プレドリ 番外編
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林間合宿を目前にしたとある日...。
雄英高は夏休みでも訓練を望む生徒に向け、特別講習を行なっている。
今日はその初日。
相澤「この講習は少人数で何回かに分けてやるぞ。今回はこの7人だ」
選ばれたのは緑谷、飯田、お茶子ちゃん、爆豪、梅雨ちゃん、焦凍くん、それに私だ。
相澤「言っておくが、通常の授業よりハードになる。覚悟しておけ」
『(通常の授業もまあまあハードだけどね)』
蛙吹「(何をやるのかしら?)」
緑谷「(また失敗したら、除籍とか言い出すんじゃ...)」
相澤「特別講習の内容だが、対ヴィランを想定した捕縛訓練を行う」
緑・麗「「ものすごくヒーローっぽいのキター!!」」
と盛り上がった2人だけど、もちろん相澤先生の睨みに怯みシーンと静かになったのは日常的な光景。
相澤「当たり前の事だが、ヴィラン犯罪には様々なケースがある。君らは事件現場に赴き、そこで何が起こってるのか。それがヴィラン犯罪なのかそうでないのか、戦うのか戦わないのか。状況判断力、対応力を鍛える訓練を行ってもらう。特別講師は...」
オール「後ろのドアから私が来たー!!」
勢いよく後方のドアを開けて入ってきたコスチューム姿のオールマイトがポーズを披露しながら決めセリフを言った。
緑谷「オールマイト!!喜」
麗日「今日も筋骨隆々!」
相澤「オールマイトだけじゃない。セメントス、ミッドナイト、プレゼントマイク。彼らも特別講師として参加してもらう」
いつの間にやら現れて教壇に立っていた教師陣。
相澤先生のGOサインが出て、私達は各々更衣室に向かいコスチュームに着替えてグラウンドβに集合した。
事件現場と想定される場所を緑谷とお茶子ちゃんと飯田が物影から顔を出し覗き見ている。
警察の絵が描かれたプレートが1つの店の前にずらりと立ち並んでいた。
緑谷「お廻りさんの看板が立ってる..」
飯田「ここが事件現場と言う事か」
相澤「現場の状況を教えておく。ヴィランは宝石店を襲撃。店員や買い物客を人質にして店内に立てこもっている。ヴィランと人質の人数は共に不明。君たちは警察から協力を依頼された、プロヒーローとして事件を解決しなければならない」
飯田「相澤先生!店内にはヴィランや人質に扮した先生が「質問は受け付けん」
腕を高く掲げ、質問をしようとした飯田の言葉を遮った相澤先生。
相澤「状況を自分で確認し、事件を解決しろ」
飯・麗・緑「「「はい!」」」
相澤「それでは、捕縛訓練を開始する」
相澤先生の一声と共に聞き馴染みのあるブザー音が鳴った。
飯田「さて、どうするか」
『捕縛訓練と言いながら実際には救助、避難活動も含まれてくるし場合によってはヴィランとの戦闘にもなり得る。犠牲者を出す可能性もあるから慎重に進めないと』
再び顔を出し、現場を覗き込んでいる飯田達に言ってみると皆がそれに納得したように頷いた。
緑谷「うん、とにかく店内にいるヴィランと人質の人数を確認しなきゃ」
爆豪「麗日、お前行け」
あまり人の名前を口にしない爆豪がお茶子ちゃんに名指しで指示した。
麗日「1人だけで?」
爆豪「ゾロゾロ行ったらヴィランに気づかれるだろうが。あの窓から中を覗きこめばいいんだよ」
そう言って爆豪は宝石店の天窓を指さした。
麗日「う、うん!分かった!」
蛙吹「危険じゃないかしら?」
轟「なら、ヴィランの気を逸らせばいい」
そう言って焦凍くんが提案したのは、宝石店に電話をかけることだった。
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「誰だ、警察か?」
轟「ヴィラン役はオールマイトだ」
電話を耳から話し手で抑え声を潜めながら電話の向こうの声を聴いてオールマイトがヴィランだと私達に伝えた焦凍くん。
