Season4
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それから、毎日の学校の授業+放課後、もしくは公欠して朝からインターン活動が週に3日はある状況。大変でないと言えばウソになるがプロヒーローになればこんなものではないのだろうと考えるとこれもプロになるための訓練だと思い、なんとか毎日こなしている。
《〇〇町4番地10-22 川北通りの交差点でヴィラン2名出現。通報の段階では怪我人、火災等の発生はないものの建物などへの破壊行為を行ってる模様。近辺にいるヒーローは急行してください》
『こちらウィンディ、行けます』
《了解、ウィンディ急行願います》
事務所で依頼受託と依頼整理を行う事務員からの出動要請が、耳に装着したイヤホン型の無線から聞こえちょうど近くをパトロールしていた為すぐに返答し、ダッシュウィンドで現場まで急行した。
エンデヴァー「よし、ウィンディ。現着から警察への引き渡しまで1人でやってみろ」
『はい!』
辿り着いた先ではヴィランが2人、個性を用いて辺りの建物や設置物などを破壊していた。
その時、ヴィランが破壊したガードレールの一部が近くのまだ被害を受けていない服屋のショーウィンドウに向かって飛んで行った。中には店員や客と思わしき人が数名。このままじゃ怪我では済まないと思った私はすぐに竜巻を出しガードレールの破損部を竜巻の中に閉じ込めたと同時に粘着糸でヴィランの身体を拘束した。
「ぐっ!身体が、動かねぇ!」
「なんだ!」
『何イライラしてたんだか知らないけどこんな派手な八つ当たり、いい歳してみっともない』
「なんだっ、このガキ...」
「ヒーローか?!」
2人まとめて拘束した私は、そいつらから目を離さないように店の中に残っていた人達に外に出て避難するように誘導した。
「テメェ...」
1人の男は粘着糸に対し、身動き出来ずに諦めたようだ。しかしもう1人の男は個性を発動したのか、身体がどんどん赤く変色していった。すると拘束していた粘着糸の粘度が落ちていくのが指先からわかった。
『..熱系の個性か』
「ご名答!俺の個性はヒーター、俺の熱でぶっ倒れてしまえ!!」
『ヒーターね。わざわざ教えてくれてありがとう』
そう皮肉を込めて言った私は右手で道路の排水溝の隙間から風を送り込むと、左手で男に向かって3つの竜巻を出した。男を取り囲むように竜巻を男の周りに旋回させた。
「ガキに忠告だ。風は熱で浮くんだぜ!!俺のヒーターならこんな風簡単に散らせるんだ!」
『兄ちゃんに忠告だ。風が熱で浮くのはずっと前から知ってるし、対策も既に講じ済みなんだ』
私は男達の後方、左右を土の壁で囲み、排水溝の中に送り込んだ風を細長い竜巻に変化させ、排水路の中の水を竜巻に巻き込んだ。
排水溝の蓋が飛び上がると、水を含んだ竜巻の形状を変えて低く太い渦にし、男を竜巻の中に巻き込んだ。
男の個性によって温められた空気が上昇し、男の周囲だけが熱帯低気圧状態となりそれにより竜巻の勢いは増し、男が閉じ込められている竜巻内だけがハリケーン状態となり、竜巻に巻き込まれている水が男の個性で熱されおそらく今高温の熱湯と化している事だろう。
「んだこれ?!あっちぃ!!」
男に先程よりも3倍ほどの太さにして粘着糸を飛ばすと竜巻の回転に合わせて男の体に粘着糸が巻きついた。
この男の個性、ヒーターの火力は先程粘着糸を溶かされた時になんとなく把握した。普段から見ている、エンデヴァーや焦凍くんの温度には遠く及ばない。
焦凍くんが粘着糸の粘度を溶かすのにそこそこ時間がかかる太さは幾度とない特訓により実証済み。その太さにすればこの男には対処仕様もないはず。
『今度は簡単に外せないでしょ』
と言ったものの、平衡感覚を乱すくらいに考えていたが激しい回転に巻き込まれたダメージはそれなりに重そうで完全に気を失っていた。
