Form of love
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翌日。
ミナは学校に体調不良と嘘をつき休み、抜け殻のように床に座り込んでいた。
涙を流しすぎて顔はぐちゃぐちゃで、それでも涙は止まらなくて…
ようやく止まったのは夕方ごろだった。
飲まず食わずでいたが精神的にも参っていて、なにも手につかない。
とにかくぼーっと窓の外を眺めていた。
そんな時…
「よっ」
ぽんっ
頭の上に手が乗る。
隣にいたのはディアッカだった。
「…鍵閉まってましたよね?」
「合鍵。この間こっそりな」
「…犯罪ですよ」
「ま、いいからいいから。ほら飲めよ」
そう言って缶のジュースを差し出すディアッカ。
飲む気にはならなかったがとりあえず受け取る。
「ありがとうございます…」
「体調悪いって聞いたけど…どうした?」
「……」
「イザークとアスランに何かされたか?」
「…!?」
なぜ知っているのか?
聞きたかったが昨日のイザークの件もあり、あえてなにも話さない。
「いやぁ、あの2人わかりやすいからな…とうとう手出したかって感じだよ」
「……」
ディアッカの言葉で再び涙を流すミナ。
肯定はせず、疑問だけぶつける。
「私って…なんなんですかね?……なんでこんなことになるんだろう…」
「んーよく分からねぇけどさ…」
ディアッカは頭を掻きながら答える。
「お前はさ、男心をくすぐるっていうか…まぁそんな不思議ななんかがあるんだわ。現に俺だってお前を壊したいって思ってるし」
「…!!」
ふと思い出す。
『さらに壊したくなった』
『花を折りたくなった』
アスランとイザークにも言われた。
ミナはディアッカを警戒する。
「いや、俺はしねぇよ!お前ほんとに壊れそうだし…手出したら俺殺されるぜ?」
「……」
その一言で少し安心する。
「まぁ、あいつらもそれくらいお前のこと好きなんだろ?」
「…好き?」
「え…気づいてなかったのかよ!!」
「だって…あんなことされたら…」
「あいつらだって好きでもないやつにそんなことしないだろ?」
(好き……?そういえば2人に愛してると言われた気がする…)
行為の時は悲しみが勝ってあまり意識していなかったが、そういうことなのだろうか?
「まぁ、醜いけど。それも愛の形なんじゃね?」
「そういうものですか…?」
好きならば…愛していればなんでもしていいわけではない。
ただこれも愛の形…
ミナは自分のことしか考えていなかったことに気づく。
やり方には問題はあるが、ほんの少しだけ前向きに見れるような気がした。
「じゃあ俺はいくわ、それ飲めよ」
「あ、ディアッカ先輩!」
立ち上がるディアッカを引き止める。
「あの…この事は…」
「心配しなくても2人には黙ってるよ」
「ありがとうございます…ディアッカ先輩」
ニコッと控えめに笑うミナをみて顔を赤くするディアッカ。
「…ディア」
「え?」
「これからそう呼んでくれ。ディアッカってちょっとなげぇし」
「じゃあ…ディア先輩?」
「おう、じゃーな」
振り向かず手を振り、ディアッカは部屋を去っていった。
ディアッカから渡された缶ジュースを開け一口飲む。
絶望の中からほんの少し光が見えた気がしたミナだった。