入学
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モブキャラ達から、主犯は手をたくさんつけた白髪の男ともやの男だと言う事を聞き出した焦凍くん。
そいつは確か中央広場で相澤先生と対峙していたはず..と、私達は中央広場に急いだ。
すると、そこにはいつ到着していたのかオールマイトがいかにも脳筋っぽそうな見た目の巨人にホールドされている光景が目に入った。その近くに緑谷くんがいて緑谷くんの目の前にワープの奴が現れていたが、爆豪くんがワープ男に向かって個性を発動しワープ男を地面に抑えつけた。焦凍くんがすかさず氷結を出して、オールマイトを凍らせないように脳筋男の身体を凍らせた。
よく見ればオールマイトのお腹からは大量に出血していた。
『オールマイト!』
焦凍くんたちが敵の気を逸らしてくれている間に私はオールマイトの元に駆け寄りヒーリングブーストを発動した。しかし、あまりヴィランの前で堂々と私の個性を見せない方がいいと思い、エネルギーを大目に付加したとはいえ小声でしか歌えないからブースト効果としては十分とは言えず、出血を止める程度にしかならなかった。
オールマイト「ありがとう、風舞少女。止血されただけでも十分助かった」
オールマイトも私が堂々と個性を発動しないその意図を察してくれたのか、小声でそう言った。
『いえ、役に立てて良かったです』
轟「平和の象徴はテメェら如きに殺れねぇよ」
敵を牽制するように言う焦凍くん。
『平和の象徴ナメたらダメだよね』
「出入口を抑えられた、こりゃピンチだなぁ」
手首をたくさん装着している白髪の男があまり焦りを見せずに言った。
爆豪「このうっかり野郎め、やっぱ思った通りだ。モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られてる。そのモヤゲートで実態部分を覆ってんだ、そうだろ!?全身モヤの物理無効人生なら、危ないっつー発想が出ねぇもんなぁ」
「クッ...」
バァンっ!
爆豪「動くな!怪しい動きをしたと俺が判断したらすぐ爆破する」
ワープ男が力づくで爆豪くんの腕から抜けようとしたのを更に抑えつけ牽制の爆破を放った爆豪くん。これは...
『ば、爆豪くん...ものすごくヴィランっぽい...』
切島「ヒーローらしからぬ言動..」
私と切島くんは苦笑いしなが小さく呟いた。
「攻略されたうえに、全員ほぼ無傷...すごいなぁ、最近の子供は。恥ずかしくなってくるぜ、ヴィラン連合。
脳無」
あの脳筋巨人は脳無と言うらしい。
男の呼びかけに、脳無は焦凍くんの氷結で氷漬けにされてるにも関わらず力づくで体を動かし、ワープゲートから体を抜けさせた。その際、右腕と右脚が氷ごと体から切り離されてしまったというのに全く動じていない。
緑谷「体が離れてるのに、動いてる!?」
オールマイト「みんな下がれ!」
身体に残っていた氷を破壊したかと思ったら、離れたはずの右腕と右脚が再生し元に戻った。
オールマイト「なんだ、ショック吸収の個性じゃないのか..?」
「別にそれだけとは言ってないだろ?これは超再生だね。脳無はお前の100%にも耐えられるように改造された、超高性能サンドバック人間さ」
衝撃の光景に私達は思わず戦闘態勢に入った。
「まずは出入口の奪還だ、行け脳無」
突如突風が吹き荒れ、土埃が舞った。
気が付くとワープ男は脳無の手の中に。
緑谷「かっちゃん!!あれ..」
ワープ男を抑えていたはずの爆豪くんの姿が見当たらない...と思ったら私達のすぐそばに座り込んでいた。
緑谷「かっちゃん?!避けたの?!すごい!!」
爆豪「ちげぇよ、黙れカス」
切島「じゃあどうやって..」
轟「!! ならあれは..」
焦凍くんが何かに気付き見た視線の先には視界を塞ぐ土埃。それがだんだんと晴れていくとそこにはオールマイトが立っていた。
緑谷「オールマイト!」
『オールマイトが爆豪くんを投げ飛ばして助けてくれたんだね』
オールマイト「ハァハァ、加減を知らんのか」
「仲間を助けるためさ、仕方ないだろ?さっきだってほら、そこの...あー、地味な奴。あいつが俺に思いっきり殴りかかろうとしたぜ?他が為に振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?ヒーロー
俺はな、オールマイト。怒ってるんだ。同じ暴力が、ヒーローとヴィランでカテゴライズされ、良し悪しが決まるこの世の中に。
なーにが、平和の象徴。所詮抑圧の為の暴力装置だお前は。暴力は暴力しか生まないんだと、お前を殺すことで世に知らしめるのさ!」
オールマイト「めちゃくちゃだな...そういう思想犯の目は静かに燃ゆるもの。自分が楽しみたいだけだろ、ウソつきめ!」
「バレるのはやっ」
轟「3対6だ」
緑谷「モヤの弱点はかっちゃんが暴いた」
切島「とんでもねぇ奴らだが、俺らでオールマイトのサポートすりゃ撃退出来る!」
『(ここは全員にブーストかけたい所だけど、もれなく敵にまでブーストがかかっちゃう...)』
オールマイト「ダメだ!逃げなさい」
轟「さっきのは俺がサポートに入らなきゃやばかったでしょ」
オールマイト「それはそれだ、轟少年。 ありがとな」
轟「........」
オールマイト「しかし大丈夫、プロの本気を見ていなさい」
緑谷「オールマイト、血が..それに時間だって..ハッ?!」
『(時間..?)』
「脳無、黒霧やれ。俺は子供をあしらう」
そう言って私達に向かって走ってくる白髪の男。
切島「おい、やっぱやるっきゃねぇって!」
焦るように言う切島くんに続くように臨戦態勢にはいったその時...
