共同作業
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翌日、真砂くんと捜査の進展状況を整理した。
真砂「この前話した背亀 鈍(セカメ ノロイ)が新ヴィラン連合のメンバーであるのはかなり濃厚になっています。
交友関係を洗っていた所、開放戦線の途中に元祖ヴィラン連合の死柄木弔に代わり先導者となった通り名スピナーこと伊口秀一。彼が、ホームレス時代の背亀の元に足げに通っていた事が分かりました。
伊口同様、ホームレス時代はヒーロー社会への不満を露呈していたこととヒーロー殺しステインの思想に賛同していた事も分かっています」
『んー、逆にむしろ何でその頃連合に加入しなかったんだろ...
ホームレスなら足もつきにくいし、個性も確か無力化だったよね?中々強力。
死柄木やオールフォーワンが欲しがりそうなもんだけど』
真砂「この前言った通り前歴(※)が前歴で。再犯を重ねるごとに手口が悪質になっていき、解放戦線の頃なんかはムショを出ては事件を起こしてその度に実刑判決。常にムショん中なんです」
※前歴...前科などの経歴
『加入の機会がなかったわけね』
真砂「ええ、何より新たなヴィラン連合結成が成されるこの時期。3日後にヤツの刑期が終わるんです」
『それはクサイね』
真砂「先導者はおそらく別の人間だとは思います。しかし、背亀が連合のメンバーである..あるいはこれからなる可能性はかなり高いと思います」
『出所後の動きを追うべきだね』
真砂「はい」
『こっちで索敵・スニーク活動に秀でたヒーローへの協力要請しておく』
真砂「はい。あの、ショートさんもうすぐ来ますよね?」
『そうだね、ショートが来たら動き方決めよっか!』
真砂「ですね。あの、ところでウィンディさん?」
『ん?』
真砂「今更なんですが、ショートさんは今日何で午後番になったんですか?」
『あー、今回の件でこの辺りに短期契約で引っ越すことになってね。今日部屋の受け渡しなの』
真砂「あ、そうなんですね。いつまでかかるか分からない案件ですし、ホテル住まいじゃお金かかりすぎますよね」
『ショートならさらっと出しそうなくらいもってそうだけどね』
真砂「確かに..ショートさん、下手なアイドルよりよっぽど人気ですもんね。エンデヴァー事務所もショートさんの売り出し方最近変えたのか雑誌とかCMにもガンガン出てるし、もうアイドルですよ。アイドル!」
『(多分ホークスに何か言われたんだろうなー...)』
真砂「ウィンディさんはエンデヴァーさんとお仕事したことは?」
『学生時代に1度インターンで行かせてもらったよ。後はプロになってから何度かチームアップで』
そう、1年の時に体育祭でベスト4に入った私。
体育祭後の職場体験では2292件の指名が来た。ありがたいことエンデヴァーやジーニスト、シンリンカムイ、ギャングオルカなどトップヒーローからも指名が来ていた私は、その中でジーニアス事務所を選んだ。
その後のインターンでもそのまま行けば、ジーニアスに行く事になっていたであろうが、ジーニストは神野事件でオールフォーワンと対峙し、意識不明となりその後、消息を絶ってしまった為インターン先をどうしようか考えて宙ぶらりんになっていた時...
クリスマスパーティーが終わり、片づけをしている轟が近づいて来て私を呼んだ。
『ん、なに?』
轟「お前、インターン先もう決まったのか?」
『んーん、まだ。ジーニストの復帰待ってたけど、仮に復帰してもすぐに学生の受け入れ難しいよなーって別の所探してたところだよ』
轟「親父がお前に興味を持ってる。もし、行先決まってねぇならお前も行くか?エンデヴァー事務所」
『え..エンデヴァーが、私に?』
轟「おう。指名も来てたんだろ?」
『あ、そういえば来てたかも...』
轟「親父が指名出すの珍しいみてぇだぞ」
『え、そうなの?』
轟「お前の母親とも何度もチームアップした事あるみてぇだ」
『そうなんだ、私は全然聞いた事なかったよ。NO.1のところなんて願ってもない話しだし、お願いしようかなー?』
轟「ああ、じゃあ伝えとく。けどお前」
『ん?』
轟「親の所には行かねぇのか?」
『何か身内の甘え出そうで』
轟「ストイックだな」
っていう経緯で、轟が頼んでインターンの受け入れをしてもらった緑谷・爆豪と一緒に私もお世話になることになった。
2年からはジーニストも復帰していたので、ジーニストの所にインターンに行った私。だけど、炎熱系の個性持ちが多いエンデヴァー事務所。そこに努めるヒーローたちは私の個性との相性が良くプロになって初期の頃に度々あったチームアップでもエンデヴァー事務所でのインターン経験が大いに役に立っている。
真砂「エンデヴァーさんってテレビのまんまなんですか?」
『んー、テレビで見るよりは親バカ入ってるかも...』
真砂「エンデヴァーが親バカ...オールマイト引退前のエンデヴァーからは想像もつかないです」
