Season1
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相澤「今日のヒーロー基礎学は、俺とオールマイト、そしてもう1人の3人態勢で見ることになった」
瀬呂「はい!何するんですか?」
相澤「災害水害何でも御座れ、レスキュー訓練だ」
まさしくヒーローっぽい授業内容に教室中が賑やかになった。
相澤「まだ途中だ」
しかし、合理主義な担任教師がそれを許すはずもなく目を光らせると途端にA
組はシーンと静まった。
相澤「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動の制限がかかるコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始」
**
コスチュームに着替えて集合場所に集まったA組。
笛の音と共に響いたのは先日決めた学級委員長、飯田天哉の声だった。
飯田「全員集合!!バスの席順はスムーズにいくよう、番号順に2列で並ぼう!」
緑谷「飯田君..フルスロットル...」
しかし、バスに乗ると公共バスのような前方が向い合せで後方に2人用座席が並ぶタイプのバスだった。
飯田の憶測は外れ、結局のところ各自自由に乗ることになった。
飯田「クソ、こういうタイプだったか...」
芦戸「意味なかったね~」
『(みんな...座るの早い...)』
トイレに行ってから戻ってきた莉紗。バスに来るともう他のみんなは席に座っていた。
芦戸「風舞~、遅いよー。もう席ほぼ埋まっちゃったよ!」
芦戸にそう言われバスに乗り空いてる席を探すも轟の隣しか空いていなかった。
『(クソ...気まずいってのに、こういう縁ホントにいらないんだけど...)』
立ちっぱなしでいるわけにもいかず轟の近くに向かう。
『...........』
気まずさ故に無言で轟の近くに立つ莉紗。
轟「...空いてるぞ」
『...どうも』
耳郎「莉紗、ポッキーいる?」
莉紗の前に座っている耳郎が後ろを向いてポッキーの箱を渡してきた。
『ありがと、響香』
一方、バスの前方では騒がしく個性の話しで盛り上がっているようす。
青山「僕の個性は強さも派手さもプロ並み」
芦戸「でも、お腹壊しちゃうのは良くないね」
青山「............;」
切島「まあ、派手で強ぇっつったらやっぱ、轟、風舞、爆豪だよな!」
『(なんか急に巻き込まれた...)』
蛙吹「爆豪ちゃんはキレてばっかりだから人気出なさそう」
緑谷「!?」
爆豪「んだとゴラァ!出すわ!!」
蛙吹「ほら」
上鳴「この付き合いの浅さで、すでにクソを下水で煮込んだような性格と認識されてるってすげーよ」
『(スゴい例えだな..クソを下水で煮込むって...)』
爆豪「テメェのボキャブラリーはなんだゴラァ!!殺すぞ!!!」
『爆豪、そろそろうるさい』
爆豪「あぁ?!なんか言ったかクソアマ!」
『言ったよ、クソ野郎』
その後もギャーギャー、ワイワイと盛り上がるA組。
その会話の内容は実にどうでもいいような内容ばかりなのだが賑やか過ぎるクラスメイト達に思わずため息が出た莉紗。
『全くうるさいなぁ..ね、とどろ...き、くん?』
意外にも自然と轟に話しかけることが出来た莉紗だったが規則的な寝息が聞こえふと隣を見ると周りの賑やかさなんかいともせず眠っている轟。
『(場所も状況も問わず寝られるところも、一度寝たら中々起きないところも.....変わってない....)』
それからしばらく走ってバスが停車した。
相澤「着いたぞ」
相澤の声に皆が降りる準備を始め、バスのドアが開くとぞろぞろとクラスメイト達が降りていく。
『轟くん、着いたよ』
身体を揺さぶってようやく目を開けた轟。
轟「ん...ああ」
『そういう所も相変わらずだね』
