Season3
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翌朝 AM4:45
AM5:30に指定場所に集合の指示なため、食事の時間を考慮し4:30起床にしようとクラス全員で満場一致していた為うつらうつらとしながら1A女子部屋みんなで食堂に向かった。
『(眠すぎる.....)』
もれなくみんなボーっとして、寝癖つき放題、欠伸し放題。
耳郎「男子..遅くない...?ふぁ~」
麗日「ふぁ~....みんなして寝坊しとるんかな?」
時刻はもうすぐ5時になろうとするところ。会話をしながらゆっくりと朝食を食べていると突然バタバタと騒がしくなったと思ったら男子の声が聞こえてきた。
切島「おい、風舞!」
上鳴「助けてくれよ!」
『ん?』
切島と上鳴が慌てふためきながら食堂に入ってきて莉紗の元にやってきた。
『どうした?』
上鳴「轟の奴全然起きねぇんだよ!」
切島「何やっても一瞬起き上がったと思ったらまた寝ちまって!時間やべーよ!」
『...あー。
(焦凍くんの寝起き問題、忘れてた....)』
上鳴「お前ならなんか起こし方とか知ってんじゃねーかと思ってさ!」
切島「風舞、悪りぃ!頼む!」
『あー、うん。いいよ、ご飯食べてな』
そう言ってよいしょ、っと立ち上がると男子部屋に向かった莉紗。男子部屋に着くと中から、「どうする」「おい、轟」など中の状況が容易に想像できる声が聞こえた。これは、昨日あの後も寝付けなかったんだろうな..何て考えながら開き戸を開けると、案の定男子が慌てふためきながら轟の周りにいた。
ちなみに爆豪は死に晒せ!と1人さっさとランニングに出ていったらしい。
『時間ないし、起こしとくからみんなご飯食べといで』
莉紗がそう言うと、男子達が「悪い!」「頼む!」と急いで部屋から出ていった。
緑谷「風舞さん、ごめんね」
『みんなが謝ることないよ。轟くんが起きないのが悪いんだから』
緑谷「いつもこんなに起きないの?」
『いやー、ここまで起きない事はそうないんだけど。昨日深夜に寝付けないって自販機で会ったから。もしかしたら全然寝付けなかったのかもね』
緑谷「そっか」
『時間なくなるから緑谷も食べといで』
緑谷「うん、ありがとう」
緑谷も朝食を食べに部屋を出て行ったのを見計らって莉紗は轟を揺さぶった。この人は、寝起きがとことん悪く起きない時は基本目覚ましでも殴られても起きない時がある。
基本、車でもソファーでもどこでも寝れるし寝つきはいいが、布団やベッドなどの寝具に入ると話しが変わり、慣れない布団や枕だと中々寝れずそれが逆に寝起きの悪さを助長させることも多い。今回はそのパターンだろう。
莉紗自身も寝付きも寝起きも悪い方だが、兄弟の面倒で朝は早起きしなくてはならないし高校に入ってまた轟家に出入りするようになってからは轟を起こすという自分の役目と日課ができつつある為起きるのは辛いが起きる事は出来るようにはなっている。
『焦凍くん、起きろー』
揺らしてももちろん起きない。
しかし、幼なじみの莉紗は知っている。
脇より少し下、胸骨の横のラインを押してやるとパッと目が覚めること。
轟「!!」
『起きた?』
轟「莉紗....」
『ここ弱いの変わってないね』
先ほどの場所をツンツンと突くと轟が眉間に皺を寄せて莉紗の手を払った。
轟「...やめろ」
『早く起きないとご飯食べる時間なくなるよ』
轟「...ん」
『ほら』
轟の腕を掴み立たせた莉紗。
立ち上がらせた瞬間莉紗の肩に顔を埋め寄りかかった轟。