轟「プロヒーローだ。犯人だな?」
「さあ、どうだかねえ」
焦凍くんがヴィランと通話をし、ヴィランの気を逸らしている間に緑谷がお茶子ちゃんに人質とヴィランの数をそれぞれ左手と右手で教えるよう指示を出した。
麗日「分かった」
自身に個性を使い宙に浮いたお茶子ちゃんが天窓に降り、中を覗いた。そして、右手で1、左手で3を示した。
緑谷「ヴィラン1、人質3」
飯田がお茶子ちゃんに両手でTの字を作り小声でその場に待機するよう伝えた。
その時、宝石店の入口近辺に人影が近づいてくる気配がした。
『皆、隠れて』
入口の前に立ったのはヴィラン役のオールマイトだった。
緑谷「オールマイ..じゃない、ヴィランだ」
轟「俺たちが帰ったか確認してやがる」
蛙吹「皆、ちゃんと隠れて。見つかったら人質が危険よ」
飯田「どうする。店の裏手に回るか?」
『............』
人質の数は多くないし、ヴィランは1人。その上ドアの目の前に立っている今なら、人質への流れ弾も気にせず上手く奇襲をかけて囲いこめそう。
爆豪「あー!!!まどろっこしい!」
再び静かだと思っていた爆豪が痺れを切らしたように叫び出した。
緑谷「かっちゃん?!」
轟「正面突破する気か?」
爆豪「当然だ!俺がクソヴィランに爆破をぶっ放してる間にお前らで人質でも何でも救出しやがれ!」
それに対して、愚策だと言わんばかりの周りの反応。
蛙吹「性急すぎるわ、爆豪ちゃん」
爆豪「何言ってやがる...。
窓の近くにいる今が、チャンスだろうが!!」
そう言って爆破の個性で一気にヴィランの立つ入口まで詰め寄る爆豪。
『私爆豪と同じレベルだったかー...』
轟「お前も正面から行こうとしてたのか?」
『あそこに立ってる今ならチャンスかなって...。まあ、あいつが突っこんだ以上もう突っ込むしかないでしょ』
私も爆豪を追ってダッシュウィンドで入口まで一気に詰め寄った。
それに続いた他のメンバー。
緑谷「まずい!ヴィランが!!」
入口に立っていたはずのヴィランがいなくなっていた。
爆豪「人質はやらせねぇ!!」
『あいつなんだかんだ言ってちゃんと人質きにしてるね』
緑谷「う、うん...」
爆豪が入り口を破壊し、店内に乗り込むとそこには衝撃の光景が私達の目に飛び込んだ。
『...は?』
ヴィランが腹部から血を流し倒れていた。
そしてその近くに、血のついたナイフが転がっていた。
緑谷「ヴィランが...死んでる?」
『死亡確認して、確かに死んでるってことでいいのかな』
梅雨ちゃんと一緒にヴィランの元にしゃがみ、髪の毛でオールマイトの鼻元をくすぐった。
蛙吹「そういう設定なのね」
麗日「爆豪くんの爆破で死んじゃったとか?!」
爆豪「そこまで威力は高めてねぇ!ってか、お前。上から見てなかったのか!」
麗日「爆破の煙で何も見えんかったんよ」
『まあ、突っ込むのには賛成だったけど。にしても爆豪の個性は確実にダメでしょ。視界遮るし下手したら死んでたのはヴィランじゃなかったかも。ってかほら、お廻りさんにも被害いってる』
そう言って店の外を指さすと警察プレートがあちこちで倒れている。自分に非が全くないわけじゃないと思ってる為かぐうの音も出ないようすの爆豪。
轟「凶器は血のついたナイフ」
飯田「現場は警察官に包囲されていて、人の出入りがなかったと仮定すると...ヴィランを殺した犯人は、人質の中にいる」
そう言って飯田が3人の人質を見渡した。
緑谷「待って、飯田くん。決めつけるのは早すぎるよ」
『うん、それは安直すぎると思う』
緑谷「まずは、人質の人達に話しを聞こう」
蛙吹「そうね、現場の状況を知らないと」
7人はまず人質の3人の拘束を解き、話しを聞くことにした。
この宝石店の店員役のセメントス。
セメ「私はこの宝石店の店員です。いきなりやってきたヴィランに脅され、宝石を渡した後縄で拘束されました」
