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ミッドナイト「それじゃあ結果をごらんなさい!!」
1位 A組 緑谷出久
2位 A組 轟焦凍
3位 A組 爆豪勝己
4位 A組 風舞莉紗
5位 B組 塩崎茨
6位 B組 骨抜柔造
7位 A組 飯田天哉
8位 A組 常闇踏影
9位 A組 瀬呂範太
10位 A組 切島鋭児郎
そして鉄哲、尾白、泡瀬、蛙水、砂藤、障子、麗日、八百万、峰田、...以下略
ミッドナイト「予選通過は上位42名、残念ながら落ちちゃった子も安心なさーい?まだ見せ場は用意されているわぁ?そして、次からいよいよ本戦よ。ここからは取材陣も白熱してくるよ!気張りなさい!」
ミッドナイト先生のその言葉に観客席が湧き上がった。
ミッドナイト「さあて第2種目よ。私はもう知ってるけど、何かしら...なにかしらぁ..?言ってる側から!これよ!」
第2種目:騎馬戦
大型スクリーンに表示された次の種目名。
上鳴「騎馬戦!?俺ダメな奴だ...」
ミッドナイト「説明するわ、参加者は2人~4人のチームを自由に組んで騎馬を作ってもらうわ。基本は普通の騎馬戦と同じルールだけど1つ違うのが...先ほどの結果に従い各自にポイントが振り分けられること!」
そして、与えられるポイントは最下位から...42位が5ポイント、41位が10ポイントと言った具合にupしていくしい。そして、衝撃は1位に与えられるポイントがなんと1000万だということ。
緑谷「........い.....1000まん?!」
『(怖い怖い怖い.....緑谷くんもそりゃそんなリアクションになるよね)』
ミッドナイト「そう、上位の奴ほど狙われる下剋上サバイバルよ!!競技中は、個性発動ありの残虐ファイト。でもあくまで騎馬戦。悪質な崩し目的での攻撃などはレッドカード、一発退場とします!!
それじゃこれより15分!チーム決めの交渉スタートよ!!」
轟「莉紗」
ミッドナイト先生の開始の合図とともに焦凍くんがこえをかけてきた。
『ん?』
轟「俺と組んでくれ」
『うん、いいよ!焦凍くんなら私の事上手く使ってくれると思うし』
轟「ああ、お前に求めるのは機動力だ。ブーストかければ飯田と張れるスピードがあって、お前は小回りも利く」
『誰かが負傷してもヒーリングブーストで治癒してあげれるしね!』
轟「いや、それはやめとけ」
『え...』
轟「全国中継されてんだ、また狙われたらどうする。ヒーリングは使うな」
『...分かった。他の人は?』
轟「もう決めてある」
そう言う焦凍くんに連れられスカウトしに行ったのは八百万さんと上鳴くんだった。焦凍くんに誘われて、2人も快諾。
轟「お前らを選んだのはこれが最も安定した布陣だと思うからだ。上鳴は左翼で発電し、敵を近づけるな。八百万は右翼、絶縁体やら防御や移動の補助。
莉紗は先頭で機動力源。もとい、ブーストで適宜攻防のサポートを」
『分かった!』
上鳴「轟は氷と熱で攻撃だな!」
轟「いいや、戦闘において左は絶対使わねぇ」
『(分かってはいたけど、そうだよね...)
八百万さん、小型イヤホンとマイク創造してくれない?』
八百万「え?」
『私のブーストは、私の歌を聞いた人にも効果があるの。でも周囲にも聞こえてしまうとライバルに塩を送ることになるから小声でも3人にブーストかけれるようにしたいんだ』
八百万「分かりましたわ」
八百万さんに創造してもらったマイクを装着し、イヤホンを3人に装着してもらった。
ミッドナイト先生の合図で始まった騎馬戦。
当然、1000万ポイントを保持する緑谷くんの騎馬に集まっていった。緑谷くんの騎馬は前騎馬に常闇くん、後ろには麗日さんとヒーロー科では見たことない人..アイテム色々持ってるからサポート科かな?
