Season5
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上鳴「凄かったよな〜、昨日のエンデヴァー!!」
切島「ああ!脳無にぶっ倒された時には肝冷やしたけどよぉ!最後は..勝利とガッツのスタンディング!くぅ~っ、漢だぜぇっ!」
尾白「さすがNo.1だよね」
麗日「ホークスも凄かったよ!」
葉隠「イケメンだし~」
1年A組内では、昨夜のエンデヴァーとホークスの共闘の話題で持ち切りだった。
興奮冷めやらぬ様子で2人の戦いっぷりを語り合ってる所にドアが開く音が聞こえそちらを見ると轟と莉紗が教室に入って来た所で、すぐさま緑谷や飯田が2人の元に駆けつけた。
緑谷「轟くん、風舞さん。エンデヴァーの容態は?」
焦凍「ああ、命に別状はないそうだ」
緑谷「そっか、良かった..」
峰田「自慢の父ちゃんだな!轟!」
焦凍「...ああ、そうだな」
轟とエンデヴァーの確執を知ってる緑谷と莉紗は峰田の言葉に内心肝を冷やしちらりと様子を伺うも、うつむき加減のその横顔を見ると特段顔色を変える事無く肯定の言葉を返し自分の席へと歩いていった。
そんな以前とは異なる轟の反応に、2人は顔を見合わせて小さく微笑み合った。
ほどなくして相澤が教室にやってきてHRが始まろうとしていた所に教室中にサイレンが響き渡り無機質な機械の音声が流れた。
《緊急訓練緊急訓練、想定雄英高校敷地内二ヴィランガ侵入。ヒーロー科1年A組出動要請。ヒーローコスチューム二着替エ、現場二急行シテ下サイ》
飯田「ヒーロー科1年A組、出動だ!」
「「「おう!」」」
コスチュームに着替えたA組は指定された訓練場に集まった。
飯田「グラウンドβにヴィランが侵入。現在判明している状況はそれだけだ。訓練であろうとも俺たちは全力でこの任務にあたり遂行する!」
八百万「まずは状況の把握からですわ。偵察班の皆さん、お願いします!」
障子「うん」
耳郎「任せて!」
A組の偵察部隊である口田、障子、耳郎がそれぞれの個性を用いて状況把握を始めた。
耳郎《北東、約900m。断続的な破壊音!》
障子《イヤホン・ジャックの方角地点に爆炎を確認。ビルが川に向かって倒壊、火災が発生してる。周辺にヴィランは視認出来ない》
飯田「了解した。まずは現場の消火活動が必要だ」
無線で偵察班の報告を受けた飯田が、最優先事項を述べると八百万が個性で大きな引き車を創造した。
八百万「時間がありません。消火班を編成して現場に向かってください!インゲニウム!」
飯田「ショートくん!ウィンディくん!」
轟「分かってる」
『急ごう』
消火活動が可能な個性持ちの2人が飯田と共に動き出したのに続いて、常闇、砂藤、青山が続いた。
口田《大変!川に流されてる人がいるって!》
無線越しに聞こえてきた口田からの情報に蛙吹が名乗りをあげた。
蛙吹「私達の出番よ、グレープジュース」
峰田「おう!」
飯田「よし、救助班も先行しよう!」
消火班と救助班を乗せた引き車を飯田が引き超速スピードで走り出した。
あっという間に到着した火災現場。急ブレーキで止まり引き車から全員が放り投げられた。顔を上げると、目の前には建物が全焼し激しく炎が上がっていた。
『かなりの規模だ..』
飯田「ショートくん!」
轟「任せろ」
ビルより高く燃え上がる炎。しかし轟の氷結がビル全体を覆い、難なく消火活動を終えた。
飯田「よし、やったぞ!」
砂藤「俺らの出番...」
青山「なくなっちゃったね」
常闇「要救助者はどこだ、フロッピー」
無線で蛙吹に問いかけた常闇。《見つけたわ》との返答に皆が川辺まで出てくると、何故か川に流されている通形ミリオがいた。
通形「アハハ、何故だか知らないけど流されちゃってるんだよねー。アッハハハ」
峰田「通形先輩じゃねぇか!」
砂藤「どうしてここに?!」
飯田「休学中のはずでは?!」
通形「何でだろうねー?」
川の流れに身を任せただ流れているだけの通形。しかし、通形が向かう先では崩壊した橋の断片が更に崩壊しかけているのに気づいた一同。
峰田「オイラを投げてくれ!ツクヨミ!」
常闇「分かった」
蛙吹「私もお願い、シュガーマン!」
砂藤「おう!」
砂藤が蛙吹を、常闇が峰田を投げ飛ばすと峰田が橋の断片にもぎもぎを投げ飛ばし川への崩落を抑えた。そして蛙吹が舌を伸ばし、通形に巻き付け川から無事救出した。
砂藤「よっしゃー!」
飯田「偵察班、ヴィランの偵察状況はどうだ?」
障子《ダメだ、まだ発見できない》
飯田「了解した、引き続きたの..」
