Season2
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職場体験当日
集合場所の駅構内で相澤が最終確認を告げている。
相澤「全員コスチューム持ったな?本来なら公共の場で着用禁止の身だ。落としたりするなよ」
芦戸「は~い!」
相澤「伸ばすな。"はい"だ、芦戸」
芦戸「はい....泣」
相澤「くれぐれも、体験先のヒーローに失礼のないように。じゃあ行け」
「「「はい!」」」
それぞれが職場体験先への交通機関に乗る為移動を始めた。
そして、轟と莉紗の前を飯田が通り過ぎた。
2人は飯田の様子が気になりしばらく視線を飯田に向けていた。
緑谷と麗日も同じように飯田の様子が気になっていたのか飯田に声をかけている。
轟「行くぞ」
『...うん』
ー電車の中ー
横並びで隣に座る私達。窓側の私は、窓の外の景色を眺めながら先程見た飯田の顔をぼんやりとしながら思い出していた。
『飯田..。大丈夫かな』
轟「......」
『なんか、顔つきおかしかったよね...これから職場体験に向かう雰囲気じゃなかったよ』
轟「..バカな事考えてなきゃいいがな」
そう言う轟の表情はどこか確信めいたような表情だった。
何か思う所があるのか...そう思った莉紗は轟の言葉に何も返さなかった。
**
電車とバスを乗り継いで1時間。
いよいよ2人はやってきた。
"エンデヴァーヒーロー事務所"
「エンデヴァーさんの息子さんの轟焦凍くんと、ウィンドリアさんの娘さんの風舞莉紗さんね?」
轟「『よろしくお願いします』」
「私はエンデヴァーさんの秘書の茶汲 煎香(ちゃくみ せんか)です。うちとグルーガン事務所はよくチームアップ組むのよね。チームアップ中はウィンドリアさんに就くのはほとんど私なのでよくお仕事ご一緒させてもらう事が多いから貴方たちの話しはよく聞いてるの。No.2とNo.5のお子さんと会えるの楽しみにしてたわ。まずは、1週間過ごすこの事務所の中の案内をするわね」
人懐っこい笑顔で出迎えてくれる秘書の人。
轟「『(どんな風に聞いてるのか..は知りたくねぇ(ない)な...)』」
案内してもらった事務所の中はビルと言えるほどの高層な建物で35階建て。建物内はとても広く、1F~10Fには購買や喫茶点、飲食店、娯楽施設、食堂やジム、整体や理美容室などがそろっていた。そして、11F~26Fは社員寮になっている。
27F~34Fは専門部署ごとにフロアが分かれていて34Fにある所長室とは別に、35Fはエンデヴァーの事務室となっている。
茶汲「ここが、1週間寝泊まりしてもらうお部屋になります」
11Fにある2LDKの造りのその部屋にはキッチン、トイレ、シャワー室、冷蔵庫、冷暖房設備、テレビなどが取り揃えてあった。
茶汲「ごめんなさいね、エンデヴァーさんが断るから学生用の部屋1つしかなくて...」
『(焦凍くん以外に教えるのイヤだったんだろうなー)』
茶汲「この中にはお部屋は2つあるし、お布団も2つ用意してあるから良いように使ってね」
轟「大丈夫です」
『(まあ普段も同じ屋根の下だしね)』
茶汲「それじゃエンデヴァーさんは今パトロール中で、11時頃戻られると思うからその時間に迎えに来るからそれまで休んでてね。冷蔵庫に入ってるものや部屋に置いてあるものは好きに使っていいからね」
『分かりました』
1週間生活する部屋の為ある程度必要な小物を出したりして荷物整理を始めた莉紗と部屋の中を物色し始めた轟。
『良かったよね、私達普段から同じ屋根の下にいて』
轟「何でだ?」
『.....んーと、普段から一緒だからまだこの状況気が楽でないかい?』
轟「.....?」
『....もしこれ私以外の女子とだったら緊張しない?』
轟「緊張はしねぇ。けど、気疲れはするかも」
『(いや....私、君はそんなものしないと思うよ...)』
荷物整理を終え、轟と一緒に部屋の中を物色しながらそう心で思う莉紗。
『あ、ほうじ茶見つけた。飲む?』
轟「ああ」
**
1時間程2人でお茶を飲みながら話しをしていると、エンデヴァーが戻ったらしく茶汲が迎えに来たため2人はコスチュームバッグを持って34Fの所長室に向かった。
エン「待っていたぞ、焦凍。ようやく覇道を進む気になったか」
轟「あんたが作った道を進む気はねぇ。俺は俺の道を進む」
『(初っ端から...)』
