ながいはなし
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横並びの布団に
同じ香りにする男女は、そう簡単には眠ることはできなかった。
「寝ないの、真子」
「おー、もう少しな」
「……そっか」
布団にくるまるのは小鳥遊で
その横で、あぐらをかいて座っているのは平子
自身が普段着ている着流しを渡してしまったばかりに
いささか落ち着かない様子だった。
「別に、今さら手だされても怒らないよ」
「お前はそういうことを言うな」
「ねぇ、真子」
「今度はなんや」
「初恋の人って、本当は誰なの?」
初恋の人にそっくりや、
平子真子の常套句なのはご存知の通りで
矢胴丸リサいわく、女の子全般を指しているらしい
「覚えとらん。いつ初恋やったかなんて」
「……それもそっか」
「やけど、そういうと嫌な顔する子おらんねん」
「ふーん」
「初恋の子は、越えられない壁やとおもわん?」
平子言い分はこうだ。
言い寄ってくる子には、俺が始めて好きになった子を思い出させる人。その人の代わりにはなれない、と遠回しにその子には靡かないよと伝えている、らしい
「それ以外にも言うことあるんだ」
「ほんまは本命の子に言うつもりやったん
やけど、それ言うと霊圧冷たくして、トゲトゲしてしもうたからもう言えへんな」
「………そっか」
「初恋の人ってどんな人?って会話になったら〜とか色々考えてんねん」
初恋の人っていうとどんな人?と聞かれたときに
この言葉の威力がでるんやけどね。と補足
「のぉ、凛」
「なに?」
「結局付き合ってるやつとかおらんかったんか」
「ずっと言ってるじゃんか、真子だけだよって」
「……せやったわ」
もう寝るね、と目を閉じる小鳥遊
おう、と小さく返した平子はまだ眠る様子はなかった。
ものの十分も立たずして、小さな寝息が聞こえる
「俺だけ、か」
俺もやで、と心の中で答えた平子も
諦めたように、部屋の電気を消して眠る小鳥遊の隣に横たわる。
腕を伸ばし、小鳥遊を後ろから抱きしめるような形を取る。
同じ香りのする髪にキスを落として、ゆっくりと目を閉じた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
平子が目を覚ますと、隣で眠っていたはずの
小鳥遊凛はいなかった。
きれいに畳まれた布団、人の気配は近くにはある
(〜〜〜、〜〜っ、て〜〜、〜〜〜〜)
どうやら話しているよだった
会話の内容こそ聞こえないが、すこし焦っているような声だった
(〜〜から、〜〜で、うん〜〜〜〜)
平子の気配に気づき、目を大きく開いた小鳥遊
(ひとまず、その話は明日聞くから!)
慌てて切られた電話
「おはよう、真子」
「おはようさん、朝から電話か?」
「うん、ちょっとね……」
「誰や?」
「……身内、かな」
自然が泳ぐ小鳥遊をじっと見つめる。
身内、と濁した答えが何やら引っかかるのだ。
「朝ごはん、作ってみたんだけど一緒に食べない?」
「……あー、おん、そうしよか」
「うん、お茶碗とかだしてもらってもいいかな」
「わかった、」
1本の電話でギクシャクした2人。
電話の内容は、息子である平マコトが
大きめの負傷をした、と本人からの連絡だった
二泊三日の入院が必要だから、退院の手続きなどの話だったのだ。
「おまたせ」
「おおきに」
無言が流れる食卓。
ちなみに、今日の予定は特に決めていないが
平子はただ、面と向かって話したいという願望だけで
小鳥遊を非番にしたのだ。
「今日は、色々話すで」
「そんなに話すことないよ」
「なら俺が言いたいことに答えてくれや」
「尋問みたいだね」
「そういうことや」
ご飯に、だし巻き卵、味噌汁、小松菜の胡麻和え
魚も焼けばよかったが、そんなものは平子の冷蔵庫には無かった
「真子って卵焼き甘い派だったっけ?」
「いや、ちゃうよ」
