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休日はあっという間にすぎ、今日からまた学校である。
憂鬱だった…なぜなら今日は生徒会があるからだ。
嫌でもアスランに会う日…
どんな顔をして会えばいいのか悩んでいた。
考えてても仕方がないので、支度をし学校に向かう。
授業は何事もなく終わり、あっという間に放課後になる。
こういう時に限って時間の流れが早く感じる。
なかなか動けず机に突っ伏していると
「ミナ?どうしたの?」
「キラくん…」
「なんか今日1日元気なかったよね?悩み事?」
「うーん…」
『誰にも話すな?いいな?』
そう言われた以上誰にも話すわけにはいかない。
相談したい気持ちを抑え
「ちょっと昨日眠れなくて…でも大丈夫!今ちょっと寝れたから」
「そう?無理はしないでね」
「ありがとう…キラくん」
嘘をついた罪悪感を抱えながら教室を後にし、生徒会室へと向かう。
足取りがどんどん重くなる。
が、そろそろ集合しなくてはいけない時間になってしまう。
不本意だが、少し急ぐ。
エレベーターに乗り込み、心を落ち着かせる。
(大丈夫…みんなの前ではアスランさん普通だよ、きっと)
ポンっ
エレベーターが到着する。
生徒会室の扉を開けるともうみんな集合していた。
「すみません!!遅くなりました…!!」
「そんなことないですよ?ミナ」
ニコルはにこやかに答える。
実際時間は遅れていなかったが、みんなを待たせてしまっている為謝ってしまった。
「気にするな、全員今来たばかりだ」
「あ、イザーク先輩!帰られてたんですね!」
そういいイザークに駆け寄る。
イザークはミナに軽く微笑む。
「あぁ、1週間の予定だったからな」
「おかえりなさい!」
「お土産はないんだとよ!つまんねぇなぁ」
「当たり前だ!!遊びじゃないんだぞ」
2人の会話に思わず笑うミナ。
ニコルも2人の後ろで笑っていた。
その奥には…
「もう始めたいんだが?」
アスランがいた。
開始時間になったので少し怒っているようだった。
「あ…ごめんなさいっ!すぐ準備します…」
少しバタバタはしたが、その後会議は順調に進み話はまとまったようであった。
「では今回の会議の内容は次回の総会で発表する。ミナ、資料まとめておいてくれ」
「は、はい!」
「よし、じゃあ会議はここまでにする」
思ったより順調に進み、ふぅっと息を吐く。
早く片付けて帰ろうと動き出すと…
「そういえばミナ!3日前の夜ってどこか行ってたのか?」
「…え!?」
ディアッカが尋ねる。
3日前の夜とはアスランと生徒会室でしたあの夜である。
「いやー…お前の部屋に行ったんだけどいなかったからさ」
「貴様!!夜に女の部屋で何をしようとしてたんだっ!!」
「何って、寝込み襲うとか?」
「貴様ァ!!!」
イザークがディアッカに殴りかかろうとしていた。
「ち、違うんです!ディアッカ先輩とはよくトランプとかして遊んでるんです!」
「何をしてるんだお前たちは…」
ミナが間に入ると少し静かになるイザーク。
「僕もたまに一緒にやりますよ!案外楽しいんですよね!」
「んで!!どこ行ってたんだ?」
話が変わりそうになったのをディアッカが戻す。
他の2人も気になるのかミナに注目する。
(ど、どうしよう…)
ミナがあわあわしているとアスランがミナの後ろ側に立ち、
「ディアッカすまない。その日はミナに仕事を頼んでいたんだ」
「…!!」
アスランが入ってくれるとは思わず目を見開くミナ。
だがバレてはいけないと思い後に続く。
「そ、そうなんです!だから生徒会室にいました!」
「それはわかったけどなんでミナなんだよ。他は誰も呼ばれてないんだろ?」
「今後の学校生活について女生徒の意見を聞きたかったんだよ、これで文句ないだろ?」
アスランはそういうと誰にも見られないようにそっとミナの背中を触る。
くすぐったくて体を動かしたくなったが必死に我慢する。
「まぁいいけどさ、今夜は空いてるんだろ?
この間の続きしようぜ!」
「は、はい…!」
話が終わるとアスランが離れていき、他のみんなも帰り支度を始める。
とりあえずもう追求されないと思いミナは安心する。
「ミナ!」
「はい?」
生徒会室を出た所でイザークに話しかけられる。
「俺のいない間、問題なかったか?」
「…?はい、何もありませんでしたよ?」
何のことを聞かれたか正直わからなかったが、とりあえずそう答えた。
実際は大変だったが…
(イザーク先輩に話したら…助けてくれるんだろうな…)
アスランもよく気にかけてくれたが、イザークも同じくらいミナを気にかけていた。
イザークはミナが2番目に心を開いた人物だった。
いつも人に厳しいイザークだったがミナには甘く、イザークが暴走した時にはミナに仲裁に入ってもらうことも多い。
「よかった…」
「イザーク先輩はどうでした?外交に付き添われるなんてすごいですよね!」
「大したことはない、俺はついていただけだったからな。」
「でも、普通の人は体験できませんよ…」
イザークにとってはこれが普通なのだろうが、
ミナには次元が違う話だ。
「そんなことより、少し聞きたいんだが…おととい街にいなかったか?」
「え…!?」
確かにおとといは街にいた。
アスランと。
でもそれを話すことは禁じられている。
「実は1日帰るのが早くなってな。
おととい帰ってきたんだが、帰ってる途中街で似たものをみつけてな。」
「そうだったんですか…見間違いじゃないですかね?私ずっと寮にいましたし…」
「そうか?アスランに似たヤツもいたんだけどな」
「……」
何も言えない…
言ったら何をされるかわからない…
アスランに急に抱き寄せられた時、なんでそんなことしたのかわからなかったが、もしかしたらアスランも気づいていたのかもしれない。
「まぁいい…呼び止めて悪かったな。」
「あの、イザーク先輩…」
立ち去ろうとするイザークの制服の裾を思わず掴む。
イザークも不思議そうにミナを見つめる。
「あ…」
つい止めてしまった…
が、やはり全てを話すわけにもいかず
「ごめんなさい…なんでもないんです」
そういうとミナは、エレベーターではなく階段の方に向かい降りていく。
「なんだったんだ…?」
イザークはその行動の真意がわからぬまま立ち尽くしていた。