セラムン夢
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週末、玲花と夜天は猫のトリミングを行う為ペットショップに来ていた。
玲花は夜天の猫と会うと、すぐに夜天に「抱っこしていい?」と聞き、肯定が返ってきた瞬間、即座に抱き上げた。
……それから15分が経つ。
「本当にかわいい猫ちゃんだね♩」
「あのさぁ……そろそろ返してくれない!?トリマーに渡したいんだけど!」
「えー!」
夜天に猫を取り上げられ、猫のトリミングが始まった。
綺麗に洗われかわいい洋服を着せられた猫をみて玲花は内心、何もきてない方が可愛いのに……と思ったが、夜天が良いというなら仕方ない。
一方ペットショップ店外では……
「あーあ……また変なカッコさせられて……」
「ドローンとした目ぇ。すっかり恋人気分じゃない。」
うさぎと美奈子がルナと夜天を凝視しながら、そう呟く。
行方不明になっていた黒猫・ルナの飼い主であるうさぎは、玲花と同じくTVをみてルナが夜天のところにいると判明し、こうして仲間たちと尾行していたのである。
「恋人と言えば……なんで玲花ちゃんが夜天くんと一緒にいるの!?」
「まさか……付き合ってる!?」
レイと亜美の言葉に、美菜子は倒れかける。
それを支えるまことだが……
「でもあんな美男美女の2人が付き合ってたら……こっちはなにも言えないよねぇ。」
「ほんとよねぇ……あーあ!夜天くんみたいな美男子と付き合えるなんて本当羨ましい人生だわー!」
……美奈子がそう叫んでいたところで中に動きがあった。
「夜天くぅん!夜天くんもここ使ってるんだぁ?」
その声に2人は振り向く。
そこにはヒマラヤンを抱いたアイドルの岡町典子がいた。
「ふふふ!やっだー!夜天くんの猫のドレス、かわいいー!中身は全然負けてたりしてぇ?」
「……え?今なんて?」
猫を馬鹿にされて玲花は黙っていられなくなりつい聞き返してしまった。
するとのりこはこちらに気づき、猫撫で声で話しかけてくる。
「あっれー?HIKARIちゃんじゃない?もしかしてぇ、2人は付き合ってるとかー?」
「別に、そんなんじゃないし。」
夜天は不機嫌そうに言い返す。
「そうよねー?だってのりここの前はじめて知ったんだもーん。……夜天くん、ホモなんでしょ?」
典子の明らかに悪意がある言い方に、言っている意味がわからなかったが玲花でも夜天を馬鹿にしていることがわかった。
「ちょっと!さっきから……」
文句の一つでも言おうと思ったが、それは夜天の抱いていた黒猫により阻止された。
典子はやり返そうとしており、それを止める為前に出ようとしたところで激しい照明の光が差してきた。
その照明は銀河テレビの取材のものだった。
典子と夜天は付き合ってるのかだとか、スクープ目当てでやってきたらしい。
夜天はくだらないと言って、玲花の手を掴み店の外へ出て行った。
「夜天大丈夫?好き勝手言われてたけど……」
「はぁ……別にどうでもいいよ、あんなの。……結構多いんだよ、好き勝手言って盛り上がってるやつら……玲花はそういうのあんまり聞かないんだろうけど……気をつけたほうがいいよ。」
「うん……」
そう返事をした後、ふと繋がれた手を見る。
男性と手を繋ぐことに耐性のない玲花は、急に顔が熱くなるのを感じた。
「そ、その……そろそろ手を……」
「…っ!…… 玲花がなかなか来ないから僕がこうして連れてこなきゃいけなかったんだから!」
「なっ!わ、私だっ……」
「きゃー!!」
反論しようと思っていたところで、典子らしき悲鳴が店内から聞こえてきた。
「なに……?今の悲鳴……」
「玲花はここで待ってて!」
「あ、夜天くん!」
夜天は猫を玲花に託し、また店内へと戻って行ってしまう。
(ま、まさか……)
夜天からは待て、と言われたが、胸騒ぎのした玲花は後を追いついていった。
先ほど自分達がいた部屋の近くまでたどり着くと、夜天は壁の影に隠れ様子を見ていた。
(夜天……?)
何かしようとしているのか…… 玲花も様子を見ていると夜天はやーめたっ、といいしゃがみ込んでしまった。
「だめなんだよ……なにをしてもだめなんだっ……あの方がみつからないかぎり!宇宙は……おしまいなんだ……」
どう声をかけていいかわからぬまま固まっていると、猫が部屋の中に入っていき慌てて玲花も部屋の中を見る。
すると、猫は白いコスチュームをきた敵であろう人に飛び乗り攻撃していた。
(猫ちゃん……あの人を守る為に……)
……が、敵につかまり……ビームを受け、ガラスを突き破り床に叩きつけられてしまった。
「猫ちゃ……」
「し!静かに!」
玲花の口を押さえ、小声でそう伝える、
玲花は小さく頷くと、見つからないように猫の元へ向かった。
そして猫を拾い上げ、典子の方を見るとさっきまで輝いていたスターシードが暗く染まってしまった。
(あ、この感覚……またあの化け物が現れる……)
玲花にはファージが現れる感覚がわかる。
今までも何度も感じていた。
しかし、最初のアリス以降この感覚を感じても怖くて逃げてしまっていた。
「とにかくここを離れよう。」
「う、うん……」
震える玲花の手を取り、非常口から店の外を出た。
猫は気を失っているだけで、おそらく命には別状はなさそうだった。
夜天がそっと猫を置く。
(猫ちゃんは……小さい体で立ち向かっていたのに……私はそれでいいの?苦しむ人がいるってわかっているのに、怖いからって逃げていいの?…………そんなの、いいわけがない。)
「夜天……猫ちゃんをお願い。」
「ちょっと!玲花!!」
夜天の静止も聞かず、私は店内へと戻っていく。
(今度は……私が守る!!)
人目のつかないところまできたところで、玲花はブローチを取り出し唱えた。
「フレアスターパワー!メイクアップ!」
もう逃げない。そう決意して。
一方夜天もまた立ち上がった。
友達であろう白猫に大切な猫を託し……走り出す。
(フレアも戦おうとしてる……戦うのが僕らのさだめなら、戦うしかないのか……あの人に会えるのが、まだ遠くても。)
「ヒーラースターパワー!メイクアップ!」
ヒーラーもまた、変身した。