共同作業
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轟「他の3人は奴らとの接触はないのか?」
真砂「他の被疑者に関しては資料上では...ですがこんな疑いが出た以上は更に遠方まで洗い出す必要がありますね」
『そうだね...』
轟「真砂、そっちは頼む」
真砂「はい」
轟「ウィンディ、エンデヴァーとジーニストに報告して他のプロヒーローへの協力要請の許可をとりに行くぞ」
『分かった』
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エンデヴァー「元ヴィラン連合の関与...か」
エンデヴァーとジーニストに連絡を取りジーニアス事務所の会議室に集まった私達。
ジーニスト「なるほど。1%でも可能性があるのならスマートかつスピーディーに捜査を進める必要がある」
『奴らに勘づかれないようにしないと...』
ジーニスト「塚内くんには私から連絡を入れてタルタロスの警戒レベルを上げてもらおう」
エンデヴァー「協力要請はどうするつもりだ?」
『2人のバックアップの元、このまま私達がメインで進めるなら協力要請も私達の同期にスニーク活動に秀でたヒーローがいるのでそちらに協力をお願いしようと思ってます』
エンデヴァー「お前たちの同期?」
『リュウキュウ事務所のフロッピーと、ギャングオルカヒーロー事務所のイヤホン・ジャックです。イヤホン・ジャックの索敵個性と、擬態を得意とするフロッピーの保護色という技なら万が一潜入捜査が必要となっても十分成すことができるコンビです』
ジーニスト「なるほど。よし、君たちに任せる。私も、警察上層部と公安へ報告に行くとしよう」
『事務所を通して連絡した方がいいですか?』
ジーニスト「その方が話しが通しやすいだろうが、個人からの連絡でも構わない。もし、ギャングオルカやリュウキュウからの許可を請えない場合には私かエンデヴァーから掛け合おう」
『分かりました』
上司達の許可を得た私は警察への協力要請は上司と轟に任せ、私はすぐにイヤホン・ジャックこと耳郎響香に連絡を入れた。
耳郎[もしもし、莉紗久しぶりじゃん]
『久しぶり、元気?』
耳郎[元気だよ、どしたの?]
『ちょっと協力してほしいことがあって..』
耳郎[協力?]
私は響香に、事の事情を話した。
耳郎「元ヴィラン連合が絡んでるかもしれないって...もしそうならヤバいじゃん」
『そうなの。だから響香と梅雨ちゃんに協力を頼みたくって』
耳郎「所長に話してみる」
『お願いね』
梅雨ちゃんにも電話をかけ響香に話した内容を伝え、協力をお願いした。梅雨ちゃんからも響香と同じ返答が来て2人の返事待ちの状態になった。
轟「風舞、どうだ?」
『二人とも所長に確認してくれるって。今返事待ち』
轟「そうか、真砂も他の被疑者の洗い出しに少しばかり時間がかかるらしい。俺たちは今日はここまでだな」
『...だね。上がろっか』
3日後には背亀が娑婆に出る。焦る気持ちとは裏腹に今この時点で出来る事がなく小さくため息をついた。
轟「何か進展あれば連絡来るだろ」
『そうだね、轟の荷物整理しなきゃだし』
轟「また手伝ってくれんのか?」
『だって、服畳んでしまえなさそうだもん』
轟「信用ねぇな」
『信用していい?笑』
轟「いや、しなくていい」
別々のタクシーで自宅に帰り、私の部屋に置いてあった轟の荷物を運び入れ荷物整理を始めた。
『轟、これはどこに入れる?』
轟「ああ、テレビボードの中にでも入れといてくれ」
『りょうか~い』
元々荷物が少なかった為荷解きは1時間半くらいで終わった。
轟「風舞、色々ありがとな」
『どういたしまして、お隣さんだから仕事も持ち込んでやりやすいね』
轟「そうだな。それで、散々世話になっといて悪いが、風舞に頼みがあんだが...」
轟にしては珍しく歯切れの悪い口ぶりに何を言われるのか気になった...。
『なに?』
轟「お前の時間ある時とか、お前の飯作るついでで良いから...その、俺の飯も、作ってくれねぇか?」
ものすごく切実でものすごく素朴な頼み事だった。
『え?あー、うん。そのつもりだったよ?』
轟「え..」
『1人分も2人分もそんな変わらないし。それに私達当分他の仕事しないでこれメインになるでしょ?多分生活スタイルほぼ一緒の動きになるだろうし』
轟「そうだな、サンキュー。助かる」
『その代わり、轟はたまにお寿司奢ってねー?』
轟「おう、好きなだけ食わせてやる」
『じゃあ今日は何食べよ―かな?』
そして時計が目に入り気づけばもう夜の7時。
『あ、そして今日買い物行かなきゃいけなかったんだ』
轟「なら、今日は出前か外食だな」
『初日から..』
轟「明日期待しとく」
『食べたいもの考えといてね』
腕を組んで顎に手を添え数秒考える素振りをした轟が「あ..」と声を上げた。
轟「じゃあ牛丼」
『...牛丼?』
轟「食った事ねぇんだ」
その一言は私の人生で一番衝撃だったかもしれない。
20、数年生きてて牛丼食ったことがない?
『吉〇家は?松〇は?』
轟「ねぇな」
『すき屋は?なか卯は?』
轟「それもねぇな」
『普段外食ばっかってどこ行ってんの?』
轟「大体事務所の近くだな」
エンデヴァーヒーロー事務所の所在地を思い出してみた。
高級住宅街が近くにある一等地。
その為、近隣の飲食店は値の張る店ばかりでリーズナブルとか庶民という言葉が全く似つかわしくない土地だった。
『..轟、やっぱりエンデヴァーの息子のお坊ちゃんだわ』
轟「うるせぇって」
からかうように言うと轟もフッと笑って頭を小突いてきた。
昔はエンデヴァーの名前が出ただけで雰囲気がドス黒くなったり轟を纏う空気が凍り付いていた時期もあったのにホントに変わったなぁとしみじみ思う。
結局、マンションのすぐそばにあるラーメン屋に行った私達。
うちのマンションのすぐ近く、すなわちプロヒーローもよく来るためプライバシーにも気を遣ってくれる。
轟「お前ラーメンとか食うんだな」
ラーメン屋に着くと、轟は醤油ラーメンとチャーシュー丼、私は味噌ラーメンとチャーハンを頼んだ。
『私どんなイメージ?ってか、私的には轟こそラーメンのイメージないけどね』
轟「まあ、麺類はもっぱら蕎麦だな」
『麺類は、ってか食事は、の間違いでしょ?』
轟「まあ、そうとも言うな」
『エンデヴァー事務所の裏にある蕎麦屋って確か、ジャパニーズミュシュランに5ツ星で載ってたよね』
轟「そうなのか?」
『知らないのかい...かけそばにとんでもない値段がついてるなーって思って見てたよ』
轟「ああ、確かに相場より高いかもな」
ラーメンを食べた帰り道。
轟「今日も呑むか?」
『轟の引っ越し祝い?』
轟「引っ越しは祝わなくてもいいけど」
『いいよ、呑もっか!明日も仕事だから今日は深酒しないけど』
轟「じゃあ酒買ってシャワー浴びる」
『どっちで飲む―?』
轟「どっちでも」
『じゃあせっかく引っ越し初日だし轟ん家で飲もう!』
轟「おう。じゃあ俺車でスーパーまで買いに行ってくるからお前シャワー浴びてろ」
『いいの?ありがと』
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