入学
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今日は朝から散々な日だった。
オールマイトが雄英の教師に就任した事を嗅ぎつけたマスコミが校門前にうじ虫のように沸いていて(←悪気はない)なんとかオールマイトの教師っぷりを聞き出そうとする記者たちに囲まれた。変装してるとは言え、堂々とインタビューを受けてたら絶対バレると思った私は何とか逃げ出そうとするもヒーロー志望と言えど、その人混みを掻き分けていくには私は身体も小さいし少々非力。
そこで役に立ったのが頼れるイケメン幼馴染の轟焦凍くん!
つらーっと記者をかき分けて、さらっと私の肩を抱いてまるで記者たちが目に入っていないとでもいうようにごくごく普通に無言で校内に入った。
『焦凍くん居てよかった...』
轟「お前マスコミ慣れしてんじゃねぇのか?」
『"応対"はね?!掻き分けて進む技術はないよ?』
轟「そうか」
**
相澤「今日は君らに、学級委員長を決めてもらう」
「「「(学校っぽいのキター..!)」」」
学級活動、略して学活の時間。
相澤先生の口から出た今日の議題に内心A組の皆の心はホッとしていた。
そして数名を除くほとんどのクラスメイトたちがこぞって学級委員長に立候補した。
飯田くんが多数決にしようと言う事で、それぞれ自票ありきで学級委員長に推薦する名前を書き投票制にしたところ...
緑谷「ま、マジでか....;;」
最多が緑谷くん4票、次いで八百万さん2票でそれぞれ学級委員長と副委員長に決まった。
そしてお昼の時間...
『焦凍くんお昼食べに行こー?』
轟「おう」
教室を出ようとした私たちの後ろから名前を呼ばれ振り返ると透ちゃんと響香ちゃん、それに上鳴くんに瀬呂くんがいた。
葉隠「莉紗ちゃん、轟くん!うちらも一緒にいいっ?」
上鳴「俺らも!」
瀬呂「完全に俺ら邪魔だけどな」
『いいよ!皆で食べよ!』
食堂に行き、女子と男子で向かい合わせになってお昼ご飯を食べた。
焦凍くん以外の5人で話して、焦凍くんは会話にほぼ参加せずにひたすら食べている。
葉隠「2人はいつから一緒なの?」
『幼稚園の頃からだよ?中学は私が最低限しか学校行けてなかったからあんま一緒にいる機会なかったけど』
上鳴「うひょ〜」
瀬呂「付き合い長ぇのな!」
私の返事を聞きみんなが驚きの表情を浮べるそばで焦凍くんはマイペースに好物のそばをすすり続けていた。
上鳴「轟〜、イー娘のエース風舞莉紗と幼なじみとかマジ優越感だな!」
轟「...そうか?」
上鳴「くっそー!スカしやがる...」
轟「先戻る」
話しながら食べている私達と違い、ひたすら食べ続けていた焦凍くんはあっという間に食べ終わったらしくお盆を持って私達の返事を聞く事無く食器を下げると教室に戻っていった。
と、その時...突如警報がなった。
《セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは、速やかに屋外に避難してください》
機械的な校内アナウンスが流れると、他の生徒達が一斉に食堂を出るために出口に向かっていった。
耳郎「やばくない?」
瀬呂「おい、俺らも逃げようぜ!」
葉隠「そだね!」
自分達も出口に向かって走っていったが、皆我先にと突っ込んでいくものだから出口は渋滞し、人の流れは滞り出口前に大行列が出来てしまった。
私は頑張って人を押しのけて行こうとするが前には進まず、むしろ押しつぶされそうになってしまった。
『く、苦しい....』
その時、突如腕を掴まれ引っ張られ誰かに抱きしめられた。
「大丈夫か?」
と、頭上から聞こえるこの聞き馴染みのある声...
『焦凍くん!ありがとう!』
轟「おう」
他の生徒が私に気づいて違う騒ぎにならないように焦凍君は端の陰の方に移動してくれた。
『スゴイ、パニくってるね...』
轟「ああ、あれじゃ戻れねぇ。落ち着くまでここに居ろ」
『うん、そうする』
ふと窓の外を見ると...
『あ、マスコミ...』
校門の前に大量..多数のマスコミがいた。
轟「マスコミが侵入したのか」
『でも、見て。校門壊れてない?』
轟「ああ、確かに。マスコミの仕業とは思えねぇが...」
『何か、気になるねぇ...。私今日帰れるかな?』
轟「先生たちが追い返すだろ」
『だと良いけど...』
それから少し経った頃。飯田くんが非常口の前に何故か張り付いて非常口にも似たポーズでパニックになってた生徒達に冷静になるよう呼び掛け、辺りは落ち着きを取り戻した。
そして、程なくしてパトカーのサイレンが聞こえてきた。
**
八百万「ほら、委員長。始めて」
緑谷「で、では...他の委員決めを執り行って参ります...けど、その前にいいですか?」
八百万「え?」
緑谷「委員長はやっぱり、飯田天哉くんが良いと思います!!あんな風にかっこよく人をまとめられるんだ。僕は、飯田くんがやるのが正しいと思うよ!」
飯田「!」
切島「俺ぁ、それでもいいぜ!緑谷もそう言ってるし、確かに飯田。食堂で超活躍したしな」
上鳴「ああ!それに、なんか非常口の標識みたいになってたよな」
飯田「委員長の指名ならば仕方あるまい。以後はこの飯田天哉が、委員長の責務を全力で果たす事を約束します!」
『私も飯田くんに票入れたから賛成だけど...八百万さん、ちょっぴり立場ないよね』
苦笑いして斜め前の焦凍くんに話しかけた。
轟「どうでもいい」
『(言うと思った...苦笑)』
八百万「私の立場は....泣」
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