轟「眠くて」
『まあ分かるんだけど』
13号「みなさん、待ってましたよ」
バスを降りると宇宙服のようなコスチュームに身を包む人が立っていた。
緑谷「わぁっ!スペースヒーロー13号だ!災害救助で目覚ましい活躍をしている紳士的なヒーロー!」
麗日「私好きなの!」
前線で活躍するヒーローの登場にクラス中がにぎわった。
『(みんなヒーローに詳しいなぁ)』
13号「さっそく中に入りましょう」
13号の案内のもと、派手な入口に導かれるように中に入ると中はまるでテーマパークのアトラクションのような作りになっていた。
砂藤「すっげぇえ!」
上鳴「USJかよ!」
13号「水難事故、土砂災害、火災..etc
あらゆる事故や災害を想定した僕が作った演習場です。その名も、【ウソの(U)災害や(S)事故ルーム(J)】略して、USJ!」
「「「「「........(ほんとにUSJだった...)」」」」」
『(事故ってJなのか...)』
13号「えぇ、始める前にお小言を1つ、2つ...3つ、4つ」
「「「(増える...)」」」
13号「皆さん、ご存じとは思いますが僕の個性はブラックホール。どんなものでも吸い込んで塵にしてしまいます」
緑谷「その個性でどんな災害からも人を救いあげるんですよね!」
13号「ええ、しかし簡単に人を殺せる力です。みんなの中にもそういう個性がいるでしょう。超人社会は、個性の使用を資格制にし、厳しく規制することで一見成り立ってるようには見えます。しかし、1歩間違えれば容易に人を殺せる、行き過ぎる個性を個々が持ってることを忘れないでください。相澤さんの体力テストで自分の秘めている力の可能性を知り、オールマイトの対人訓練でそれを人に向ける危うさを経験したかと思います。この授業では、心機一転人命のために個性をどう活用するか学んでいきます。君たちの力は人を傷つける為にあるのではない、助けるためにあるのだと心得て帰ってくださいな」
『(私の個性は....)』
13号の言葉を聞き、莉紗は自分の手のひらを見つめた。
相澤「よし、まずは..」
相澤が話し始めたその時USJ内の電気が消えた。
相澤「........!!
一塊になって動くな!13号、生徒を守れ」
切島「なんだありゃ?」
切島の視線の先をみんなも追うと、中央広場の噴水の前に黒いモヤがありそこから人がどんどん出てきていた。
切島「また入試の時みたいなもう始まってんぞパターン?」
緑谷が1歩前に出ようとしたその時。
相澤「動くな!」
「「「!!!」」」
相澤「あれは、敵(ヴィラン)だ」
上鳴「ヴィラン?!」
切島「ヒーローの学校に入り込んでくるなんて、阿保すぎるぞ!」
八百万「先生、侵入者用センサーは?」
13号「もちろんありますが...」
『現れたのはここだけか、それとも学校全体か。どちらにせよセンサーが反応しなかったってことはそういうことが出来る個性持ちが向こうにいるってことだ』
轟「ああ、校舎と離れた隔離空間。そこにクラスが入る時間割。バカだが、アホじゃねぇ。これは何らかの目的があって、用意周到に画策された奇襲だ」
2人のその言葉に、クラス一同が言葉を失った。
相澤「13号、避難開始。学校に電話試せ。センサーの対策も頭にあるヴィランだ。電波系の奴が妨害してる可能性もある。上鳴、お前も個性で連絡試せ」
上鳴「!、しゃ..しゃぁ!」
緑谷「先生は!?1人で戦うんですか?!あの数じゃ、いくら個性を消すって言っても..イレイザーヘッドの戦闘スタイルは敵の個性を消してからの捕縛だ。正面戦闘は...」
相澤「一芸だけじゃヒーローは務まらん」
緑谷「え?」
相澤「任せた、13号」
相澤はその言葉と共に敵の中に入っていった 。
相澤は、相手の個性を消すという己の個性を上手く用いて戦っている。ゴーグルで自分の視線を敵から見えにくくする事で敵は誰が個性を消されているのか分からず、それ故に連携が疎かになる。
