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次の日、ミナは腰の痛みと闘いながら授業に参加していた。
時々ふぅ…と言いながら腰を叩く姿に、おばあちゃんみたいとキラやカガリにつっこまれ、それをラクスはクスクスと笑っていた。
(これも全部アスランさんのせいだ…)
アスランに対する不信感は日に日に募っていくが、誰にも相談するわけにもいかずミナはモヤモヤしていた。
なんとか全部の授業が終わり、放課後。
今日は生徒会もなかったのでまっすぐ帰ってのんびりしようと思い席を立つと…
「ミナ!生徒会の先輩来てるぞ」
「え、だれ?!」
カガリが大声でミナを呼ぶ。
約束もなかった為驚くミナ。
「たしか…ジュール先輩?」
(イザーク先輩?…どうして…?)
待たせるわけにも行かないのですぐに向かう。
「イザーク先輩、どうしたんですか?教室まで…」
「いきなりすまん。少し話があってな、今から部屋にこれるか?」
「えっと…」
昨日アスランに男に気をつけろと言われたばかりだった。
なぜかはミナにはわからなかったが、他の男と親密にするのがよくないらしい。
返答に困っているとイザークは小声で…
「心配するな、今日はアスランは外に出ている。」
「…!?…な、なんで…」
「困っているんだろう?」
(気づいてくれた…!)
なんでかはわからないが、SOSがちゃんと届いていたことが嬉しく涙が滲んだ。
「お、おい泣くな!話は部屋で聞くから」
「ふぇ…ありがとうございますぅ…」
「防犯カメラは細工をしておくから気にしなくていい、いつでもいいから準備ができたらきてくれ」
「はい…!」
そう言うとイザークはその場を去っていった。
涙を拭い、教室に戻る。
「呼び出し?」
戻るとキラは身を乗り出し聞いてくる。
「うん、ちょっとお話ししてくるだけだけどね」
「最近ミナは生徒会ばかりで私つまりませんわ」
「そろそろ遊びたいよねー?」
口を尖らせて言うラクスにキラも同乗する。
「今色々あって忙しいからね…落ち着いたら私も遊びたいな!」
「約束だぞ!」
カガリがミナの頭を撫でながら言う。
「分かった!」
そして3人に別れを告げ教室を後にする。
(落ち着いたらか…いつ落ち着くんだろう…)
アスランの事がひと段落するのはいったいいつになるのか。
ミナは肩を落としながら自室へと帰っていった。
部屋に戻り、荷物を置くとミナはすぐにイザークの部屋に向かった。
イザークの部屋は1階上である為、すぐに到着した。
ベルを鳴らすと、扉が開きイザークが出てくる。
「急にすまなかったな、入れ」
「お邪魔します。」
中に入ると、大きなテーブルにソファ、テレビが置いてあるリビングらしき部屋に通される。
「相変わらず広いですね…」
「そうか?」
ミナの部屋も1フロアを3人で分けているので広めだが、イザークの部屋はフロア全て貸し切っているだけあってスケールが違う。
「紅茶しかないが…飲むか?」
「あ、ありがとうございます」
イザークはキッチンに行きお茶の用意をする。
ミナは広い部屋にそわそわしながらもソファに腰掛ける。
「ほら」
「いい匂い!いただきます♪」
ミナはすぐに紅茶を飲む。
飲んだことのない紅茶の味がした。
「これ…なんのお茶ですか?」
「普通のカモミールティーだが?」
「へぇ…」
(高いお茶は味も違うのかな?)
ミナはのんきにそんなことを考えていた。
「…で、本題だが…」
イザークは自分の飲んでいたティーカップを置き、ミナを見つめる。
「何があった?」
「はい…えっと…」
ミナはここ数日にあったアスランとのことを全て話した。
イザークは相槌をしながらミナの話を聞いていた。
そんなイザークに安心感を覚え、ミナは話しながらも涙が止まらなかった。
「…というわけなんです」
「そうか…よく我慢したな?」
イザークは微笑みながらミナの頭を優しく撫でる。
イザークの手からは暖かさとくすぐったさを感じた。
「アスランさんのこと…嫌いじゃないし、尊敬もしてるんです…でも、こういうのはやっぱり違うと思うんです」
「そうだな…まぁ、アスランの気持ちもわからなくはないが…」
「え…?」
呟くように言ったイザークの声がよく聞こえず、きき返そうとしたその時だった。
ガシャンッ!!!
ミナの持っていたティーカップが手から離れ落ちる。
しまった!と思い拾おうとしたが、体が動かしづらい…
「え…なに、これ…?」
「効いてきたみたいだな」
イザークが不気味な笑みを浮かべる。
割れたティーカップはイザークが片付けていた。
「イザーク先輩!なんですかこれ…どういうことですか!?」
「教えてやろう…」
イザークは割れたティーカップをテーブルに置き、こちらを見る。
「さっきの茶に薬を混ぜたんだ。痺れ薬と媚薬を少々な」
「…なっ!!」
味が変だと思ったのはこのせいだったのか…
それになんとなく体の奥が熱くなっているのは感じていた。
「な…なんでそんなことするんですか…!!私帰ります…!!」
ここにいては危ないと思い、動かぬ足を必死に動かしていると…
「きゃあっ」
体が言うことを聞いてくれず、前に倒れこむ。
「無理はするな、それでどうやって帰るつもりだ?」
イザークは笑いながら言う。
あぁ、どうして…
彼を信じてしまったんだろう…