入学
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葉隠「ねぇねぇ!昨日のニュース見た?!クラスのみんなが一瞬映ったでしょ?」
USJ襲撃事件から2日が経った今日。1日の臨時の休暇を挟み登校してきたA組ではUSJ襲撃事件を特集したニュース番組について盛り上がっていた。
葉隠「なんか私全然目立ってなかったね...泣」
障子「確かにな」
尾白「えっ?!あ、あの格好じゃ目立ちようがないもんね」
しょんぼりと言う透ちゃんに尾白くんがあたふたとフォローを入れた。透ちゃんは敵にバレずに、味方にだけ自分の存在が分かるようにと衣服という衣服を脱ぎ手袋のみしていたからもはや手袋が宙に浮いている状態でTVの端の方に映っていた。
『(透ちゃん、心霊的な意味で目立ってなきゃいいけどなぁ..)』
上鳴「しっかし、どのチャンネルもでかく扱ってたよな~」
切島「びっくりしたぜ」
耳郎「無理ないよ、プロヒーロー排出するヒーロー科が襲われたんだから」
瀬呂「あの時先生たちが来なかったらどうなってたか..」
峰田「やめろ、瀬呂ぉおおー!!考えただけでちびっちまうだろ「うっせぇぞ!!黙れカス!!」
『みんな朝から元気だねぇ~』
斜め前の席で読書をしている焦凍くんに話しかけたが焦凍くんはクラスの話題に興味がないようで読書を続けた。
飯田「みんな!!朝のHRが始まる!私語を慎み、席に着けー!!」
シーン..
上鳴「着いてるだろ~」
切島「ついてねぇのお前だけだ」
飯田「っ..しまった!!」
またもや空回りで悔しそうな飯田。
麗日「ドンマイ!」
落ち込む飯田くんを麗日さんが励ました。
相澤「おはよー」
教室に入ってきたのは、顔面も腕も包帯ぐるぐる巻きの相澤だった。
「「「「『相澤先生復帰はやっ!!』」」」」
飯田「先生!無事だったのですね!!」
麗日「無事..言うんかな、あれぇ...」
相澤「俺の安否はどうでもいい、何より戦いは終わってねぇ」
爆豪「戦い...?」
緑谷「まさか...」
峰田「ガクガク...またヴィランが...」
相澤「雄英体育祭が迫ってる」
「「「「クソ学校っぽいのキター!!!」」」」
耳郎「ヴィランに侵入されたばっかなのに体育祭なんてやって大丈夫なんですか?」
尾白「また、襲撃されたりしたら...」
相澤「逆に開催することで雄英の危機管理体制が盤石だってことを示すって考えらしい。警備も例年の5倍に増やすそうだ。何より、うちの体育祭は最大のチャンス。ヴィラン如きに中止していい催しじゃねぇ」
峰田「いや、そこは中止しよ?体育の祭りだよ?」
緑谷「え、峰田くん。雄英の体育祭見たことないの?!」
峰田「あるに決まってんだろ?そういうことじゃなくてよぉ」
相澤「うちの体育祭は日本のビッグイベントの1つ。かつてのスポーツの祭典のオリンピックが縮小しそれに代わるのが雄英体育祭だ」
八百万「当然全国のトップヒーローも見ますのよ?スカウト目的でね」
峰田「知ってるってば..」
上鳴「卒業後は、プロヒーローにサイドキック入りがセオリーだもんな」
耳郎「そっから独立しそびれて、万年サイドキックってのも多いんだよね。上鳴、あんたそうなりそう...アホだし」
上鳴「ガーン....」
相澤「当然、名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。時間は有限...プロに見込まれれば、その場で将来が拓けるわけだ。年に1回、計3回だけのチャンス。ヒーロー志すなら絶対外せないイベントだ。その気があるなら準備を怠るな!」
「「「はい!」」」
『先生、私も出ていいんですよね?』