大手広告事務所勤務のミッドナイト。
ミッド「私はアクセサリーを買おうとこの店に入ったらヴィランがいて、驚いてる間に捕まってしまったの」
ミュージシャンのプレゼントマイク。
マイク「俺はYO!彼女のYO!婚約指輪を選んでた、そしたらヴィランが現レーテ、ラリアットくらーって、気絶したYO!」
轟「ヴィランがやってきた時、この人店にいましたか?」
店員役のセメントスに質問した轟。それに対して、セメントスは「はい、いました。気絶させられてしばらく目を覚ましませんでした」と答えた。
『貴方が入ってきた時、2人はいましたか?』
焦凍くんに続いて、私はミッドナイトに対し質問をした。
ミッド「入った瞬間は見ていませんが、縛られている時別々の場所で座らされている2人を見ました」
轟「証言に食い違いはないな」
元より計画的な殺人か、突発的な殺人か....それとも。
緑谷「すみませんが、皆さんのお財布を見せてもらっていいですか
?」
緑谷の要求に素直に応じた人質役の3人。
緑谷「ミッドナイトの方はどう?」
プレゼントマイクの財布の中にびっしり入った札束を見て緑谷がミッドナイトの財布を確認してるお茶子ちゃんに聞いた。
麗日「クレジットカードがいっぱい入ってるよ」
緑谷「うん...」
爆豪「クソヴィランが殺されたんだ!こん中に犯人がいるはずだ!!」
轟「動機は?」
爆豪「あぁ?!奪った宝石目当てに決まってんだろ!!」
捻りも根拠もないその言い分に私は思わずため息を吐いた。
『お前賢いと思ってたけどアホだろ』
爆豪「んだと?!クソアマ!!」
蛙吹「そうだとしても、この場でヴィランを殺すのはあまりに無謀じゃないかしら?」
『ヴィランの他にたった3人しかいないこの状況下でヴィランを殺せば真っ先に容疑者入りだし、尻尾も掴まれやすくなる。愚策としか言いようがない。突発的な殺害だった可能性もある』
轟「それに宝石はヴィランが持ってた。誰にも奪われていない」
皆の視線は倒れたヴィランの近くに落ちている宝石の入った麻袋に向いた。
蛙吹「物取りの線でないとすると..」
麗日「仲間割れとか?」
緑谷「ヴィランは2人組だった。襲撃の途中で分け前か何かで揉め、その腹いせに」
蛙吹「なら、人質たちがその会話を聞いているはずよ」
そう思って一同が人質の方を見るが誰一人としてそのような会話は聞いていなかった。
轟「ヴィランは1人でしたか?」
セメントス「はい」
そこに店内の捜索に行っていた飯田が戻ってきた。
飯田「店内をくまなく探してみたが、裏口もないし窓も全部閉まっていた。単独犯であることは間違いない」
麗日「じゃあやっぱり、この中に犯人が...」
お茶子ちゃんが人質の3人を見ながらそう呟くと人質たちが一様に自分ではないと否定をし始めた。
蛙吹「状況を話して、警察に任せた方が良いんじゃないかしら?」
飯田「確かに一理ある」
麗日「でも、悔しいな。この中に犯人がいるのは分かってるのに...」
皆が一生懸命に考えている所悪いけど私にはどうにも腑に落ちない事がある。そもそも、このヴィランは本当に宝石が目的だったのか...。
爆豪「だったら...自白させればいいだろうぉがよ!!」
轟「爆豪!」
飯田「やめたまえ!」
蛙吹「そんな事をすれば、爆豪ちゃんが警察に捕まってしまうわ」
手をバチバチさせてる爆豪の首に粘着糸を巻き付け黙らせた私。
『お前の脳みそは単細胞か。
あのさ』
しばらく黙りこくっていた私が話し出したからか皆の視線は私に集中した。
『水差すようで悪いけど、皆の中では殺人の線しかないの?』
麗日「え?」
轟「どういう事だ?」
緑谷も急に黙り込んで顎に手を当てて何かを考えているからおそらく私と同じ考えがよぎってるんだと思う。
『思い返せば最初から矛盾してる事ばかり』
私の言葉に疑問符を浮かべる皆。
爆豪「おいクソデク。テメェもなんか考えてんのか..」
