Season3
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翌朝
「「「えぇっ?!」」」
芦戸「ケンカして」
葉隠「謹慎?!」
上鳴「バカじゃん!」
青山「ナンセンス☆」
『そんな元気有り余ってたんかい』
夕べ、爆豪と緑谷が何がきっかけは分からないがケンカしたところを相澤先生に見つかり先に手を出した爆豪は4日間、緑谷は3日間寮から出ることを禁止され、その間共有スペースの掃除を一手にやることになったらしい。
瀬呂「バカかよ!」
常闇「骨頂」
麗日「それで、仲直りしたの?」
緑谷「仲直り、っていうものでも...んー、言語化が難しい...」
『仲直りも何も。こいつら万年ケンカしてるようなもんじゃん?』
緑谷「....;
返す言葉も御座いません....」
飯田「よく謹慎だけで済んだものだ。ではこれからの始業式は君らは欠席だな」
轟「爆豪、仮免の補習どうすんだ?」
『それ地雷「うるせぇっ!!テメェには関係ねェだろ!!」』
『ほらもう...』
爆豪と緑谷以外の1Aメンバーは始業式に出るべく、友達甲斐のない言葉を残し寮を出ていった。
校舎に行く時は、今まで焦凍くんと一緒だった。不必要に避ける必要はないけど、別れてる間はなるべく登下校も別にしようと言う事にしていたから焦凍くんは準備を終えて飯田と一緒に寮を出ていった。
麗日「莉紗ちゃん、一緒に行かへん?」
『お茶子ちゃん....うん、そうだね』
事情を知ってるお茶子ちゃんは多分焦凍くんが飯田と行ったのを見てなんとなく察して気を遣ってくれたんだろうな。
蛙吹「莉紗ちゃん。轟ちゃんと一緒じゃないの、珍しいわね」
『私達も少し他の友達とも行動するようにしようって話ししててね。ヒーローになったらどんな人とでも行動を共に出来た方がいいでしょ?』
隠したいわけじゃないけどわざわざ話す事でもないと思ってそれらしい言い分を告げると梅雨ちゃんは納得したみたいで私はお茶子ちゃんと梅雨ちゃんと校舎に向かった。
飯田「皆いいか!列は乱さずそれでいて迅速に!グラウンドに向かうんだ!」
人一倍気張った飯田がA組のみんなに声をかけながら進み周りがツッコミを入れている。
瀬呂「いやおめぇが乱れてるよ~」
飯田「うっ...委員長のジレンマ...」
皆でグラウンドに移動している最中の事。
物間「聞いたよ?!A組」
切島「あっ?」
突如目の前に立ちはだかった物間筆頭のB組。
物間「2名!そちらから仮免落ちが2名も出たんだってー!?」
瀬呂「B組物間?!;;」
上鳴「相変わらずイカレてやがる...;;」
切島「さてはまたおめぇだけ落ちたな?期末試験の時みてぇに!」
物間「ふははは」
不気味に笑っていたと思ったら急に背を向けた物間。
切島「いやどっちだよ?!」
物間「へっ。こちとら...
全員合格!水が開いたね、A組」
物間以外のB組メンバーはA組に友好的な笑顔を向けてくれているのに、こいつだけは何でいつもこうなんだか。
轟「...悪りぃ、皆」
そして近くで結構本気で落ち込んでクラスメイトに謝罪する焦凍くん。
『や、そんな本気で落ち込まなくても....;』
切島「そ、そうだって!向こうが一方的に競ってるだけだから、気に病むなよ?;」
「おい、後ろ詰まってるんだけど」
B組とひと悶着していると後方から声が聞こえ皆が振り返ると見覚えのある人物が立っていた。
常闇「心操...」
耳郎「体育祭で緑谷と戦った人..」
瀬呂「なんか、あいつ。なんとなくごつくなった気が...」
**
グラウンドで始められた始業式。
根津「やあ!皆大好き、小型哺乳類の校長さ!最近は、私自慢の毛質が低下しちゃってねぇ。ケアも一苦労なのさ」
自己ケアの話しから始まった校長の挨拶。
長くなりそう...と考えただけで眠くなってきてる生徒もいるけどその実、ただの自己ケアの話しだけではなかった。
根津「ライフスタイルが乱れたのは、皆もご存じのとおりこの夏休みで起きた事件に起因してるのさ。
柱の喪失..あの事件の影響は予想を超えた速度で現れ始めている。
これから社会には大きな困難が待ち受けるであろう。
特に、ヒーロー科諸君にとっては顕著に表れる。
2、3年生の多くが取り組んでいる校外活動”ヒーローインターン”もこれまで以上に危機意識を持って考えていかなければ」
『..?(ヒーローインターン?)』
根津「暗い話しはどうやったって空気が重くなるねぇ。大人たちは今その重い空気をどうにかしようと頑張っているんだ。君たちは是非その頑張りを受け継ぎ、発展させられる人材になってほしい。
経営科も普通科もサポート科もヒーロー科も、みんな社会の後継者であることを忘れないでくれたまえ」
「根津校長ありがとうございました」