「「「「「『!!!!』」」」」」
すさまじい空気を察知した一同がオールマイトに目をやった。
白髪の男もその闘気に動きを止めた。
オールマイトと脳無が拳をぶつけ合うたびに辺りに強い突風が吹き荒れた。
その強さは、膝をつかなければ立っていられないほどだ。
緑谷「ま、真正面からの殴り合い...!」
切島「す、すげぇっ!!」
『うぅっ...』
轟「莉紗、大丈夫か!」
焦凍くんが、私の手を繋いで風に飛ばされないように引っ張ってくれた。
オールマイトの気迫に私達は完全に言葉を失い、唖然とその光景を見ていた。
オールマイト「ヴィランよ、こんな言葉を知ってるか!?
更に向こうへ...プルス、ウルトラぁぁぁー!!」
オールマイトが脳無を殴り飛ばすとUSJの天井を突き破り空高く殴り飛んでいった。
切島「コミックかよ..ショック吸収を無い物にしちまった。究極の脳筋だぜ...」
爆豪「デタラメな力だ...再生も間に合わねぇほどのラッシュってことか..」
轟「(これがトップ...)」
『(これが、№1...)』
爆豪「(プロの、世界か...)」
オールマイト「さてと、ヴィラン。お互い早めに決着つけたいね」
「衰えた?ウソだろ..完全に気圧されたよ..よくも俺の脳無を..チートが!!」
オールマイト「クリアとか言ってたな...出来るものならしてみろよ」
爆豪「オール、マイト..」
轟「さすがだ、俺たちの出る幕はねぇみてぇだな」
切島「緑谷!ここは早く退いた方がいいぜ!かえって人質とかにされたらやべぇし!」
緑谷「.............」
思い通りの結末にならなくてイライラしてる様子の手首の男。
黒霧が、手首の男...死柄木弔の戦意を取り戻させた。
それと同時に気絶していた雑魚敵たちも起き上がり立ち上がった。
切島「主犯格はオールマイトが何とかしてくれる、俺たちは他の連中を助けに行こうぜ」
轟「緑谷...?」
『緑谷くん?どうしたの?』
さっきからオールマイトをジッと見つめる緑谷くん。
死柄木弔がオールマイトに向かって走り出したと同時に、緑谷くんが私達の視界から消えた。
緑谷くんを探すとオールマイトと死柄木弔の元に飛び込んでいた。
切島「緑谷!?」
緑谷「オールマイトから、離れろぉー!!」
ワープゲートの中にある本体を殴ろうとしている緑谷くん。だけど、ワープゲートから死柄木弔の手が出てきた。
『緑谷くん!!』
バン!
その時死柄木弔の手に何かが当たった。
何が起こったのか辺りを見回すと入口に飯田くんと雄英の先生たちが立ち並んでた。
オールマイト「来たか!」
根津「ごめんよ、みんな!遅くなったね。すぐ動ける者をかき集めてきた」
飯田「1Aクラス委員長!飯田天哉!ただいま戻りました!!!」
「あーあ、来ちゃったよ。ゲームオーバーだ。帰って出直すか、黒霧」
退散しようとする死柄木弔の体に何発もの拳銃が撃ち込まれた。
倒れた死柄木弔とそれを守る黒霧が今度は13号のブラックホールに吸い込まれていく。
だけど全て吸い尽くす事は出来ず敵はワープゲートの中に逃げて行った。
轟「ここにこれだけプロヒーローが集まるってことは...」
『奇襲はこの場所だけ?』
轟「そのようだな」
切島くんが緑谷くんの元に駆け寄ろうとしたけど、セメントスの指示で緑谷くんを除く私達4人はゲート前に向かった。
そこにはクラスメートたちが集まっていた。
葉隠「尾白くん、今度は燃えてたんだってね。1人で強かったんだね」
尾白「みんな、1人だと思ってたよ俺...Hit and wayで凌いでたよ...葉隠さんはどこにいたんだ?」
葉隠「土砂のとこ、轟くんクソ強くてびっくりしちゃったっ!」
尾白「何にせよ、無事でよかったね」
『え、透ちゃん土砂ゾーンにいたの?!』
葉隠「そうなの~」
『言ってよー!焦凍くんの氷結に巻き込まれたらどうするのー!』
葉隠「ごめんねぇ」
轟「(凍らすとこだった。危ねぇ)」
こうして、USJ襲撃事件は幕を閉じた。
負傷した相澤先生、13号、オールマイト、緑谷くん。
いずれも命に別状はなかったのは幸いだったのか。
初めての救助訓練は危険と隣り合わせとなった。
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