エン「フン、まあいい。莉紗もよく来たな」
『おじさま、何で私に指名を?』
エン「お前の個性に将来性を感じたからだ」
『....はぁ、将来性?』
エン「それに、俺もお前の個性やその可能性を今以上に把握しておく必要がある」
轟「黙れ、莉紗をテメェの道具にするな」
エン「.......」
見えない火花を散らして睨み合う2人。
『ハァ...(誰だよ、喧嘩なんかしねぇって言ったの..)』
早々に言わなくてもいい余計な事を言って轟の導火線に火をつけるエンデヴァーと、喧嘩はしないなどとほざいていたくせにまんまと乗っかっている轟に先が思いやられる...と深いため息をついた莉紗。
『で、私たちはどう動くんですか?』
仕方なく、自分がこの空気に終止符を打つべく切り出した莉紗。
エン「そうだな、おしゃべりはこれくらいにして...お前らも準備しろ、出かけるぞ」
轟「...どこへ」
エン「保須へ行く。お前達にヒーローというものを見せてやる」
『保須って...』
**
3人は数名のサイドキックと一緒に保須市へ向かった。
『保須って..』
エン「ああ、そうだ。ヒーロー殺しステインのこともあって今騒ぎになっているのは知っているだろう。パトロール強化中でな、我が事務所にもチームアップの依頼が来た」
そして、保須市内をパトロールして回った。
大きな事件はないが、小さな出来事は時々起きその度に2人はエンデヴァーの何かを嗅ぎつける嗅覚と反応速度、判断力を目の当たりにした。
小さな事故などはあったものの、これと言って大きな事件..特にヒーロー殺しに関連しそうなことは何もなく1日目は平穏に終わった。せっかく事務所に部屋を用意してもらったが初日からホテル泊まりになり、ちゃんと別々の部屋を与えられた轟と莉紗。
『お泊り荷物置いてきちゃったよ』
轟「そうだな」
『着替えはないと困るしドンオに買いに行かない?』
轟「ああ」
**
2人はドンキ・オーテにやってきた。
『まずは着替えからだねぇ...って、焦凍くん?』
なぜか隣でキョロキョロと落ち着きのない轟に莉紗は首を傾げた。
轟「初めて来た」
『あー...そうだよねぇ』
轟「お前は来た事あるのか?」
『放置されてた私を拘束するものは家事・育児しかなかったからね。保育園のお迎えわざと遅らせてよく買い物来たりしてたよ。育児用品も日用品も食料品もドンオで全部揃うから』
轟「へぇ」
『ほら、メンズものはそっちね。はい、買い物カゴ』
轟に買い物カゴを持たせ着替えや、洗面・風呂道具を探して回った。
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30分ほどかけて必要なものを探し出しカゴに入れた。
『焦凍くん、着替えも下着も入れた?』
轟「ああ」
『充電器は持ってる?』
轟「...あ。向こうのバッグだ」
『私もまだなんだよね。よし、探しに行こう』
スマホコーナーにやってきて充電器を見つけカゴに入れた2人。レジに向かっていたその時...
『あ...』
轟「どうした」
莉紗が手にしたのは好きなロックバンドが有名なアクセサリーブランドとコラボした雫の形をしたネックレスだった。
『やっぱドンオに売ってたかー』
轟「欲しいのか?」
『うん、ネットで見て欲しいと思ってたけど店舗でしか変えなくてね。でも最近探しにくる暇なかったから』
轟「そうか」
買うことを決めた莉紗がネックレスの入ったケースを手にすると横から轟が手を伸ばしそのケースを自身のカゴに入れた。
『ちょ、焦凍くん?』
轟「俺買う」
『え、いいよ。自分で買うお金全然あるし』
轟「8年分の誕生日プレゼント、安物で悪りぃけど」
『や...え?』
"安物"という言葉に動揺したのか、"8年分の誕生日プレゼント"という言葉に動揺したのか轟から言われた思わぬ発言に慌て始める莉紗。
『いや、それにしても...誕プレにしては高くない?』
有名ブランドと有名ロックバンドとのコラボとだけあって諭吉3枚は必要な値札がついている。
轟「そうか?金なら気にすんな。結構ある」
『そういう事じゃ...(誕生日プレゼントにネックレスって..カレカノみたいって分かってるのかな)
じゃ、じゃあ私だって8年分の誕生日プレゼント焦凍くんにあげなきゃだよ!私もお金ならあるから何か言って?』
轟「............」
沈黙する轟。
『黙るな...』
轟「いや、欲しいもんがねぇ」
『困るわ、それ...』
