お礼画面

お礼拍手(轟くん)

テーマ「四季 "冬"」





寒い冬は嫌い。

重ね着しても、コートを着てもマフラーと耳当てで防寒しても寒いものは寒いから。

冬は昔から嫌いだった。


暑いのも嫌だけど、寒いのはもっと嫌い。


そんな私だから防寒対策は絶対欠かさない。

なのに、よりにもよって手袋をどこかに落として無くしてしまうという失態を犯した私の手はどんどん赤く、冷たくなってかじかんでいく。
少しでも冷えが解消するように手を擦り合わせた私。





轟「大丈夫か?」 



つい数日前に恋人同士となった轟くんがふと隣から何かを聞いてきた。


『え、何が?』

轟「手、真っ赤だから。お前、いつも手袋してなかったか?」

『どっか落としちゃったみたいでね、ホント嫌んなっちゃう』

轟「ふーん、ほら」

『え?』



こっちに来いと、私の腕を優しく引き轟くんの右側を歩いていた私を左側に移動させた。


『轟くん?』 

轟「ん」


手を差し出してきた轟くん。

これは...つまり?


『えっと...』

轟「手、出せよ」

『あ、はい...』


言われるがままに手を出すと、差し出した手を握られ私の手ごと轟くんは自身のコートのポケットに手を入れた。


半燃である左側の手に繋がれた私の手は、あっという間に温かみを取り戻した。



轟「少しはマシだろ」

『...ううん』


首を振った私に眉をしかめた轟くん。


『すっごく暖かい!』


私がそう言うと轟が目を見開いてフッと笑った。






冬が大嫌いだった。
だけど、こうして轟くんの温もりに包まれる口実が出来るなら冬も大歓迎だ。



私はこの日から、冬をちょっぴり好きになった。


『轟くん、大好き』

轟「..おう」







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