Form of love
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なんてことのない普通の日に彼女はやってきた。
理事長が連れてきた少女。
目には生気がなく、表情もない。
今にも壊れそうなほど脆い。
触ったら崩れてしまいそうだった。
が、何故か心奪われるものがあった。
彼女は自分から話す。
『あの…ご迷惑をおかけします…』
鈴が鳴るような、消え入りそうな声だった。
もっと聞きたくて話しかける。
『迷惑だなんて思っていないさ、立っているのもなんだからそこに座ってくれ』
彼女は遠慮がちにソファに腰掛ける。
下を向きうつむきながら彼女は言う。
『あの…お名前は…?』
『あぁ、すまない。アスラン・ザラだ』
彼女は少し考え
『よろしくお願いします、ザラ先輩…』
と俺の名を呼んだ。
だがしっくりこない。
彼女を手懐けたい。
そんな心が出てきた。
この脆い少女の笑う顔をみたい。
それと同時に絶望した泣き顔が見たくなった。
自分でもそれが醜い心だとわかっているが、
もう止められなかった。
『うーん…そのザラ先輩というのは少し好きじゃないな』
『え…?』
彼女は不安そうに俺を見つめる。
その表情にドキッとした。
『俺はミナの…家族みたいな存在になりたいと思っている…迷惑か?』
『い…いえ!そんな…』
今度は焦るような表情。
コロコロ変わる表情がいちいち可愛く面白い。
『なら俺のことはアスランと呼んでくれ』
『えっと…じゃあ…アスラン先輩?』
『ん?』
もう少しだ…もう少し近づきたい。
俺は眉をひそめ困った顔をする。
ミナも困り顔をしている…可愛かった。
『アスラン…さん?』
まぁここが限界だろう…
とりあえずそれで許すことにする。
…あとで無理やり言わせればいい。
『まぁ、それでいいか…よろしくミナ」
そう言いミナの頭を撫でた。
ミナは驚いた顔をしていたが少し微笑んだ…ような気がする。
それから俺はなんでもした。
他のヤツらがやると言ったが、学校の案内、説明も…
自分の近くにおきたい為生徒会にも迎え入れた。
困っていそうな時には声をかけ助けたし、2人きりになりたくて街にも連れ出した。
そうしているうちに彼女はどんどん元気になっていく。
笑顔が増え、嬉しそうに俺の後をついてくる。
なんて可愛いんだろう…
そしてこのか弱い少女が再び絶望を見た時、どんな表情をするのだろう…
楽しみで仕方がない。
初めて抱いた時のことは忘れられない。
彼女は泣きながらやめるように懇願してきた。
それがたまらなくそそる。
そんな顔をみたかった。
もっと見せて欲しい…俺のものにしたい。
これからは好きな時に彼女を抱いていいのかと思うと胸が踊った。
明日はまた会える…
楽しみだ。
あぁ…俺はこんなにもミナを愛していたのか…
しかし少し気がかりなことがある。
このことがバレてしまえば、必ず動く人間がいるということだ……
とりあえずミナには口止めしたが時間の問題だろう。
だが今回は…いや、今回も負ける気はしない。
必ずミナは俺が手に入れる……