その時轟が一点を見つめた。
轟「欲しいもんねぇから、して欲しい事で良いか?」
『え、いいけど...』
何を言われるかとドキドキして轟の言葉を待つ莉紗。
轟「蕎麦」
『は?』
轟「あれ」
轟が指さしたのは誰でも簡単に蕎麦づくりが出来ると言うファミリー向けのグッズ。
『蕎麦...を蕎麦粉から作って、てこと?』
轟「そう」
『手作り蕎麦を食わせろって事?』
轟「正解」
『高額なプレゼント要求されるよりハードなお願いなんだけど....』
轟「気が向いたらでいい」
莉紗の弱気な発言に轟がフッと微笑みながら言った。
『やるよ!』
轟「え...」
急に息巻いた莉紗に目を丸くする轟。
『でもあんなちゃっちーのじゃなくて、ちゃんとした道具買い揃えて練習して焦凍くんに美味しい手作り蕎麦作って食べさせてあげる!』
轟「莉紗...おう、楽しみにしてる」
莉紗の頭にポンと手を乗せた轟は穏やかな表情で莉紗を見た。
**
轟「莉紗、カゴ寄こせ」
『え、いいよ別に』
莉紗の手からカゴを奪い自分のカゴと一緒にレジに出した轟。
轟「この前ご飯代出してもらっただろ」
『食事のお返し高っ..』
轟「それにうちでご飯作ってもらってるときとかお前が買い物代出してるだろ」
『それは親から預かってる生活費だから。私のお小遣いじゃない』
轟「俺は小遣い貰っても使う事ねぇから良いんだよ」
『物欲なさすぎやん...』
結局轟に払ってもらう事になった莉紗。
『ちょっと、下着入ってるから打つ時そっち見ててね』
轟「一緒に風呂入ったりしてたのに今更気にするのか?」
『いつの話ししてんの?!』
会話を聞いてた店員さんが笑いながら気を利かせてレジ打ちした後下着はすぐに紙袋に入れてくれた。
『信じらんない...』とぼやきながら買い物した物を袋に詰める莉紗。
何の事か分からず頭にクエスチョンマークを浮かべる轟。
莉紗が物を詰め終わると轟が「荷物」と手を差し出した。
『ヤワじゃないから持てるよ?』
轟「お前が逞しいのは知ってる」
『ウッザ....』
結局轟に全て出してもらったうえに高いネックレスまで買ってもらってそして荷物も持ってもらった莉紗。
2人でホテルまでの道をのんびりと歩いている。
『焦凍くん、ありがとう。気遣わせてごめんね』
轟「俺がしたくてしたことだから気にすんな」
『絶対美味しい蕎麦食べさせてあげるから』
轟「楽しみにしてる」
**
ホテルに戻った2人。
ちょうど食事の時間だった為レストラン会場に向かった。
ビュッフェ形式だった為各々好きなものを好きなだけ食べた2人。
食事を終え、会場を出て行こうとするサイドキックの人にビジネスホテルだが、大浴場があることを教えてもらった2人は食事の後行った。
お風呂好きな莉紗は1時間半ほどじっくり浸かり温泉を堪能した。
**
コンコン
轟「...?
どうした」
自身の部屋をノックされたため読んでいた本をテーブルに置き轟がドアを開けると莉紗が浴衣姿で立っていた。
『お風呂入った?』
轟「ああ」
『屋上にさ、露天足湯あるんだって。寝る前に行こうと思って。一緒にどう?』
轟「ああ、じゃあ行くか」
in 屋上
『気持ちいいなぁ』
轟「ああ、そうだな」
足湯は5箇所仕切りがついて設置してあり、1つの場所が2.3人並んで座って入れるようになっていた。
『なんかさ、遊びじゃないのわかってるけど...』
轟「?」
『旅行とか行ったことないから、今ちょっと楽しかったり』
轟「....ああ、そうだな」
轟も莉紗の言葉を聞いて小さく相槌を打った。
轟「お前、温泉行ったらずっと入ってそうだよな」
『うん、そだね。さっきも1時間半入ってたよ』
轟「お前ガキの頃から風呂好きだったな」
『私温泉から生まれたんじゃない?』
笑って言う莉紗に釣られた轟もフッと笑った。
轟「アホ」
『いつかさ、旅行とか行きたいよね』
轟「...ああ」
『中学の時修学旅行とか行った?』
轟「行ったな」
『どこ行ったの?』
轟「大阪と京都」
『やっぱ大体同じだった』
轟「別に面白くなかったけどな」
『同じく..焦凍くん居たら楽しかったかも』
轟「それただの家族旅行みたいにならないか?」
『うん....なる』
2人は足湯に浸かりながら今までしてこなかった、離れてる間の中学時代の事をたくさん話した。
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