Season3
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轟・爆豪コンビは途中で、気絶してるB組の円場を見つけた。
轟が背負い爆豪が先導で施設に向かっていた。
爆豪「クッソ...」
轟「このガスもヴィランの仕業か...風舞がいれば吹き飛ばせたんだが」
爆豪「いねぇもんウダウダ言ったってしょうがねぇだろうがよォ!大体こんなガス、俺の爆破で1発だ!!」
轟「他の奴らが心配だが仕方ねぇ」
爆豪「無視すんな!!」
轟「ゴール地点を避けて施設に向かうぞ。ここは、中間地点のラグドールに任せよう」
爆豪「指図してんじゃねえ」
轟「!?」
轟が急に歩みを止めて、前方を見た。
そこには誰かが座り込んでいるように見えた。
轟「人...?」
しかし、爆豪が座り込む人の近くに落ちているものに気づいた。
爆豪「あれは...!!;
おい、俺らの前誰だった?」
轟「常闇と、障子....」
そう、近くに人の手首が落ちていたのだ。
そして、爆豪達の声に気づいたのかその者はブツブツと呟きながらゆっくり立ち上がり爆豪たちの方に振り返った。
それは、明らかにヴィランだった。
爆豪「交戦すんな、だぁ?;」
しかし、その後立て続けに相澤の指示..そして狙いが"かっちゃん"であるとのテレパスが頭の中に響いた。
爆豪「かっちゃかっちゃ、うるせぇんだよ....頭ん中でよォ!!」
苛立ちのあまり、ヴィランに突っ込んでいった爆豪だが敵の個性なのか細く長い刃を口から出し、無尽蔵に爆豪に放ってきたがなんとか轟が氷結でガードした。
轟「不用意に突っ込むんじゃねぇ!」
轟の氷で凍らせ動きを止めることに成功したが、敵に一切の焦りはない。
「まだかぁ...仕事をぉ..しなきゃぁあ」
轟「さっきの聞こえてたか?お前狙われてるってよ」
爆豪「クソデクが何かしたなァ?おい...戦えっつったり戦うなっつったりよぉ!!あ"ぁ?!クソどうでもいいんだよ!!」
空中に飛び、敵に向かって手をかざそうとする爆豪。
しかし、刃は力づくで氷結を壊し抜け出すと再び爆豪に向かって伸びてきた。円場を背負いながらも轟がなんとか氷結でカバーしている。
轟「チッ..地形と個性の使い方がうめぇ!」
爆豪「見るからに雑魚のひょろガリのくせしやがって!!野郎!!」
轟「相当場数踏んでやがる!」
ムーンフィッシュ「あぁ~肉っ!」
轟「ここででけぇ火使って燃え移りでもしたら、火に囲まれて全員死ぬぞ!わかってんな?!」
爆豪「喋んな!わぁーっとるわぁ!!」
轟「(退こうにもガス溜まり...こりゃあ、分かりやすく縛りかけられてんな)」
ムーン「肉ー..肉ー!!!!」
ムーンフィッシュが繰り出す刃は轟の鉄壁の氷壁を破壊し襲い掛かってくる。轟もそのたびに氷壁を出し直すがキリのない攻防となっている。
爆豪「クッソ、近づけねぇ!クソ、最大火力でぶっ飛ばして「ダメだ!」
爆豪「木ィ燃えても速攻で氷で覆え!!」
轟「爆発はこっちの視界も塞がれる!仕留めきれなかったらどうなる!手数も距離も向こうに分があんだぞ?!」
爆豪「ㇰッ...」
しかし、その時遠くから破壊音が聞こえた。
2人が音の方に視界を向けると..。
『爆豪!轟くん!どっちでもいいから火を
!!ダークシャドウを静めてあげて!』
2人に向かって叫んでいる莉紗と障子、そして障子に背負われている緑谷の姿が見えた。そしてその背後から黒く大きい影が迫っていた。よく見ればそれはダークシャドウ。暴走したのか、常闇がダークシャドウを覆いながら涙を流し、苦しみもがいている。
『轟くん!』
緑谷「かっちゃん!」
轟「風舞に障子に緑谷...それに、常闇?」
障子の複製口「早く光を!常闇が暴走した!」
轟「見境なしか、よし炎を「待てアホ」
円場を下ろして炎を出そうとした轟を爆豪が止めた。
爆豪「見てぇ...」
ダークシャドウの力を見たかった爆豪はムーンフィッシュとダークシャドウをやり合わせた。しかし、爆豪と轟があれほど苦戦した相手をまるで赤子をひねるほど簡単に握りつぶすと放り投げ木に叩きつけた。
ダークシャドウ「アバレタリンゾー!!」
ムーンフィッシュを倒した所で爆豪の爆破の火と轟の左の炎を発動させ、ダークシャドウの暴走を静めることが出来た。
常闇「っ、ハァハァ....」
爆豪「テメェと俺の相性が残念だぜ」
常闇「...すまん、助かった」
轟「(俺らが防戦一方だった相手を一瞬で..)」
『常闇!大丈夫?』
