Season2
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騎馬戦のルール
制限時間は15分。
予選の順位によって各自に振り分けられたポイント、その合計が騎馬のポイントとなる。
騎手はそのポイントが記されたはちまきを装着。
はちまきを奪い合い、合計ポイントを競う。
取ったはちまきは首から上に巻くこと。
そして、騎馬ははちまきを取られても、騎馬が崩れてもアウトにならず試合終了まで敵が減ることはない。
芦戸「一旦ポイント取られて、身軽になっちゃうのもアリだね」
蛙吹「それは全体のポイントの分かれ方見ないと判断しかねるわ、三奈ちゃん」
ミッドナイト「競技中は、個性発動ありの残虐ファイト。でもあくまで騎馬戦。悪質な崩し目的での攻撃などはレッドカード、一発退場とします!!
それじゃこれより15分!チーム決めの交渉スタートよ!!」
ミッドナイトの掛け声を皮切りに選手たちが一斉に動き出した。
『(私の個性はきっとこの騎馬戦では結構有利...風で敵をいなしつつ、近中遠距離どこからでも粘着糸ではちまきを取りにいける...
けど、それには私自身が目立たない方がいいから私は騎馬に回るべき...そして、騎手はなるべく目立つ奴がいい。
でも、ぶっちゃけ心情としては組むのは1000万の緑谷以外なら誰でもいい。まあでもやっぱよく知るA組メンバーがいいかな...)』
莉紗がそんなことを1人考えていた時...。
轟「風舞」
『? 轟くん、どうかした?』
轟「俺と組まねぇか?」
名前を呼ばれ振り返ると轟が立っていた。
『ん?いいけど、ちなみに何故私?』
轟「騎馬戦のルールを聞いたときにお前は絶対必要だと思った。
風で敵からの攻撃の回避と足止め、けん制幅広く担えて死角になったところから粘着糸ではちまきを取れるだろ」
轟の後ろには八百万と飯田がいた。
『(ん~、さすがは幼馴染...私の使い方、というより私の個性をよく理解してる。大体戦略も分かったわ)うん、いい「おい、アマぁ!!」』
轟に承諾の返事をしようとしたところに、どこからかすっかり聞き慣れた呼び方が聞こえた。
『何、爆豪』
爆豪「テメェ俺んとこ来いや!!」
『............』
爆豪の後ろには切島と瀬呂がいて、おそらく爆豪のチームになったんだなぁなど考えながら数秒爆豪を見たあと爆豪の元に歩いていった莉紗。
轟「............」
バコンっ!!
爆豪の頭を思いっきりぶん殴った莉紗。
爆豪「ってぇなぁ!!テメェこのアマ!何しやがる!!ぶっ殺すぞ!!」
『今スカウトした相手を殺すのか!浅はかか!!良いか悪いか別にしてもっと言い方ってもんがあんでしょ?!』
爆豪「知るかっ!黙って俺のチーム入れや!!」
そんな茶番のようなやり取りをしていると...
