Season2
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
話しを終え清々しい気持ちになった私達は、皆の試合をそのまま観戦する事にした。
第5戦目の13号と青山、お茶子ちゃんペア。
終盤までもつれて、ブラックホールに吸い込まれないよう壁に捕まり必死に堪えていた2人。何があったかよく分からないけど、突然お茶子ちゃんの手が離れ(離したようにも見えたけど...)13号の指先に向かって吸い込まれて行ったが、このまま吸い込めば実害になってしまう為かお茶子ちゃんが吸い込まれる直前13号がブラックホールを閉じた。お茶子ちゃんがその隙をついて13号の腕を抑え、青山も反対の腕を押えに来てギリギリハンドカフスをかけなんとか条件達成した。
『今のは、あえてなのか...事故なのか』
轟「どっちにしろ実戦じゃ通用しねぇだろ」
『まあねぇ..』
第6戦目の 三奈と上鳴ペアは校長と。
ハイスペックの個性を持つ校長が、重機に乗ってかなり離れた場所から緻密な計算で建物を破壊して三奈と上鳴のルートをことごとく封じて行った。2人は結局、条件達成出来ず終わってしまった。
『被害は最小限なのに...校長があんな率先して破壊していいのかな』
クレーン車を操りながら工場地帯を破壊しまくっている校長を見て苦笑いが出た。
轟「先生達は、ヴィラン役だから良いんじゃねぇか?」
『あ、そっか。校長一体何て先まで読んでんだろ。もう人類の範疇超えてる』
轟「ネズミだろ」
『あ..そうだった』
第7戦目の口田と響香はプレゼントマイク。プレゼントマイクの個性は響香の個性の上位互換みたいなものだし、2人のような個性だと口田の声がかき消されて個性が上手く使えなくなりそうだから、相手としては今日一多分相性の悪い敵。
プレゼントマイクの個性ヴォイスで、近づくことすら出来ない2人。だけど後半、口田が個性で虫を操り音の伝わりづらい地中を通って、虫たちをプレゼントマイクの元へ派遣したようで。気づけばプレゼントマイクの体は虫達に包まれ見えなくなった。
虫が苦手なようでプレゼントマイクは失神し、2人は無事に条件達成。
『あれは...虫が苦手じゃなくても、エグい....;』
轟「お前も虫ダメだろ?」
『私も多分失神します』
第8戦目は障子、透ペアとスナイプ。
索敵メインの2人は、透が身に纏うもの全てを脱ぎ捨て障子がスナイプの気を引き付けてる隙に透がハンドカフスをかけに行ってるのだろう。透の個性からスナイプも透が接近してきているであろうことは予想しているはずだけど、なんとスナイプが突然顔を赤くして慌てふためきハンドカフスをかけクリアとなった。
『(透...胸が当たるようにしたんだろうな。まあ、ヴィラン相手にも通じる奴には通じるかもだけど)』
第9戦目の瀬呂と峰田の相手はミッドナイト。
瀬呂は開始早々個性にかけられミッドナイトの膝枕で眠ってしまった。それに憤慨した様子の峰田だったけど(決して瀬呂を戦闘不能状態にされたからではないと思う)ゲートから離れたところに逃げたと見せかけ、瀬呂のテープを自身の口に張り眠り香対策をし、ミッドナイトの鞭にもぎもぎを張り付けた。しなった鞭が地面に触れた瞬間離れなくなった事で隙が出来たミッドナイトの横を通り過ぎ、無事脱出ゲートをくぐった峰田は無事にクリアとなった。
『瀬呂何もしてない』
轟「そうだな」
[緑谷、爆豪チーム。演習試験、レディゴー]
会場内に最後の試験の開始を知らせるアナウンスが流れた。
私はそのアナウンスを聞きながら、これが最後か...と心の中で呟きながらモニターに目をやった。緑谷が爆豪に協力し合うように説得しているのか必死に話しかけている様子がうかがえた。
だけどおそらく爆豪がそれを容認するわけがない。緑谷を殴り飛ばし怒りに満ちた表情で緑谷も見下ろした。
