Season4
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莉紗は飲み物を買い終え、エンデヴァーの所に戻りエンデヴァーにコーヒー缶を渡した。
『おじさま、コーヒーで良かった?』
エンデヴァー「ああ、すまない」
2人並んで会場に向かって階段を降りていると、オールマイトとプレゼントマイクが目の前を通った。
エンデヴァー「おや、"元"No.1ヒーローじゃないか。焦凍の引率、ご苦労」
階段の上から威圧的な態度でオールマイトに話しかけるエンデヴァー。
オールマイト「エンデヴァー...」
エンデヴァー「ちょうどいい。貴様とは腰を据えて話したいと思っていた」
マイク「.....コーヒー買ってくるぜぇえ!」
ピリピリとした雰囲気に耐えきれなくなったマイクが声高らかそう宣言した。
『おじさま、腰据えて話したいならそういう態度取ろうね』
淡々と言った莉紗は階段を下りて行きプレゼントマイクを追いかけた。
エンデヴァー「むぅ....」
オールマイト「(エンデヴァー....風舞少女に弱いのか。意外だった。
だが何故風舞少女も一緒に?!;)」
**
会場に入ると既に公安委員会の目良の挨拶が始まっていた。
マイク「前の方で良いですかね、見やすいし」
オールマイト「なるべく目立たない席にしよう。皆の邪魔になる」
『気ぃ散らせたら困るし(エンデヴァーを見てまた夜嵐と焦凍くんが揉めないとも限らん...)』
エンデヴァー「スゥ...
焦凍ォォオオ!!」
「「『?!』」」
突如大声で息子の名前を叫んだエンデヴァーに莉紗達は肩をびくつかせ、会場にいる誰もがこちらに視線を向けた。
エンデヴァー「お前はこんな所で躓くような人間じゃない!!格の違いをみせつけるのだぁぁあ!!」
『焦凍くんに知らない人のフリされてるけど....
(ほらぁ、夜嵐も超睨んでるし...)』
突如現れたNo.1ヒーロー姿に会場がザワつき、夜嵐は鋭い眼光でエンデヴァーを見ている。
しかし、エンデヴァーに目を向けた際に隣にいるオールマイトにも気づいた学生達がNo.1と元No.1が揃い踏みしている事に更にザワついた。
オールマイト「ほっら、もう...目立っちゃった」
『(後で焦凍くんに謝らなきゃ....)』
今日から補講に参加するらしい士傑高校の現見ケミィの紹介を終え、今日の補講内容が説明された。
今日の補講を執り行ってくれるのはNo.10ヒーローのギャングオルカ。
ヴィランっぽい見た目ランキング3位にランクインしている、中々な強面ヒーローの登場に他の受講者達に緊張が走った。
オルカ「今日も懲りずに揃ったか。あの温い試験にすら振るい落とされた落伍者共め」
背筋も凍るような雰囲気とその罵倒の言葉で講習生達は息をすることも忘れるくらいに緊張している。(※4名ほど除いて)
オルカ「これまでの講習で分かった事がある。貴様らは、ヒーローどころか底生生物以下!!ダボハゼの糞だとな!!」
「「「サー!イエッサー!」」」
オルカ「声が小さい!!」
「「「サー!!イエッサー!!」」」
観客席でみていたマイクと莉紗が目の前で繰り広げられる光景に引いている。
マイク「何これ、こっわ...」
『これ、ホントに仮免補講?』
マイク「多分な..?」
オルカ「特に貴様ら!!」
ギャングオルカが攻め立てるように言ったのは、爆豪、轟、夜嵐だった。
オルカ「ヒーローになる気はあるのか!?」
爆豪「まず糞じゃねぇんだよ」
オルカ「指導!!
どうしたら糞が人間様を救えるか!?」
轟「肥料とか、間接的に..」
オルカ「指導!!
戦闘力、機動力だけで!人は人を称えるか!!」
夜嵐「サー!イエッ..「指導!!」」
ギャングオルカに放り投げられた爆豪、轟、夜嵐の3人は体育館の端に一纏めにされた。
オルカ「貴様ら3人が高い戦闘力を持つことは分かった。だが、それだけだ。要救助者への不遜な振る舞い、周囲の状況を無視して意地を張り合うなどの愚行。今日は貴様らに特別な試練を与える。
貴様らに欠けているもの、それ即ち"心"!
