入学
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あれよあれよと日にちは流れ、体育祭当日。
莉紗母「ちゃんと生で見に行くからね!がんばりなさいよ!」
『はーい...』
莉紗父「莉紗も焦凍も頑張れよ」
轟「ん」
めちゃくちゃ盛り上がってる2人に若干引きながら私達は学校へと向かった。
『焦凍くん、体育祭始まる直前に私のブーストかけといてあげようか?』
轟「それズルくねぇか?」
『だよねー』
**
1-A控室
芦戸「あーあ、やっぱコスチューム着たかったなぁ」
尾白「公平を期すため着用不可なんだよ」
砂藤「予選の種目って何なんだろうな...」
常闇「何が来ようと、対応するしかない」
障子「ああ」
葉隠「莉紗ちゃん、ポッキーどうぞっ!」
『透ちゃん、ありがと!私もチョコどうぞ!』
瀬呂「遠足かよ..苦笑」
バタンっ!!
大きな音を立ててドアを開け入ってきた飯田くん。
飯田「みんな!!準備は出来てるか?もうじき入場だ!」
峰田「人人人人...」
緑谷「スゥ...ハァ...」
轟「緑谷」
精神統一しようとしてる緑谷くんを焦凍くんが剣幕な表情で呼んだ。
緑谷「轟君...何?」
『(焦凍くん...?)』
轟「客観的に見ても、実力は俺の方が上だと思う」
緑谷「え?..う、うん...」
轟「けどお前、オールマイトに目かけられてるよな?別にそこ詮索するつもりはねぇが...
お前には勝つぞ」
緑谷「!!」
上鳴「おぉ~?クラス最強が宣戦布告?」
切島「おいおいおい、急に喧嘩腰でどうした。直前にやめろって」
そう言って切島くんが焦凍くんの肩を掴んで止めたのを焦凍くんは振り払った。
轟「仲良しごっこじゃねぇんだ、何だっていいだろ」
冷たく言い放ちその場を離れようとした焦凍くん。
緑谷「轟くんが、何を思って僕に勝つって言ってんのかわかんないけど、そりゃ君のほうが上だよ。実力なんて...大半の人に敵わないと思う。客観的に見ても...」
切島「緑谷も、そういうネガティブな事言わない方が...「けど、遅れをとるわけにはいかないんだ...」
切島くんの言葉を遮った緑谷くんが力強く言った言葉に、焦凍くんも緑谷くんの方を向いた。
緑谷「僕も本気で取りに行く」
轟「...おお」
爆豪「ケッ...」
**
派手な花火の打ち上げと共にプレゼントマイクの進行で雄英体育祭が開催した。
マイク「1年ステージ、生徒入場!
どうせ、あれだろ?こいつらだろ?!敵の襲撃を受けたにも関わらず鋼の精神で乗り越えた、奇跡の新星!ヒーロー科、1年A組だろ?!」
切島「すっげぇ人だな..!」
『注目度ヤバい...』
麗日「莉紗ちゃんに気づいたら騒ぎになりそうやね〜」
『ヒーローを目指す身としては認知されたいような、でもされたくないような...』
蛙吹「複雑な心境なのね」
大勢の人が自分達に注目していることにほとんどの者が息を飲んだ。
私達A組の後からB組、普通科、サポート科、経営科も入場し会場には雄英1年がそろい踏みした。
ミッドナイト「選手宣誓!」
1年ステージの主審は18禁ヒーロー、ミッドナイト。
切島「ミッドナイト先生、なんちゅー格好だよ....///」
上鳴「さすが18禁ヒーロー...//」
常闇「18禁なのに、高校にいてもいいものか?」
峰田「いいっ!!!」
ミッドナイト「静かにしなさい!選手代表、1A、爆豪勝己!!」
爆豪が静かに壇上に進みだした。
緑谷「えぇっ?!かっちゃんなの?!」
瀬呂「あいつ一応、入試1位通過だったからな」
「ハァ、"ヒーロー科"の入試な」
どこからか皮肉たっぷりな声が聞こえた。
緑谷「は、はい...」
瀬呂「対抗心むき出しだな」
上鳴「それもこれも爆豪のせいだっつーの...」
『爆豪くんがこれから言うこと...なんか想像付いちゃうなー』
爆豪「宣誓...
