなかったらなかなか危ない行為をしていた
肩に手を置いてから、払うような行動を3回程度して
から、手のひらを肩にかざす
「ちょっと痛かったらごめんやで」
「えっ?」
「破道の一 衝」
バチッ!と何かが弾かれる音がした
驚いて目を閉じたが、当たりの変化はなく
自分の右肩が軽くなった感覚がある
「どや」
「え、肩軽い…!すごいですねお兄さん!」
「平子さんな?小鳥遊凛ちゃん?」
「すごいですね平子さ、ん?」
初めて知ったから顔を見た。
いつも横顔を眺めていた、とはいえだ。
「そないに固まってどないしたん?」
「いや、名前………?」
「名前?真子やで」
「そうじゃ、なくて!」
「難しいこと考えんでええよ、昔に会ったことあんねん」
「昔、」
「凛ちゃん、小さい頃車に轢かれたやろ?
そん時、衝撃でコンクリに右肩からぶっかってん」
その話は聞いたことがある。
小さい頃に、車にひかれて死にかけたこと。
そこから肩の調子がよくないこと。
その時、車を止めてくれた人が、いたこと。
「まだ、こっちに着たらあかんよーって言われたやろ」
「そう。金色の長い髪で白い布をヒラヒラしていた人に、言われた……」
「ちゃんと、今まで行きてて偉かったな」
お兄さん、改め平子さんに再度肩に手を置かれる
じわじわと暖かくなる感覚
そうして、ゆっくりと近づく平子さんの顔に
どんどん意識が遠くなっていく。
このままだと、キスされるのは分かっているのに
どうしても動けない
「まだ、こっちに着たらあかんよ凛?」
唇が触れる数ミリ前に止まって
そんな事を言われる。
その後、またたく間ひ唇を奪われる。
触れ合うだけのキスから、口内を平子さんの舌が
なぞっていく感覚にゾワゾワした
平子さんもう片方の手で、視界をふさがれて
平子さんの下に翻弄されるだけだった
「んっ、はっ………」
「ほな、もう俺のことは忘れてな?」
「え……?」
不意に離れた唇
目を覆ったままの手のひらのせいで
平子さんの顔は見えない。
そして、真っ暗だったはずの始解が、どんどん白くなって眩しくなっていく。
「あのまま、抱くんかと思ったわ」
「抱かんよ」
「抱いたほうが効果あったやろ。ほんま、未練タラタラやないか」
「うっさいわ!解決したんやからええやろ!」
気づけば、私は公園のベンチで空を見上げるのが
毎日のルーティンのようになっていた。
今日は、本をも読むかな。とカバンから文庫を取り出して、いつものベンチに少し右側を広めに開けて座る
肩の調子が良くなった。
見えなくていいものは、見えなくなったし
感じることも減った。
以前よりも過ごしやすくなったのだが
なにか物足りなくなっているのは事実であった
「ここに来れば、なにか解決できるかなぁと思ったんだけど……そう上手くは行かないか」
誰かを求めてこの場所に着てきた気がするのに
それすら思い出せない。
本を読む前に、空を見上げる。
(凛、まだそこにおってな。
また、会いに行くから、その時まで、待っててな)
最近、違和感を感じるのは
この公園の近くにあった、何かの気配が少なくなったことだった。
昔から、なにか見えてはいけないものに好かれていてり、見えてしまったり、と特殊な感覚を持っていた。
「あのお兄さん、何者だったのかな……」
夜になるとたまに、このベンチで一人
缶ビールを飲んで空を見上げていたお兄さん
どこか哀愁漂う雰囲気から目が離せなくなっていた
とある日、街全体が何かに覆われてしまって
息苦しい空間に移動した感覚になった。
その時にもお兄さんはそのベンチに座って、空を眺めていた
だから、私も今お兄さんが座っていたベンチに座って、カフェで買った飲み物を持ちながら、空を見上げ
お兄さんのように憂いてみる
「話しててみればよかった、かな」
まさか、急に姿が見えなくなるなんて。
あの切り揃えられた金髪が、目を閉じれば今も揺れている映像が見えるというのに。