『....おーい』
轟「....ん。起きた」
『ホントかー?』
轟「ん、悪りぃ」
『じゃあほら、顔洗って。ご飯食べに行くよ』
轟「おう....」
**
食堂に現れた2人を見てクラスメイト達が安堵の表情を見せた。
切島「轟ー!!起きたか!」
尾白「間に合って良かったよ」
緑谷「轟くん、起きれたんだね」
轟「ああ、悪い。起きるの得意じゃなくてな」
瀬呂「轟にも苦手なことあんだな、意外だぜ」
上鳴「爆豪の爆破でも起きなかったのに、風舞どうやって起こしたんだ?」
峰田「オイラには分かるぜ」
緑谷「え?」
峰田「眠ったままの王子を起こす方法は、魔法の〇スしかねぇってことを」
『轟くん、あのクソ。燃やしといて』
轟「おう」
左手に炎を灯した轟。
峰田「なんでだよぉおっ!!」
耳郎「余計な一言多いんだよ」
芦戸「自業自得だね~!」
葉隠「ね~!」
そうして皆にいじられる峰田を横に轟が莉紗の元に近寄ってきた。
轟「手間取らせて悪いな」
『私はいつもの事だから良いんだけど、合宿中寝坊したらシャレにならんから明日起きれなかったら緑谷に伝授するからね』
轟「...おう」
『ほら、時間ないからパパッとご飯食べちゃって』
**
朝の準備を終え野外にやってきた1A。
相澤「おはよう、諸君。本日から本格的に強化合宿を始める。今合宿の目的は、全員の強化。それによる仮免の取得。具体的になりつつある、敵意に立ち向かうための準備だ。心して臨むように。
というわけで爆豪、そいつを投げてみろ」
そう言って相澤が爆豪に投げ渡したのはソフトボールのボール。
爆豪「これ、体力テストの」
相澤「前回、入学直後の記録は705.2m」
芦戸「おー!成長具合!」
瀬呂「この3ヶ月色々濃かったからな!1kmとか行くんじゃねぇの?!」
切島「行ったれ爆豪!!」
爆豪「じゃあ。よっこら...くたばれやぁぁっー!!」
という怒号と共に宙高く放たれたボール。
緑谷「(...くたばれ)」
『(毎度、何なのその掛け声...)』
誰もが期待に目を輝かせ、爆豪本人も大記録が出ているだろうと確信している中...
相澤「709.6m」
爆豪「なっ?!」
瀬呂「あれ、思ったより....」
相澤「入学からおよそ3ヶ月。様々な経験を経て、確かに君らは成長している。だがそれはあくまで精神面や技術面、あとは多少の体力的な成長がメインで個性そのものは今見た通りでそこまで成長していない。だから今日から君らの個性を伸ばす。死ぬほどきついがくれぐれも、死なないように」
そして、始まった強化訓練。
莉紗は手以外の場所から風を出す特訓をしている。また粘着糸で岩を上空に放り上げることで粘着糸の耐久性を高めることを期待。
『(今まで手以外の場所から風を起こすなんて考えてもいなかったけど想像以上にコントロールが難しい。氷と風で勝手が違うとは言え足からも出して使ってるのって焦凍くん、スゴイな...)』
今、ドラム缶に張られたお湯につかりながら氷と炎を交互に出している轟を見て心の中で褒め称えた莉紗。
一方の轟焦凍は、凍結と炎を交互に出し風呂の温度を一定にする。凍結に体を慣れさせ、炎の温度調節を試みる特訓。2つの個性を同時に出せるかもしれない事を期待されている。
轟「(左右の同時発動...真逆とはいえ勝手が似てる氷と炎ですらコントロールがこんなに難しいとはな。全く勝手が違う風と粘着糸を同時に使う莉紗の個性を扱う技術がいかに高いものか、実感する..)」
お互い心の中で褒め合っていた。
**
そして日も暮れてきた頃..