それから数分も経たないうちに警察が現着しヴィランを引き渡した。
建物への被害は抑えたつもりだが、強いていうなら排水溝の水をばらまいた為周辺環境を汚染した為、影響0とは行かず課題が残る初めての1人でのヴィラン退治だった。
**
事務所に戻り、報告書の書き方を教えて貰い1人での活動を終えた。
エンデヴァー「幼少から多くのプロと訓練を積んでいただけあり実戦は問題ないな。初めての依頼・実戦の割に周囲への被害も0とはいかなかったがまあ、上出来だろう」
『どうも。まあ相手がヴィランならヴィラン連合とも戦ってるから』
エンデヴァー「そうだな。よし、今日からはどんどん1人で依頼を捌いて貰うぞ」
『はい』
------
数日後の昼休み。
上鳴「切島これぇ!!」
切島「へ?」
上鳴が興奮気味に見せてきたスマホの画面にはヒーローニュース。
上鳴「お前名前!ネットにヒーロー名載ってるぞ!スゲェ!新米サイドキック、烈怒頼雄斗爆誕!初日から市民を背負い、単独ヴィラン退治だってよ!!」
爆豪「...........怒」
『(キレてるキレてる....苦笑)』
目の前で怒りに肩を震わせる爆豪を見て苦笑いする莉紗。
芦戸「梅雨ちゃん、麗日!スゴイよ、名前出てる!リューキュー事務所に新たな相棒...インターンシップで所属した2人!」
上鳴と同じようにスマホの画面に載るヒーローニュースを見せる芦戸。
麗日「うわぁ!嬉しいなぁ、ホントだぁ!」
蛙吹「どこから撮ってたのかしら?」
芦戸「スゴイねぇ!!もうMtレディみたいにファンついてるかも!!」
葉隠「うらやま~!」
耳郎「マジじゃん。ルックスもキュート、お手柄。でも瞬時に制圧、実力は本物」
瀬呂「おいおい!風舞のヒーローニュースの講評やべぇぞ!!」
芦戸「何々?」
瀬呂が見ていたヒーローニュースの記事には...。
《エンデヴァー事務所の超新星、来たる》
と言う見出し。その内容が..。
《エンデヴァー事務所にインターン中の仮免ヒーロー ウィンディ。
アマチュアであるにも関わらず既に多くの事件に携わる。
その小柄で可愛らしい容姿からは想像もし得ない派手な戦闘力。その実力はエンデヴァーのお墨付き。早くも将来有望なエンデヴァーの右腕となりうる手腕を披露している》
耳郎「すっごい。超べた褒め」
八百万「さすがは莉紗さんですわ!」
爆豪「........怒怒怒」
『ハハハ...
(御曹子差し置いて右腕はないだろ...)』
飯田「仮免といえど街へ出れば同じヒーロー。素晴らしい活躍だ。
だが!!学業は学生の本文!居眠りはダメだよ!」
切島「おうよ飯田!!覚悟の上だぜ!!な?!」
緑谷「うん!!」
鼻息荒く意気込む緑谷と切島。
『(ちょっとくらい見逃して...はくれないか)』
とても残念そうな莉紗。
上鳴「お前勉強やべーっつってたのに大丈夫かよ」
切島「先生が補習時間設けてくれるんだってよ!」
瀬呂「俺も行きゃあ良かったな...両立きつそうでさあ」
八百万「学ぶペースは人それぞれですわ」
上鳴「良い事おっしゃる~」
耳郎「莉紗は勉強大丈夫なの?」
『あー、うん。なんとか』
上鳴「風舞は轟っつー専属のイケメン家庭教師いるしな」
『............』
**
翌日授業中にポケットの中のスマホのバイブが鳴ったのに気づいた莉紗は休み時間に廊下に出て電話を確認すると、相手は母だった。
『もしもし』
《あ、莉紗。学校なのにごめんね》
『別に大丈夫。何?』
《実は明日、例の件でサーナイトアイの事務所に招集がかかってて。莉紗も向かってほしいの》
『おじさまには?』
《私から既に連絡して許可取ってるわ》
『分かった』
《それじゃ、明日ね?》
終了した電話の機械音を聞いて私はふぅ、と息を吐いた。