私達は前半戦はポイントの散り方を探りつつ自分達のポイントを死守することに専念した。
マイク「いよいよ騎馬戦は後半戦に突入!!予想だにしないB組優勢な中!果たして1000万ポイントは誰の手に!!」
轟「そろそろ取るぞ」
緑谷くん達のポイントを奪うべく、緑谷くん達の前に立ちはだかった私達。私はいつでも走り出せるようにマイクを通して脚力ブーストをかけた。
常闇「もう少々終盤で相対するのでは、と踏んでいたが...随分買われたな、緑谷。」
緑谷「時間はもう半分!止めないでね!」
私達の攻めに対応する為に、緑谷君たちも動きはじめた。
轟「莉紗、前進!!」
『うん!』
私は緑谷くん騎馬に向かって走り始めた。
轟「八百万、ガードと伝導を準備」
八百万「ええ!」
轟「上鳴は」
上鳴「いいよ、分かってる!」
緑谷「周囲に気をつけて!向かってくるのは1組だけじゃない!」
緑谷くんの騎馬に向かっていくのは自分達だけではなかった。
ライバルの騎馬たちが緑谷くん達にこぞって向かってきた。
だけど、先制取るのは私達!
上鳴「しっかり防げよー!無差別放電、130万ボルトー!!」
上鳴くんの放電を、他のチームはもろ食らいしてしまい足止めを食っていた。私達は八百万さんが創造した絶縁体シートを焦凍くんが自分達に被せ防いでくれたけど肝心の緑谷くんチームはダークシャドウが放電を防いでいた。
轟「残り6分弱..」
絶縁体シートを放り投げた焦凍くんはその右手に冷気を纏わせた。八百万さんの出した伝導を手にし、伝導を伝って地面を凍らせ周囲にいた騎馬たちの足を一緒に氷漬けにした。
轟「悪いが我慢しろ」
マイク「な、な、なんと!群がる騎馬を轟一瞬!!」
相澤「上鳴の放電で確実に動きを止めてから凍らせた。さすがというか、障害物競争で結構な数に避けられたのを省みてるな」
マイク「ナイス解説」
拳藤「...え?」
焦凍くんが拳藤さんのはちまきを手にすると何が起こったかわからない拳藤さんが目を見開いた。
轟「一応もらっとく」
拳藤「?!くっそー!!!」
私達は続いて緑谷くんチームに向かって走っていった。
常闇「けん制する!」
常闇くんのダークシャドウがこっちに向かってきて左側から攻撃しようとした。
轟「八百万!」
八百万さんがコンクリートを左側から創造しダークシャドウの攻撃を防いだ。
緑谷「八百万さんの創造、厄介すぎる!」
常闇「いや、それ以上に上鳴だ。あの程度の装甲、太陽光ならばダークシャドウで破れていた」
私達は緑谷くんチームを場外ラインぎりぎりまで追い詰めた。
緑谷「キープ!」
追い込んでるのはこっちのはずなのに、緑谷くんはこっちが動こうとすると上鳴くん側の方向に動く。
何か作戦がある...?必ず左側に..。あ、左!!
マイク「緑谷、なんと!この狭い空間を5分間逃げ切っている!!」
『焦凍くん...もしかして、緑谷くんって』
轟「ああ、見抜いてる」
私達の会話に八百万さんと上鳴くんは疑問符を浮かべていた。
常に左側をキープすることで、焦凍くんが氷結を出しにくくしてるんだ。左側に氷結を出そうとしたら私まで凍らせちゃうかもしれないから焦凍くんはむやみに左側に向かって氷結は出せないよね。緑谷くんってホントに頭脳派だ。私が焦凍くんの足かせになるなんて...。私には何が出来る?
考えたって、私の個性と私の頭じゃ選択肢なんてそう多くない。
私だけ、まだ何も役に立ってない。
パワーブーストで焦凍くんのパワーアップ。脚力ブーストで騎馬のスピードアップ。合わせれば確実に1000万は取れる。
だけど、両方いける?確かに、短時間で十分なブーストをかけられるようにする特訓はしてきた。
だけど、雄英に入るまで個性をまともに使ってこなかった私が、それまで自分の個性と向き合ってたくさん特訓してきた皆と対等に戦える?瞬時に十分なブーストを両方かけられる?
時間をかければ緑谷くんが察知して、対策を取られてしまう。
私に、出来る...?
『皆...』
私が皆を呼ぶと3人共私を見た。
『しっかり私の歌を聞いててね』
轟「莉紗?」
『焦凍くん。ダークシャドウ、何か泣いてる。力でごり押したら行けるかもよ』
轟「パワーブーストかけんのか?それより脚力ブーストで攻めた方が『そんなぬるい事言わないで』
轟「....?」
私だって、生半可な気持ちでヒーロー目指したわけじゃない。
お母さんや焦凍くんが私の為に時間を割いて、雄英を目指すまで個性の特訓をしてきたじゃない。
短時間でもブースト効果を上げる特訓もした来た。その成果を、今活かさないでいつ活かす..!!
