Season1
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翌日
オールマイト「私が普通にドアから来たー!!」
突然のオールマイトの登場に1-Aが湧きあがった。
オールマイト「私の担当はヒーロー基礎学!ヒーローの素地を作るため様々な訓練を行う科目だ。単位数も最も多いぞ。早速だが、今日はこれ!!戦闘訓練!!」
爆豪「戦闘...!!」
緑谷「訓練...」
オールマイト「そして、そいつに伴ってこちら!入学前に送ってもらった個性届と要望に沿ってこしらえたコスチューム!!」
コスチュームの登場にクラスが湧いた。
オールマイト「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ!!」
『(ちょっと露出多い気がするけど...まあいいか)』
莉紗は紫ベースのコスチューム。チューブトップに薄手の白いショート丈のカーディガンを羽織っている
カーディガンは飛ばないようにトップスに固定されている。
下は、ショートパンツにプリーツがついていて見た目はスカートだ。
黒いひざ丈ブーツを履いて少し大人っぽいイメージのコスチュームになっている。
麗日「風舞さん、カッコイイ~!」
『ありがと、莉紗でいいよ』
麗日「うん!私もお茶子でいいよ~!」
耳郎「私も莉紗って呼んでいい?」
『うん、私も響香って呼ぶね』
蛙吹「梅雨ちゃんと呼んで、莉紗ちゃん」
『分かったよ、梅雨ちゃん』
戦闘訓練は、ヒーロー役とヴィラン役に分かれて行う。
ヴィラン役が核兵器をアジトのどこかに隠し、ヒーローがそれを処理しようとしている想定。
ヒーローは時間内にヴィランを捕獲するか核兵器を回収すること。
ヴィランは制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえることがそれぞれの勝利条件。そしてその組み合わせはくじ引きで決める。
今年の1ーAは21名いるため3人チームが1組だけある。
オールマイト「チーム分けはこうだ!」
チームA:麗日・緑谷
チームB:轟 ・障子
チームC:峰田・八百万
チームD:爆豪・飯田
チームE:芦戸・青山
チームF:口田・砂藤
チームG:上鳴・耳郎
チームH:常闇・蛙吹
チームI :尾白・葉隠・風舞
チームJ:瀬呂・切島
『葉隠、尾白、よろしく』
尾白「うん、よろしく」
葉隠「尾白くん、莉紗ちゃん!よろしくねっ!」
尾白「作戦どうする?」
『ヴィラン役かヒーロー役かで大分作戦変わるかな』
葉隠「あ、それなら~。とりあえずお互いの個性を教え合わないっ?」
『そうだね』
尾白「俺の個性は、尻尾。手のように自在に扱うことが出来るよ。武術も心得てる」
葉隠「はぁーい!私の個性は、透明化!大して役に立つ技みたいなのはないけど、透明だから偵察とかはバンバン出来るよ!!」
『偵察班に持ってこいだね。
私の個性は風と粘着糸。風を自在に発生・操ることが出来るのと手指から粘着糸を出すことが出来る。強度はそこそこだけど熱に弱い』
尾白「個性2つ持ちか、すごいな」
葉隠「しかも~、すっごく強そうっ!」
『ひとまずは、役がどちらにしても葉隠は索敵担当』
葉隠「おっけー!でも、透って呼んで〜」
『わかった...透』
葉隠「ふふ、頑張っちゃうもんね」
『尾白は近接向きそうだから核を守ってもらってていい?』
尾白「うん、もちろん」
『クラスのみんなの個性もまだよくわかってないし相手のチームにもよるけど、私は中遠で戦えるから私がまずは敵に近づいて足を止めさせる』
尾白「分かった」
作戦を話してる間に、第2戦。さっそく莉紗の番がやってきた。
オールマイト「さあ、次はこのチーム!!!」
ヒーロー役 轟・障子のチーム。
ヴィラン役 尾白・葉隠・莉紗チームだった。
『(うっわ、よりによって焦凍くんかよ...)』
顔には出さなかった莉紗だが、よく知った相手の実力に少々億劫にすら感じていた。
葉隠「なんかうちのチーム3人だからハンデあってちょっと申し訳ないよねぇ」
尾白「そうだね、でも負けるわけにはいかない」
『(正直焦凍くん相手じゃ1人多いくらいじゃハンデにもならないと思うし、それでも勝てるかどうか....)』
葉隠「尾白くん、莉紗ちゃん!行こっ」
『(焦凍くん相手じゃあの2人は多分戦う前に凍らされるし、個性の相性も悪い。私がなんとかしなきゃ。
でも、正直私の個性でも焦凍くん対策は絶望的なんだよなー...)』
試合の流れを予想しながら気が重くなりながらもスタンバイ地点に向かった莉紗。
4階建てのビルの4階フロアに核を設置。葉隠は全力を出すとのことで、いくら透明とは言え靴も手袋も服も脱いで(つまり今全裸)身を潜め核のあるフロアの入り口付近にスタンバイした。
『(年頃の女子が...)』
尾白「(葉隠さん....透明人間としては正解なんだけど、女の子としてはヤバいぞ。倫理的に)」
そして尾白は核の前にスタンバイ、莉紗はビルの3階のフロアにスタンバイした。
『(障子の個性は分からないからもう考えるのやめよう。焦凍くんはどう攻めてくるか...そんなん決まってる。被害は最小限にしなければならないし、焦凍くんは炎は使わない。氷結で勝負をつけに来る。以前と威力はきっと比べ物にならない。1つのフロアは丸ごと凍せられるだろうからフロアに入ってくる前に対応しないと...けど、熱に弱い私の粘着糸は焦凍くんには無効。それは焦凍くんも百も承知。