相澤「ああ、体育祭に限らず雄英は何かと露出が多い。いずれバレるだろうからな。むしろお前がヒーロー科に入学する事を露出してから、セキュリティ面で強固な雄英が固いと睨んでるメディアも多い。堂々と出場しろ」
『マジかー!確かにマスコミの嗅覚侮れないからなぁ。分かりました』
相澤「HRは以上だ」
**
その日の放課後
麗日「な、何事だー?;」
うちのクラスの周りに他クラスの生徒達が集まっていた。
ドアを塞いでいて帰ろうに帰れない状況に私は帰宅用の変装をし(メガネにおさげに即席そばかすメイク)焦凍くんの席の近くで焦凍くんの帰宅準備が終わるのを待っていた。
飯田「君たち、A組になんの用だ!」
峰田「何しに来たんだ!」
爆豪「敵情視察だろ、雑魚。ヴィランの襲撃を受け、耐え抜いた連中だもんな」
爆豪くんがドア付近に人が集まってるのにも関わらずドアに向かって歩いて行った。
爆豪「そんなことしたって意味ねーから」
ドアの前で立ち止まり集った者たちにそう静かに言った爆豪くん。
爆豪「どけ、モブ共」
飯田「知らない人のこととりあえずモブって呼ぶのやめなよっ!」
『ブレないなぁ、爆豪くん..苦笑』
轟「...............」
「噂のA組、どんなもんかと見に来たが随分と偉そうだな。ヒーロー科に在籍する奴はみんなこんななのかい?」
爆豪「あぁ"っ?!」
紫色の髪の男子がこちらに向かって投げてくる言葉を聞き更に威嚇する爆豪くんの後ろで一生懸命首を横に振る飯田くんたち。
「こういうの見ちゃうと、幻滅しちゃうな。普通科とか他の科って、ヒーロー科落ちたから入ったって奴結構いるんだ。知ってた?そんな俺らにも学校側がチャンスを残してくれてる。体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしい。
敵情視察?少なくとも俺は、いくらヒーロー科とは言え調子に乗ってっと足元ごっそり救っちゃうぞっつー、宣戦布告しに来たつもり」
緑・麗・飯「「「(この人も大胆不敵だなぁ!汗)」」」
爆豪「..........」
「おうおうっ!」
今度は別のところから声が聞こえそちらに目を向けると...
「隣のB組のもんだけどよぉ!ヴィランと戦ったっつーから話聞こうと思ったんだけどよぉ!何調子づいちゃってんの、おいぃっ!」
見るからに暑苦しそうな人が今度は怒鳴り込んで来た。
爆豪くんは気にすることなくごった返した人の中に入っていった。
「無視かコラァっ!」
切島「待て、爆豪!どうしてくれんだ、おめェのせいでヘイト集まりまくってんじゃねーか!」
爆豪「関係ねぇよ、上に上がれば関係ねぇ」
爆豪くんは人を押しのけかき分けながら帰って行った。
切島「シンプルで男らしいじゃねぇのっ泣」
上鳴「はっ?!」
砂藤「言うねぇ」
常闇「上か、一理ある」
上鳴「いや、騙されんな!」
轟「莉紗、帰るぞ」
『あ、うん』
**
帰り道
『爆豪くん、何かいつもと違ったよね?』
轟「そうか?」
『うん、何かいつもは野心メラメラ滾ってる感じだけど今日はすごく集中してる感じっていうか...』
轟「へぇ」
あまりの興味のない返事に苦笑いしか出てこない私。
『ホントに周囲への関心が薄い...』
焦凍くんの背中を見ながら私は呟いた。体育祭か...。
アイドルを卒業してヒーローを目指すなんて世間を騒がせといて大したことないじゃん..なんて思われたくない。
見てる人達にしっかり私を印象づけさせないと。
『焦凍くん!今日から個性の特訓一段とレベルアップさせたいから付き合ってね!』
轟「おう」
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