常闇の元に駆け寄りしゃがみこむと顔を覗き込んだ莉紗。
常闇「ああ...すまなかった...」
障子「常闇、大丈夫か?よく言う通りにしてくれた」
常闇「....」
そう、常闇は緑谷にダークシャドウに抗わずに身を委ねるように言われていた。そのため、ダークシャドウを静めようとするのはやめダークシャドウの意のままに任せた。
常闇「障子...悪かった。風舞も緑谷も...俺の心が未熟だった。怒りに任せ、ダークシャドウを解き放ってしまった。闇の深さ、そして俺の怒りが影響されその狂暴性に拍車をかけた。結果、収容も出来ぬほどに増長し、障子を傷つけてしまった...」
障子「そういうのは後だ..と、お前は言うだろうな」
常闇「!」
『今は、反省してる時間も後悔してる時間もないよ。終わってからみんなでゆっくり考えよう』
常闇は2人の言葉に、気持ちを入れ替えた。
緑谷「そうだ、ヴィランの目的の1つがかっちゃんだって判明したんだ」
常闇「爆豪?命を狙われているのか?何故!」
緑谷「分からない...とにかくブラドキング、相澤先生、プロ2名がいる施設が最も安全だと思うんだ」
常闇「なるほど..これより我々の任は爆豪を送り届けることか」
『けど、広場は依然マンダレイと虎さんが2人のヴィランと交戦中。道なりに戻るのは危険なうえ、時間ロスも大きい。気づけばガスが晴れてる...脇道入って最短で施設に進もう』
轟「ヴィランの数も分かんねぇぞ。突然出くわす可能性もある」
緑谷「障子君の索敵能力がある。それに轟くんの氷結、風舞さんの竜巻に粘着糸、さらには常闇くんさえ良いなら制御手段を備えた無敵のダークシャドウ。このメンツなら、正直オールマイトだって怖くないんじゃないかな」
爆豪「何だこの!!」
轟「お前中央歩け」
爆豪「俺を守るんじゃねぇ!クソ共!!!」
障子「行くぞ」
爆豪「無視すんな!!」
轟「ちゃんとついて来いよ」
爆豪「命令すんな!!」
『お前いい加減うるさい』
爆豪「うるせぇクソ!!」
**
しばらく進んでいると話し声と共に明らかに交戦してる物音が聞こえてきた。
『この声..お茶子ちゃん!』
私達は声の聞こえる方に急いで走っていくとお茶子ちゃんと梅雨ちゃんが女子高生のような容れ立ちのヴィラン交戦していて、お茶子ちゃんが地面に抑えつけていた。
障子「麗日?!」
蛙吹「障子ちゃん、皆!」
突如現れた私たちに気を取られて力が緩んだのかヴィランがお茶子ちゃんの拘束を抜け出しその場から離れた。
「人が増えたので殺されるのは嫌だから、バイバイ...」
麗日「待って!「危ないわ!どんな個性も持ってるかも分からないわ」
走って逃げていくヴィランを追おうとするお茶子ちゃんを止めた梅雨ちゃん。
轟「何だ、今の女」
蛙吹「ヴィランよ、クレイジーよ」
緑谷「麗日さん、怪我を..」
麗日「大丈夫、全然歩けるし。ていうか、デクくんの方が!」
障子「立ち止まってる場合か、早く行こう!」
緑谷「とりあえず無事でよかった...そうだ!一緒にきて!僕ら今かっちゃんの護衛をしつつ、施設に向かってるんだ!」
蛙吹「ケロ..?爆豪ちゃんの護衛?その爆豪ちゃんはどこにいるの?」
『え?』
緑谷「え?何言ってるんだ..かっちゃんなら後ろに..」
私達が後ろを振り返るも、そこには爆豪の姿はなかった。
この非常時...誰も油断する人間なんているはずなかった。なのに...
「彼なら、俺のマジックでもらっちゃったよ」
オレンジのコートにシルクハットをかぶり杖を手にし仮面をかぶった男が緑色のビー玉を持って木の上に立っていた。
「こいつはヒーロー側にいるべき人材じゃあねぇ。もっと輝ける舞台へ俺たちが連れて行くよ」
緑谷「グッ...返せぇええ!!」
「返せ?妙な話だぜ。爆豪くんは誰のものでもねぇ。彼は彼自身のものだぞ?エゴイストめ」
緑谷「返せよ!!」
私と焦凍くんは同時に動き出した。
焦凍くんの氷結で男に奇襲をかけ、木から宙に飛んだ所を私の3つの竜巻が攻め立てる。
「我々はただ、凝り固まってしまった価値観に対しそれだけじゃないよと道を示したいだけだ」
色々な方向から飛んでくる竜巻を避け別の木の枝に飛び移った所を粘着糸で拘束してやった。
『捕まえた!』
轟「よし!」
私がそう告げると焦凍くんが更に氷結で抑えようと男に向かって発動した。しかし、何故かその場所に男はいなくなっていた。
「今の子らは価値観に道を選ばされている」
障子「爆豪だけじゃない、常闇もいないぞ!」
轟「?!
