Form of love
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夕食を終え時刻は6時半…
(そろそろ生徒会室に行かないと…)
歯を磨き、身だしなみを整え部屋を出る。
少し急ぎたいので生徒会用のエレベーターで降りる。
ここまで普通に過ごしてきたが、いざアスランに会うと思うと緊張する…
(昨日のことはなるべく思い出さないようにしないと…)
寮を出ると辺りは静かで聞こえるのは風の音だけだった。
学園の規則として部活等の活動は6時まで、7時には寮に帰るようにしなくてはならない。
だが、生徒会はその仕事の多さから特に門限はない。
そして会長のみ、生徒会以外の生徒を呼び出すことができるのだ。
…つまり、昨日カガリがいたのはアスランが呼び出したから。
まさに会長様様である。
今まではそんな彼に嫌な思いはしてこなかったが…昨日の出来事はやはり納得はできない。
追求するつもりはないが…
エレベーターにのり最上階ボタンを押す。
(今朝はうまく誤魔化せたし…問題ないよね?)
最上階に近づくにつれ、心臓はバクバクだったが
今朝に比べたらまだ落ち着いていた。
ゆっくり息を吸って吐いてを繰り返す。
とにかく冷静に、これを心がける。
アスランは賢い。
カガリの前で赤面していたときと同じことをしたら勘付かれる。
それだけは避けなくては…
そんなことを考えているとエレベーターは最上階にたどり着いていた。
開くドア、そして見える扉。
生徒会室…
今朝同様中の音を確認し、ドアを開ける。
ところが…
「…アスランさん?」
部屋が真っ暗でよく見えない。
見えるのは生徒会長用の机にぼうっと映る白い光のみ。
「ミナか…早かったな」
「アスランさん…どうしたんですか?お部屋真っ暗にして…」
「あぁ…少しミナに確認したいことがあるんだ。こっちに来てくれるか?」
「私に…?」
少し警戒しながらもゆっくりアスランのもとに向かう。
隣に着くと白い光がパソコンの画面であることが分かった。
「あの…これは?」
パソコンに映るのは廊下。
先ほど通って来たエレベーターから生徒会室前までの廊下が全て見える。
それ以外何も映ってないようだったが次の瞬間絶句する。
「…!!?」
映って来たのは…紛れもなく自分…
自分は静かにそのドアをのぞいていた。
そう…これは昨日の映像だった…
よくみたら右下に日時が出ており、昨日の日付で時間は7時。
「これはどういうことだ…?ミナは体調が悪くここには来れなかったと言っていたが…」
「あ…それは…その…」
言葉が出ない…
心なしかアスランの声も少しトーンが低い気がする。
(怖い…)
先程までの甘い考えはすぐ捨てるべきだった…
「ご、ごめんなさい!!」
とにかく頭を下げた。
深く、深く…
「別に謝って欲しいわけじゃないさ、ここまで来たら入ってくればよかったじゃないか?」
「だ…だって…」
アスランは隣にいるミナの肩を優しく抱く。
「ん?」
「お邪魔…するわけにはいかないと思ったので…」
「そんなこと気にしていたのか?俺とカガリは形式上婚約者だが、お互いを思っていないのは伝えただろう?」
確かに聞いていた…
親が勝手に決めたことでお互いを好いているわけではないと。
でも…だったら…
「だったら、なんで…あんなことしたんですか?」
「気になるのか?」
「きゃ…!」
急に体が浮き、抱きかかえられたと気づく。
と思うとテーブルの上に寝かせられる。
「教えてあげるよ…」
その瞬間アスランの口角が妖しく上がるのが見えた。
それをみたミナはゾクッと震えた。
「あ、アスランさん…?」
状況が掴めない。
が、身の危険は感じている。
だが蛇に睨まれた蛙のごとく体が硬直して動かない。
「カガリは…暇つぶしだ…」
「…え?」
「俺には欲しいものがある…それまでのただの暇つぶし」
理解ができない。
アスランは何を言っているのか…
「欲しいもの、それはお前だよ…ミナ」
「?!」
そういうと着用していたベルトを緩めミナの腕に巻きつける。
「アスランさん、やめてください!!」
「動くな」
「…!!」
生徒会の…生徒会長の命令は絶対…
従わらなければならない。
「いい子だ。
ミナ、お前は本当に可愛いな」
そういうと頭をそっと撫でてきた。
そしてその手は頬に、首筋に降りてくる。
ミナは思わず身をよじる。
そんなミナをみてアスランは微笑み軽く口づけをする。
ミナはもちろん…動かない。
いや…動けない。
「君に会うまでは俺はカガリと一生添い遂げると思っていた。
お互い興味はなくても親の言ったことだしそれが当たり前だと…」
語りながらもミナのブラウスのボタンを1つずつ外していく。
「だが君に会った。
初めて君を見たとき雷に打たれたような気持ちになったよ…」
ブラウスのボタンは外し終え、左右に広げる。
「ぃや…」
我慢できずに小さく声を上げる…
「君は両親を亡くし…まるで抜け殻のようだった…
そんな今にも壊れそうな君を見て…
さらに壊したくなった」
「…?!!」
全身から鳥肌が立つのを感じた。
それは恐怖からくるものだった。
アスランの目はギラついていた。
このままでは本当に…
コワサレルカモシレナイ。