差し伸べた手を誰もが掴んでくれるだろうか!?否!!時に牙を向かれようとも、命そこにある限り救わねばならぬ!!」
気迫を声に込めギャングオルカが言ったと同時に開いた扉から入ってきた人物...。
オルカ「救う、救われる。その真髄にあるは心の合致、通わせ合い!!さあ、超克せよ!!死闘を経て、彼らと心を通わせてみせよ!!それが貴様らへの試練だ!!」
「ひーろー!!」
「ナマー!ナマヒーロー!!」
突然現れた数十人の子供達は、生のヒーロー(学生だが)を見れた事に興奮し4人はあっという間に囲まれ、これは何事か..と4人は固まってしまっている。
担人「もおおお!ちゃんと言うこと聞きなさいってば!!泣」
ご挨拶をしなさいとオドオドしながら言う担任の先生らしき女性の言葉を無視し4人に絡みに行く児童達。
オルカ「市立間瀬垣小学校の皆さんだ。先生、責任を持って児童をお預かりします」
担任「よろしくお願いします」
爆豪「死闘は!!」
ギャングオルカに怒鳴りつけた爆豪に1人の児童が泣きながら爆豪から離れていき、それを〇〇くんが泣かされた~とお決まりのセリフで爆豪をいじめっ子扱いする子供。
「泣かしてんじゃねぇ!爆弾!」
爆豪「泣いてんじゃねぇ!」
その地獄絵図ともいえる光景にマイクと莉紗がドン引きしている。
『これ、仮免補講...だよね?;』
マイク「多分...;」
『たーく、爆豪はブレないなー。子供に一々キレて大人気ないったらありゃしない』
子供にキレてる爆豪を見て呆れた顔で見ている莉紗。
「いるんですよねぇ。そうやって頭ごなしに怒鳴ってれば、思い通りになると思ってる大人。ま、響きませんよね」
気取った態度で壁に寄りかかり自分の心臓を指さした少年。
爆豪「『....怒』」
『爆豪ォ、あのガキさっさとぶっ飛ばせ...』
マイク「お前、さっき自分で言った事覚えてっかー?」
「なあ、これ何?!これ何?!ちんこ?!」
轟の腰にぶら下げていたアイテムを見て興奮気味に聞く児童。
轟「あぁ、これは..「ちんこだ、ちんこだ!」」
轟「これはちんこじゃねぇ。救護が間に合わねぇ時の応急処置だと「つまんね」
律儀に真面目に説明し始めた轟に子供達は痛烈な一言で一刀両断。
子供達はそれはそれは至極自由に轟達に向かって個性をぶっ放したり、暴力を振るったりしてくる。
ケミィ「つーか、なーんで私もまとめられてるワケ?」
オルカ「貴様は特例だ。本試験で見極められなかった。後、おそらくダメそうだ」
ケミィ「何それ、マジ憤怒。
まァ、いいや。あたし子供好きだし..いたっ」
そう言ってケミィが男の子を抱きしめ胸元に顔を埋めさせたがそのケミィの臀部に鈍い痛みが走った。
「ショウくん、たぶらかしてんじゃねーよ」
「無視しよ、無視無視無視よ」
ケミィ「わー...マジ年頃...」
担任「すみません×3.....うちのクラスちょっとした問題児だらけで。何をするにも反抗的で...皆さんに早速ご迷惑を...」
オルカ「先生、ご安心を。今日中に彼らがこのクラスを変えることでしょう。
貴様らには4人で協力し、このクラスの心を掌握してもらう。
さァ!他の者はいつも通り我が社員と演習の後、座学だ!位置につけ!!」
爆豪「保育士になれってか!!!」
一方、観客席で観覧している4人。
「「「『.......』」」」
マイク「『(何この雰囲気...)』」
謎な演習(という名の保育)が行われようとしていることと、オールマイトとエンデヴァーの間に流れる不穏な空気に息が詰まってきている2人。
マイク「MC魂が限界を迎えた!!」
『(うわ、逃げる気だ...)』
目良の元に行きマイクを奪うと勝手に実況を始めたマイク。
『もう私いるのバレちゃってるし、こんな機会ないからもうちょっと近くで見てきます』
そういってオールマイトとエンデヴァーから離れ一番の前の席で見学することにした莉紗。
オールマイト「2人共、気を遣ってくれたみたいだね」
エンデヴァー「フン」
オールマイト「話って?正直今の私に何が言えるか...」