「よかった、どっちか分かんなくなっちゃって」
「……ほーか」
同じ香りにする男女は、そう簡単には眠ることはできなかった。
「寝ないの、真子」
「おー、もう少しな」
「……そっか」
布団にくるまるのは小鳥遊で
その横で、あぐらをかいて座っているのは平子
自身が普段着ている着流しを渡してしまったばかりに
いささか落ち着かない様子だった。
「別に、今さら手だされても怒らないよ」
「お前はそういうことを言うな」
「ねぇ、真子」
「今度はなんや」
「初恋の人って、本当は誰なの?」
初恋の人にそっくりや、
平子真子の常套句なのはご存知の通りで
矢胴丸リサいわく、女の子全般を指しているらしい
「覚えとらん。いつ初恋やったかなんて」
「……それもそっか」
「やけど、そういうと嫌な顔する子おらんねん」
「ふーん」
「初恋の子は、越えられない壁やとおもわん?」
平子言い分はこうだ。
言い寄ってくる子には、俺が始めて好きになった子を思い出させる人。その人の代わりにはなれない、と遠回しにその子には靡かないよと伝えている、らしい
「それ以外にも言うことあるんだ」
「ほんまは本命の子に言うつもりやったん
やけど、それ言うと霊圧冷たくして、トゲトゲしてしもうたからもう言えへんな」
「………そっか」
「初恋の人ってどんな人?って会話になったら〜とか色々考えてんねん」
初恋の人っていうとどんな人?と聞かれたときに
この言葉の威力がでるんやけどね。と補足
「のぉ、凛」
「なに?」
「結局付き合ってるやつとかおらんかったんか」
「ずっと言ってるじゃんか、真子だけだよって」
「……せやったわ」
もう寝るね、と目を閉じる小鳥遊
おう、と小さく返した平子はまだ眠る様子はなかった。
ものの十分も立たずして、小さな寝息が聞こえる
「俺だけ、か」
俺もやで、と心の中で答えた平子も
諦めたように、部屋の電気を消して眠る小鳥遊の隣に横たわる。
腕を伸ばし、小鳥遊を後ろから抱きしめるような形を取る。
同じ香りのする髪にキスを落として、ゆっくりと目を閉じた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
平子が目を覚ますと、隣で眠っていたはずの
小鳥遊凛はいなかった。
きれいに畳まれた布団、人の気配は近くにはある
(〜〜〜、〜〜っ、て〜〜、〜〜〜〜)
どうやら話しているよだった
会話の内容こそ聞こえないが、すこし焦っているような声だった
(〜〜から、〜〜で、うん〜〜〜〜)
平子の気配に気づき、目を大きく開いた小鳥遊
(ひとまず、その話は明日聞くから!)
慌てて切られた電話
「おはよう、真子」
「おはようさん、朝から電話か?」
「うん、ちょっとね……」
「誰や?」
「……身内、かな」
自然が泳ぐ小鳥遊をじっと見つめる。
身内、と濁した答えが何やら引っかかるのだ。
「朝ごはん、作ってみたんだけど一緒に食べない?」
「……あー、おん、そうしよか」
「うん、お茶碗とかだしてもらってもいいかな」
「わかった、」
1本の電話でギクシャクした2人。
電話の内容は、息子である平マコトが
大きめの負傷をした、と本人からの連絡だった
二泊三日の入院が必要だから、退院の手続きなどの話だったのだ。
「おまたせ」
「おおきに」
無言が流れる食卓。
ちなみに、今日の予定は特に決めていないが
平子はただ、面と向かって話したいという願望だけで
小鳥遊を非番にしたのだ。
「今日は、色々話すで」
「そんなに話すことないよ」
「なら俺が言いたいことに答えてくれや」
「尋問みたいだね」
「そういうことや」
ご飯に、だし巻き卵、味噌汁、小松菜の胡麻和え
魚も焼けばよかったが、そんなものは平子の冷蔵庫には無かった
「真子って卵焼き甘い派だったっけ?」
「いや、ちゃうよ」
「よかった、どっちか分かんなくなっちゃって」
「……ほーか」