Season3
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『今日、一緒に寝ていい?』
2人で笑い合ってると突然予想もしてなかった言葉が飛び出し、思わず眉が引きつった気がする。
轟「...あ?」
あまりこいつに対してこういう威圧的な態度は出さない自覚はあるんだが、今ばかりは突拍子もなくとんでもない事を言ったこいつが悪いと思う。
『や...なんか今日は一緒にいたいなー...って思ったり..』
俺の雰囲気を感じ取ったのか、段々と言葉尻が弱々しくなっていく莉紗。
轟「............」
確かに、俺は人を好きになった事もねぇし誰かと付き合ったりしたこともねぇ。だからそういう男女の経験もねぇ。興味すらなかったからだ。
だが、恋人同士になった男女がどういう事をするのかは知ってる。
いわゆるエロ本と呼ばれるものを見たことはないし、そう言った動画やDVDも見たことがない。強いて言うなら最近見るようになった映画やマンガとかでたまにそういうシーンが出るのを見るくらいだ。だからそういう知識が多少なりとも入ってるのはおそらくほとんどが学校の授業じゃないかと思うが、自発的に検索したこともなかった。
だが、俺も男だ。
まだ女を相手に欲情したことはないが、朝起きたときに生理現象として自分の下半身が主張してたことは何度も経験がある。
これが何なのか、どうするのかを知りたくてその時初めて検索した。だからこの現象が、いわゆる性的な意味合いで女相手にもこうなることも知っている。
そして、下半身が主張するまでいかなくとも最近莉紗といて、莉紗を見ていて危ないと感じる事はよくある。
むしろ、今日はずっとそうだったし今もそうだ。
一緒に寝る?
恋人同士になった男女が一緒に寝るという事、それがどういう可能性を秘めているのかこいつは分かったうえで言ってるのか?
警告しないと、ダメなのか?
轟「お前...それ、分かって言ってんのか?」
『え?』
轟「俺も男だぞ?」
『..そう、なんだけど..ただ、離れたくないなって、思った...だけ..』
...確信犯か?こいつ。
素で言ってんなら、相当タチが悪い。
轟「...お前は、経験あんのか?」
『ないよ..焦凍くんは?』
轟「俺もねぇよ。だから急がずゆっくり進めていきてぇとは思ってる」
『うん..』
轟「が、お前がずっと煽ってくるから正直今理性が危ねぇ」
『べ、別に煽ってなんか...』
轟「好きな女に離れたくないとか一緒に寝ていいかって言われて平然としてられるわけねぇだろ」
『うっ...ごめんなさい』
莉紗を責めてるつもりはない。
こいつのその言葉は純粋に嬉しい言葉ではある。俺も、離れたくはない。それは事実だ。
だが、言葉の通り理性がどんどん崩壊しそうになる感覚と戦っている。どんどんと膨れ上がる欲望に余裕がなくなり、つい責めるような言い方になってしまった。
『ごめん..戻るね』
そう言って立ち上がった莉紗のその表情は今にも泣き出しそうな表情だった。
溢れてくる欲望はもう抑えられそうにはなかった。
だから、立ち上がった莉紗の手を掴んだ。
轟「お前は...覚悟があんのか?」
『え..』
轟「俺と、そういう事する覚悟はあんのか?」
『..........』
轟「もし、お前が本当に覚悟があんなら今日お前を抱く。
けど、覚悟がねぇなら..悪いがこれ以上一緒にいたらお前の事傷つけちまいそうだから今日はもう一緒にいてやれない」
『焦凍くん....』
轟「言っとくが、一度始めちまったら途中で止めれる自信はねぇ」
『.........』
莉紗は、俺の言う言葉に瞳を揺らした。迷ってる目だ。
だが、少し考えて俺の前に座った。
頼む。俺がまだ抑えられるうちに、引いてくれ。
『ある..よ?』
だが莉紗から出てきたのは予想していなかった言葉だった。
轟「え..」
『何の、覚悟も持たないで...さすがにあんなこと、言わないよ...』
轟「っ、お前..!!」
『経験ない事だから...恐怖心もそりゃ、あるよ。そうなる可能性も、考えた。考えたけど...』
轟「........」
『っ、それでも!!やっぱり...離れたくないって..思っちゃったんだもん...』
涙を溢れさせながらそう言う莉紗。
あー、こいつも同じだったのか。
自分の中に沸き上がる気持ちを抑えきれなくて。
抑える方法が分からなくて、必死だったんだな。
俺は、莉紗を抱きしめた。
轟「...悪りぃ、頭冷えた。さっきのは忘れてくれ」
『...え?』
轟「あんな怖がらせる聞き方して悪かった」
『そんな事...』
轟「お前は、覚悟があるか?」
『.......』
轟「俺は、お前が1番大切だ。だから、お前の覚悟が出来るまで俺は待てる。だから、今日じゃなくたっていい。いつまでだって待ってるから」
『焦凍くん..』
轟「けど、お前がホントにもし覚悟が出来てんならお前の初めてを俺にくれないか?もちろん、途中で怖くなったらちゃんと言ってくれ。無理強いはしたくない」
これが、最終通告....