エンデヴァー「知っているか、ここ一か月で犯罪発生率例年に比べ3%も増加してるそうだ。俺は...誰よりも多く事件を解決へ導いてきた。今も、今まで以上に...。
だが、聞こえてくる。貴様が築き上げてきた目には映らぬ何かが、崩れていく音が」
オールマイト「.........」
エンデヴァー「元No.1ヒーローよ。平和の象徴とは......何だ」
**
爆豪「返せぇ!!ガキのおもちゃじゃねぇんだよ!!」
爆豪のサポートアイテムである籠手を奪って遊び始めた子供たちを追いかける爆豪。
轟「そんな簡単に取られていいのか?それ」
爆豪「危ねぇから外して置いといたんだよ、クソが!!」
現見「っていうか心を掌握って課題がゆるふわで何をどうしたらおけおけか不明~」
客席から見ていてまるで地獄絵図のように映る目の前の仮免補講。
『爆豪の辞書に危ないって言葉あったんだなぁ...』
マイク「さあ!チームダボハゼ!どうしたらいいかわからないという面持ちだー!!
何をどうしたらいいのさ?センセー。何を所望よ?」
「ハイ..小学校低学年は人格形成において大切な時期です。個性の違いが大きく影響する為カウンセリングを行い健やかな精神を育めるようサポートしていくのですが、カウンセリングも万能ではありません。
このクラスの子たちは...私達に心を閉ざしてしまいました。
私の責任であることは承知しています。ですが、夢に向かって励んでらっしゃる皆さんと触れ合う事で真っすぐな気持ちを思い出させてあげられれば...」
4人は担任の話を聞き、気を引き締めた様子だった。
爆豪「...チッ」
轟「野暮な事は言いっこなしだな。人が困ってる」
夜嵐「つまり皆と仲良くなればいいんすよね?!よぉーし!!」
爆豪「子守りなんぞとっとと終わらせて向こうの講習に参加だ!!!」
マイク「あーっと早速野暮だ、爆豪!!」
主導権を持つべき教師が主導権を握れずに児童達に主導権を握られた結果、教師が舐められているこの空気を作ってるクラスのボスがいるはずだからそいつを見つけ出す、と持論を話した爆豪。
轟「それで?」
爆豪「そしてバキバキにへし折り、見せしめに吊るして全員に石を投げさせる!テメェがいかに矮小な存在か刷り込むのが一番効くのさ!!」
夜嵐「?? 仲良くなればいいんすよね?」
『ヴィランか!』
声を大にして言っていた爆豪の野蛮な声だけ聞こえ、思わず客席で1人ツッコんだ莉紗。
今度は夜嵐が持ち前の明るさで子供と触れ合い距離を詰めた。
夜嵐「皆の笑顔を守るのがヒーローっすよね?先生を困らせる子は立派なヒーローになれるかな?」
「なれない?」
夜嵐「ん!それなら「でも...じゃあさ。講習開いてもらって先生や公安の人達のお仕事増やしてるお兄ちゃんたちも、なれない?」
夜嵐「Σ!!
確かにー!!!」
『ククククッ......』←笑いをこらえている。
現見「この子ら、思ったよりひん曲がってなぁい?」
爆豪「だから言ったろ!!時に暴力も必要だってよ!!」
轟「爆豪、それは違う」
爆豪「あぁ?!うちはそうやって育てられてんだよ!!」
轟「もっと、やりようはあるはずだ」
爆豪「ほぉ?じゃあ見せてくれよ。テメェのやり方をよ!!」
轟「ああ」
マイク「さーて続いては!冷静と情熱の間!!轟焦凍!!」
エンデヴァー「焦凍ォぉォぉおおお!!!」
『ナレーション意味わかんないし、おじさまうるさいし』
子供たちの前に立ち何かを考え込んでいる轟を見て女の子たちの目がハートになっている。
現見「イケメンのイクメン見れるとかマジ感服~」
「!! いけない同じレベルになるわ、無視しよ無視」
現見「うわぁ....」
轟「(俺がどういう人間なのか、まずそれを知ってもらわなきゃ。何を言っても届きやしねぇ。過去から目を背けるな)」
『(あの天然が考える事だからなぁ....)』←既に期待していない
轟「俺はごチ〇コじゃねぇ。ヒーロー志望の雄英生徒、ショートだ。現No.1ヒーローのエンデヴァーを父に持つが、俺はずっと奴を憎み見返すためにヒーローを目指してきた。しかし「人物紹介ページみたいに入ったー!!」
ポカン..