尾白と葉隠の動きを封じて一気に畳みかけに来るはず。
なら氷結警戒しての近接一手。組み手なら負けた事ないからね)』
莉紗は、2階全体の至るところに気休めにでもと粘着糸をなるべく細くして張り巡らせた。
そして3階フロア天井に粘着糸を貼り付け、天井にぶら下がって待機した。
障子「4F北側の広間に1人、もう一人は同階のどこかか..素足だな。透明の奴が伏兵として捕らえる係か。もう1人は3階の天井から何かでぶら下がっている」
轟「(3階にいるのはおそらく莉紗だな。俺が氷結だけで行くのを知ってるし、組み手じゃあいつに勝った事ねぇ。肉弾戦に持ち込むつもりだろう)
作戦変更だ。外出てろ、あぶねーから。向こうは防衛線のつもりだろうが、俺には関係ない」
障子がビルの外に出ると、轟が壁に触れた。触れた場所から氷が広がり、ビル全体がたちまち氷漬けになった。
『え....やばい』
一瞬にして天井が氷漬けになっていき、莉紗がぶら下がってる場所まで氷結が侵食してきた。
莉紗は、急いで氷漬けになった天井に粘着糸を粘着させ今ぶら下がってる場所の粘着糸を外した。
周りを見渡すと莉紗のいるフロアだけでなく廊下の方まで凍ってしまったのを見て唖然とした莉紗。
『(いやいやいや、ビルごと凍ってない?氷結の威力上がってるとは思ってたけど。
この範囲攻撃反則だろ...。
2年半足らずで何やったらこんなに上げられんだよ)』
指から粘着糸を切り離し、轟が出した氷の上に着地した莉紗。
『天井まで凍ってる...尾白達はもう凍らされてそうだな』
3階フロアにいる莉紗のもとにやってきた轟。
『よくわかったね、ここに1人いるって』
轟「障子の個性だ」
『あー、あいつそういう個性か。粘着糸燃やしてきた?』
轟「いや、凍らせたら張り巡らせてるのが見えた」
『あー、そういうこと。
何、範囲攻撃。これだから天才は...』
轟「レベルが違ったか?」
『どうだろうね』
軽く地を蹴ると空中でダッシュ・ウィンドを繰り出し轟の間合いに一気に詰めた。轟はすぐさま氷結を出し莉紗の行く手を阻んだ。
『氷結は読んでるって!』
轟「!」
向かってきた氷結を避けるように天井に粘着糸を貼り付け、瞬時に短くすると天井に吸い込まれるように逃げ込んだ。そして、その場所から竜巻を1つ轟に向けて撃った。その竜巻も氷結で防いだ轟。
『(焦凍くんは間合いに詰め込まれると弱い。だから近接に持ち込む!)』
再びダッシュウィンドで轟の背後に回り込み空中で回し蹴りをした。轟はその莉紗の足を掴んで止めようとしたが莉紗が凍らされるのを警戒し、すぐに体勢を変え轟の右手に粘着糸を巻き付け、轟を回し投げようとした莉紗だったが、自身の熱で粘着糸の粘度を落とした。粘度がなくなった糸はただの糸のため簡単に引きちぎることができるのを知ってる轟は力づくで引きちぎった。
『へぇ、戦闘中でもそういう事には使うんだね』
今度は自身が出来る最大の太さまで太くした粘着糸を轟の身体に巻きつけた。太い分、簡単に熱で粘度を落とせず苦戦している轟に隙ありと再び間合いに詰めようとした莉紗だったが粘着糸が一瞬で凍り、気付けば莉紗の身体全てを凍らせた轟。
『!?
何この小細工!』
轟「悪いな、俺の勝ちだ」
表情を変える事なくそう言って、核のある4階に向かった轟。
『...クソ』
モニター画面で見ていたクラスメイト達は莉紗と轟の戦いに雄たけびを上げるものと、自分とのレベルの違いに絶望する者がいた。
緑谷「す、すごい...」
上鳴「なんだよ、この超ハイレベル!」
切島「さすが推薦入学者同士だな!!」
芦戸「レべチ、やっば!!」
爆豪「........」
放課後
『あ...』
轟「......」
帰宅しようと門を出た2人が偶然遭遇した。
『...おつかれ』
轟「...おう」
『まさか、粘着糸越しに凍らせてくるとは。小細工上手くなったね』
轟「まあな。お前もまた個性の使い方上手くなったな」
『言っとくけどあれが全力じゃないからね』
轟「分かってる。それじゃあな」
轟は素っ気ない挨拶を口にしてそれ以上何も言うことなく、莉紗に背を向けて帰っていった。
会話は普通に出来るのに、昔とは違う...。必要以上には踏み込まない今の関係。
それに寂しさを感じた莉紗はしばらく轟の後ろ姿を見つめた。
そして帰ろうとした時、何処からか話し声が聞こえた。
『何だ?』
声の方に向かうと緑谷と爆豪がいた。爆豪が何やら緑谷に突っかかってるように見える。2人の険悪な様子が気になり物陰からそっと様子を見た。
爆豪「今日俺は...テメェに負けた...そんだけだろぉがっ...そんだけ...!!
氷と風の奴らの戦いみて、適わねぇんじゃねぇかって...思っちまった!
クソぉぉっ!ポニーテールの奴の言うことに納得しちまった!!クソ!クソぉっ!
なぁ!テメェもだ、デク!こっからだ!!俺はこっから!
俺はここで1番になってやる!」
爆豪は緑谷に背を向け校門を出ていった。
『あいつ....ただ、乱暴なだけじゃなかったんだな』
見てはいけないものを見たような背徳感を覚え、莉紗は学校を後にした。
『どうでもいいけど、氷と風とポニーテールって...あだ名ですらないし』
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