『ホント、そうだよね~』
真砂「ウィンディさんはショートさんと仲良いんですか?」
『いやー、プロになってすぐの頃はチームアップで何度か顔合わせてたけどここ数年は連絡すら取ってなかったよ?学生時代は同じトップヒーローを親に持つ者同士よく話してたし仲は良かったと思うけど』
真砂「ショートさんと付き合ったら大変ですね」
しみじみとそういう真砂くん。
ないけどね!あのレベルの男と付き合うとかファンからのやっかみが尋常じゃないことになりそうだ。
『いや、それはないよー。私はともかくショートだよ?そういうの疎そうだし興味なさそう』
真砂「確かに..あんなに色んな人と噂立てられてるのに本人飄々としてますもんね」
『むしろよくあんなに噂立てられるよね』
呆れたらいいのか感心したらいいのかわからない程、とっかえひっかえ引っ切り無しに女優やらアイドルやらアスリートやら弁護士やら色んな女性との交際ネタが浮上してくるショート。
真砂「あれ、ほとんど相手女性の売名目的らしいですよ」
『そうなの?』
真砂「俺は一課なんで直接知ってるわけじゃないんですけど。
記者の中には、女性側に売名目的で話題性や人気の高い著名人との熱愛スクープを売り出して自身の知名度を上げませんか?ってお金をとって捏造記事を書いてる輩がいるみたいですね」
『あー...ショートはまんまとその餌にされたのね』
真砂「あの容姿とあの強さじゃ仕方ないです」
2人してターゲットにされた可哀そうなヒーローショートを憐れみ、苦笑いした。
『まあねぇ。天から与えられたものが二物どころじゃないよね』
真砂「男から見てもショートさんカッコいいですもん」
『そうだよね、それに学生時代からすごい良い奴だったから』
真砂「もう欠点ないじゃないですか」
『んー、確かに』
2人がショートのネタで雑談をしていると..
轟「悪りぃ、遅くなった」
真砂「ショートさん、おはようございます」
『おはよー、無事入居完了?』
轟「ああ、おはよう。後は荷物整理だけだ」
真砂「おつかれさまです」
『さ、ショートも来たことだし今後の動き方決めよっか』
真砂は莉紗に話した内容をショートにも説明した。
真砂「それで、背亀の尾行開始するべくウィンディさんが索敵・スニーク活動に秀でたプロヒーローに協力要請するって所まで話しが進みました」
轟「なるほどな。それで誰に要請するつもりだ?」
『イヤホン・ジャックとフロッピー』
轟「ああ、なるほどな」
真砂「イヤホン・ジャックとフロッピー....確かお二人と同じ雄英出身ですよね?」
轟「ああ、同級生だ」
『イヤホン・ジャックの索敵とフロッピーの保護色なら万が一潜入が必要になっても対応できるし何よりその状況に強い』
轟「じゃあ連絡頼む」
『うん、真砂くん。他の3人については?』
私が真砂くんに問いかけると思いついたようにあ、と声を上げた轟が話し出した。
轟「元のヴィラン連合の奴らは、絡んでる可能性ねぇのか?」
『え...』
真砂「旧ヴィラン連合の幹部に関しては、死柄木弔はオールフォーワンに肉体ごと吸収され消滅。ドクターは死柄木弔に消され死亡。
そして死柄木を吸収したオールフォーワンは、ヒーローチームが激闘の末倒し、現在警備システムの見直し・強化を図ったうえで厳重警戒のもとタルタロスの地下深くに収容。他の連合メンバーもギガントマキア、Mrコンプレス、スピナー、荼毘もタルタロスに収容、トガヒミコは自害、トゥワイスは先の戦線で死亡」
真砂くんが旧ヴィラン連合のメンバーについての前歴が載った資料を手にし説明をしてくれた。
『まあ、生存メンバーは多くいるし可能性がないとは限らないけど...』
真砂「タルタロスは一度オールフォーワンに破られました。そんな中連合を収容する為にシステムは大幅に見直され世界中の最先端技術を駆使し、その建築方法・管理体制・警備システムなどすべてにおいて現代でこれ以上ないほどまでに強化されています」
『果たしてそれを掻い潜って外との接触を図れるのか...』
轟「今はな」
『え?』
轟「オールフォーワンは、ヴィラン連合の勝利パターンだけを想定して動いていたのか...」
『ヒーローに負けた時を想定して、第2世代ヴィラン連合をずっと前から作ってたってこと?』
轟「実際、この背亀も収容されていたからメンバー入りしてなかっただけで接触はあったわけだろ?」
真砂「確かに...」
『待って。もし本当に旧ヴィラン連合の人間が絡んでるなら...これ私達だけでどうにか出来る案件じゃないよ...』
超常解放戦線...今でも鮮明に覚えている戦い。
多くの人が傷つき、多くの人が亡くなった。ヒーローも、一般人も、解放軍も....
もし、奴らがまた絡んでるならまたあんな事が起こるの..?
なるべく冷静な自分を保ちつつも、身体から血の気が引いていく感覚がする。
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