私の粘着糸から解放された爆豪が緑谷の様子から何かを感じ取り問い詰めた。
緑谷「うん、ずっと気になってる事があるんだ」
轟「何がだ?」
緑谷「何故ヴィランは宝石店に籠城したんだろうって」
『宝石が目当てなら、宝石を手に入れてそのまま立ち去ればいい。人質を捕らえて立てこもる必要がない』
緑谷「なのに、どうして...」
セメントス「それは、私がヴィランに命令されて宝石を袋に詰めている時に警察が駆けつけたからです」
だとすると、ヴィランが宝石店に入ってから、警察の現着までのスピードが速すぎる。
あの量の宝石を詰めるのに1分もかからない。
警察が来る前に宝石を持って逃走も出来たはず。
となると、考えられるのはヴィランが宝石店に入る前から警察への通報を誰かがしていた。はたまた、ヴィランの目的が宝石ではなかった。
麗日「通報したんですか?」
セメ「私はしていません」
飯田「宝石店の外から誰かが見ていて、警察に通報した」
『それにしても宝石店に入って雑談してから奪い始めたわけじゃあるまいし。警察の現着が不自然な程に迅速すぎる』
緑谷「だとすると通報したのは、ミッドナイト。貴方ですね」
ミッド「! わ、私が...?」
『プレゼントマイクはヴィランに襲撃されて気を失っている』
緑谷「ヴィランの後に宝石店に入ったのは貴方だけですから」
飯田「ちょっと待て、緑谷くん。風舞くん!」
爆豪「バカ、拗らせてんじゃねぇぞ。警察に通報した人間が、何でわざわざヴィランに捕まるような真似してんだよ!!」
緑谷「それが、ヴィランが籠城する原因になったんだと思う」
緑谷がそう口にした瞬間、ミッドナイトの顔が青ざめた。
『ミッドナイト、貴方はヴィランと顔見知りだったんですよね?しかも、あのヴィランが悪事を働いている事を周知していた』
緑谷「ヴィランが宝石店を襲う事を事前に知った貴方は、即座に警察に通報。そして警察が来る前に、自ら宝石店に入った」
『顔見知りの貴方が現れた事で、ヴィランは動揺しつつもミッドナイトの真意に気づいた。それでも強盗を続けようとしたヴィランは貴方を拘束』
緑谷「警察が到着し、籠城しなくてはならない状況になってしまった」
ミッド「な、何故私がそんな事をする必要が...」
緑谷「止めたかったんじゃないですか?ヴィランを」
『顔見知り...いや、実際はもっと深い仲ですよね?』
確信づいたもの言いの2人に、ミッドナイトが気まずそうに顔を逸らした。
緑谷「貴方が何度説得しても、ヴィランは悪事をやめなかった。だから、ヴィランが警察に捕まるように仕向けた」
麗日「あ。待って!デクくん!莉紗ちゃん!事件が2人の推理通りだとしても、どうしてヴィランは殺されたの?」
轟「彼女はヴィランを止めたかっただけだろ」
飯田「ああ、そうだ。彼女にはヴィランを殺す動機がない」
緑谷「そう、動機はない。だから、犯人はこの中にいないよ」
飯田「ちょっと待ってくれ!」
麗日「どういう事?!デクくん!」
『だから、さっき聞いたでしょ?みんなの中に殺人の線しかないの?って』
麗日「あ..」
『視界不良の密室下において、目撃証言も明確な殺害動機もない場合は殺人以外の線も考えるべき』
蛙吹「もしかして...」
轟「自殺...か」
『ミッドナイトの思惑を知ったヴィランは、それでも逃走を試みようとした』
緑谷「だけど、僕らプロヒーローが現場に来たから...」
飯田「観念して自殺を...」
緑谷「違うよ。もし自分が警察に捕まれば、自分とミッドナイトとの関係が警察にバレるかもしれない」
『今まで悪事を働いていたヴィランを通報するでも警察に突き出すでもなく、事に及ばせていた以上ミッドナイトも罪に問われる可能性がある』
緑谷「そうなれば、彼女の人生に暗い影を落とす事になる。だからヴィランは自らの口を自分の手で塞いだ。ミッドナイトが真実を僕らに告げなかったのも、命をかけて自分を守ろうとしたヴィランの気持ちに気づいたから。だから、言えなかったんだ..」