「「「つまんね」」」
マイク「総スカン!!」
轟「...わりぃ」
どよんと肩を落として戻ってきた轟を励ます夜嵐。
『焦凍くんって頭良いのにアホなんだよなぁ...』
そのまま様子を見ていると、どうやら4人は作戦を練り始めたようで円になって何やら話し始めた。
莉紗が4人の様子を眺めているとあることに気づいた。
『(焦凍くん、何か笑ってる...)』
その時、子供たちの異様な空気を察したのか担任の先生が急に立ち上がり「ダメよ!危ない!」と叫んだ。
案の上子供たちは攻撃意欲に満ちた表情で爆豪たちをロックオンしている。
「見せてやろーぜ!」
「俺たちの方が出来るってことをさ!!」
そんな子供たちの攻撃を迎え撃つべく男子3人が個性を発動しようとそれぞれ構えた。
マイク「(小学生相手にどんだけ手間取ってんだ、こいつら)」
『(爆豪あたりケガさせなきゃいいけど)』
爆豪「へっ、来いよガキ共。相手してやんぜ!!」
子供たちの個性が爆豪たちにどんどんと仕掛けられていく。
マイク「やべぇ...最近の子やべぇ!おいおいどうなってんの!?俺らあんくらいの頃はこんな威力出せやしなかったぜぇ?!身体的にも法的にも、心理的にもよ!」
『(いやー、少なくとも焦凍くんが小学校入った頃はあれくらいだったけどなぁ。まだあんなギラギラはしてなかったけど)』
子供たちの個性を己の個性でいなす男子3人。
爆豪「他人様に躊躇なく攻撃するたぁ、大分キテんな!」
『(お前が言うか?)』
轟「ヒーロー志望相手になら何をしても構わねぇと思ってそうだ」
夜嵐「俺はもう...講習とか抜きに、この子らと仲良くなりたい...泣」
自分達の個性に全く応じずいとも簡単に防がれた事に動揺する子供たち。
しかし諦めずに更に自分達の個性を誇示しようとする子供たち。
「クイーンビーム!」
女の子が額からハートのビームを出し、現見に向かって放った。
轟「おいおい、君の可愛い顔が見てぇんだ。皺が寄ってちゃ台無しだぜ」
普段のキャラとは違い、超絶爽やかな笑顔でキラキラオーラを出して言う轟。
「はいっっっ!!/////」
しかしその轟は現見が作り出した幻だった。
現見「ごめぇん、マ・ボ・ロ・シ~」
「..........」←引きつってる
『か..かっ...////』←ときめいてる
※多分かっこいいって言おうとした。
現見「でも言われてみたいよねぇ。うちの学校、イマドキ異性交遊禁止だし。マジ渇望~」
爆豪「ブフフッ!!可愛い顔が見てぇんだ...」
爆笑している爆豪の横で顎に手を当てて考え込む轟。
轟「そんなにおもしれぇ事言ってたか?」
夜嵐「良いから!!さっき話してた事やるっすよ!!」
突如辺りに風が吹き荒れ子供たちが宙に浮かんだ。
夜嵐「君たちは確かにスゴイっす。でもね、ぶん回すだけじゃまだまだっす!!行くっすよー!!」
轟「ああ」
現見「館内ってちょっとないよねぇ、味気」
現見がマボロシで会場の中にオーロラと夜空を映し出した。
そして、轟が子供たちの個性を利用し氷結で滑り台を形成した。子供たちが滑り台に下ろされるとロングスライダーのように滑っていく。
そして滑り台の輪の代わりに備え付けられた子供の1人が出したフラフープに轟が火を投げ飛ばし火くぐりの輪に変身させた。
「すごーい!!!」
「すっげぇ!こんなことも出来んのかよ」
轟「複雑な形は形成出来ねぇから、お前達の出したもんを骨組に使わせてもらったよ。立派な個性で助かった」
自分が形成した滑り台を眺めながら言う轟の周りには気づけば子供たちが集まった。
「俺も!!」
「私も滑りたい!!」
轟「ああ、並べ」
子供たちが楽しそうに滑っているのを見て夜嵐と微笑みあった轟。
そして、寒かったのか轟が左手に灯した炎で暖をとってる子供たち。
そんな子供たちに優しく微笑みながら炎を出している轟を見て莉紗も心が穏やかになった。
『(あんな穏やかな顔して左を使ってるの初めて見たなぁ)』
オールマイト「何のために強くあるのか...エンデヴァー、答えはきっと。とてもシンプルだ」
エンデヴァー「...............」
オールマイトの言葉に黙り込んだエンデヴァー。
その視線は、斜め前方で穏やかな表情で轟を見る莉紗と穏やかな表情で自身から受け継いだ左の個性を使う息子 焦凍を映していた。
**
講習が終わり、皆で作った滑り台達を片付ける作業をしていた。
BooooM!!