**
相澤「じゃあ、ま。今日からまた通常通り授業を続けていく。かつてないほどに色々あったが、上手く切り替えて学生の本文を全うするように。今日は座学のみだが、後期はより厳しい訓練になっていくから」
三奈が、気になっていたヒーローインターンについて相澤先生が話し出さないことを後ろの梅雨ちゃんにボソッと呟くと相澤先生の目が赤く光った。
芦戸「ひぃっ!久々の感覚~」
蛙吹「ごめんなさい、いいかしら先生。さっき始業式でお話に出た、ヒーローインターンってどういうものか聞かせてもらえないかしら?」
相澤「それについては後日やるつもりだったが、まあ先に言っておく方が合理的か。平たく言うと、校外でのヒーロー活動。以前行ったプロヒーローの元での職場体験の本格版だ」
麗日「ほぅ~・・・・。
...体育祭の頑張りは何だったんですーっ?!」
飯田「確かに..インターンがあるなら、体育祭でスカウトを頂けなくても道が開ける」
相澤「ヒーローインターンは、体育祭で得たスカウトをコネクションとして使うんだ。これは授業の一環ではなく、生徒の任意で行う活動。むしろ体育祭で指名を頂けなかった者は活動自体難しいんだよ。元々は各事務所が募集をかける形だったが、雄英生の引き入れの為にいざこざが多発し、このような形になったそうだ。分かったら座れ」
麗日「...早とちりしてすみませんでした..」
相澤「仮免を取得したことで、より本格的、長期的に活動できる。ただ、1年生での仮免取得はあまり例がないこと。ヴィランの活性化も相まって、お前らの参加は慎重に考えてるのが現状だ。ま、体験談なども含めて後日ちゃんとした説明と今後の方針を話す。こっちも都合があるんでな。じゃ、待たせて悪かった。マイク」
マイク「1Aは英語だぁ!マジ俺の時間♪久々登場、俺の登場、待ってたかブラザー♪」
**
その日の夕方...
峰田「クク..このゴミは何です?爆豪くん」
怪しい笑いを浮かべながら窓枠のほこりを指で取った峰田と瀬呂。
爆豪「そこデクだ、ざけんじゃねぇぞ!
おいゴラ!テメェ掃除もまともに出来ねぇのかよ!!」
緑谷「ご、ごめん!!」
共有スペースでは、マイクの授業で習ってない文法が当たり前に出たことやヒーローインターンの話題が飛び交い緑谷と爆豪は内心穏やかじゃなかった。
『やばい..』
色んな意味で盛り上がってる皆から離れて1人そう呟くと、どうした、と後ろから声をかけられた。
振り向かずともわかるその声に莉紗は今日の英語の授業が何一つ分からなかった事を白状した。
轟「教えるか?」
『..........』
轟「どうした?」
『や...どんな距離感でいたらいいかわからなくて』
轟「勉強教えるくらいクラスメイトなんだからするだろ。ここでなら」
『....まあ、そりゃそうか』
轟「だから、俺もお前に教えて欲しい事ある」
『え、私?ヤオモモじゃなく?』
轟「救命救急学と解剖生理学はクラスでお前が1番だろ。中間も期末も満点だったし」
『え...あー、あれね』
轟「まあ座学は一通り大丈夫なんだが、実技の方がな」
『包帯固定とかにつまづいてる?』
轟「? よく分かったな?」
『君の不器用さ考えたらねぇ』
轟「やり方は頭で覚えててもうまくできなくてな」
『じゃあ、後で特訓ね』
轟「...おう」
その言葉通り、莉紗は轟に英語を。轟は莉紗から包帯の巻き方をそれぞれみっちりしごかれた。もちろん共有スペースで。
そして轟との講習が終わり、轟は部屋に戻っていった。PM23時半
『よし、少しやってみよ』
寮を出て人の目に付かない死角で莉紗はとある特訓を始めた。それは...。
『左右のバランス..あ、出来た!』
合宿で練習してた、手以外の場所からも風を発生させる練習。それを応用して、足から竜巻を発生させて浮遊する練習を始めた。
そのヒントになったのが、先日仮免講習で会った夜嵐イナサ。
中学の時には見たことなかったが、彼は自身の身体全体を風に包むことで浮遊させていた。
夜嵐には規模も威力もケタ違いで劣等感を感じていたと言うのは事実だが、実のところ細かい微調整やコントロールに関しては負けていないと自負している部分もあった。
その夜嵐の浮遊をヒントに自分は足元に竜巻を発生させて浮遊出来ないかと考え、今に至るのだ。
そして、元々個性の扱い方やコントロールは抜群に上手いと教師陣の中でも定評のある莉紗。イメージさえ浮かべば攻略するのは速い。
『(けど、左右の足から出てる竜巻のバランスが少しでも崩れると浮遊バランスも崩れる...今はこっちに意識を集中してるからいいものを、無意識下で出来るようにならないと戦闘中だと隙だらけになる...練習あるのみ!)』
**
翌日、緑谷の謹慎が解けて登校してきて鼻息荒く勢いよく頭を下げた。
緑谷「ご迷惑をおかけしました!!」