(後ろの2人を音もなく攫ったってのか...)」
『(どういう個性だ....クッ)』
轟「わざわざ話しかけてくるたぁ、ナメてんなぁ!」
「元々エンターテイナーでね。悪い癖さ。常闇くんはアドリブで、貰っちゃったよ。ムーンフィッシュ。彼はあれでも、死刑判決控訴を棄却されるような生粋の殺人鬼だ。それをああも一方的に蹂躙する暴力性、彼も良いと判断した」
緑谷「この野郎...貰うなよ!!!」
障子「緑谷、落ち着け!」
轟「麗日、こいつを頼む!」
焦凍くんが円場を地面に置いて走り出した。
轟「風舞、畳みかけるぞ!」
『分かってる!』
焦凍くんが最大火力の氷結を放ち逃げ場を限定させ、その逃げ場に私は竜巻を立て続けにいくつも放った。その合間に周囲の木に粘着糸を張り巡らせさらに包囲網を敷いた。
「悪いね!俺は逃げ足と欺くことだけが取り柄でよ!ヒーロー候補生なんかと戦ってたまるか」
『これでもダメなのか!』
轟「クソ...」
「開闢行動隊、目標回収達成だ!短い間だったが、これにて幕引き!予定通り5分以内に合流地点へ向かえ!」
轟「幕引き...だと?」
緑谷「ダメだ!!」
轟「させねぇ!絶対逃がすな!!」
逃げていく男を皆で走って追うのに全く追いつかないどころか少しずつ距離が開いていく。
轟「ちきしょう、速ぇあの仮面!」
緑谷「諦めちゃ...ダメだ..追いついて、取り返さなきゃ!」
障子「しかし、このままでは離される一方だぞ!」
『...私がダッシュウィンドで先に行く!!』
轟「ダメだ!1人で追うのは危険すぎる!他のヴィラン達と合流するんかもしれねぇんだぞ?!」
『けど、このままじゃ追いつけない!』
緑谷「麗日さん、僕らを浮かして!」
麗日「え?」
緑谷「そして、浮いた僕らを蛙吹さんの舌で思いっきり投げ飛ばして!」
蛙吹「ケロ?」
緑谷「障子くんは複製腕を広げて軌道修正しつつ僕らを牽引して!そして、風舞さんのダッシュウィンドで一気に敵に追いつく!」
緑谷「麗日さんは見えてる範囲でいいから奴との距離を見計らって個性を解除して!」
障子「なるほど、人間弾か!」
麗日「待ってよデクくん!その怪我でまだ動くの?!」
轟「(確かに、こいつはもう気を失っててもおかしくねぇはずだぞ)」
『(踏ん張っていられるのは、爆豪たちを助けたい一心...か)』
轟「緑谷!お前は残ってろ!痛みでそれどころじゃ「痛み何か今は知らない..」
轟「?!」
緑谷にしては珍しく周囲の声を全くもって聞こうとしない。
それほどまでに爆豪がさらわれた事に焦りを感じてるのか、怒りを感じているのか..。何にしても冷静さとはかけ離れた状態であることには間違いないはず。
緑谷「動けるよ...早く!!」
麗日「デクくん、せめてこれを!」
お茶子ちゃんが自分の上着を脱ぎ破ると緑谷の両腕に巻き固定した。
麗日「良いよ、梅雨ちゃん」
蛙吹「必ず2人を助けてね。ケロ!!」
障子が緑谷を抱え、私の粘着糸で4人の身体をひとくくりに巻き付け、その上から梅雨ちゃんが舌で巻き付け私達を投げ飛ばした。
そして、最高到達点に達したところで...
『行くよ、みんな!!ダッシュウィンド!!』
一気に加速した4人の身体はあっという間に仮面の男に追いついた。男に手が届き、4人が男の身体を掴むと麗日の個性が解除されたのか地上に向かって真っ逆さまに落ちて行った。
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トゥワイス「おい、荼毘!無線聞いたか?テンション上がるぜ、Mr.コンプレスが早くも成功だってよ♪
遅ぇっつーんだよな!眠くなってきちゃったよぉ」
荼毘「そう言うな、よくやってくれてる。後はここに戻ってくるのを待って...俺の目標を手に入れるだけだ」
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