爆豪「俺を後片付けに使うたァなァ...!!いいぜ..跡形もなくけしとばしてやる!!」
滑り台の片付けのため自身の個性の爆破を良いように使われてる事にキレながらなんだかんだちゃんと壊している爆豪。
轟「危ねェから離れてろ」←子供たちを誘導中
現見「なんだかんだやってくれるのヤバ。マジ謝意」
夜嵐「皆で遊んだら皆でお掃除ッス!」
「「「はぁぁい!!」」」
片付けの最中1人の男の子が轟に話しかけた。
「ゴチンコ、俺の個性なら氷の破片食べて消せちゃうんだぜ!」
轟「ゴチンコじゃねぇ、ショートだ。
そうか、お前の個性、都市災害レスキューで輝くんじゃねぇか?」
「輝くー?!輝くぞー!」
オルカ「協力して、子供らの心を掌握せよ!アバウトな課題に対しよく務めた」
「「「「『(アバウトな自覚あったんかい...)』」」」」
オルカ「他の者もよくついてきている。今日の講習を忘れる事なくついてきてくれ!君たちはとても可能性...あ。
このクソ共がー!!」
『(ギャングオルカのキャラが掴めん...)』
-莉紗side-
講習が終わり、私はエンデヴァー達の元に戻った。
オールマイト「風舞少女。気を遣わせてすまないね」
『あ、いえ』
エンデヴァー「行くぞ」
会場の外に出てプレゼントマイクが車を取りに行くと、オールマイトが見学に来ていた士傑高校の教師に話しかけられた。
私は少し離れた場所で会話を聞いていると、焦凍くん達が会場から出てきた。
オールマイト「分かりました、こちらでも検討してみます」
現見「えぇ?なに、せしくら~。オールマイトとだべるとかマジ象徴~。やばい、何の話?人生系?」
肉倉「貴様の話しだ!痴れ者が!!」
現見「マジ?やばっ」
「連合が今回、雄英以外の学校に手をかけたという事実。これまで士傑と雄英は特段深い交流はありませんでしたが、情報共有も含め今後は連携していこうという話です。現見くんが襲われた理由も動機も不明のままです。協力することで奴らをより可視化できないかと」
肉倉「今後、合同での演習も検討してくださるとのことだ」
爆豪「次はサシでぶちのめす」
肉倉「貴様はまだそんな粗暴な言動を!立場をわきまえろ!!」
爆豪「あんたに言われたかねぇんだよ...」
オールマイト「風舞少女、寮に戻るなら私らとバスで帰るかい?」
ぼんやりとみんなの会話を聞いているとオールマイトに話しかけられた。
『あ、えーっと...』
この後の予定がないか聞こうとエンデヴァーを見ると、神妙な面持ちで焦凍くんと向き合っていたから、私は2人の様子を見守ろうと話しかけるのをやめた。
エンデヴァー「焦凍、久しぶりだな。随分、変わったな」
轟「うるせぇよ」
そう言って焦凍くんの肩に手を置こうとしたおじさまだけど、焦凍くんがその手を振り払った。
エンデヴァー「焦凍...。お前は自慢の息子だ」
轟「......」
鋭い眼光でおじさまを見上げる焦凍くん。
エンデヴァー「ならば俺も、お前が胸を張れるヒーローになろう。父は、No.1ヒーロー。最も偉大な男であると」
轟「....勝手にしろよ」
『(焦凍くん...)』
2人のやり取りを聞いて、確実に昔とは違う事を実感した私。
夜嵐「エンデヴァー!!俺!応援してるっす!!」
エンデヴァー「ありがとう。血がすごい出てるぞ」
何故か鼻から血を吹き出しながらエンデヴァーを応援する夜嵐にそれに対して微笑みを見せて対応するエンデヴァー。
皆が以前とは違い、変わってるその様子に私は自然と笑っていたようだった。