緑谷「あ、あの!風舞さん!」
『はい?!』
爆豪と不毛の争いをしている所に更に莉紗を呼ぶ声が聞こえ、少し強めな口調で返事をしながら振り返った莉紗。
緑谷「あっ!!あの..僕も、良かったら風舞さんに組んでほしいです!!」
『......え』
切島「おい、風舞!お前、めっちゃモテてんな!」
『いや...その言い方すっげー語弊ない?』
上鳴「風舞個性も強いし、実力もホンモンだからなぁ」
八百万「予選上位3人からのスカウト...風舞さんの実力なら納得ですわ」
飯田「うむ、果たして風舞くんは誰を選ぶんだ?」
『待って、君たちももしかしてスカウトの為におだててる....?』
爆豪「いいからテメェどうすんだよっ!さっさと決めろや!」
『ムカつくからアンタんとこは絶対行かないわ!さっさと去れ!』
切島や瀬呂などが「そりゃあのスカウトじゃ仕方ねぇよ」「お前が悪い」などと爆豪を宥め(?)ながら引きずって行ってくれた。
『緑谷、ごめんね。先に声かけてくれたの轟くんだからそっち行くね』
いまだに遠くで、くたばれや!などとほざいてる爆豪の怒号をBGMに緑谷に丁重にお断りを入れる。
緑谷「うん、分かった」
残念そうな笑顔で去っていく緑谷。
轟「サンキュー」
2人が去っていくのを見て近くに寄ってきた焦凍くん。
『まあどこでも良かったのはホントだから運が良かったね、なんて』
轟「そうか」
『私の個性この種目に結構有利だし使い勝手いいからあの二人が声掛けて来たのも分かるんだけど。
轟くんもそう思ってくれたってことでしょ?』
轟「まあな」
八百万「決まりましたわね」
轟「ああ。
お前らを選んだのはこれが最も安定した布陣だと思うからだ。風舞は左翼。お前の風で特に左側と後方の敵への攻防を担ってくれ。敵を近づけるな。状況に応じて、はちまきも取りに行ってくれ」
『分かった』
轟「八百万は右翼、防御や移動の補助。
飯田は先頭で機動力源。もとい、フィジカルを活かした防御」
飯田「轟くんは氷と熱で攻撃。けん制ということか」
轟「いいや、戦闘において左は絶対使わねぇ」
そういう轟は観客席の方に視線をやると鋭い眼光でどこかを見た。
『..........』
莉紗にはその瞳が何を見ているかなんて見なくても分かる。
『(足元すくわれなきゃいいけど...)』
______
爆豪チーム→665ポイント
轟チーム→710ポイント
緑谷チーム→1000325ポイント
『でも、緑谷の騎馬を抜いたらうちも中々美味しいはちまきになってる』
飯田「すべての騎馬が緑谷くんのところに行くか...」
八百万「応えはノーですわ」
『少なくとも、中盤以降キープに走る奴は1000万には行かないでこっちに来るだろうね。でも..』
轟「狙うべきは1つ」
ミッドナイト「スタート!!!」
ミッドナイトのスタートの合図と共に全ての騎馬が動き出した。予想通りほとんどの騎馬が緑谷の元に向かった。
試合展開は前半は大きく動くこともなく、ぱっとしない感じで試合時間の半分が経過し途中経過が動き始めた。
1位緑谷チーム10000325ポイント
2位物間チーム1360ポイント
3位鉄哲チーム1125ポイント
4位轟チーム 715ポイント
5位拳藤チーム685ポイント
6位鱗チーム195ポイント
7位爆豪チーム0ポイント
以下0ポイント タイ
マイク「A組緑谷以外パッとしねぇ...爆豪!あれ?!0?」
何故かB組の騎馬たちは緑谷の1000万はちまきに固執せず堅実にはちまきをかっさらっていた。
『(まあ堅実っちゃ堅実だけど、インパクトには欠けるな)』
そんな中...
緑谷「!!」
轟「........」
轟チームは緑谷チームの前に立ちはだかった。
マイク「いよいよ騎馬戦は後半戦に突入!!予想だにしないB組優勢な中!果たして1000万ポイントは誰の手に!!」
轟「そろそろ取るぞ」
常闇「もう少々終盤で相対するのでは、と踏んでいたが...随分買われたな、緑谷。」
緑谷「時間はもう半分!止めないでね!