いつもなら引く緑谷も今日ばかりは爆豪に食ってかかっているようだけど爆豪は全く聞く耳持たずという所だと思う。
敷地外のモニターで見ていた私はその2人の様子に苦笑いした。
『もう先が思いやられるな』
轟「爆豪...最近ずっと機嫌悪かったよな」
『緑谷の成長が気に食わないんじゃない?私たちから見てもスタートの緑谷がかなり低かったのもあってその成長速度って多分クラス1だと思うし。幼なじみなわけだし、多分かなり焦ってるんだと思う』
轟「同じ幼馴染でも俺らとは違うな」
『う〜ん、そうだね..苦笑
ちなみにどう違うと思ってんの?』
何となく焦凍くんが自分達の関係をどう思ってんのか気になった私は直球で聞いてみた。
轟「どうって、単純にあいつらは仲悪そうだけど俺らは仲良いだろ」
『...うん、まあそうだね』
轟「? 何か違ったか?」
『ううん、その通りだと思うよ』
仲良いと仲悪いって小学生か..なんて事は思ってない。決して思ってない。再びモニターに視線を戻すと、中々ケリのつかない緑谷と爆豪。2人が揉めてるところに突然の爆風が緑谷達を襲った。風が止み目を開けるとヴィラン役のオールマイトが姿を表し、急いで逃げようとする緑谷とハナから立ち向かおうとする爆豪。オールマイトに向かって腕をのばし個性を発動しようとした爆豪だがオールマイトに顔を抑えられてしまった。
しかしそれでも怯まず爆豪はオールマイトの顔面に連続爆破を食らわせたのも束の間、オールマイトは爆豪を地面に叩きつけた。
爆豪が時間を稼いでる間にゲートに向かおうとしたらしい緑谷の背後にオールマイトが瞬時に回り込んできた。
緑谷は急いで空中に逃げ込んだが、後ろからオールマイトを追いかけて飛んできた爆豪と衝突してしまった。
『チームワークどころか意志の疎通も取れてないのは厳しいねぇ、あの二人....』
轟「ああ、オールマイトを倒すことしか頭にねぇ爆豪と逃げの一択の緑谷。仮に緑谷だけゴールに向かうにしてもオールマイト相手に爆豪が抑えきれるとも思えねぇ」
『相手がオールマイトってだけで今日一難易度高いのに......』
オールマイトが破壊したガードレールで緑谷を拘束し、爆豪を殴ろうとした所に、緑谷が急スピードで2人の元に飛んできて何かを叫びながら何故かオールマイトではなく爆豪の顔面を殴った。そして、緑谷は吹き飛んだ爆豪を抱えオールマイトから離れた場所に移動した。しばらく身を隠していたかと思えば、爆豪がオールマイトの背後に現れ爆破を連打した。もちろん、オールマイトには効いていなかったけど...。だけどその時、爆豪が何かを叫んだ。爆豪と対峙していたオールマイトの背後に今度は緑谷が現れた。その右腕には爆豪のコスチュームのアーマーが装着されていて、至近距離から爆破が放たれた。
『今のは...』
轟「爆豪が気を引き付けたところに緑谷が0距離での爆破。ちゃんと連携してんじゃねぇか、あいつら」
『めちゃくちゃ不本意な顔してるけど。緑谷が何か言ったんだろうね。でもさすがのオールマイトも今のは利いたんじゃ....』
轟「ああ....」
そして、緑谷と爆豪がゲートに向かっていると遠くの方に可愛らしい脱出ゲートが視界に入った。
2人が何やら話しているとその間にオールマイトが突如現れ、爆豪と緑谷の腕に装着したアーマーを破壊すると容赦なく攻撃を仕掛けていく。しかし、突如爆豪がオールマイトの身体に爆破を向け一旦距離を取ると、緑谷の胸ぐらを掴んだ爆豪。何をするかと思えば個性の爆破を発動したその勢いに乗せ緑谷を投げ飛ばした。
『...鬼かよ、あいつ』
轟「だが距離は稼げた」
『緑谷の身体大丈夫かな』
緑谷は投げ飛ばされた勢いのままゴールを目指したがオールマイトが空中を飛んできて緑谷の背中に突進した。緑谷は地面に叩きつけられ、爆豪はオールマイトに向かって手のひらをかざし、体育祭で見せた最大火力の爆破をオールマイトにぶつけた。