俺が1位になる」
だるそうに言う爆豪に1Aのほとんどの人間が心の中で思った。
「「「「「(絶対やると思った!;)」」」」」」
『(期待を裏切らなかった....;)』
当然他のクラスからはブーイングの嵐。
飯田「何故ヒーローを貶めるようなことをするんだ」
爆豪「せめて跳ねのいい踏み台になってくれよ」
鉄哲「どんだけ自信過剰なんだよ....この俺が潰したるわ!!」
あたりのブーイングも冷めやらぬままミッドナイトが第1競技に進めた。
ミッドナイト「さーて、それじゃ早速始めましょ!毎年多くの者がここでティアドリンク(涙を呑む)!!!運命の第一種目!今年は...障害物競走よ!!計11クラス全員参加のレースよ。コースはこのスタジアムの外周、約4km!わが校は自由さが売り文句!コースを守れば、何をしたってかまわないわ!!
さあさ、位置につきまくりなさい!」
障害物レースかー。とりあえずレースなわけだから脚力ブーストかけておくかな。
スタートライン位置は予想以上に狭くて、人との距離が異様に近い。そのうえ、コースに出るまでにあるトンネル状のスタートコースはさらに狭くなっている。あれはこの人数が同時にスタートしたら間違いなく人同士がおしくらまんじゅうになるに決まってる。絶対抜けられなくなる。それに、焦凍くんは先制氷結で他の人の足止めをするはず。ぶっちゃけ巻き込まれたくない。
だから、私は....
ミッドナイト「スタート!!」
『(開始瞬間にブーストで一気に駆け抜ける!)』
私は人の波の更に後方に下がりブーストがライバル達にかからないようにした。そして、脚力ブーストを強めにかけて、一気にスタートダッシュをした。先頭に出たものの、すぐ近くに読み通り氷結でライバルたちの足を止め、かつ私がスタートダッシュしたのに気づき自分の進むルートを凍らせていきスケートのように一気に駆け抜けてきた焦凍くん。
『やっぱそう来るよねぇ』
轟「お前もな」
『でも、予想以上に焦凍くんの氷に捕まらなかった人多いね?』
そう言いいながら私達の背後を指さすと焦凍くんが私の指の先を一瞥した。A組のクラスメイト達は全員無事に突破したのは想定内だったけど、他のクラスや科の人達も想像以上に多かったと思ってるのは私だけじゃないはず。
轟「クラス連中は当然として、思ったより避けられたな」
アイドル時代に培った体力。スタミナがある方とはいえブースト状態をずっと維持することは出来ない為、スタートダッシュ以降はフリーの状態で走っている私。焦凍くんも、耐冷限界に達さないよう不用意な右の発動は避け普通に走っているから焦凍くんに離される事はない。
そんな中、見覚えのある物体が目の前に立ちはだかった。
『え、これって...』
マイク「さあ!!いきなり障害物だぁ!!まずは手始め、第一関門!!ロボインフェルノ!!」
上鳴「なっ、入試ん時の0ポイントヴィランじゃねぇ?!」
「マジか!ヒーロー科あんなのと戦ったの?!」
「やべぇよ!」
轟「お前が言ってた一般入試用の仮想ヴィランってやつか...」
『そうそう、ターゲットロックオンしたらずーっと追いかけてくるんだよね』
入試の時にはこのロボに脚力ブーストとパワーブーストで破壊しまくった。今回も同じようにぶっ壊して先に進もうと、脚力ブーストを発動する為にR&Bを歌い始めた私の隣の空気が変わったのに気づいた。
轟「せっかくならもっとすげぇもん用意してもらいてぇもんだな。クソ親父が見てるんだから」
焦凍くんが足元を凍り付かせ、地面に手を置くと思いっきり腕を振り上げ2体のロボを氷漬けにした。
『(焦凍くんの気迫が...やばい。色んな意味で...)』
倒れるから気をつけろよ。そう私に助言してそのまま凍り付いたロボの隙間を通り走っていった。