現見「風舞莉紗ちゃ~ん?生やば、美少女の笑顔マジ眼福~」
『へ?』
現見「女子友ゼロのぉ、私の初友願ってマジ連絡先~」
『.....?』
何が言いたいのか分からず首を傾げていると夜嵐が近くに来た。
夜嵐「ケミィさんは風舞と友達になりたいから連絡先を交換してほしいそうだ!」
『あ、連絡先ね。はい、どうぞ』
スマホを取り出し自身のQRコードを見せるとそれを読み取って友達登録をし、私にスタンプを送ってきたケミィ先輩。私も友達に追加しスタンプで返した。
現見「初の女子友マジ恐悦~」
『いえ
(仲良くなったらまたあの焦凍くん見せてくれるかな...)』
そんな不純な事を考えてる私のそばをケミィ先輩が離れていき、少し思案した後夜嵐にも同じ画面を差し出した。
『...はい』
夜嵐「え?」
『さっさと読み取って』
夜嵐「いいん、すか?」
目を丸くして聞いてくる夜嵐。
『どうせ轟くんに聞き出そうとしてたんでしょ』
夜嵐「風舞....自分超嬉しいっす!!感無量っす!!!」
『分かったから早くして』
夜嵐「毎日送る『毎日送ってきたらブロックしてやるからな』
夜嵐に大事な事だからもう一度言ってやった。毎日送ってくんなよ、と。
夜嵐がトークに挨拶を送ってきたのをスルーして友達の追加だけ終わらせた私はスマホをカバンにしまいエンデヴァーの元に駆け寄った。
『エンデヴァー、この後何かありますか?』
エンデヴァー「いや。今日は付き合わせてすまなかった」
『いーえ』
轟「インターン活動でもねぇ事であんまこいつを連れ出すんじゃねぇよ」
噛みつくように言う焦凍くんにまぁまぁ..と制止をかけた。
エンデヴァー「ああ...すまなかった」
『まあ、でも楽しかったし。お誘いありがとうございました』
オールマイト「では、帰るとしよう」
皆が帰路につくべくそれぞれの方向に歩いた。前を歩く焦凍くんが後ろを振り返ったためその視線を追った先にはエンデヴァーの後ろ姿があった。ほんの数秒だったけどエンデヴァーの背中を見て再び前を向き歩き出した焦凍くんのその表情には柔らかい笑みが浮かんでいた。
『お疲れ様』
人1人分程の距離を開けて焦凍くんの隣に移動し労いの言葉をかけると焦凍くんが私の方を見て首に手を当てた。
轟「ああ、親父が悪かったな」
『気にしないで、気分転換になったし』
焦凍くんが気にしないように笑って見せた。
轟「そうか」
『それに良いもの見れたし』
轟「良いもの?」
『ん。あんな穏やかな顔して、左使ってるの..初めて見たよ』
轟「.......」
私の言葉に、無意識だったであろう指摘された自分の様子にハッとした表情を浮かべた焦凍くん。
『変わったね!焦凍くんも、おじさまも。もちろんいい意味で』
轟「...俺が変わったんだとしたら」
『ん?』
轟「いや、何でもねぇ。行くぞ」
『うん!』
そして、それから数日後寒暖差が激しくなったこの頃。
インターン組は相澤先生、オールマイト引率の元ナイトアイの葬式に参列した。
インターンは学校とヒーロー事務所との話し合いの末しばらく様子を見ることになった。
壊理ちゃんはようやく意識は戻ったけど精神的に不安定な為いつ個性が暴走するかもわからない為面会は出来ないそう。
でも、時間を巻き戻す個性を発動する額の角は、熱が下がると共に小さくなっていってるとのことだった。
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