イザークくんと婚約しました。
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私はこんなところにいていいのでしょうか…?
ミナの目の前にはかつてのアカデミートップ5の面々……
絶賛萎縮中です……!!
ーーーーー時を遡って、1週間前。
イザークとカフェでデートをしていた時であった。
「同窓会?」
「あぁ、ニコルが考えたらしい。全く……俺たちは軍人だぞ?浮かれている暇などないと言うのに……」
「じゃあイザークくん今は浮かれてない?」
「……っ……それを言うなっ!お前は俺が会いに来なくていいのか!?」
「ははっ!ごめん、少し意地悪だったね。……でもみんな忙しいだろうによく揃えたね?」
「……まぁ、あいつの言うことには逆らえないだろう…」
「ニコルくん?ニコルくんってそんな押しの強いタイプなの?なんかおっとりしてて優しいイメージだけど……」
「……みんなあいつの黒さを知らないだけだ。」
イザークがそこまでいうのだからそうなのだろうが……ニコルが黒いとは想像がつかない。
ミナは紅茶を飲みながらニコルのアカデミー時代はどうだったか思い出していると、イザークからまさかの提案をされた。
「お前も来ないか?」
「……へ!?」
まさかのお誘いである。
トップ5のメンバーとは接点はほとんどなかったのだから……
「私のことみんな覚えてないと思うよ?話もしたことないし……きっと盛り下がるんじゃ……」
「いいから、お前も来い!!来るんだったらここの紅茶ケーキをホールで買ってやる。」
「え!?紅茶ケーキ!!?ホール!!?行く、行きます!!!」
まんまとケーキにつられたわけだ……
仕方ない。
あのカフェの紅茶ケーキは絶品で、予約しないと手に入らない代物だ。
しかしイザークはきっちり予約して前もってお金も払ってたらしいので、ミナが共に同窓会に行くことはイザークの中では決定事項だったのだろう……
(なんて用意周到なの……しかも私がそれにつられるのも読んでる……そしてなんでつられた私!!)
そして1週間なんてあっという間に過ぎてしまい、とうとう当日。
「イザークくん……やっぱり私ここで……」
「会場は上か。行くぞ!」
ミナの言葉はスルーされ、イザークはミナの手を引き会場であるレストランに向かう。
ミナはひたすらケーキにつられた自分を恨んだ。
エレベーターの途中、ミナは気になっていることを聞いた。
「ねぇ?私が来ることってみんな知ってるの?」
「ニコルには1人増えることは伝えているが、お前だとは言っていない。」
「えぇ!?みんな困っちゃうよ!!やっぱり帰……」
「ケーキ……美味かったか?」
「え……あ……はい、美味しゅうございました……」
ミナはこの時、黒いのはニコルじゃなくイザークではないのかと思わずにはいられなかった。
「せめてニコルくんだけでも伝えても……」
「おい。」
「ん?」
「その呼び方はやめろ。」
「え?ニコルくん?」
「……」
「あ……に、ニコルさん?」
「……"くん"以外なら何でもいい。他の奴らもだ!いいな!?」
「わかった!だから落ち着いてイザークくんっ!!」
目的のレストランまで到着し、中に入ろうとするイザークをミナが止めた。
「なんだ?ここまで来てまた帰るとか……」
「い、言わない言わない!……お化粧直しに行きたいだけ!」
「そうか、なら前まで……」
「1人で行けるから大丈夫!!」
そう言うとミナは、化粧室までダッシュした。
有名人であるイザークを化粧室の前で待たせるのは申し訳なかったし、本当は心の準備をしたかったのだ。
無事たどり着いたミナは鏡の前で深呼吸する。
「大丈夫よミナ……イザークくんとだって初対面で話せたんだから……」
本当はそれだけじゃない。
イザークは自分を婚約者だと紹介するつもりなのだ。
なぜそこまで拘ったのか、理由もちゃんと聞いている。
しかしイザークは自分がいいと言ってくれたのに対して、その仲間たちがどう思うのかミナは心配していたのだ。
もしかしたら反対されるかもしれない、と。
それほどにミナは自分に自信がなかった。
「考えてても仕方ないよね……待たせたらそれこそ迷惑がかかっちゃうし、もう行かないと……」
軽くメイクを直し化粧室を出る。
時間もギリギリだった為小走りで廊下を進むと、角を曲がった所で人にぶつかってしまった。
「わっ!」
「あ、すみません……お怪我はありませんか?」
そう言って手を差し伸べて来た相手には見覚えがあった。
青い髪と翠の瞳を持つ彼は……イザーク以上に有名で……
(あ……アスラン…さんだ……)
アスラン・ザラ。