麗日「デクくん!お勤め、ご苦労様!」
耳郎「お勤めって...;」
『どうだい、3日ぶりの娑婆の空気は』
耳郎「娑婆って...;
つか、何息巻いてんの?」
緑谷「飯田くん、ごめんね!失望させてしまって!!」
飯田「お、おう..反省してくれてればいいが。しかしどうした?」
緑谷「この3日間でついた差を取り戻すんだー!!」
切島「あー、いいな!そういうの!好き俺!!」
相澤「全員席につけ」
緑谷「Σぐおっ?!」
相澤「おはよう。じゃあ緑谷も戻ったところで本格的にインターンの話しをしていこう。入っておいで」
相澤の声に続くように教室に入ってきた3人の生徒。
相澤「職場体験とどういう違いがあるのか、直に経験している人間から話してもらおう。心して聞くように。現雄英生の中でもトップに君臨する3年生3名、通称ビッグ3のみんなだ」
緑谷「ビッグ、スリー...」
飯田「栄えある雄英生の中の、頂点...」
八百万「学校の中で、一番プロヒーローに近い存在」
耳郎「あの人たちが...的な人達がいるとは聞いてたけど」
上鳴「めっちゃ綺麗な人いるし。そんな感じには見えねぇな」
緑谷「あの人、あの時の...」
『緑谷、知り合い?』
後ろから聞こえた呟きに後ろを振り返った莉紗。
緑谷「あ!いや...一番右の人が、去年の雄英体育祭で見たことあるような気がして」
『ふーん、そっか』
相澤「じゃあ手短に自己紹介いいか?まず、天喰から」
天喰「...!!」
切島「(なんて目つきだ!!)」
飯田「(一瞥だけでこの迫力...)」
鋭い目付きにA組一同が息を飲み、天喰の言葉を待つ。
天喰「ダメだ...」
ボソリと小さな声で一言呟いた天喰は途端に身体を震わせ始めた。
天喰「ミリオ...波動さん...じゃがいもだと思って臨んでも...頭部以外が人間のまま...依然人間にしか見えない...どうしたらいい...?言葉が、出てこない...」
「「「??」」」
天喰「頭が、真っ白だ..辛い、帰りたい」
そう言ってA組のみんなに背を向けた天喰。
「「「(え~?!)」」」
『(何、あの目力あるのに残念な感じ...)』
尾白「あの...雄英、ヒーロー科のトップですよね?」
波動「あー!聞いて?天喰クン!そういうのノミの心臓って言うんだってっ♪ねー、人間なのにねぇ、不思議~。
彼はノミの天喰環。それで私が波動ねじれ。今日はインターンについてみんなにお話してほしいと頼まれて来ましたっ」
波動が話し始めたことでA組一同やっとまともに話しが進むと思っていたのも束の間...。
波動「けど、しかし。ねぇねぇ、ところで君は何でマスクを?風邪?オシャレ?」
障子「こ、これは昔..」
波動「あーっ!あと、君轟くんだよね?!ねっ?!なんでそんな所火傷したの?」
『(昨日の夕飯何食べた?みたいなノリとテンションで焦凍くんにそれ聞く人初めて見た...)』
轟「? それは..」
波動「芦戸さんはその角、折れちゃったら生えてくる?動くの?ねぇ!」
芦戸「あ、あ~...」
波動「峰田くんのボールみたいなのは髪の毛?散髪はどうやるの?」
峰田「..../////」
波動「蛙吹さんはアマガエル?ヒキガエルじゃないよね?!
ん~どの子もみんな気になるところばっかり~ふっしぎ~!」
『あの人が一番不思議...』
上鳴「天然っぽーい、可愛い...///」
芦戸「幼稚園児みたいだ...苦笑」
峰田「オイラの玉が気になるって...ちょっとちょっとー!セクハラですってばー!ぐぉっ」
『黙んないと締め上げるよ、峰田』
いつもの如く粘着糸で峰田を締め上げる莉紗。
峰田「す...ずびばせ..ん..」
瀬呂「つーかそもそもちげーし...;」
止まらない波動ワールドに相澤先生の怒りが心頭に達していた。
相澤「合理性に欠くね...」
通形「い、イレイザーヘッド!安心してください!オオトリは俺なんだよね!!
ぜんと~??」
「「「「『??』」」」」
上鳴「ぜんと..?」
通形「多難!っつってね!よーし、掴みは大失敗だー!!」
砂藤「3人共変だよな、ビッグスリーと言うにはなんかさ..」
常闇「風格が感じられん」
通形「まあ何が何やらって顔してるよね。必修ってわけでもないインターンの説明に突如現れた3年生だ。そりゃワケもないよね。
ん~、1年から仮免取得、だよね。今年の1年ってすごく元気があるよね。何やら滑り倒してしまったようだし...。
君たちまとめて俺と戦ってみようよ!」
「「「え...えぇぇ?!」」」
通形「俺たちの経験、その身で経験してもらった方が合理的でしょ?どうでしょうね?イレイザーヘッド!」
相澤「好きにしな」
『(あ。良いんだ...)』
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