ピクシーボブ「さ、昨日言ったね?!世話焼くのは今日だけって!」
ラグドール「己で食う飯くらい己で作れー、カレー!」
ズドーンという効果音が最適か、A組B組もれなく全員生気のない表情をしている。それもそのはず。結局ほぼ休憩など取ることもなく個性の特訓をし続けていた。
ラグドール「全員全身ぶっちぶち!だからって雑なねこまんまは作っちゃダメね」
飯田「ハッ?!確かに..災害時など避難先で消耗した人の腹と心を満たすのも救助の一貫!さすが雄英!無駄がない!世界一美味いカレーを作ろう!みんな!」
「「「お、おう...」」」
『(飯田、単純...)』
相澤「(飯田、便利...)」
そして、調理に取り掛かった皆の衆は火がない事には何事も始まらないため、まずは炭に火を起こす事から始めた。
飯田「では、まず火起こしから始めよう!」
『轟くん、適当に火つけて回って?火力調整は私が料理しながら適当にやるから』
轟「分かった」
轟が釜戸に火をつけて回って火力の微調整は莉紗が均一に炭に火が回るように風を使って行っていった。
芦戸「轟ー!こっちにも火ちょうだーい!」
瀬呂「爆豪、爆破で火つけれねぇ?」
爆豪「つけれるわ、クソが!」
ボォーンッ
察しの通り、もちろん釜戸は1つ破壊されました。
八百万「皆さん、人の手を煩わせてばかりでは火の起こし方も学べませんわよ」
そう言って八百万は創造したチャッカマンで何食わぬ顔で火をつけた。
『ヤオモモ、それ起こしてない....』
轟「いや、良いよ」
そう言って、炭に火を灯した轟。
麗日「うわぁ!ありがとう!」
芦戸「風舞!風ちょうだーい!」
『はいはーい』
芦戸「燃えろ!燃やし尽くせー!」
麗日「尽くしたらアカンよ?」
呼ばれた莉紗が芦戸たちのもとに行くと、二人の会話を聞いてフッと微笑んだ轟の横顔が見えた。
『(あ...焦凍くん)』
やることを探してるのか、ウロウロと1人で回っている轟の元に駆け寄った莉紗。
『楽しい?それとも、嬉しい?』
轟「? 何でだ?」
『笑ってた』
そう言う莉紗の表情は、あれほどまでに嫌悪していた左の炎を使って笑みを浮かべた轟の様子が嬉しいのか満面の笑みだ。
轟「...そうだな。悪くねぇ」
『うん、良い事だ』
轟「? 何がだ?」
『ううん!大変だけど、楽しむ時は楽しもうね』
轟「ああ、そうだな」
『さて、火も起こし終わった事だしカレー作り入りますか!』
そして莉紗が調理場に行くとみんながみんな釜戸の周りにいて誰一人として調理場にいなかった。
『......こーらぁぁ!A組ー!』
突然叫び出した莉紗に誰もが視線をやった。
『何で誰も食材切りしてないの!!釜戸にそんなに人のいらんでしょ!!火起こしたって材料なきゃ料理出来ないっつーの!』
シーン...
飯田「あ、あー?!風舞くん!すまない!峰田くんが下世話なことを言うもんだから!」
峰田「下世話じゃねぇ!!男の真髄だー!」
八百万「すみません、私調理はいつもシェフがやってくれるもので包丁を使った事がなくて..」
「「「(お嬢様なんだね...)」」」
上鳴「俺料理無理!」
切島「俺も包丁持ったことねぇ!」
蛙吹「莉紗ちゃん、ごめんなさい。私、料理なら得意だから先に着手しとくつもりだったのだけど峰田ちゃんから目が離せなかったの」
麗日「ごめーん!峰田くんが八百万さんの背後狙ってるから油断も隙もなくて...」
『みーねーたー.....!!』
背後に般若が見える莉紗ちゃん。
峰田「ひぃっっ!?泣」
『クタバレ!