異形型の個性は抹消出来ないため捕縛布と肉弾戦で対処していった。
緑谷「すごい..多対1こそ、先生の得意分野だったんだ」
飯田「分析してる場合じゃない、早く避難を!」
13号と1Aは、USJを出てバスに向かって走った。
「させませんよ」
一行の目の前には黒いモヤが現れた。
「初めまして、我々はヴィラン連合。僭越ながら、この度ヒーローの巣窟 雄英高校に入らせていただいたのは、平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして。本来ならば、ここにオールマイトがいらっしゃるはず...ですが、何か変更があったのでしょう。まあ、それとは関係なく私の役目はこれ」
13号がブラックホールを発動しようとしたその時、爆豪と切島が敵に飛び込んでいった。
切島「その前に俺たちにやられる事は考えなかったか!!」
しかし、爆豪と切島の攻撃はもや男の身体をすりぬけ通じなかった。
「危ない危ない....そう、生徒といえど優秀な金の卵。」
13号「ダメだ、どきなさい!二人とも!!」
「私の役目は貴方達を散らしてなぶり殺す!」
あっという間に黒いモヤが自分達を囲んだ。
『!!(ヤバい!)』
莉紗は咄嗟に突風を起こし中からモヤを散らして行った。
「(13号の個性も私には相性が悪いですが、生徒の中には風の個性持ちがいる。これは、不利ですね..しかし、足元からなら関係ありませんがね)」
1度吹き飛ばされたモヤは今度は莉紗の足元から現れそのモヤに飲み込まれていった。
轟「風舞!」
敵のモヤに引きずり込まれる瞬間、轟が莉紗の腕を掴んだ。
2人は一緒にモヤの中に入って行ってしまったが、モヤの中で手を離してしまった。
**
『いてて...』
莉紗が立ち上がり周りを見渡すと見たところ土砂災害ゾーン。
そして、目の前には連合の敵が5人。
『.......』
そして、敵の少し向こうに氷が見えた。
『(焦凍くんだな..ここはひとまず、合流するか)』
「観念しろよ、ガキ!」
『ガキに負けても吠え面かくなよ!!』
そう言って自分の体の2倍はあるだろう竜巻を敵に向かって放ちその後すぐに周囲に突風を放った。
竜巻に巻き込まれた敵は風の力に抵抗できず、渦に流されるままに回っていき、また吹き荒れた突風が竜巻を轟のいる方に進行させた。
その竜巻を追いかけ、轟の姿が目視で確認出来たところで竜巻を解除し、突風で轟が戦っていたであろう敵たちもろとも天高く吹き飛ばした。
勢いよく地面に叩きつけられた敵たち。その衝撃で立ち上がれなかったり竜巻の激しい回転で平衡感覚を失った敵に対し、すかさず氷結を出して敵の体を氷で拘束した轟。
轟「子供2人に情けねぇな、しっかりしろよ。大人だろ」
2人の強個性の前に成す術なく動けなくなった敵。
『よく私来たの分かったね』
轟「あの竜巻の心当たりはお前しかいねぇ」
会話をしながらお互いの無事を確認し、再び敵に向き合った轟と莉紗。
轟「散らして、殺す....か。
言っちゃ悪いがあんたら。どう見ても個性を持て余した輩以上には見えねぇよ」
「こ、こいつら...移動してきた途端に...」
「ほんとにガキかよ....」
『悪いね。こっちは毎日プロヒーロー相手にして育ってるから。ただの子供と思って油断してたら痛い目見るよ』
轟が氷漬けになっている敵の中に歩いて行った。
轟「(オールマイトを殺す...初見じゃ精鋭を揃え、数で圧倒するのかと思ったが)」
その轟に向かって氷を逃れ身を潜めていた素手の男が拳を振り上げてきた為氷漬けにし、背後からは轟に向かって鉄パイプを振り下ろしてきた為それを華麗に避け、鉄パイプを掴むと鉄パイプもろとも男を氷漬けにした。
轟「(蓋を開けてみれば俺たち用の駒)」