それから常闇くん!!ダークシャドウは特に風舞さんに注意を払ってて!轟くんのけん制を囮に粘着糸の個性で下からはちまきを取りに来ようとするはずだ!」
『.....まあ、頭キレる奴だから予想はしてたけどまだ何もしてない内にバレるとはね』
八百万「けど、こちらが有利なのには変わりませんわ」
轟「飯田、前進!!」
飯田「ああ!」
轟「八百万、ガードと鉄パイプを準備」
八百万「ええ!」
轟「風舞、最高風力用意しろ」
『オッケー』
八百万が鉄パイプを2本創造し1本を轟に渡し1本は自分で持った。そして電動ドリルを創造し前側と右側の地面に穴を開け轟の鉄パイプと八百万の鉄パイプをそこに刺した。
緑谷「気をつけて!向かってくるのは1組だけじゃない!」
『轟くん、飯田の身体固定してあげて』
轟「ああ」
轟は莉紗の風に耐えられるよう飯田の足首までを凍らせた。
『みんな、準備はいい!?』
轟「ああ」
八百万「はい!」
飯田「任せろ!」
『行くよ!突風 木枯らし!』
自分たちの騎馬の周囲全体に強い風を起こした莉紗。轟と八百万も鉄パイプに捕まり煽られないように踏ん張っている。
その風にあおられ、周りにいた騎馬たちは吹き飛ばされないように足を止め踏ん張った。
『まだまだ!!旋風 春疾風(ハルハヤテ)!』
そして下から上へ巻き上げる渦巻き状に吹く暴風..柱の高さが低く直径が大きい竜巻起こして周囲の騎馬たちを風の渦の中に巻き込んだ。
緑谷チームはダークシャドウが盾となり、なんとか堪えたが他のチームはその風に巻き込まれ騎馬が崩れたり、放り投げられたりした。
轟「残り6分弱..」
鉄パイプを抜き、右手で冷気を構えると、鉄パイプごと凍らせそのまま周囲にいる騎馬たちの足元を凍らせた轟。
轟「悪いが我慢しろ」
マイク「な、なんと!群がる騎馬を轟・風舞の個性で一瞬!!」
相澤「風舞の風で確実に動きを止めてから凍らせた...
一方風舞は、攻撃第一手に威力の高い竜巻攻撃ではなく威力は落ちるが広範囲攻撃を選び確実に全てのチームの足を止めてから威力重視の竜巻攻撃。
さすがというか...障害物競争で結構な数に避けられたのを省みてるな、あいつら」
そして、轟の氷に翻弄されてる隙に莉紗が粘着糸で拳藤のはちまきを取りにかかった。
『轟君、はい』
轟「よくやった」
拳藤「...え?」
轟「一応もらっとく」
轟の手には拳藤チームのはちまきが。
拳藤「?!くっそー!!!」
轟チームは、緑谷チームに向かって突っ込んでいった。
常闇「けん制する!」
常闇のダークシャドウが向かって左側から攻撃しようとしたが..
轟「八百万!」
八百万がコンクリートのようなものを創造し
ダークシャドウの攻撃を防いだ。
緑谷「八百万さんの創造、厄介すぎる!」
常闇「いや、それ以上に風舞だ。こちらからの攻撃もあの風でいなしてしまううえ、こちらが一旦守りに入れば風舞の風攻撃が前後左右さらには上空、どこから来るかわからない以上、全方向に警戒しつつ適宜ガードをしなくてはならない中、奴のもつ粘着糸がどの隙に飛んでくるかわからない」
緑谷「風舞さんの攻撃・防御・サポート全てに神経を注いでいなければならない。
そんな中でも飯田くんの加速や、轟くんの氷結もある。正直かなりしんどいよ....」
場外ラインぎりぎりまで追い詰められた緑谷。
マイク「緑谷、なんと!この狭い空間を5分間逃げ切っている!!」
轟も一歩一歩近づくも、緑谷が常に轟チームの莉紗がいる方向に逃げ込む為轟チームも攻めあぐねている。
『見抜かれてる....?』
轟「ああ、間違いねぇ」
飯田「何をだ?」
『轟くんの氷結は今緑谷に封じてられてる』
八百万「どういうことですの?」
『常に私達の左側をキープしておけば轟くんが最短で凍結させようにも前騎馬の飯田が 引っかかってしまう。むやみやたらに凍結させていれば、自分達の可動域も狭めて袋のネズミになる可能性もある。そして、轟くんの氷結を防ぐことで私の四方攻撃へ警戒を注げる』
轟「(残り1分..この野郎)」
飯田「何か打開策はあるのか?」
『ん~....轟君が左を使わない分の左方の強化のために私を左側にした。けど、この状況...常に左側をキープすることで氷結だけじゃなく、私の攻撃の選択肢から左側は削除される。何故なら、緑谷達は今左側が最も警戒が厚くなっているからだ。
そして、四方攻撃とは言っても右は八百万がいるから実質右からの攻撃も選択肢から除外できる。となると上と前後に攻撃パターンを絞ることが出来る....これは大誤算だったかも』
莉紗の見解を聞き飯田が表情をしかめた。
飯田「....みんな、残り1分弱。この後俺は使えなくなる。頼んだぞ!」
轟「飯田..」
飯田「しっかり捕まっていろ!取れよ、轟くん!!
