入学
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「「「個性把握テスト?!」」」
麗日「入学式は?ガイダンスは?」
相澤「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよー。
雄英は自由が校風の売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。
お前達も中学の頃からやってるだろ?個性使用禁止の体力テスト。
が、未だ画一的な記録を取って平均を取り続けている。合理的じゃない。まあ、文部科学省の怠慢だな。
実技成績トップは爆豪だったな。中学の時ソフトボール投げ何メートルだった」
爆豪「67m」
相澤「じゃあ個性使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。はよ、思いっきりな」
爆豪「んじゃまあ。
死ねぇ!!!」
爆豪は掛け声と共にボールを空高く放り投げた。
『(何で、ボール投げるのに...掛け声が死ね?)』
相澤「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
爆豪が投げたボールの飛距離は705mを記録した。
上鳴「705mってマジかよ..」
芦戸「何これ!面白そう!」
瀬呂「個性を思いっきり使えんだ!さっすがヒーロー科!」
相澤「面白そう..か。
ヒーローになるための3年間、そんな腹づもりでいるつもりかい?
よし、8種目トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し除籍処分としよう」
「「「「「はぁああぁぁ?!」」」」」
相澤「生徒の如何は俺たち教師の自由。
ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」
麗日「最下位除籍って!入学初日ですよ?!いや、初日じゃなくても理不尽すぎる!!」
相澤「自然災害、大事故、そして身勝手なヴィラン達。いつどこからくるか分からない厄災。日本は理不尽にまみれている。そういうピンチを覆していくのがヒーロー。放課後マックで談笑したかったならお生憎。これから3年間、雄英は君たちに全力で苦難を与え続けていく。更に向こうへ、プルスウルトラさ。全力で乗り越えてこい」
『(過酷な道だと分かってはいた...焦凍君や他の人達と違って、私は個性を持て余して生きてきた。その差は簡単には埋まらない。人並にやってたらあっという間に置いて行かれちゃう)』
相澤「さて、デモンストレーションは終わり。こっからが本番だ」
第1種目:50m走
2人1組で50m走のタイムを競う。莉紗は出席番号21番。最後の組だけ3人1組となり、莉紗はポニーテールの女の子と、紫色のボールのようなものを頭につけてる男の子と一緒に走った。
自分の番が来る前にR&Bで脚力にブーストをかけておいた莉紗。
用意、バンッ!
『(え、それあり?!)』
隣で靴に電動ローラーを付けて滑るように走っていきゴールした女の子。突然現れたそれ。おそらくそういう個性なのだろうとは思ったが、思わず心の中でツッコんでしまった莉紗。
結果は女の子には負けたがタイムは、5秒86とまずまずの成績であった。
第2種目:握力
今度はロックでパワーブーストをかけた莉紗。
『ふんっ!!』
記録:56kg
『(んー、今結構ブーストかけてみたけど56kg....素の力なら30kgくらいかもなぁ)』
「すげぇ!!540kgってあんたゴリラ?!」
『(540?!)』
その後の種目も脚力ブーストとパワーブーストを切り替えて挑戦した。突出した記録は出せなかったが、どれも平均女子より上には行けていたような気はする。
自分の競技を全て終え、残るは緑谷くんのボール投げだけ。
緑谷くんは決意を含んだ表情で、ボールを投げようとした。誰もが1種目くらいは突出した記録を出している中で、平均か、それ以下の記録しか出せていない緑谷。ここで見せた緑谷の表情に誰もがすごい記録が出るのでは?と期待を膨らませたが...。
記録:46m
緑谷「確かに今、使おうって...」
相澤「個性を消した。つくづくあの入試は、合理性に欠くよ。お前のような奴も入学出来てしまう」
緑谷「個性を消した...?ハッ?!あのゴーグル!そうか!見ただけで人の個性を抹消する個性。抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!」
瀬呂「イレイザー?俺知らない」
蛙吹「聞いたことあるわ」
『焦凍くん、知ってる?』
轟「いや..」
相澤「見たとこ、個性が制御できないんだろ。また行動不能になって誰かに助けてもらうつもりだったか?」
緑谷「そ、そんなつもりじゃ!!」
相澤「どういうつもりでも周りはそうせざるを得なくなるって話しだ。昔暑苦しいヒーローが大災害から1人で1000人以上救い出すという伝説を作った。同じ蛮勇でも、お前のは1人を助けて木偶の棒になるだけ。緑谷出久、お前の力じゃヒーローになれないよ」
緑谷「ッ...」
相澤「お前の個性は戻した。ボール投げは2回だ。とっとと済ませな」
『何言われてるのか聞こえなかったけどものすごく猛毒のとげを突き刺しまくってるような気がする...』
轟「なんだそれ」
緑谷が再びサークルに立つ。そして先ほどと同じように腕を振りかぶりボールを投げると...
爆風を放ちボールは空の彼方へ消えていった。
記録:705.3m
緑谷「先生...まだ、動けます!」
『すっご...いね、今のパワー』
驚きと同時に、それまでパッとした結果を出せず焦りの表情しか見せていなかった緑谷が力を発揮できた事を莉紗が喜んでいた。
轟「............」
喜んでみていたのも束の間。右手の人差し指が変色しているのに気づいた莉紗。
『あ...』
轟「よせ」
1歩前に出ようとした莉紗の腕を掴んだ轟。集団の後方にいた2人だが、轟が莉紗の腕を引いてそっと集団から離れた。
『え、何が?』
轟「治してやるつもりだろ」
『うん、それが?』
轟「ヒーロー育てる学校なんだから、治癒系のヒーローもいるだろ」
『でもせっかく同じクラスになった友達だし..』
轟「初日からそういうのやめとけ」
『何で?』
轟「ただでさえ治癒系個性は珍しいんだぞ。初日から手ェ貸して何でもかんでも頼られるようになったらどうすんだ」
『...?頼られるのは良い事じゃない?』
轟「アテにされたらどうすんだって話だ」
『んー...』
轟「良いから、今はやめとけ」
『...はーい』
そして、全種目が終了し...
相澤「んじゃパパッと結果発表。トータルは単純に、各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間のムダだから一括開示する」
1位 八百万百
2位 轟 焦凍
3位 爆豪勝己
4位 飯田天哉
5位 風舞莉紗
6位 常闇踏影
7位 障子目蔵
8位 尾白猿夫
9位 切島鋭児郎
10位 芦戸三奈.....etc
相澤「ちなみに除籍はウソな」
チン....
相澤「君らの個性を最大限引き出す合理的虚偽」
飯麗緑「「「はぁっぁあぁ?!」」」
八百万「あんなのウソに決まってるじゃない...ちょっと考えればわかりますわ」
耳・上・峰「「「(気づかなかった...)」」」
『コソッ...気づいてた?』
轟「気にしてなかった」
『最下位なんてなるわけねぇって事ね...苦笑』
相澤「これにて終わりだ。教室にカリキュラムなどの書類があるから戻ったら目通しておけ。
緑谷、保健室行ってばあさんに治してもらえ。明日からはもっと過酷な試験の目白押しだ。覚悟しておけ」
『とりあえず...なんとか、無事に終わった...』
轟「今日の成績ならとりあえずおばさんに説教されずに済みそうだな」
『蕎麦で私を売った奴め...』
轟「...行くぞ」
『少しは否定しろー!』
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