彼も今回の同窓会に招待されている。
いて当然だがまさかの出会いにミナは混乱していた。
が、イザークを待たせている。
とりあえず戻るのが先決だろう。
「大丈夫です!!……こちらこそすみませんでした!!」
アスランの反応を見ることなくイザークの元へ向かう……が、ここでまた邪魔が入ってしまう。
「お、ミナ嬢!どうしてここに!?」
「え!?」
急に声をかけて来たと思ったら、そこにはディアッカ・エルスマンとラスティ・マッケンジーがいた。
「まさかこんな所で会うなんて思わなかったな!」
「誰かと一緒?1人だったら俺たちとこない?今から同窓会でさ……」
「その必要はない!!」
「イザークくん!!」
「「……イザークくん?」」
なかなか来ないミナを迎えにいこうとしたイザークがちょうどやって来てくれたおかげで、なんとか気まずい状況は抜けられた。
「ごめん……遅くなっちゃって……」
「かまわん。」
「あれ?イザークが俺たちより遅く来るなんて初めてじゃねぇか?」
「確かに!予報外の雨が降りそうだな!」
「別に遅れていないわ!!貴様らより早く来ているっ!!」
「というか、なんでミナ嬢がイザークと?」
「それは……俺の婚約者だからだ。」
「「「なんだって!!?」」」
なんだか声が多いなぁ、と思ったら先ほどぶつかったアスランも聞いていたらしい……
そんなこんなで冒頭に戻るわけだが……
ちなみにニコルには、ミナが化粧室に行っている間にイザークが中に入り話していたのだ。
今回企画したのはニコルの為、誰よりも早く来ていたのだと言う。
「「「「「「…………」」」」」」
久しぶりにあったのだと言うのに誰も話さない。
明らかに婚約発表のせいだった。
お酒でも入っていればまた雰囲気も違ったんだろうが……
やっとの事で口を開いたのはニコルだった。
「まぁ、驚きましたけど……久しぶりなんですから盛り上がりましょうよ!イザークとミナ嬢のお祝いも兼ねて……お酒でも頼みますか!」
「おう、そうだな!!」
お酒が進めばさっきの気まずさはどこへやら……
皆それぞれに会話を楽しんでいた。
ミナはやはり接点のなかった皆と話すのは気が引けて、イザークと話したり人間観察をしていた。
ディアッカとラスティは見た感じの明るい性格の持ち主のようだ。
彼らが場を盛り上げている。
ニコルは気配りがうまい。
周りをよく見て追加のお酒やら料理やらを注文したり、ミナの様子も気にかけてくれるのもわかる。
アスランは聞き手に回っている感じだけど、イザークが何かにつけて張り合ってくるとムッとした表情をしている……どうやら負けず嫌いらしい。
失礼にならない程度に観察しているが、彼らは成績優秀でも上流階級の生まれでも、それ以前に普通の人間なんだと思うとなんだか安心した。
「それにしても、イザークがミナ嬢となんてなー!」
「ほんとだぜ!あぁ、俺たちの青春……」
酔っているのだろうか……
ディアッカとラスティは肩を組んで泣き真似をしていた。
それにしても……
「……青春?」
「あれ?イザークから聞いてなかった?ミナ嬢といえば俺たちの世代のアカデミーのマドンナって有名だったんだぜ?」
「……マドンナ?え、なにそれ!?どう言うことイザークくん!!聞いてないよ!!」
「言う必要ないだろう。」
「そ、そうだけど……」
顔が熱のあるみたいに暑かった。
確かに言う必要のないことだがこんな風に知るなら最初から知っておきたかったかもしれない。
なにより恥ずかしい……
「ミナ嬢は僕たちの憧れですよ!こんなに可憐なのに、訓練になると舞うように美しく……だからといって近寄りがたい雰囲気もなく誰に対しても気さくで……男子なら誰だって惚れます!!」
「ニコル、お前もファンだな?話しが合うじゃねぇか!1杯飲めよ!あとな、ミナ嬢の良いところといえば……」
「あの!!もういいです!!もうやめてくださいっ…!!」
止めないと延々と続けられそうだったので急いで止める。
もう皆酔っているみたいでいっていることが冗談だか本気なんだがわからない。
ミナはまだ緊張が解けずなかなか酔えずにいた。
頼みのイザークもディアッカやラスティ達にからかわれているみたいで常に怒鳴り散らしていた。
でもとても生き生きしていて……
そんなイザークはあまり見たことがなかった為、新鮮で見入ってしまう。
こんなに素が出せるのは彼らの性格が良いことと、これまで沢山の試練を乗り越えてきたからなのだろう。
(いいお友達だね、イザークくん。)
そんな気持ちでイザークを見つめ笑いかけると、ちょうどイザークと目が合い照れ臭そうに目を逸らしていた。
to be continued