再会
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タクシーに乗って風舞が契約した管理会社にやってきた。
田渕「ああ、風舞さん。いつもヒーロー活動お疲れ様です」
風舞の担当だって言う、田淵さんが頭を下げて目の前に着席した。
『ありがとうございます』
田渕「本日はどのようなご用件で?」
『うちのマンションって、ヒーローの短期契約してましたよね?』
田渕「はい、承っております」
『実はこの人エンデヴァー事務所所属のプロヒーロー、ショートがこの度私とのチームアップの案件でこの街に少々長くなりそうな短期派遣で来る事になったんです。それでその間の居住地を探してて』
風舞に紹介され、俺は変装用につけてたサングラスを外して軽く会釈をした。
田渕「え、ショートさん?これはこれは!うちの娘がファンなんです。サインとか...頂けないです、よね?」
轟「別に大丈夫ですよ」
田渕「ホントですか?!ありがとうございます!」
興奮したようにも控えめに言った担当者に了承の返事をするとスゲェ喜ばれた。
田渕「うちの妻はウィンディさんのファンで、風舞さんが契約した時に同じようにサインを書いてもらったのに今度はショートさん...図々しいですね」
申し訳なさそうに言ってくる田淵さんにそれほどにミーハーな感じはしなかった。
『それで、うちのマンションで今短期契約は可能ですか?』
田渕「あ、はい。秋の引越しシーズンで大分退去されましたからね。空きは十分にありますよ。
風舞さんと同じ階にも空きがありますが、同じ階の方がよろしいですか?」
『どう?』
轟「ああ、何かあった時はその方が良いかもな」
『じゃあ同じ階でお願いします』
田渕「かしこまりました。角部屋の方がちょうど空きが出ましたのでこちらはいかがでしょうか?間取りは2LDKでエアコンや家具、テレビ、食器などは全て完備しております」
まさに至れり尽せりってやつだな。
轟「すげーな」
田渕「前の契約者の方が使用したあとですが、洗浄、消毒、滅菌まで行っておりますので衛生面においてはご心配いりません。また、こちらのマンションはオール電化となっておりますがマンションの屋上にソーラーパネルを完備しており、また自社の通電網で、本社に設置しておりますソーラーパネルからも電気を引いておりますので電気代はほとんどかからないうえ、停電時などは自家発電で対応しますのでオール電化ならではのご心配はいりません」
轟「なるほど」
『ホントに電気代ほぼかからないよ』
まあ特に金の心配はしてねぇけど。
こういうところは風舞も女だなとしみじみ思った。
轟「そうか、お願いします」
田渕「かしこまりました。連帯保証人はどうされますか?」
轟「保証会社は?」
田渕「はい、御座います。では、保証会社の契約も手続きさせて頂きます」
それから1時間半程かけて轟の短期契約は無事に終了した。
田渕「以上で契約手続きは全て終了となります。なにかご不明な点は御座いませんか?」
轟「いえ、大丈夫です」
田渕「それでは、今後は風舞さんと同様に轟さんの担当も努めさせて頂きますので何か不明な点やお困り事等御座いましたら私にご連絡ください」
轟「はい」
田渕「それから、万が一身バレしてしまいメディアやファンの方がマンションまで押しかけて来てしまった場合、マンションの各フロアに設置しております警備ボタンを押して頂ければ当社と連携しております、ヒーロー公安委員会認定の警備会社が対応にかけつけますのでそちらもご周知ください」
轟「それはありがたいな」
『うん、裁判沙汰まで発展しそうになっても全部代理で手続き勧めてくれるんだ』
田渕「はい、弁護士も在籍しており万が一のトラブル時には弁護士が駆けつけ法的措置を取ることも出来ます」
轟「まさにヒーローのためのマンションだな」
田渕「プロヒーローの皆さんに安心して生活していただけるため試行錯誤した結果現在の形となりました」
こうして、契約作業は終わりサインは明後日の入居の立ち会いの際に色紙で渡すことを約束して不動産を後にした俺たち。
轟「風舞、悪いな付き合わせて」
『ううん、どうせ暇だったし大丈夫だよ』
轟「さっさと帰って荷物まとめねぇと」
『明日は仕事だし今日中に終わらせたいよね。轟が良かったら手伝うよ?』
轟「いいのか?」
『当分一緒に仕事するんだし、恩は売っとかないとね笑』
ニヤリと冗談っぽく言いながら笑う風舞に俺も小さく笑い返した。
轟「飯くらいは奢る」
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