抱きしめていた身体を離して、顔を見た。
『..あ、るよ』
そう言って小さく笑って言った莉紗。その顔に迷いは感じられなかった。
轟「...いいんだな?」
『..うん』
俺は、莉紗が返事を言い終わるよりも先に莉紗の唇を塞いだ。
逃げ道を残すように後頭部に手をそっと添えて。閉じ込めたりはしない。
強弱を付けて何度も角度を変えて莉紗の唇を貪った。
恋人になったその日
俺たちは1つに結ばれた。
-莉紗side-
『ある..よ?』
焦凍くんの問いかけに、正直に答えた。
轟「え..」
考えてた。一緒に寝たら...もしかしたらって。
『何の、覚悟も持たないで...さすがにあんなこと、言わないよ...』
轟「っ、お前..」
痛いって聞くし、初めてすることだから考えたらそりゃ怖くもなった。
『経験ない事だから...恐怖心もそりゃ、あるよ。そうなる可能性も、考えた。考えたけど...』
轟「........」
それでも、恐怖心よりも上回ったのは、焦凍くんと離れたくないって事。
『っ、それでも!!やっぱり...離れたくないって..思っちゃったんだもん...』
そして、恐怖心以上にもっと焦凍くんと触れあいたい。
焦凍くんの全部を知りたい...
色んな焦凍くんを見たい...
そう思った。
言っていて涙が溢れた。怖い...でも、これは未経験への恐怖じゃない。
焦凍くんと離れる事への恐怖。
まだ夢なんじゃないかと...どこか信じられない私の心を信じさせてほしい。
そして、恐怖心よりも勝る"好き"という想い。
焦凍くんに触れたい、触れてほしい、キスしたい...
色々な想いが全身を巡っていく。
初めての感情ばかりでどうしていいのかわからない。
溢れてくる焦凍くんへの想いを抑える方法が分からない...
どうしたらいいのかわからない...
それらの想いと一緒に溢れる涙が止まらない。
次の瞬間、私は焦凍くんに抱きしめられた。
轟「...悪りぃ、頭冷えた。さっきのは忘れてくれ」
忘れる...?
『...え?』
轟「あんな怖がらせる聞き方して悪かった」
『そんな事...』
怖がる、聞き方?何の事だろうと思い
私は焦凍くんの次の言葉を待った。
轟「お前は、覚悟があるか?」
同じ質問が飛んできた。
『.......』
轟「俺は、お前が1番大切だ。だから、お前の覚悟が出来るまで俺は待てる。だから、今日じゃなくたっていい。いつまでだって待ってるから」
『焦凍くん..』
轟「けど、お前がホントにもし覚悟が出来てんならお前の初めてを俺にくれないか?もちろん、途中で怖くなったらちゃんと言ってくれ。無理強いはしたくない」
焦凍くんは私を抱きしめていた身体を離して、じっと私の顔を見た。
『..あ、るよ』
照れくさくて途切れ途切れになったけど、私の中に迷いはない。
轟「...いいんだな?」
『..うん』
私が返事を言い終わるよりも先に焦凍くんが私の唇を塞いだ。
後頭部に手を添えられ、抑えつけるのか
と思ったら、本当に添える程度の力加減。
私が怖いと感じたら逃げれるようにしてくれているんだ...
焦凍くんの優しさにまた泣きたくなった。
強弱を付けて何度も角度を変えてキスをしてくる焦凍くん。
そして、私達は..恋人になったその日。
1つに結ばれた。
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