母は依頼を消化してから向かうそうで場所だけ聞いて1人で電車で行くことにした莉紗。
今日はさっさと課題終わらせて寝よう。
と思っていたよ、2時間前までは。
葉隠「これが失恋から始まるハピエンストーリーなんだよ〜!」
芦戸「私ドロドロ系が好き!」
夕食、お風呂を終えなぜか女子限定で招集がかかり共有スペースに集まると突然少女漫画の話題が始まった。
芦戸「私はやっぱSho-comi好き!ドロドロ〜」
『どんだけドロいの好きなの?』
麗日「私はやっぱ花夢かな〜」
葉隠「りぼんもいいよね〜」
『私ちゃお派だったな』
麗日「私なかよしだったかな〜」
八百万「...それらは、何ですの?」
蛙吹「少女漫画誌の事よ、百ちゃん」
耳郎「少女漫画が嫌いなわけじゃないけど、ウチは少年漫画派かな〜」
『私はどっちも好きかな』
芦戸「轟も漫画とか読むの?」
『私は読んでるのは見たことないかな、小説が多い』
麗日「轟くん、漫画読む姿浮かばんもんね?」
葉隠「轟くんみたいなイケメンにまさに少女漫画っぽく壁ドンとかされたらどんな女子も落ちちゃうね!」
蛙吹「落ちたらダメよ、透ちゃん。轟ちゃんには莉紗ちゃんがいるんだから」
『ハハハ....』
んー。こうやって話してる感じは、私と焦凍くんに違和感を感じてる人いなさそうなんだけどなぁ。
爆豪、あいつが鋭いのか。
結局日付が変わるギリギリまで、漫画の話しで盛り上がっていたのをお茶子ちゃんと梅雨ちゃんが明日もインターンあるから、先に部屋に戻ったのに便乗して私も部屋に戻る事が出来た。
**
翌日、サーナイトアイの事務所に向かうために寮を出ると、緑谷と切島がいた。
切島「緑谷、風舞!おはよう!お前らも今日インターン行くんだ?奇遇だな」
『おはよ』
緑谷「しばらく呼ばれなくてやっと今日だよ。コスチュームはいらないって言われたけど...」
麗日「あれ?おはよう3人共!今日?」
緑谷「うん!」
蛙吹「偶然ね、あたしたちもよ」
『インターン組全員同じ日に活動って、すごい偶然だね』
そう思ったのも束の間、それぞれ目的地に向かうため電車に乗り込むも、何故か全員同じ電車だった。
緑谷「あれ、みんなこっち?切島くん関西じゃ..」
切島「なんか、集合場所がいつもと違くてさ」
蛙吹「あたしたちもそうなの...」
不思議なくらいに行く方向が皆同じだった。
『(そういえば、ファットガムとリューキュウもチームアップに入ってるって...もしかして、みんなも呼ばれてる?)』
そして目的地にたどり着くとマイナーヒーローから知名度の高いプロヒーローまで数多くのヒーローが集結していた。
通形「あ!」
波動「あっ!」
そして、その中にビッグスリーの3人もいた。
緑谷「グラントリノ?」
緑谷がどこかを見て誰かの名前を叫んだ為そちらに目をやると見知った人物がいた。
『相澤先生?それに...』
ウィンドリア「あ、莉紗。お友達と一緒に来たのね」
莉紗の母のウィンドリアが先にたどり着いていた。
緑谷「そよ風ヒーローウィンドリア!スゴイ...生だ...」
ウィンドリア「娘がお世話になってます」
緑谷「あ!いえ、こ、こちらこそ!そ、その...」
麗日「あれ?莉紗ちゃんってエンデヴァー事務所にインターン行ってたんじゃ..」
『あー、今日はちょっと呼び出されててね』
波動先輩がリューキュウに抱きつきながら何の会議が問い詰めていた。
ウィンドリア「イレイザー、娘がお世話になってるわね」
相澤「どうも」
麗日「相澤先生!」
蛙吹「先生が何故ここに?」
『相澤先生も呼ばれた人?』
相澤「ああ、急に声かけられてな。ざっくりとだが、事情も聞いた」
リューキュウ「貴方たち、前にも言ったでしょ。学生と言えどインターンで来たからには立派な戦力、って」
『........。
(死穢八斎會とヴィラン連合....)』
リュー「ナイトアイさん、早速始めましょう」
.