私達の謎解きを聞いて、ミッドナイトが涙を堪えきれず床に這いつくばって涙を溢れさせた。
麗日「もしかして、ミッドナイトとヴィランの関係って...」
『おそらく恋人同士か、それ以上だね』
蛙吹「悲しいわ、ミッドナイトは愛するが故に救おうとして」
飯田「そしてヴィランも、愛するが故ミッドナイトを救おうとしてたんだな」
轟「それがこんな結末になるとは...皮肉すぎるな」
緑谷「これが、ヴィラン宝石店襲撃事件の真相」
悲哀な雰囲気に包まれている宝石店内。
爆豪「(何なんだこの茶番は!!怒)」
とか爆豪あたりは思ってるんだろうな。
相澤「よし、そこまで!」
ミッド「あ~面白かった!」
「「「(変わり身はやっ!!)」」」
相澤「3人共お疲れさまでした。戻って貰って結構です」
相澤先生の言葉にその場を立ち去っていく教師たち3人。
相澤「緑谷、風舞」
緑谷「はい!」
相澤「お前達の推理は事前にこちらで用意したシナリオ通りだ。ヴィランは持っていたナイフで自らを切りつけた。ヴィランは何故籠城しているのかという疑問からよくここまで導きだしたな」
麗日「お~!相澤先生が褒めとる!」
飯田「やったな!2人共!」
『明日槍が降りそう....』
相澤「何か言ったか?」
『..いえ』
相澤「だが、お前達は大きな見落としをしている」
緑谷「え?」
『見落とし?』
相澤先生の言葉にその場の誰もが頭に疑問符を浮かべている。
相澤「故にこの捕縛訓練は0点だ」
「「「えぇええぇ?!」」」
爆豪「どういう事だよ?!」
相澤「見ろ」
そう言って相澤先生の視線の先には、ヴィランの遺体があった場所。血だまりだけが残りヴィランの身体がなくなっている。
麗日「アレ?」
緑谷「ヴィランの死体がない!」
私達は一斉に店の外に出ると、遥か彼方先に逃走中のヴィランの姿が..。
「「「「生きてるー?!」」」」
相澤「ヴィランを死体だと思い込み、拘束しなかったお前達の負け。詰めが甘かったな」
緑谷「ウソ...」
爆豪「そんなんアリかよ...」
相澤「ヴィラン役のオールマイトがヒントを与えてくれた事に気づかなかったのか?蛙吹が彼をくすぐった時に、反応しただろ。死体は動かない。生きていたんだよ」
唖然としながらも残念そうにする皆(約2名を覗いて)をよそに本気でイラっと来た私。ここは是非とも物申そう。でないと私の気がおさまらない...。
『先生、イラっと来たんで言って良いですか』
相澤「何だ」
『...訓練が故に死体かどうかの判断材料が微妙過ぎる!生きてる人間が死体演じるんだからくすぐって反応するのは当たり前、ってこっちは思う!だったら、死体役は絶対動かない人形とかロボットにしてください!てか、むしろそういうところに金かけてください!それと、ホントに死体だった場合ですよ。現場検分の為にも死体や現場に極力触れず発見時のまま置いておくのは基本ですよね?それを私達が生きてるかもしれない、生き返るかもしれないで拘束するのはアリなんですか?!』
麗日「莉紗ちゃん...」
緑谷「かっこいい...」
相澤「......まあ、お前の言う事にも一理ある。次に省みるよ」
『ホントですよ?!』
相澤「お前..案外気短いんだな。まあ、ともかく今回はお前達は0点なのには変わりない。じゃあこれにて捕縛訓練終了。解散」
緑谷「そんな...」
爆豪「きったねぇ!!」
飯田「ちょっと待ってくれ!ヴィランが生きていたとすると、彼は自殺したフリをして逃走するチャンスを伺っていた、と言う事にならないか?!」
蛙吹「ミッドナイトは、それを自分を気遣ってやった事だと勘違いしたのね...」
麗日「じゃあ愛は?!」
緑谷「愛は?!」
轟「愛は」
『愛は....』
爆豪「愛なんて....ねェじゃねぇかぁああ!!!」
End