『両方やるに決まってるでしょ』
轟「!」
私は緑谷くん達に聞こえないくらいの声量で、会話をしている素振りをしながらエネルギーを込めまずはロックを口ずさんだ。歌唱時間約15秒。
轟「! 莉紗、お前..すげぇよ」
私の特訓に付き合っていた焦凍くんは自分のパワーアビリティーが格段に上がったのがわかったのかボソリと呟いた。
『さあ、2人共しっかりついてきてね』
八百万「え、ええ..」
上鳴「お、おう?」
何が起こるのか分かっていない2人はキョトンとした表情で返事をした。
『焦凍くん、ちゃんと取ってね』
轟「ああ」
そして、私は更に個性エネルギーを込めてR&Bを口ずさんだ。
自分の足がみるみる軽くなり、力が湧いてくるのが分かる。
緑谷「?! 逃げっ!..」
バシッ!!
私の様子からアビリティーブーストを発動したことを察した緑谷くんが騎馬の皆に逃げるように指示を出そうとしたようだけど今の私が出来る最大限のブーストをかけたそのスピードに反応することは出来なかったようで、1000万はちまきは焦凍くんの手に。
緑谷「......?!」
轟「莉紗...お前...」
ここまでの効果が出てるとは思ってなかったようで焦凍くんが目を見開いて私を見下ろした。
『私だって、伊達にヒーロー目指してないんだからね!』
緑谷「突っ込んで!」
常闇「上鳴がいる限り攻めでは無理だ!他のポイントを狙いに行く方が堅実では!」
緑谷「ダメだ!ポイントの散り方を把握できていない、ここしかない!」
麗日「よっしゃー!取り返そう、デクくん!絶対!!」
緑谷「麗日さん!」
途端に緑谷くんの腕が赤く光った。
轟「『!!』」
そうして、緑谷くんが焦凍くんに向かって腕を伸ばしたその時。
私の頭上に熱を感じた。感じるはずもないその熱に、まさか..と上を見上げると...焦凍くんの左手に炎が宿っていた。
緑谷くんはガードをしようと自分の顔面前にかざした焦凍くんの左手を振り払らった。
轟「?!」
そして、焦凍くんのはちまきを1本緑谷くんが奪い取った。
緑谷「取ったー!!!」
マイク「残り11秒!こちらも怒りの奪還!!」
喜んだのも束の間、緑谷くんが取ったのは1000万ではなく70ポイントのはちまきだった。
八百万「万が一に備えてはちまきの位置は変えてますわ!甘いですわ、緑谷さん!!」
焦凍くんは自分の左腕を見ながら、戸惑っている様子だった。
『焦凍くん!来るよ!』
緑谷「常闇君!」
常闇「ああ!」
轟「上鳴!」
上鳴くんの放電とダークシャドウがぶつかり合う。
上鳴くんがウェイ状態で、思考停止となった為動きたいように動くことが出来なくなってしまった。
爆豪「クソデクーっ!!!!!」
突然聞こえた怒号に空を見上げると爆豪くんがどこからか飛んできた。
緑谷「麗日さん!!」
麗日「おっしゃー!!」
轟「莉紗!」
『オッケー!』
効果時間が切れていた為、私は再びパワーブーストをかけるべくロックを口ずさんだ。
轟「八百万!!」
八百万さんが創造した鉄パイプを手にした焦凍くん。
緑谷くんが再び、腕に力を込めて焦凍くんに向かって手を伸ばしてきた。
爆豪「半分野郎ー!!!」
そして、緑谷くんの額のはちまきがない事から1000万を持っているのが焦凍くんだと察した爆豪くんも空中で方向転換し、こちらに向かってきた。焦凍くんが迎え撃つべく鉄パイプを凍らせ構えた。
マイク「タイムアップ!!!第2種目、騎馬戦終了!!」
終了を知らせるプレゼントマイクのアナウンスが会場内に響くと観客席が沸いた。
轟「クッソ...」
悔しそうに騎馬から飛び降りた焦凍くん。
マイク「んじゃあ早速上位4チーム見て見ようか!1位轟チーム!!」
八百万「ハァ、勝ちはしましたけど薄氷を踏む思いでしたわ」
『ごめんねぇ、私全然役に立てなかった』
八百万「そんなこと..風舞さんがいなければ私達の勝利はなかったですわ」
私達のチームと爆豪くんチーム、心操くんチーム、緑谷くんチームが本戦への出場が決まった。
本戦出場が決まったのに、焦凍くんは怖い顔をして左手を見ている。
轟「いけねぇ、これじゃ..親父の思う通りじゃねぇか」
『焦凍、くん...』
焦凍くんが顔を歪めて悔しそうに呟いた一言に私は何て声をかけていいか分からなかった。
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