その表情から何か怒号を飛ばしているのであろう爆豪。緑谷も立ち上がるが途端に苦悶の表情を浮かべながらも走り出した。
そして爆豪はオールマイトに間髪入れずに爆破を撃ち込みまくった。緑谷を阻止しに行こうとするオールマイトの前に立ちはだかった爆豪。しかし、オールマイトに地面に叩きつけられ動かなくなった。気を失ったであろうと思っていた爆豪がゆっくりと腕を伸ばしオールマイトの腕をつかんだ。火力が尽きそうな、赤子のような爆破なのにも関わらず"勝利"への執念か、オールマイトの腕に撃ちつづけ弱々しくオールマイトの手に噛み付いた。
オールマイトが爆豪に意識をとられている間に緑谷がゲートに向かえばよかったものの緑谷は何故か引き返し地を蹴りオールマイトの元に飛んだ。腕に力を込めている緑谷。
その表情は、焦りでも不安でもない....笑顔を浮かべオールマイトに立ち向かっていた。
オールマイトの顔面に拳を撃ち込んだ緑谷。オールマイトが膝をついた隙に、緑谷は気絶した爆豪を抱え脱出ゲートに向かって走り脱出ゲートをくぐった。
[緑谷、爆豪チーム。条件達成。1年A組、期末テスト演習試験の全演習終了]
モニター画面を見つめたまま言葉を無くした私達。
轟「緑谷、1人でゲート抜ければクリアだっただろ」
『でも、出来なかったんだろうね。損得とか理屈じゃなくて。
あいつ、そういう奴だもん』
轟「.....ああ」
緑谷のそんな姿に思うところがある私達は、モニターに映る緑谷の様子をじっと見つめていた。
色々な事があった。
自分の弱さを知り、1歩進んだ人。
自分の強みを知り、目標を見据え直せた人
ヒーローとして必要なものを教えられた人
高い壁に阻まれた人
自分の無力さを知った人
新たな目標に向けて進む人
悲喜こもごもの中、期末試験は終了した。
ー-----
inとあるバーの一室
黒霧「気になりますか?死柄木弔。その少年、緑谷出久」
義爛「死柄木さん、こっちじゃ連日あんたらの話で持ち切りだぜ。何かデケーことが始まるんじゃねぇか」
たばこを吸いながら言う男の後ろに制服を着た女子と顔面継ぎ接ぎだらけの男が。
弔「そいつらは?」
荼毘「あんたがそうか。写真で見てたが、生で見ると気色悪いな」
トガ「うわぁ!手の人!ステ様の仲間だよね?!ねぇ?私も入れてよ、ヴィラン連合!」
2人のその様子に死柄木の表情が歪んだ。
弔「黒霧...こいつら飛ばせ。俺の大嫌いなもんがセットで来やがった。ガキと礼儀知らず」
黒霧「まあまあ、せっかく御足労頂いたのですから話だけでも伺いましょう死柄木弔。それにあの大物ブローカーの紹介、戦力的に間違いないはずです」
義爛「何でもいいが手数料は頼むよ?黒霧さん。とりあえず紹介だけでも聞いときなよ。
まずこちらの可愛い女子高生。名前も顔もしっかりメディアが守ってくれちゃってるが、連続失血死事件の容疑者として追われている」
トガ「トガです!トガヒミコ!生きにくいです...生きやすい世の中になって欲しいものです!ステ様になりたいです!ステ様を殺したい!だからヴィラン連合に入れてよ、弔くん!」
弔「意味がわからん。破綻者か」
義爛「会話は一応成り立つ。きっと役に立つよ。次、そっちの彼。目立った事件は起こしてないが、ヒーロー殺しの思想にえらく固執してる」
荼毘「不安だな、この組織..本当に大義があんのか?まさかこのイカレ女も入れるんじゃねーよな?」
トガ「えへっvv」
弔「おいおい、その破綻児ですら出来ることがお前は出来てない。まず名乗れ。大人だろ」
荼毘「今は荼毘で通してる」
弔「通すな、本名だ」
荼毘「出す時になったら出す。とにかく、ヒーロー殺しの意志は俺が全うする」
弔「聞いてないことは言わないで良いんだ。全く..どいつもこいつもステインステインと...良くないぞ。気分が良くない!」
.