『ライバルの身を案じるなんて..焦凍くん、余裕だね!』
皮肉を込めてそう呟きながら私は脚力ブーストでロボの頭上より遥か高くまで飛び上がると今度はパワーブーストを駆ける為ロックを歌いパワーを高めた。そのまま、拳をロボの脳天めがけ振り下ろすとロボは4つほどに割れ大破した。私は再び脚力ブーストをかけて大破したロボの破損部に足を着くとそのままロボの向こう側に向かってジャンプし上手く着地することが出来た。
マイク「おーっと!ヒーローを目指して昨年イー娘を卒業した風舞莉紗が派手にロボを破壊し突破した!」
....さらっとマイク先生が公表してしまった。まあ、全国中継だし絶対もうバレてるからドギマギしても仕方ないんだけど..。
更にしばらく走ると第2関門は底なし谷に引かれたロープを渡る競技のようだけど、私はこんなロープの上渡りたくないから脚力ブーストをかなり強めにかけて反対岸まで一気にジャンプした。
そして、焦凍くんの背中を追いながら後方からものすごい勢いで距離を詰めてくる爆豪くんに若干逃走心理を駆り立てられながら最終関門を目指した。
「1位の子圧倒的じゃんか」
「個性の強さもあるが、それ以上にその身体能力と判断能力がずば抜けてる」
「そりゃそうだろぉ、あの1位の子フレイムヒーローエンデヴァーの息子さんだよ?!」
「は?!どおりで!!オールマイトに次ぐトップ2の力!!」
「けどさ、りんりんもいい線行ってるぞ」
「確かに!去年までアイドルだったとは思えない奮闘だよな」
「りんりんってプロヒーロー シンギ―の娘だったんだろ?」
「らしいな。卒業会見で公表してたもんな」
「まさか2世同志の戦いだったとは...早くもサイドキック争奪戦だなぁ」
観客席がそんな事を話しているとも知らない私はひたすらに焦凍君を追いかけていると、個性の爆破を連発しながら追いついてきた爆豪くんにあろうことか抜かれてしまった。
だけど、そのおかげで私が最終関門に到達する前に焦凍君が到達したことでマイク先生が最終関門について説明してくれた事と、爆豪くんが我先にと最終関門を突き抜けて行った事で最終関門をどう突っ切ればいいのかは理解した。
ここから地雷源を抜けるにはMAXでブーストをかけても1回の跳躍じゃ足りない。最低、3回は跳ばないと...。でも、地雷の威力は抑えてあるとマイク先生が言っていたから最悪地雷踏んでも大丈夫だ!
そう開き直り、再び強めの脚力ブーストをかけた私。そして、膝を曲げ勢いをつけてジャンプした。
視線の先には後続のフォローになってしまうからか個性はあまり使わずにお互いを妨害しながら先へ進んでいる焦凍くんと爆豪くん。私は落下しながら地雷の位置を見極めなるべく地雷を踏まないように片足で着地した。再び跳躍しようとした時に後方から大きな爆発音が聞こえた。
そちらに目をやると緑谷くんが仮想ヴィランの大破したパーツらしきものに捕まり空を飛んでいた。焦凍くんと爆豪くんが個性を駆使して緑谷くんを追っている。どんどん離されて行きそうなそんな勢いだけど、私は緑谷くんから突破口を教えられた。
爆風を利用すればいいんだ!
緑谷くんに習い私は着地したその場の土を手にして泥団子を作った。そして再びブーストのかかった脚力で宙に飛び上がり落下に入ると泥団子を地雷の埋まってる箇所に投げつけると地雷が爆発して、私の身体は爆風に乗り一気に地雷源エリアを押し出された。そろそろクーリングしないと、ブースト連続で使いすぎたなー....。そう感じた私はその後、個性は発動させることなく結果、4位でゴールをした。
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