さらにその向こうから男が1人上空から轟に向かって飛んできた。
「な、体が動かせねぇ!なんだ..」
持っていた武器を轟に振り下ろそうとしたものの体の自由が効かず地面に叩きつけられた。
『させない』
「な、これは...糸?!」
莉紗が男の両手、両足に粘着糸を巻き付けていた
『(ただのチンピラの寄せ集めって感じ...ホントに危なそうな奴は4、5人ほど。私達はどうするべきか...)』
轟「(俺たちが次にとるべき行動は...)」
「くっそ、こんなガキに...」
『喋る暇と余裕があんならさっさとあんた達の計画洗いざらい吐いて氷溶かしてもらわないと、体中低体温で壊死するよ?今だって結構痛いでしょ』
轟「フッ...俺もヒーロー志望だ。そんな酷ぇ事はなるべく避けたい」
轟は敵の一人の顔の目の前に手のひらをかざし冷気を見せつけた。
轟「あのオールマイトを殺れるっつー根拠、策ってなんだ」
『ヒーロー志望が脅すな....』
ボソッとつぶやいた莉紗の言葉は宙に消えた。
あっさりと命欲しさに計画を吐いた為、2人は離れた場所で話をした。
『いくら子供だからって、仮にもヒーロー目指す学生相手にこれは舐められすぎてて腹が立つ』
轟「ああ、そうだな」
『どうする?』
轟「中央広場に向かう」
『...言うと思った』
轟「お前は避難してろ」
『冗談でしょ、行くって聞いてノコノコ逃げれませんって』
轟「どうなっても知らねぇぞ」
『大丈夫だよ、なんかあっても轟くん守ってくれるし』
轟「...自分で守れ」
『轟くんになんかあっても私が守るからね』
轟「....お前」
『ん?』
轟「...無駄口多くなったな」
『そう?』
轟「行くぞ」
『て、待て』
轟「何だ」
『氷溶かしてけ』
轟「時間ねぇだろ」
『ヒーロー志望が死人出すつもりか。私が拘束するから
(あれ、何か今普通に話せてるなぁ...)』
中央広場では、オールマイトが脳無と戦っていた。傷を負い脳無に拘束され、モヤに引きずり込まれそうになっている。
緑谷「オールマイトーー!!」
緑谷が走ってきてオールマイトに向かって手を伸ばしている。
「浅はか」
その緑谷とオールマイトの間にモヤが現れ緑谷はモヤの中に飛び込みそうになってしまった。
そこに...
バァァン!!
爆豪「どけ、邪魔だデクーー!!!」
爆豪がモヤを攻撃し、そのまま地面に抑えつけた。
そして、轟がオールマイトの体を巻き込まないギリギリまでモヤを氷結で凍らせた。
轟「テメェらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた」
『はぁっ!!』
莉紗も突風で白髪の男とモヤを飛ばすとオールマイトから離れさせた。脳無の拘束が緩んだ為、オールマイトは難を逃れ脳無達から距離を取った。
切島が白髪で体中に手首がたくさんついてる男に殴りかかったが避けられた。
切島「クソ、いいとこで!!」
爆豪「スカしてんじゃねーぞ!モヤモブがぁ!!」
『間一髪』
轟「平和の象徴はテメェら如きにやれねぇよ」
緑谷「かっちゃん...みんな..」
「出入口を抑えられた、こりゃピンチだなぁ」
爆豪「このうっかり野郎め、やっぱ思った通りだ。モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られてる。そのモヤゲートで実態部分を覆ってんだ、そうだろ!?
全身モヤの物理無効人生なら、危ないっつー発想が出ねぇもんなぁ」
ワープゲートは力づくで爆豪の腕から抜けようとしたが..
バァンっ!
爆豪「動くな!怪しい動きをしたと俺が判断したらすぐ爆破する」
切島「ヒーローらしからぬ言動..」
『どっちがヴィランか分かんないぞ』
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