トルクオーバー!レシプロバースト!!」
そう言って飯田が走り出した。
緑谷「逃げっ!..」
バシッ!!
しかし、そのスピードは到底反応出来る速さではなかった。
緑谷「........」
緑谷の1000万はちまきがいつ取られたのかも
轟がいつ取ったのかも
本人たちですらわからなかった。
轟もぎりぎりなんとかはちまきを取ったが、何が起こったかわからないと言ったところだった。
八百万「...........;;」
『えっ.....』
轟「なんだ、今のは...」
突然の出来事にチームの3人も驚きを隠せないでいる。
飯田「トルクと回転数を無理やり上げ、爆発力を生んだのだ。反動でしばらくするとエンストするがな。クラスメイトにはまだ教えていない。裏技さ!」
緑谷「突っ込んで!」
常闇「風舞がいる限り攻めでは無理だ!他のポイントを狙いに行く方が堅実では!」
緑谷「ダメだ!ポイントの散り方を把握できていない、ここしかない!」
麗日「よっしゃー!取り返そう、デクくん!絶対!!」
緑谷「麗日さん!」
轟に向けて伸ばした緑谷の腕が赤く光る。
轟「『!!』」
緑谷「(僕は今、背負ってんだー!!!)」
そうして、緑谷が轟に腕を伸ばしたその時...
ガードをしようとした轟の左腕に炎がまとったのが見えた。
『え、轟くん...?』
竜巻を出して緑谷たちの動きを止めようとしたものの一瞬見えた轟の炎に意識を奪われてしまった莉紗。
緑谷はガードをした轟の左手を振り払らった。
轟「?!(左..?俺は、何を...)」
そして、緑谷は轟のはちまきを1本奪い取った。
緑谷「取ったー!!!」
マイク「残り11秒!こちらも怒りの奪還!!」
しかし、緑谷が取ったはちまきは70ポイントだった。
八百万「万が一に備えてはちまきの位置は変えてますわ!甘いですわ、緑谷さん!!」
轟は自分の左腕を見ながら心ここにあらずな様子だった。
『轟くん!まだ終わってない!後にして!』
緑谷「常闇君!」
常闇「ああ!」
轟「風舞!」
『旋風 春疾風(ハルハヤテ)!!』
ダークシャドウの攻撃を莉紗の風が弾き飛ばした。
爆豪「クソデクーっ!!!!!」
そこへ、どこからやって来たのか爆豪が上空から飛んできた。
緑谷「麗日さん!!」
麗日「おっしゃー!!」
飯田「くっ!」
飯田の足はまだ動かず、轟チームは移動が出来ない。
轟「八百万!!」
八百万が創造した鉄パイプを手にした轟。
緑谷が再び、腕に力を込めて手を伸ばした。
爆豪「半分野郎ー!!!」
そして、爆豪も轟に向かってきた。
轟は鉄パイプを凍らせ構えた。
『突風.....』
莉紗が爆豪に向かって風を起こそうとしたその時....
マイク「タイムアップ!!!第2種目、騎馬戦終了!!」
終了を知らせるアナウンスが響いた。
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