再会
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『どうぞ!』
轟「お邪魔します」
通された風舞の部屋は、シンプルだが女らしさがある整理された部屋だった。
落ち着いた風舞の性格と同じように小物やインテリアでごちゃごちゃした感じがないスッキリとした印象。
バタバタとキッチンに移動すると何を飲むか聞いてきた為、逆に聞き返してやると梅酒飲んでから日本酒..と中々のちゃんぽんをしようとしてる。
轟「お前結構混ぜるな」
『そう?』
轟「さっきもハイボールの後にワイン混ぜてたろ。そんな混ぜて二日酔いにならねぇのか?」
『私二日酔いになったことないんだよねぇ』
イメージだけなら、弱そうだったんだがな。
轟「酒弱そうなイメージだったけど、相当強いよな」
『そうかなー?あ、何かおつまみいる?』
轟「何かあんのか?」
『んー、すぐ作れるのは玉子焼きとか塩キャベツとかもやしキムチとかかな』
轟「結構作れんな」
『ふふ、何かいる?』
轟「玉子焼きともやしキムチ気になる」
『了解!』
そう答えた風舞はそそくさと冷蔵庫を開けて材料を出していた。
割った卵に入れたお茶ポットの中身が気になり尋ねると、時間がある時に出しておいた、だし汁らしい。さすがだな。テーブル並べられた玉子焼きももやしキムチも美味かった。
高校の時ぶりに食べた風舞の料理。そういや高校の時にもこいつが作った卵焼き食べたことあったな。
変わらないその優しい味に心が落ち着いていく。
色々な話をしながら酒と箸を進める。会話の話題は手料理の話から俺が実家に帰ってないのか、という話題になり実家に帰っても忙しかったり出動要請入ったりで飯は食わないで食べる事が多いことを話すと「人気ヒーローは大変だねぇ」と、他人事のように風舞は言った。
轟「お前も結構忙しいんじゃねぇのか?」
『?』
轟「ビルボチャート8位だったろ?」
『意外!轟絶対そういうの見てないと思ってたのに』
轟「あー、自発的には見てなかったが後輩が騒いでてランキング結果載った雑誌見せられた」
後輩がうるさい声で近づいてきて無理やり見せてきたその雑誌。
爆豪や俺と違い、緑谷と同様に好感度も人気も獲得し様々なランキングに名を馳せたている彼女にさすがだな、と思ったのは記憶に新しい。
『轟はもうトップヒーローの仲間入りだもんね、そりゃ騒がれるよ』
轟「言っとくがお前もランクインしたんだからトップヒーローだからな」
『いやいや、私轟ほど騒がれてないよ』
轟「親の名前もありきだろ」
『えー、それでランクインできるほど甘いランキングじゃないの知ってるでしょ?轟の努力の結果だって!さすがは1Aの3強だね』
3強?クラスの奴らが確かに緑谷や俺や爆豪のことを言ってたが俺の記憶と違うな...
轟「俺の記憶だとお前も入れて四天王って言われた記憶がある」
『....何で覚えてるの』
轟「わざとかよ」
確かこいつ、注目されるのあまり得意じゃないって言ってたか...
『私入れなくていいよ、3人と比べたら雲泥の差だもん』
轟「そんなことねぇだろ。お前わりと周りよく見てサポートに回る事多いから動きに派手さがないだけで」
こいつはさりげなくサポートに回るタイプだから、その行動自体認識されてないことも多い。
『なんか...轟ってさ。意外と周りの事見てたんだね?』
轟「? クラスメイトだからそりゃ見てるだろ」
『いやー、何か当時は周りの変化に鈍かったからあんま見てないのかと思った』
轟「そうだったか?」
『うん』
轟「あまりそういうの気にしたことねぇけど」
確かに、他の奴の事はあまり気にしてなかったが....
その後も今の話や昔の話に思いのほか集中し、気づけば日付が変わっていた。
轟「もうこんな時間か..悪りぃ、こんな時間まで」
『あ、ううん。私は全然大丈夫、明日休みだし。でも1駅とは言え終電無くなっちゃったね』
轟「タクシーで戻るから大丈夫だ」
『1泊で取ってるの?』
轟「ああ、しばらくこっちに張り付きになるって言われたの今日だからな」
『それじゃあ明日ここの管理会社行く?この前の引越しシーズンで結構引っ越してった人いるから空き部屋あると思うし』
轟「良いのか?」
『うん、どうせ暇だしね』
明日も風舞に会えるのか。
そんな事を考えながら乗り込んだタクシー。その後の記憶はほとんどなく気づくとホテルのベッドの上で朝になっていた。
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