私の道のり
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そして、いよいよ一般入試の日..
轟「頑張れよ」
『うん。緊張するー』
母「今までやってきたことを余すことなく出し切っておいで」
父「莉紗なら大丈夫だ」
『うん、頑張ってくる!』
私は、受験票がカバンに入ってるのを確認して焦凍くんと両親に見送られながら雄英高校に向かって出発した。
道行く人々に正体がバレないようにいつもの変装(ツインおさげに伊達眼鏡をかけて特別に担当のメイクさんに来てもらって私だとわからないようにナチュラルなそばかすメイクをしてもらった)をして雄英高校に着くと、想像を絶するほどの校舎のデカさと敷地の広さ。そして建物の立派さ。
そしてそこに入っていく受験者の数...
身バレしたら試験どころじゃない...。
気をつけなきゃ。
入学試験会場として案内された所が、演習場B。
住宅街を模しているようだけど...
でかっ!広っ!特撮映画出たときもこんな規模のセットなかったよ?!
先ほど入試のオリエンテーションをした会場も武道館かと思うほどのデカさ。
や、私まだ武道館でライブしたことないけどね。
壇上ではプレゼントマイクが演習試験について説明してくれていた。仮想ヴィランが3種類(1P、2P、3Pとポイントが振り分けられていて、ポイントが高い程に攻略難易度が高くなるらしい)がいたる所に多数配置されていて、仮想ヴィランを行動不能にすると該当するポイントをゲットできる。そして、より多くのポイントを稼ぐというものだそうだ。
『(とりあえず、このサポートアイテムの使用許可は事前に取れているから周囲への影響を気にすることなく個性は発動できる。とにかくパワーブーストと脚力ブーストで壊しまくれってことね)』
マイク「ハイ、スタートー!!」
「「??」」
突如響いたスタートの声。見上げると高台にプレゼントマイクがいた。
『(なんかよくわかんないけど...とりあえず始まってんのね!)』
一足先に演習場に入っていった受験者たちを追いかけるようにまだ、個性は使わずに走っていった。
演習場の中は、見事な再現度の高さでどこからどう見ても住宅街だった。
『(住宅街への被害は気にしないでやっていいのかな...まあ、私そんなに破壊するような個性じゃないんだけどね)』
そんな事を考えながら仮想ヴィランを探していると、曲がり角から巨大なロボットが姿を現した。
『これ何ポイントだったっけ?まあいいや。とりあえず全部1ポイントだと思って稼いでたら思ってたより少ないってことはないよね!』
私は仮想ヴィランに向かって走り出しながら、グローブの電源をONにして、R&Bを歌い脚力ブーストを自身にかけた。
短時間でより多くのエネルギーを還元し効果を極端にあげた莉紗は仮想ヴィランの頭上高くまで飛び上がった。飛び上がっている最中に、ロックを歌いパワーブーストをかけておくと最高到達点に達した自身の身体は重力に従い仮想ヴィランに向かって落ちていった。そして、拳を仮想ヴィランの身体にねじ込むと仮想ヴィランは木っ端みじんに破壊された。
『大成功~。この調子..あ』
次のヴィランを探しにその場を移動しようとした際に見えた数字。
『ポイント...部品に書いてあった。2Pだったか』
演習試験はまもなく半分の時間が終わろうとしている。
『(自分の計算上では、これで38P。他の人がどれくらいポイント稼いでんのかなー..)』
演習場を駆けまわっていると、突如大きな揺れを感じた。
『何、地震?』
周辺にいた受験者たちも何事か、と辺りをキョロキョロと見回している。
すると、突然あたりが暗くなったと思ったら目の前には今までの仮想ヴィランとは比べものにならない程のデカさの仮想ヴィランが現れた。その大きさは近くのビルも小さく見えてしまう程の大きさだった。
『これ、もしかして...0P?これが..?これで?』
驚愕していたのも束の間。0Pヴィランが腕を振り下ろし地面に突き立てると辺りは広範囲に地割れを起こし一気に被災地となった。
周囲にいた受験者たちが目の前の超巨大仮想ヴィランから逃げるようにその場を走り去っていく。
しかし..
『ちょ!』
仮想ヴィランの近くには女の子の受験者が倒れていた。
よく見ると、がれきに足を取られて動けずにいるようだ。
莉紗は考えるよりも先に動き出した。
R&Bで脚力ブーストをかけ、仮想ヴィランの間合いに入るや否やロックを歌いパワーブーストに切り替えた。
仮想ヴィランの足を破壊し体勢を崩させると、その間に女の子の足の上の瓦礫をどかし女の子を抱えて再びR&Bで脚力ブーストをかけその場を立ち去った。
しばらく走り、物陰に隠れ女の子を地面に座らせた莉紗。
耳元からプラグのようなものが伸びている前下ろしショートでかっこいい系な印象の女の子。
「あの、ありがとう。急に激しく揺れてバランス崩して倒れちゃってさ」
『間に合って良かったよ!あ、ちょっと待ってね』
自身のグローブの電源をOFFにすると、莉紗はバラードを歌い女の子の治癒力にブーストをかけた。
「え、治った?!」
『貴方の治癒力活性化させたの』
「どんな個性なの?」
『内緒~。2人共受かって、また会えたら教えてあげる!』
「じゃあ、頑張んなきゃね」
『うん、それじゃあね!』
女の子と別れて、再び仮想ヴィラン討伐に向かった。
あちこち走り回って、更に数体の仮想ヴィランを倒した頃..
マイク「試験、終了!!」
プレゼントマイクの終了の声と共にブザーが鳴った。
『(自分の計算では、42P獲得...はあ、どうかなーこれ)』
結果を考え、今から緊張してしまっている莉紗。
『(どうでもいいけど、意外とバレてない..さすが、土田さん)』
※土田さん..莉紗の担当のヘア&メイクリストさん。今回、日給で遠方から変装の為に来てもらった。
試験終了後は各自着替えをして、帰宅OKということだったので着替えをして一人校門まで出て行った莉紗。
「莉紗」
ふと名前を呼ばれ、声が聞こえた方を見ると..
『焦凍君?』
轟「おじさんと迎えに来た」
『わざわざ?ありがとう!』
焦凍君の案内で、駐車場に向かいお父さんの車に乗り込んだ。
轟「試験大丈夫だったか?」
『うん、なんとかね!筆記は多分合格ラインは超えてると思う』
轟「演習試験は?」
『何かね、仮想ヴィランを倒してポイント稼ぐ試験だった』
轟「へぇ」
『物理攻撃の個性ない人は結構厳しいかも...』
轟「お前はブーストで何とかなったのか?」
『うん、なんとかした』
轟「そうか、お疲れ」
父「お疲れ様、今日はごちそうだぞ?」
『まだ受かってないのに?』
父「きっと受かるって!」
『プレッシャーやめてよー』
父「あ、そういえば莉紗?」
『ん?』
父「さっき清水さんから家に電話来ててね」
※清水さん...莉紗のマネージャー
『何で家?』
父「万が一受験の妨げになったら困るからって」
『ふーん..で?』
父「卒業公演の日取り決まったらしいから、落ち着いたら連絡くださいって」
『あー、そっか。じゃあ明後日あたり会見かなー』
轟「忙しくなりそうだな」
『ねー。でも、頑張る!』
轟「おう、頑張れ。何か手伝えることあったら言えよ」
『卒業公演始まったらまた勉強遅れると思うから教えて?』
轟「ん、分かった」
父「莉紗、焦凍くんと同じ学校だといいね」
『ねー』
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