逃避行
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毎日、毎日、同じことの繰り返しの中で。
私の存在する意味ってーーー
[逃避行]
社会人になって早三年。
仕事も慣れてきたし、一人暮らしにも慣れてきた。
実家から出てきて家族がいない家の中では、会話というものは存在しない。
「ただいま」も無ければ「おかえり」もない。
退勤してしまってから、家までの帰り道。
電車に揺られ、駅からは自転車に乗る。
(ああ、こんな毎日。逃げ出したい)
思ってみたりしても声には出さない。
『いつも』なら。
駅から家まで、自転車で10分。
日もすっかり落ちた、もうすぐ19時とはいえ残暑が厳しい。
住宅街を抜けるよう、いつものように自転車を走らせる。
いつものように。
だが、この日は違ったのだ。
もうすぐ家に着く、そんな時。
道の真ん中、マンホールの上に真っ白な猫がいた。
いつものように、
植え込みの近くとか塀の上にいるならそのまま素通りしていただろう。
『いつも』とは違う、存在感を示す猫に自転車をこぐ足が止まった。
真っ白な猫は金色の鈴を首につけ、同じく金色の目でじっと私を見つめ小さく鳴いた。
(綺麗だなぁ、)
思ってみても、声には出さない。
いつもなら。
ただ、今日は、なんとなく、
自転車を端へ寄せると猫に向かって話しかけていた。
傍から見たら1人で猫に話しかけるだなんて変人そのものだ。
私の存在する意味ってーーー
[逃避行]
社会人になって早三年。
仕事も慣れてきたし、一人暮らしにも慣れてきた。
実家から出てきて家族がいない家の中では、会話というものは存在しない。
「ただいま」も無ければ「おかえり」もない。
退勤してしまってから、家までの帰り道。
電車に揺られ、駅からは自転車に乗る。
(ああ、こんな毎日。逃げ出したい)
思ってみたりしても声には出さない。
『いつも』なら。
駅から家まで、自転車で10分。
日もすっかり落ちた、もうすぐ19時とはいえ残暑が厳しい。
住宅街を抜けるよう、いつものように自転車を走らせる。
いつものように。
だが、この日は違ったのだ。
もうすぐ家に着く、そんな時。
道の真ん中、マンホールの上に真っ白な猫がいた。
いつものように、
植え込みの近くとか塀の上にいるならそのまま素通りしていただろう。
『いつも』とは違う、存在感を示す猫に自転車をこぐ足が止まった。
真っ白な猫は金色の鈴を首につけ、同じく金色の目でじっと私を見つめ小さく鳴いた。
(綺麗だなぁ、)
思ってみても、声には出さない。
いつもなら。
ただ、今日は、なんとなく、
自転車を端へ寄せると猫に向かって話しかけていた。
傍から見たら1人で猫に話しかけるだなんて変人そのものだ。
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