じゃあ梅雨ちゃん、お茶子ちゃん。一緒にやろー』
峰田に粘着糸を巻き付けて木からつるした莉紗。
蛙吹「えぇ」
「「「(自業自得だけどホントに峰田に容赦ねぇ...)」」」
轟「風舞、俺も手伝う」
『.....切るのを?』
静かに頷いた轟。
『...いや、やめて?』
轟「?俺じゃダメか?」
『自分がどんだけ不器用か自覚して?』
轟「まあ、確かに料理は出来ないが...やる気はある」
『気だけでどうにかなりゃ苦労しないって。変なとこアバウトなんだから...轟くんは火の当番してて!』
轟「分かった」
そして、何とかカレー作りが始まり順調に完成へと近づいていた。
『梅雨ちゃん、ちょっと調味料借りてくるから見ててー』
蛙吹「分かったわ」
芦戸「カレールウ以外になんか入れんの?」
『うん、ケチャップとソースとコーヒーの粉』
「「「ケチャップとコーヒー?!」」」
『あれ?梅雨ちゃん、カレーにコーヒーの粉入れるよね?』
蛙吹「カレーの隠し味にコーヒーの粉は定番よね」
「「「えー....」」」
『あれ...』
皆のリアクションが腑に落ちないところではあったが、調味料を借りる為に宿舎に入っていった莉紗。
台所に行くと、ピクシーボブが自分達の食事の支度をしていた。
『流ちゃーん』
ピクシー「ん?どうしたー?」
『コーヒー粉とソースとケチャップ貸して』
ピクシー「あー、はいはい。冷蔵庫から勝手に取ってっていいよ。コーヒー粉はそこの棚ね」
言われた通りに冷蔵庫を開け、ケチャップとソースを探す莉紗。
ピクシー「莉紗ー?」
『んー?』
ピクシー「あの紅白頭くんだよね?あんたが仲良かった轟さん家の坊ちゃん」
『あ、うん。覚えてるの?』
ピクシー「正月の挨拶でちらっと見たくらいだからそんなに知らないけど。あの髪は1回見たら忘れないでしょ~」
『ハハ、まあね』
ピクシー「姉さんや義兄さん達元気?」
『んー、多分』
ピクシー「多分?」
『仕事ばっかであんま家にいないからね、あの人達』
莉紗の言葉を聞いて、ピクシーボブの表情が歪んだ。
ピクシー「そう、なの..?確かに、姉さん忙しそうだけど。顔合わせないほどって...」
『.....まあ、私ちょっと中学の時くらいから反抗期でね。顔合わせたくないのもあってさ』
ピクシー「莉紗...私は遠いからあんまり気にかけてあげれなかったし、いつでも見ていてあげられないけど。あんた、何かあったら連絡しなよ?昔は結構溜めこむ子だったから心配だよ」
『うん、ありがとう』
目的のものを手にし、調理場に戻っていった莉紗。
ピクシーボブは、何か家族内であるのだと確信したが身内とは言え関わりが多かったわけでもない自分にしてやれることが見つからず切ない表情で莉紗を見送った。
**
調味料を借りてきて疑いの眼差しで見るクラスメイトたちをスルーし、ケチャップとウスターソースとコーヒーの粉を入れた莉紗。まあ、途中色々あったもののカレーは無事完成した。
「「「いっただきまーす!」」」
切島「店とかで出したら微妙かもしれねぇけど、この状況も相まってやべー!」
上鳴「隠し味やべー!」
芦戸「ヤオモモ、がっつくねー!」
八百万「えぇ、私の個性は脂質を様々な原子に変換するのでたくさん蓄えるほどたくさん出せるのです」
瀬呂「うんこみてぇ」
八百万「.....」
瀬呂の言葉に八百万がそれはそれは落ち込んだ。
耳「『謝れ!!』」
瀬呂「すいませぇえん!」
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トガ「ん〜、ていうかこれ嫌。可愛くないです」
口元のマスクを触りながら言うトガ。
「裏のデザイナー、開発者が設計したんでしょ?見た目はともかく理にはかなってるはずだよ」
トガ「そんなことは聞いてないです!可愛くないって話しです」
「はぁ〜い?おまた〜」
「仕事...仕事....」
荼毘「これで7人」
「どうでもいいから早くやらせろ...ワクワクが止まんねぇよ」
荼毘「黙ってろ、イカレ野郎共。まだだ。決行は10人全員揃ってからだ。威勢だけのチンピラをいくら集めたところでリスクが増えるだけだ。やるなら経験豊富な少数精鋭。まずは、思い知らせろ。てめぇらの平穏は、俺たちの手のひらってことを。あー、そうそう。風舞莉紗は俺が取る。誰も手出すんじゃねーぞ」
トガ「ホントに良かったんですかー?莉紗ちゃん連れてく事を弔くんに言わなくて」
荼毘「あの女が欲しいのは俺だ。許可なんか必要ねぇ
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