頼む、と言おうとした飯田。その背後で突如爆発音が聞こえ振り返ると先ほどの火災現場で大きな炎が空に向かって燃え上がっていた。
轟「氷結で塞ぎ切れていなかったのか!」
『延焼を防がないと!行ってくる!』
轟「ああ!」
ダッシュウィンドで近辺の建物への延焼のおそれの場所に向かおうとした莉紗だったが、莉紗が向かうよりも先に既に麗日、瀬呂、芦戸、青山のタッグで延焼を防ぐことが出来た。
飯田「よし、これで延焼は防げる!」
轟「ウィンディ!」
『うん!』
今度は莉紗が火災で燃えるビル全体を土流を発動し、土で覆うと酸素を遮断された炎が燃える火の勢いを弱めた。
轟「今度は確実に閉じ込める!」
そこに轟の氷結で冷却、窒息させることで完全に鎮火させることに成功した。轟の右側は予想以上に霜に覆われていた。
『大丈夫?結構下限引っかかったんだね』
轟「ああ、規模が規模だからな」
『これだけの規模の火災時は、二次火災のリスクを考えると初めから窒息と冷却の二段消火の方がいいかもね』
轟「ああ、今度からそうしよう」
安心していたのも束の間、波動ねじれと天喰環がヴィラン役として現れ瀬呂のテープを手にし麗日の個性で浮かされていた芦戸が波動に捕まり瀬呂のテープで拘束され人質にされてしまった。
飯田「ビッグ3がヴィラン役とは...」
常闇「ピンキーが人質に」
轟「ここからなら背後に回り込める」
『まずはピンキーの奪還』
常闇「行こう」
4人は波動の背後に回りこむためにその場を走りだした。
波動「動かないでって言ったのに聞こえなかった?そういう子にはお仕置き」
そう言って波動が右手の平をこちらに向けてきた。
飯田「あれは..!」
『マズい!ねじれ先輩の波動攻撃!』
ウェーブ状のエネルギー波が飯田達に向かって放たれた。
轟と莉紗がそれぞれ氷壁と土流壁で攻撃を防いだが2人の障壁をいとも簡単に破壊した波動攻撃。
そして後方では再び通形が川の中に落ちた(飛び込んだ)為、蛙吹と峰田が救出に向かった。
しかし、橋を越えて流されてしまった通形。
峰田のもぎもぎを取り付ける場所がなく実質蛙吹1人で救助しなければいけない状況と、先ほどの二次火災や波動の個性による衝撃で川の流れが速く、そして水面の動きが荒々しくなってしまっている。
『川がさっきよりも荒れてる。私達も通形先輩救出に合流した方がいい』
常闇「そうだな、インゲニウム」
飯田「ああ、人命優先だ!波動先輩は緑谷くん達に任せて我々も救助に向かおう」
轟「分かった」
飯田のレシプロ、莉紗のダッシュウィンド、轟の氷結滑走。
スピードに定評のある3人の個性で川に流される通形の真横についた飯田達。
莉紗がすぐさま粘着糸を飛ばして通形に取り付けようとしたが、何故か通形が水の中で体を動かし粘着糸を避けた。
通形「アハハ、外れちゃったねー」
『..いや、何で避けんですか!?通形先輩!黙って救助されててくださいよ!』
通形「何でだろうねー?上手くいかないもんだねー、アハハァ」
『......怒』
轟「落ち着け、ウィンディ」
蛙吹も水の中を泳ぎ通形に舌を伸ばすもそれをも避け、次いで轟が氷結を出し流される通形を止めようとするも川の中を潜り凍らされていない水中深くで氷結を避け再び水面に顔を出し、また流され始めた。
飯田「そうか俺達の経験の為に、救助がスムーズにいかない場合を想定してくださっているのか!」
中々救助されてくれない通形に莉紗がしびれを切らした。
『...だったら、これなら逃げれないでしょ!』
地面に両手をついた莉紗。
通形が流される先の川底の土を操作し、高く盛り上がらせると完全に川の流れをせき止め遮断し、粘着糸を飛ばした。
『これなら避けようないでしょ』
轟「お前、結構強引だな」
『余計なお世話です』
皮肉でも何でもなくただ率直に思った事を言っただけの轟に、嫌な顔を浮かべた莉紗。
その時、グラウンドに無機質な音声が響いた。
[訓練終了、訓練終了]
轟「あっちも終わったって事か」
常闇「ああ、そうらしい」
『通形先輩の救助が一番厄介だったね』
と、その時。何故だか大きな爆発音が鳴った。
常闇「何だ?」
『どうせ爆豪じゃない?』
途中で参戦した爆豪のヴィランさながらの殺気に満ちた表情に一瞬怯んだ天喰が手を抜いたと思い、腹が立った爆豪が訓練終了にも関わらず天喰との勝負をつけようと個性を発動させ、相澤からこっぴどく締め上げられたのは別のお話。
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