再会
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そんなこんなで、車で1時間半の道のりも談笑してれば早いものであっという間に私の家に着いた。
車から私の家に荷物を運び入れ車も私の駐車スペースに置いてもらい、いい頃合に食事時となったので轟がネットで探したという芸能人やヒーロー御用達の高級寿司屋に来た。
この寿司屋は個室が5室あり、私たちが通されたのはカウンター形式の座席。隣同士に座る長椅子。
非注文時は客だけの空間になるようだけど、呼び鈴で寿司を注文するとネタの入った移動式のショーケースと一緒に板前が目の前に来て目の前で寿司を握ってくれるシステムらしい。
とりあえず2人ともビールを頼み、届いたビールとお通しにやってきたイカの塩辛で乾杯をした。
『次元違いのセレブ感...さすがはエンデヴァーのご子息の人気若手ヒーロー』
轟「...お前も一応ウィンドリアのご令嬢の人気若手ヒーローのはずなんだがな」
『そのどっかのお嬢様っぽい言い方やめて、柄じゃないから』
轟に手のひらを向けて制止をかけると轟はフッと小さく笑った。
板前のおじさんが注文を聞いてきたので、轟はマグロとイカを私は中トロとアジと玉子を頼んだ。
『轟って普段から運転するの?』
轟「まあ、出勤の時に使ったりするがプライベートではあまり乗らねぇ」
『ふーん、車でどこか行ったりしないの?』
轟「どこかって?」
『んー、旅行とか?』
轟「男の一人旅か?」
『あー、虚しいか!彼女とかいないの?』
轟「いねぇな」
『意外!轟高校ん時からめっちゃモテてたじゃん』
轟「そうだったか?」
『うん、彼女なんて取っかえ引っ変え出来るだろうに』
轟「いた事もあったがいつも続かねぇ」
『ほー?性格の不一致?』
轟「いや、いつも大体半ば押し切られて付き合ってただけだから」
『..上鳴、峰田あたりが聞いたら刺されるよ笑』
轟「お前、言うなよ」
『2人の秘密ね笑』
お互いビールのジョッキがなくなった為、メニューを開き轟に次何飲む?と轟の方に身体を寄せメニューを見せた。轟もメニューを見ようと覗き込むために私の方に身体を寄せたその時、肩が触れ合った。
『!! あ、ごめん...///』
轟「あ、いや..俺の方こそ悪い」
肩が触れた時、ふわっと香った轟の匂いに何故か全身が熱くなり胸が高鳴った。はやる心臓。轟にも聞こえてしまうんじゃないかって思うくらい心音がうるさく響く。
『わ、私日本酒飲もう〜』
轟「ああ、じゃあ..俺も」
轟の言葉を聞いて呼び鈴で板前さんを呼び、オススメの日本酒とあさりの酒蒸しと天ぷらの盛り合わせ、アワビとサーモンの握りとネギトロの細巻きを頼んだ。
何故だか、先程の事を意識してしまって会話をしようにも言葉が出てこない。轟に不審がられてないかな...。
待たせることもなく運ばれてきた日本酒を1口呑み、誤魔化すように寿司下駄に乗せられていたガリを食べた。
轟「お前もいないんだったか?」
『え?何が?』
轟「彼氏とか」
『あー...うん、今はいないよ?』
轟「そうか..」
『うん、忙しくてしばらくいたことない』
轟「高校の時付き合ってた奴はどうしたんだ?」
『あー、あの人ね。ヴィラン連合との戦争の後くらいから何か上手くいってなかったんだ』
轟「戦争の後?」
『うん、なんか中学の時から雄英目指してたから。それ狙いだったみたい』
轟「どういう意味だ?」
『国立の雄英に通ってる彼女ってブランド力、かな』
轟「お前の事が好きだったんじゃ...」
『違ったらしいね』
そう話す彼女はもうすっかり吹っ切れているのか悲しそうな顔を浮かべることもなかった。
『2年になってすぐ別れたよ』
轟「え...」
『ん?』
轟「いや、悪い」
『気にしないで?昔のことだし!むしろ早く気づいてよかったよ。今も気付かず付き合ってたらみんなのサインねだられたりしてたかも....』
轟「.......」
やっと会話が続いたと言うのにまた途切れてしまい沈黙が続く。
何を話そうか考えているとお寿司が寿司下駄に乗せられた。
『あ、アワビ美味しそう!轟も1つ食べていいよ!』
1巻箸でつまみ、寿司下駄を轟の方に寄せる。
轟は、「ああ、じゃあ..」と残った1巻のアワビを箸で掴み口の中に運んだ。それを見て私もアワビを口内に投入。
『コリコリ〜美味!』
轟「....フッ」
『? どうしたの?』
轟「あー、悪りぃ。お前、何でも美味そうに食うなと思ってな」
『え、そう?』
轟「ああ」
『まあ実際美味しいんだけどね』
轟「まあな」
それからもお酒は連日にも関わらず中々なハイペースで進んだ私達。寿司屋に来て2時間が経った頃..
『そういえば、轟。今日はどこのホテルにしたの?昨日のところ?』
轟「....あ」
『え?』
轟「そういや、ホテル探すの忘れてた。」
『ちょっと...マジですか苦笑』
轟「昨日泊まった所が今日空きがなくてな。別の所探そうと思ってお前ん家行く電車の中で探したが見つからなくて駅着いたから後でまた探すつもりだった」
『あー、週末だから埋まってるんだね』
轟「まあ少し離れた所で探せば見つかるだろ」
『んー...うち泊まる?』
轟「それは...色々大丈夫なのか?」
『...確かにバレたら面倒か』
轟「その前に女の一人暮らしの家に泊まるのは」
『でも昨日来ちゃったよね?』
轟「まあ...」
『あ、じゃあ私も一緒にホテル探すよ!』
轟「ああ..サンキュ」
結局見つかったのは3駅先のビジネスホテル。
結構年季が入ってるようだけど泊まるだけだから、とそこに決めた。
そして明日は轟の入居日。
9時にマンションで田淵さんと待ち合わせ。そのまま仕事に行くから荷物の移動は夜にして立ち会いが終わったらそのまま仕事に行く事にしたらしい。
そのため轟の仕事は午後からになり、私は時間通りに出勤して、真砂くんから進展状況を確認し今後の方針を話し合ってる事とした。
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