急に会えなくなった。
名前も知らないお兄さん
「なんや、先客や」
不意に聞こえた声
ここらへんではいないタイプのイントネーション
伸びた影が、私に重なって日陰になっていた
「あ、お兄さん………」
「先客、ゆうてもみんなのベンチやから座っててええからね」
「あ、はい」
ベンチの真ん中に座っていたが、すこし左側にずれるとすまんな、と言ってお兄さんは隣に座った
「なぁ、自分さ」
「へっ?」
「右肩、調子悪いんか」
「あ、そうなんです。先日から全然上がらなくなっちゃって……重たいもの持ちすぎちゃったかな」
「触ってもええ?」
「あ、はい……」
お兄さんは整体師とかなのか、と
ためらいもなく許可をしたが、お兄さんではなかったらなかなか危ない行為をしていた
肩に手を置いてから、払うような行動を3回程度して
から、手のひらを肩にかざす
「ちょっと痛かったらごめんやで」
「えっ?」
「破道の一 衝」
バチッ!と何かが弾かれる音がした
驚いて目を閉じたが、当たりの変化はなく
自分の右肩が軽くなった感覚がある
「どや」
「え、肩軽い…!すごいですねお兄さん!」
「平子さんな?小鳥遊凛ちゃん?」
「すごいですね平子さ、ん?」
初めて知ったから顔を見た。
いつも横顔を眺めていた、とはいえだ。
「そないに固まってどないしたん?」
「いや、名前………?」
「名前?真子やで」
「そうじゃ、なくて!」
「難しいこと考えんでええよ、昔に会ったことあんねん」
「昔、」
「凛ちゃん、小さい頃車に轢かれたやろ?
そん時、衝撃でコンクリに右肩からぶっかってん」
その話は聞いたことがある。
小さい頃に、車にひかれて死にかけたこと。
そこから肩の調子がよくないこと。
その時、車を止めてくれた人が、いたこと。
「まだ、こっちに着たらあかんよーって言われたやろ」
「そう。金色の長い髪で白い布をヒラヒラしていた人に、言われた……」
「ちゃんと、今まで行きてて偉かったな」
お兄さん、改め平子さんに再度肩に手を置かれる
じわじわと暖かくなる感覚
そうして、ゆっくりと近づく平子さんの顔に
どんどん意識が遠くなっていく。
このままだと、キスされるのは分かっているのに
どうしても動けない
「まだ、こっちに着たらあかんよ凛?」
唇が触れる数ミリ前に止まって
そんな事を言われる。
その後、またたく間ひ唇を奪われる。
触れ合うだけのキスから、口内を平子さんの舌が
なぞっていく感覚にゾワゾワした
平子さんもう片方の手で、視界をふさがれて
平子さんの下に翻弄されるだけだった
「んっ、はっ………」
「ほな、もう俺のことは忘れてな?」
「え……?」
不意に離れた唇
目を覆ったままの手のひらのせいで
平子さんの顔は見えない。
そして、真っ暗だったはずの始解が、どんどん白くなって眩しくなっていく。
「あのまま、抱くんかと思ったわ」
「抱かんよ」
「抱いたほうが効果あったやろ。ほんま、未練タラタラやないか」
「うっさいわ!解決したんやからええやろ!」
気づけば、私は公園のベンチで空を見上げるのが
毎日のルーティンのようになっていた。
今日は、本をも読むかな。とカバンから文庫を取り出して、いつものベンチに少し右側を広めに開けて座る
肩の調子が良くなった。
見えなくていいものは、見えなくなったし
感じることも減った。
以前よりも過ごしやすくなったのだが
なにか物足りなくなっているのは事実であった
「ここに来れば、なにか解決できるかなぁと思ったんだけど……そう上手くは行かないか」
誰かを求めてこの場所に着てきた気がするのに
それすら思い出せない。
本を読む前に、空を見上げる。
(凛、まだそこにおってな。
また、会いに行くから、その時まで、待っててな)
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